身体疾患とうつ病
身体疾患になったとき、
たとえ虫歯でも、うつ気分になりやすい。
ましてや、脳卒中など、命にかかわり、障害が残るような病気の場合には、うつ病になりやすい。
人生を深刻に振り返ったりするものだ。
一方、脳梗塞の場合には、脳の特定部分での梗塞が、うつ病の発症と関係があるのではないかと議論された時期がある。最近の動向については、よく分からない。
つまり、単に心理的な理由で落ち込んでいるのではなく、
脳の一部が障害された結果、「器質性のうつ病」になっているのではないかとの指摘である。
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心筋梗塞の後で、うつ病を併発すると、死亡率が高くなる。
これはひとつは、うつ病になって、生きる気力がなくなるということもあるが、
もうひとつには、セロトニンが怪しいといわれている。
血小板は血液の凝固に関係しているのだが、
セロトニンは血小板の中で大事な働きをしている。
そんなこともあって、心筋梗塞を起こした患者さんの場合でうつ病があったら、
ほかの抗うつ剤よりもSSRIがよいと言われる。
うつを治すと同時に、血小板のセロトニン系に効くらしい。
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この図にあるように、
うつ病で自律神経失調状態になるので、不整脈が起こりやすい、また、脱水が起こりやすいなどから、再度の梗塞が起こりやすくなる。
血小板機能の亢進にはセロトニンがからんでいるかどうか、よく分からない。