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頭痛もちの女性はうつ病になりやすい

頭痛もちの女性はうつ病になりやすい 
 
   米国では推定1,800万人の女性が頭痛もちであるが、慢性頭痛の女性はうつ病のリスクが高いとの研究結果が、米医学誌「Neurology」1月9日号に掲載された。

 この研究は、米国5州の頭痛外来を訪れた女性患者1,032人を対象に実施されたもの。このうち593人が月15回未満、439人が月15回以上の頭痛があると申告しており、対象者の90%が片頭痛と診断された。

 慢性的な頭痛のある患者では、時々頭痛のある患者に比べ、大うつ病の症状を訴える確率が4倍高かったほか、低エネルギー、睡眠障害、吐き気、めまい、性交痛ないし性交困難のほか、腹部、腰、腕、脚、関節の痛みなど、頭痛に関連する症状を訴える確率が3倍高かった。

 研究を行った米Toledo大学(オハイオ州)のGretchen Tietjen博士によると、慢性頭痛患者にみられる痛みを伴う身体症状は、大うつ病の原因となることもあれば、それ自体が大うつ病の徴候であることもあるという。

 生活に支障を来す重度の片頭痛と診断された女性患者が、別の重篤な症状を併せて訴えた場合、大うつ病リスクは32倍であった。「片頭痛とうつ病を結びつけるものが何であれ、うつ病のような精神疾患は頭痛の管理を困難にするものであり、経過を悪化させるものである」とTietjen博士は述べている。
 
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性交痛ないし性交困難なんていうのも聞きますか?
うつと関係あると言えばある。確かに。
片頭痛と性交痛・性交困難は関係あるだろうか?



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男児の女性乳房化の原因はラベンダー油

男児の女性乳房化の原因はラベンダー油 
 
   ラベンダーなどの精油を含有する製品の使用によって、男児の乳房成長が生じるという知見が、米医学誌「New England Journal of Medicine」2月1日号に掲載された。この研究は、昨年(2006年)6月にボストンで開催された米国内分泌学会年次集会で報告されたもの。

 米コロラド大学小児内分泌科医のClifford Bloch博士は、10歳、7歳、4歳の男児3例の女性化乳房という珍しい症例に遭遇した。ほかには何ら異常は認められなかったが、3人にはラベンダーまたはティーツリーの精油を含む製品を使用しているという共通点があった。3人が使っていたのは、ヒーリングバーム(癒し用香油)、ローションと石鹸、シャンプーとヘアスタイリングジェルであった。

 Bloch氏とともにこの症例を検討した米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のKenneth Korach氏らは、精油が乳房の成長を刺激する女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用をもたらすのか、それとも乳房の成長を抑制する男性ホルモンであるアンドロゲンを阻害するのかを確かめるため、ヒト細胞を精油に曝露させる実験を行った。その結果、精油は男性ホルモンと女性ホルモンの両方に影響を及ぼし、独特の内分泌(ホルモン)撹乱作用をもたらすことが明らかになった。

 精油を含む製品の使用を中止すると、男児らの乳房は正常に戻ったという。皮膚や髪につける製品が原因でこのような異常が発生する頻度について、Korach氏は「比較的珍しい症状であると思われる」としているが、Bloch氏は「よくみられるものではないが、皆が思うほど珍しいものでもない。女児で同様の現象を見たことがある」と述べている。

 Korach氏は、この経験によって、数年前に発表された死体防腐処理者の成人男性に乳房成長が生じた症例を思い出したという。この患者は男児らが使用した精油と化学的に同族の物質を含む防腐液を使用しており、ゴム手袋を使用していなかった。
 
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一体どれだけ使ったものだろう。



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難聴が次世代の大きな問題に

難聴が次世代の大きな問題に 
 
   ベビーブーム世代とその子供世代が、時代と生活様式に起因すると思われるある疾患に直面している。AP通信によると、サンフランシスコで開催された米国科学振興協会(AAAS)年次集会で、2050年までに5,000万人もの米国人が聴覚損失(難聴)になる可能性があるという見解を聴覚専門家らが示した。

 Silicon Speech(カリフォルニア州)のSteven Greenberg氏によると、若者の難聴罹患率はすでに親や祖父母の世代の2.5倍であることが研究で示されているという。

