持続性性喚起症候群―Permanent Sexual Arousal Syndrome(PSAS)
1日に200回オーガズムに達する24才英女性
サロンに勤める24歳の美容師。サラは一日になんと200回のオーガズムを得るといいます。セックスばかりからではありません。ドライヤーのもたらす僅かな振動、コピー機の小さな唸りから彼女はいとも容易く絶頂に達し、起きている時間ほぼ全てにわたってオーガズムの津波に翻弄されているといった状態。
[ ソース ]
HEAVEN(JP) 2007年11月8日
一日に200回オーガズムを迎える英女性―持続性性喚起症候群
NEWS OF THE WORLD(EN) Nov 3, 2007
I have 200 orgasms every day...
40分にわたるサラへのインタビューのなかで、彼女は4回オーガズムを得たと告白します。
彼女の症状は、「持続性性喚起症候群―Permanent Sexual Arousal Syndrome(PSAS)」。2001年に初めて報告されましたが、いまだ医学的な説明はなされていません。骨盤付近におこった炎症がクリトリスの神経を刺激している、また精神科においては、患者が心理的に危機的状況に陥っていることをあらわす徴候の一形態だと説明する医師もいます。以下はサラへのインタビューです。
「薬をのみはじめてから、だったと思うわ。何週間かしたら、すごく感じやすくなってて、こうやって日常いるあいだでもオーガズムを感じるようになったの。
始まりは彼氏とのベッド。セックスが終わってもずっといき続ける私を見て、びっくりしてたわね。それからは、なにかでセックスを連想するたびにオーガズムを感じるようになって、半年たたないうちに、一日あたり150回ぐらい、多いときには200回くらいオーガズムがあったかしら」
サラはサロンで美容師として働いています。サラが語るようにオーガズムのきっかけは妄想以外にも、ドライヤーなどの僅かな振動も彼女の体を苛みました。
「咳をしてトイレに駆け込むの。すると他の女の子たちが私のお客さんにお茶とか雑誌をもっていってくれるのね。よく来てくれるお客さんは私のこと知っててくれるけど、新しいお客さんにはうまく説明できないわ。
たとえば脱毛にかかっているとき。思いっきり集中しなきゃなんないんだけど、そんなときにいったとする。ガクガクする足を踏んばって、声が漏れそうになるのを必死にこらえるのよ。たまんないでしょ」
サラの友人はサラがラッキーな女の子だと評します。普通の女性にしてみれば一年のあいだに得るオーガズムをサラはたった一日で得てしまうのですから。しかし、サラはこの体質のおかげで男性とも長続きしないと述べます。
「相手がベッドに横たわって私を待ってるとするでしょ。抱く以前に触れるか触れないかのところで私がいくの。もう後は相手は何もしなくてもいいのよ。そんなのってアリ?」
自分が色情狂、ニンフォマニアかもしれないと思った彼女は、常用的な性に悩んでいる人々の集まりに参加したこともあったそうです。しかしそこで聞いた話や症状は自分とはまったくちがうものでした。サラがオーガズムを得るのにセックスは必要条件ではないのです。
「とにかく私の場合、抑鬱剤をのんだことが発症のきっかけになったのね。それでいろいろ調べてたら、同じように抑鬱剤をのんでPSASになった女の子のレポートを見つけたの。でも残念ながらそこまで。治療法は見つかってないみたい」
サラは、インタビューのあいだ、ときおり声を裏返すと言葉を途切れさせ、軽く咳払いをし、誤魔化します。咳払いはすでに気まずさを隠す習慣になっているのかもしれません。
「でもね、毎日こんなにたくさん感じられて幸せかなって思うこともあるんだ。どこからともなくやって来て、私を通り過ぎていく風みたいなものだけどね」
SSRIの副作用について
SSRIの副作用として、
眠気、めまい、胃もたれ、下痢・便秘などが代表的である。
脳内のセロトニンに作用すれば、眠気やめまいも起こるだろうし、
胃腸に分布する神経に作用すれば、胃もたれ、下痢、便秘が起こるだろう。
それはそうだけれど、
SSRIを始めるときにも起こり、
急に止めたときにも起こる。
これがおかしい。
仕事が忙しくて来院できず、仕方なく何日か薬を中止したりすると、
薬剤の血中濃度が急激に低下するので、反応が起こる。
ゆっくり計画的に減量していけば、何も起こらない。
これは、急に止めたときの症状の話。
たとえば、始めた時は便秘で、やめたときは下痢とか、反対の症状なら、分かりやすい。
始めた時は眠気が強くて、急に止めると不眠になるとか。
でも、胃もたれは、始めた時も急にやめたときもおなじ胃もたれだ。
めまいも、右回りと左回りで違うわけではない。
なぜなんだろう。
セロトニンが急に増えるのと急に減るのでは、
やはり逆の反応が起こるはずだと思う。
そう考えると、セロトニンを介した直接の作用ではなく、
薬剤の変動に対しての、生体側の反応が、吐き気やめまいなのかと思う。
眠気、めまい、胃もたれ、吐き気というと、つわりみたいだ。
体を守るときに起こる一般的な反応なのかもしれない。
だから、正確には、SSRIによる副作用という言い方ではない方がいいかもしれないのだが。
わたし、うつなんです 言葉の問題
そもそもの話、
患者さんが「わたし、うつじゃないでしょうか」と言い、
お医者さかんが「うつですね」という時、
おたがいの「うつ」が何を意味しているか、
かなり、怪しいところがある。
日常日本語で「うつ」が生のままで使われることは少ないと思う。
たとえば、他人に、「あなたはうつです」と言ったら、
かなりきつい人だと思われるだろう。
*****
二つ重ねて
うつうつとしている
ゆううつと漢語の形で
ゆううつな雨
やや変形であるが、
うっとおしい
語源としては
うつろ(虚ろ) などと通じている。
一般的な語感では、
うつは、「萎れた葉っぱ、枯れた枝」、みたいな感じだろうか。
元気がなくてぐったりしている。
最近話題になる、自殺の傾向については、
「死にたいと悩んでいる人」を「うつ」と日本語で表現してきたとも思わない。
わたしの感覚だと、うつは、萎れた葉っぱ、そんな感じだ。
専門用語としては、
制止と憂うつ、不安を主徴とし、睡眠障害や食欲変化を伴うものとして従来使われ、
不安焦燥を含むので、イライラして怒りっぽいうつとか、そんな言い方もあった。
最近は、
制止、憂うつ、興味喪失、喜び喪失などをうつといい、
不安は一応分離してみたりしている。
不安とうつを内省して分離描写できる人は多くはないと思う。
心療内科の診察室だから、あいまいながら、そんな言葉を使うだけなのだろう。
*****
言葉の意味の輪郭自体の問題がひとつ、
もうひとつは、
津田先生の論文にもあったが、
現時点で「うつ」におおわれている心が語る言葉であるということ。
さらに、現在では、うつという言葉の意味の拡散が顕著になっていて、
それぞれの人の意味するところがかなり違っていたりする。
たとえば、その人はどんな業界の人なのかとか、
そんなことも参考になる。
高校生がプチうつという。
いろいろあって、「わたし、うつみたいなんです」と言われても、
すぐに医学の言葉に翻訳はできない。
*****
さらに困った事情がある。
頭が痛いという人について、心身症だと判断して、母親との関係が問題だなと見立てをする。
それは何となく分かりやすい段取りである。
わたしはうつだと言う人について、「うつだという言明」を抽出するのであるが、
その言明を「頭痛がするという言明」と等価のものとして出発していいかどうか。
疑いがある。