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リチウムとサーカディアンリズム

躁うつ病の治療に用いるリチウムのターゲットが明らかになった
Science

24時間周期のサーカディアンリズムはすべての生物にそなわり,哺乳類では多くの行動や身体的機能に関する制御因子である。
この異常はがんや精神病など多くの病気を引きおこし,とくに双極性障害(躁うつ病)とは深くかかわっている。
双極性障害の治療に一般的に用いられているリチウムは,グリコーゲン合成酵素リン酸化酵素(GSK3)の阻害剤で,
GSK3はいくつかの生物種でサーカディアンリズムを制御している。
中心時計は視床下部の視交叉上核に存在し,さまざまな時計遺伝子の互いに関連した転写フィードバックによってサーカディアンリズムがつくられ,維持される。

アメリカ,ペンシルバニア大学のイン博士らは培養細胞を用いた実験で,概日時計の負のフィードバックに必要な核内レセプター「Rev-erbα」が,GSK3βによってリン酸化されることで安定化することを発見した。細胞にリチウムを投与すると,Rev-erbαは急速にプロテアソーム分解されてその量とはたらきが失われ,Bmal1とよばれる時計遺伝子が活性化された。
リチウムに反応しないタイプのRev-erbαは,概日遺伝子の発現を抑制した。
すなわち,Rev-erbαタンパクの安定性をコントロールすることが体内時計にとって重要であり,リチウム療法のターゲットであることが明らかになったと博士らはのべている。

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これはナイス!よい知らせ。



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ヘルペスウイルスは,細菌を防ぐ

体内にいるヘルペスウイルスは,細菌を防ぐ役目を果たしているようだ
nature

ヒトは大体,子供のときにヘルペスウイルスに感染する。
その後,このウイルスは「潜伏」とよばれる“冬眠”状態に入る。潜伏はヒトの一生涯つづく。
つまり,ヒトはいつふたたびはたらきだすかわからないウイルスを,つねに体の中にもっているということになる。
このため,ウイルスの潜伏については,これまで不利な点ばかりが取り上げられてきた。
アメリカ,ワシントン医科大学のバートン博士らは,ヒトのヘルペスウイルスと遺伝的に近いウイルスにマウスを潜伏感染させることによって,ヘルペスウイルスの潜伏が利益をもたらすことを明らかにした。
潜伏感染したマウスでは,病気をもたらす細菌であるリステリア菌とペスト菌に感染しなかったという。
潜伏感染していたことで,細菌を防ぐ免疫系の物質や細胞が,すでに体内ではたらいていたらしいのである。
今回の研究で,ヘルペスウイルスの潜伏が,ヒトにとって不利なばかりでなく,利益をもたらすことが明らかになった,と博士らはのべている。

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「なぜ病気はあるか」という翻訳書があり、
原書は手元にもあるのだが、
面倒なので翻訳を一読したところ、あまりにもつまらなく、翻訳も悪く、なにも得るところがなかった。

ネタとしては、上記のようなことが並んでいる。

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さて、上の記事の内容であるが、これを利益といえるだろうか?
まともな免疫系があればそれでいいことなのではないか?
ある種の細菌に関してあらかじめ防御するというのは、
どうもやりすぎのように思われる。

ペスト菌という致命的な菌から命を守るという点で利益なのか、やはり。



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