 米スタンフォード大学(カリフォルニア州)のStefan Heller氏は、大音量の音楽と騒々しい環境の2つが主な原因であると述べている。損傷された聴覚細胞の復元については、研究室レベルでの幹細胞研究である程度の成功が得られているものの、絶対的な突破口にはなっておらず、「長い道のりを要す」とのこと。
 
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書き出すことが癌(がん)患者を癒す 日記療法

書き出すことが癌(がん)患者を癒す 
 
   癌(がん)の診断を受けた人の多くは、サポート団体、心理療法、抗うつ薬などに頼って疾患のもたらす恐怖や困難と闘っているが、紙とペンを用いて心の奥深く存在する思考や感情を書き出すことが、精神と身体の両面に多大な向上をもたらすという。この方法は「筆記表出」または「日記療法」と呼ばれ、徐々に広まりつつある治療法である。

 米ダナ・ファーバーDana Farber癌研究所(ボストン)のSusan Bauer-Wu氏によると、初めはこの治療に乗り気でなかった人も、やってみてその効果に驚くことが多いという。日記療法では、患者の望むことや恐れていることを思いつくまま何でも自由に書き出すように促す。主に悩みやストレスを中心に、句読点や単語などを気にせずに書き、すでに書いたことにも自由に書き足すよう勧める。その結果、一種のカタルシス(浄化)が生じ、内面に抑え込まれていた問題が表出して気持ちを整理することができるという。

 米エモリー大学(アトランタ)のRobin Fivush氏は、この治療では単に感情を表出するだけではなく、それを反すうするのだと説明している。この治療で最も効果のあった人では、「気付いた」「理解した」「今わかった」というような「認知過程」の言葉が多く使用されているという。このような自己洞察が、癌その他の疾患の対処に有用であることが、数々の研究により示されている。

 Bauer-Wu氏は、乳癌や他の癌の患者について日記療法の効果を追跡する3研究を実施した。従来のプログラムでは1日30分の筆記作業を4日行うが、癌患者ではもっと多くの時間が必要だとして、1カ月後、さらにその1カ月後に30分4日間の筆記作業を繰り返した。筆記には紙とペンまたはコンピューターを利用。意外にもコンピューターに熟達した若者でも約半数は手書きを選んだ。3研究に共通する結果の1つとして、患者の医療利用率が減少し、身体症状も軽減し対処も上手くできるようになった。

 この治療は、思春期前の小児にはあまり効果がなく、孤独好きで引っ込み思案な患者に最も効果的で、話し好きでない人にはサポート団体よりも適しているという。Fivush氏によると、この治療は特に読み手を想定しておらず、重要なのは書くという行為そのもので、費用がかからないことも利点だという。
 
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「筆記表出」または「日記療法」
手書き
重要なのは書くという行為そのもの

なるほど、そうか。



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歯磨きがてんかん発作の引き金になったケース

歯磨きがてんかん発作の引き金になったケース 
 
   てんかん患者の中には、歯磨きによる特定の脳領域への刺激が引き金となって発作を起こす人のいることが、オーストラリアの研究で明らかになり、米医学誌「Neurology」3月6日号で報告された。

 メルボルン大学St. Vincent's病院のWendyl D'Souza氏によると、歯磨きのリズミカルな動きが脳のもともと興奮しやすい領域を刺激すると考えられるという。これは、点滅する光やパターンのある動きを見ることにより発作が起こる光過敏性てんかんに類似している。

 研究グループは、歯磨き中に発作を起こしたことのある成人てんかん患者3人について調べた。MRI(磁気共鳴画像診断)を用いて脳検査を行った結果、3人とも手および口の運動野に近い体性感覚野に病変があったという。

 「歯磨きではリズミカルな運動を持続的に行う。ものを食べるなど他の口腔刺激に比較して、脳の体性感覚野の発作を誘発しやすいのはこのため」とD'Souza氏は述べている。
 
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大変意外。



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パートナーのいびきで2年分の睡眠が奪われる

パートナーのいびきで2年分の睡眠が奪われる 
 
   いびきをかく人は、生涯で2年分に相当する睡眠をパートナーから奪っているという知見が、英国いびきおよび睡眠時無呼吸協会(BSSAA)の調査により示された。

 成人2,000人を対象に実施した調査によると、3人に1人がいびきをかく人と一緒に就寝しており、一晩につき約2時間の睡眠が失われていた。パートナーとの関係が平均24年続くとすれば、約2年分の睡眠損失に相当することになると英BBCニュースは報じている。

