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副作用が出ないように調整

fig01.gif

青い枠を「治療窓」などと呼んでいて、
その範囲内に薬剤量を調整すればいい。
therapeutic window(有効血中濃度域)という。


赤い線がなだらかなほうが
調節はしやすいわけだ。

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ヒト生体において抗精神病薬が脳内ドーパミン受容体を占拠する率 をPET(Positron Emission Tomography)等で調べると、約70%の占拠率で十分だとわかりました。 占拠率をそれ以上高めても効果は出ず、逆に錐体外路系の副作用が出てきてしまうのです。

抗精神病薬の効果をD2受容体占拠率で見ますと、抗精神病効果が得られる閾値(約70%)と錐体外路症状を惹起する閾値(約75~80%)は非常に接近していて、これが定型抗精神病薬の使い難さをもたらしていました。しかし、非定型抗精神病薬の薬理特性は見かけ上、両者の閾値の差を広げる効果をもたらすので、使いやすくなったのです。

非定型薬の中でも、それぞれの薬にある程度の特徴はあり、これを理解して処方することが必要です。非定型薬に関して使っていくうちに少しずつ感じた違いは、次の通りです。

リスペリドンとルーランはSDA系の薬で、同じカテゴリーなのですが、ルーランは管理の困難な強い副作用が出にくいようです。特に錐体外路症状ですね。また、必ずしも全員ではありませんが、不安・抑うつ的な色彩を持っている人に、効果的な場合がある。それがセロトニン1A受容体への部分アゴニスト作用に基づくのかどうかは今のところわかりません。鎮静作用はオランザピンやクエチアピンのほうが強いと思います。それがメリットである場合と、デメリットである場合があるのですが、そこは患者さんの特性に応じて使い分けていくということ、それが現時点での大まかな位置づけかと思います。

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