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マウスの脳で情報をやりとりする神経回路を、餌を変えるだけで切ったりつなげたりすることに米マサチューセッツ工科大の利根川進(とねがわ・すすむ)教授らが成功し、24日付米科学誌サイエンス電子版に発表した。
神経回路のオンオフを生きたまま自在に操作できたのは世界で初めて。記憶や学習をつかさどる脳のネットワークを解明する有力な研究手法になるという。
チームは、打者を自在に操る米大リーグ・レッドソックスの松坂大輔(まつざか・だいすけ)投手のニックネームから「DICE-K」法と名付けた。
チームは、破傷風の毒素の遺伝子をマウスに組み込み、特定の神経細胞だけで働くようにした。毒素が作られると、神経細胞から伝達物質が放出されず、回路が遮断される。餌に抗生物質を混ぜると毒素が抑えられて回路は復活。餌から抗生物質を除くと、再び回路が遮断されるという。
チームはこの手法で脳の「海馬」という部位の神経回路を操作できるマウスを作成。海馬にある回路の1つを遮断すると、初めての環境を素早く覚える記憶に障害が出る一方、繰り返し起きる出来事の記憶には変化がないことを突き止めた。
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