 回答者の約半数は、いびきが性生活にも影響を及ぼしているとしており、85%が、いびきの問題が解消されればパートナーとの関係が向上するはずだと回答。同協会のMarianne Davey氏は「いびきは、ともに生活する人に極めて悪い影響を及ぼす」としている。

 英国睡眠学会(BSS)はBBCに対し、「睡眠が十分でないと、身体、精神、感情の健康にマイナス効果をもたらす。睡眠不足によるリスクは、学業成績の低下、肥満、2型糖尿病、離婚、自殺など、いくらでも例がある」と述べている。
 
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イビキは充分離婚原因になりそう。



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テレビゲームにはまるのは依存症

テレビゲームにはまるのは依存症 
 
   テレビ(ビデオ)ゲームにはまる人たちは、本当の依存症にかかっている可能性があるという。シカゴで開催された米国医師会(AMA)会議で、テレビゲーム依存を病的賭博などと同じように正式な障害のリストに追加することが提案された。

 この提言はメリーランド州医師会(MedChi)のMartin Wasserman博士らによるもの。AMAに提出されたレポートよると、7,000人の「ゲーマー」を対象とする英国の調査では、12%が世界保健機関(WHO)の定める嗜癖(しへき)行動の基準を満たしていたという。2005年に業界団体が発表した統計によると、米国では子どもの70~90%がテレビゲームをしている。典型的ゲーマーは"週7~8時間を費やす30歳男性"だという。大規模多人数オンライン・ロールプレーイングゲーム(MMORPG)で特にやり過ぎる人が多いこともわかった。

 レポートでは1日2時間以上を「やり過ぎ」と定義しているが、Wasserman氏は、費やす時間や費用、学校や家庭の状況、社会との関わりなど、個人の生活や精神に与える影響によって依存性を判断するのがよいとしている。人がオンラインゲームに夢中になるのは、実生活よりもゲーム上での方が人との関係がうまくいくためだというが、それには払う犠牲が大きすぎ、特に、ゲームの暴力性は子どもの正常な成長と発達を脅かすと同氏は指摘している。

 テレビゲームによる運動不足も懸念される。小児肥満との因果関係は不明だが、長時間テレビの前に座って暴力的な場面を見るのが子どもによいはずがないとWasserman氏はいう。一般の親も同意見で、AP通信によると、2~17歳の子どもの親1,000人強を対象とした調査で、3分の2の親は子どもがメディアを通して性や暴力に触れることについて「極めて不安」と回答している。

 レポート著者らは、世界中の精神医学医が利用する米国精神医学学会(APA)発行の「精神障害の診断と統計の手引き」の次回改訂版に「インターネット/テレビゲーム依存」を追加するよう、AMAからAPAに働きかけるべきだと主張しているが、APAの決定には数年を要するという。暴力的なゲームから子どもを遠ざけるのは親の責任という指摘もある。米国小児科学会(AAP)は、子どもがテレビ、コンピューター、ゲームなどに触れる時間を合計2時間以内にするよう勧めており、AMA、APA共にこれを支持している。
(AMAは6月27日の投票で、「この案件に関し、まだ十分な証拠が得られておらず、障害リスト追加にあたってはさらなる研究が必要」とする旨の決定を行った。)
 
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ゲームやパソコンに熱中しているのを見ると、
病的と思うよね、確かに。



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米国で高まる海外医療ツアーの人気

米国で高まる海外医療ツアーの人気 
 
   米国では、医療費の高騰や無保険者人口の増大に伴い、高水準かつ低価格の医療を求めて、外国への「医療ツアー」に出かける人が急増しているという。2005年の統計によると、米国では人口の15%以上にあたる約4,500万人が保険に未加入。2006年に医療目的で海外旅行に出かけた人は少なく見積もっても15万人以上で、2007年には倍増すると予測されている。

 専門の旅行代理店と提携する医療ツアー会社が米国全土に続々と誕生しており、一部の保険会社もこの取り組みに加わっている。例えばカリフォルニア州では、医療保険会社Health Netがラテンアメリカ系の被保険者を対象に、国境を越えてメキシコで医療を受けることのできるプログラムを実施している。また、別の保険会社では、外国からの患者を年間40万人受け入れているタイのバムルンラード国際病院(バンコク)で治療を受けることができる。

 国境を越えた医療により節約できる医療費の額は大きい。例えば、米国内で心臓バイパス術を受けると13万ドル(約1,560万円)を要するところ、インドでは1万ドル(約120万円)、タイでは1万1,000ドル(約132万円)で済む。股関節置換術の費用は、米国では4万3,000ドル(約516万円)だが、タイあるいはシンガポールでは1万2,000ドル(約144万円)。子宮摘出術は、米国では2万ドル(約240万円)、インドでは3,000ドル(約36万円)。米国の医療施設などを評価・認定する機関JCAHO(米国医療施設評価合同委員会)の国際部門Joint Commission Internationalにより認定を受ける海外の病院も増えている。

 もちろん、医療ツアーに全くリスクがないわけではない。「治療のついでにレジャーを」と考える人もいるが、順調な回復を促し合併症のリスクを抑えるためには、海辺で過ごすなどのレジャー行為は控えるべきだと専門家は指摘している。また、病院や医師を慎重に選ばないと治療水準の低い可能性があるほか、医療ツアーが疾患の感染拡大経路となる可能性も指摘されている。

 代理店を通して病院を選ぶ場合でも、認定の有無を事前に確認し、手術の実施数や成功率についてもよく調べておくことが大切だという。専門家は、かかりつけの医師とよく話し合うことも勧めている。医療ツアーがここまで発展した現在では、医師にむげに否定されるようなことは少ないとのこと。
 
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……。……。



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米国人男性の多くが15人以上との性経験あり

米国人男性の多くが15人以上との性経験あり 
 
   米国人男性の29%、女性の9%が過去に15人以上と性的関係をもったことがあると回答していることが、米国政府による調査で明らかになった。

 米国疾病管理予防センター(CDC)の発表によると、関係をもった相手の平均数は、男性で6.8人、女性で3.7人だったという。この調査は20~59歳の男女6,237人を対象に、性的習慣と薬物の使用について尋ねたもので、データ収集は1999~2002年に行われたものだとBloomberg(ブルームバーグ)ニュースは報じている。

 この調査ではこのほか、以下のようなことが明らかになった:

・20歳以上で性経験が全くない人はわずか4%だった。
・回答者の約7人に1人(16%)が、15歳未満で初めてのセックスを経験したと答えた。
・20~49歳の5人に1人以上が過去にコカインをはじめとするストリート・ドラッグを使用した経験があり、5%が1年以内に使用していた。

 今回の結果から、性感染症を予防するため未婚者の性行為の抑制を推進するブッシュ政権の政策は適切ではないといえると、米ミネソタ大学医学部(ミネアポリス)のBean Robinson氏は指摘。一つの対策に頼らずに選択肢を広げるべきだと、同氏はBloombergニュースに対して述べている。
 
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「関係をもった相手の平均数は、男性で6.8人、女性で3.7人だったという」のは、どう解釈する?
平均すると、どうなるんだっけ?

ストリート・ドラッグを使うということは、使わないとつまらないということなのかな?
かわいそうに。
愛に溢れていれば充分なのに。



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「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに

「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに 
 
   「プラセボ(偽薬)効果」を引き起こす脳の領域が米ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)のDavid J. Scott,氏らの研究によって明らかにされ、医学誌「Neuron」7月19日号で報告された。プラセボ効果とは、患者自身効果があると思い込むことにより、偽薬を投与しても実際に効果が認められる現象。

 研究グループは、報酬予測に役割を果たすことが知られている脳領域である側座核(NAC)に着目。被験者には、試験のため新しい鎮痛薬またはプラセボのいずれかを投与すると伝え、全員にプラセボ(生理食塩水)を注射した。被験者はこの「薬」の鎮痛効果に対する自身の期待度を評価し、その後、「あごの筋肉に生理食塩水を注射する」という中程度の痛み課題を与えられ、「薬」の有無による痛みの緩和のレベルについても評価した。

 第一の実験では、PET(ポジトロンCT)を用いてNACからのドパミン(脳の報酬反応を誘発する物質)の分泌量を測定。その結果、薬剤の鎮痛効果に対する期待が大きいほどドパミン分泌も多いことが判明。さらに、「薬」による痛みの緩和を高く評価した人ほど、プラセボ投与時のNACの活性が大きかった。

 第二の実験では、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳スキャンの間に、被験者にさまざまな額の金銭的報酬を期待させた。このときのNAC活性が大きかった人ほど、プラセボ薬の有効性についても高い期待を示していたことがわかった。

 この知見は、プラセボ効果が生じるにはNAC系が活性化される必要があることを裏付けるものだと著者らは述べている。将来、さまざまな疾患の治療法開発にこの情報が役立つとも考えられるという。
 
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これでは何も明らかになっていないと言わざるを得ません。



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ADHDは実在する疾患

ADHDは実在する疾患 
 
   注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、脳内物質ドパミン産生の変調によって起こる実在する疾患であることが2つの研究で示され、ともに米医学誌「Archives of General Psychiatry」8月号に掲載された。

 第一の研究は、米国立精神衛生研究所(NIMH)のPhillip Shaw博士らによるもの。研究グループは、ADHD患児105人と健常児103人(平均年齢10歳)のMRI脳スキャンおよびDNAを比較検討し、さらに6年後にADHD患児のうち67人の評価を行った。その結果、ドパミンD4受容体(DRD4)に特定の変異がある小児はADHDリスクが高いことが判明。しかし一方で、このDRD4変異をもつADHD患児は長期的な転帰が良好で、知能もやや高い傾向があることがわかった。

 第二の研究は、米国立薬物乱用研究所(NIDA)のNora D. Volkow博士らによるもの。向精神薬リタリン(一般名:塩酸メチルフェニデート)の使用経験のない成人ADHD患者19人と健康な成人24人に、リタリンまたはプラセボ(偽薬)のいずれかを注射した後、脳スキャンを実施した。その結果、ADHD患者には脳ドパミン系の機能低下が認められ、リタリンによって機能の改善がみられた。このことからADHDにドパミンの減少が関与していることが示されたほか、ADHD患者が薬物乱用に陥りやすい理由も説明できるとVolkow氏は述べている。ニコチン、コカインなどほかの薬物もドパミン機能を向上させるもので、患者は「気分よく」感じるのだという。

 ADHDは実在する疾患いとされることがあるが、今回の知見はADHDが正当な疾患であり、薬物治療などの措置を要するものであることを示すとVolkow氏は述べている。

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こんな結論を出したかったの?
他に言いたいことはあったんだと思うけど、
ネガティブで、無駄にしたくないから、こんな結論に?
でもたった20人20人程度だしね。



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片頭痛のある女性は脳卒中リスクが高い

片頭痛のある女性は脳卒中リスクが高い 
 
   前兆として視覚症状を伴う片頭痛のある女性は、特に喫煙と経口避妊薬を併用している場合、脳卒中のリスクが高いことが新しい研究により示され、米医学誌「Stroke」オンライン版に8月9日掲載された(印刷版9月号掲載)。

 研究を率いた米メリーランド大学医学部のSteven Kittner博士によると、片頭痛のある15~44歳の女性のグループが脳卒中を発症するリスクは10万人につき20人と極めて小さい。しかし、その女性が喫煙者である場合や高血圧または糖尿病がある場合、脳卒中リスクは高くなる。

 今回の研究は、脳卒中を発症したことのある15~49歳の女性386人のデータを収集し、脳卒中の病歴のない同年代の女性614人と比較したもの。その結果、視覚症状を伴う片頭痛のある女性は片頭痛のない女性に比べ、脳卒中リスクが1.5倍であった。さらに、視覚症状を伴う片頭痛のある女性のうち、経口避妊薬の使用および喫煙をしている女性は、どちらもない女性に比べ脳卒中リスクが7倍であった。最近片頭痛が始まった場合でも、頻繁な片頭痛や長期間の片頭痛がある場合と同じように、脳卒中リスクの増大をもたらす可能性があるという。

 視覚症状のある片頭痛は脳卒中の弱い危険因子(リスクファクター)と捉える必要があり、それ自体についてはどうすることもできないが、どのような予防策を取るべきかに影響するとKittner氏は述べ、同症状のある女性は禁煙し、経口避妊薬の使用について医師と十分に話し合う必要があると助言している。

 米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)のTobias Kurth博士は、片頭痛と脳卒中リスクの関連を示した研究はこれまでにも多数実施されているが、今回の研究はほかの因子によりそのリスクが増大することを示すもので、片頭痛のある女性の禁煙を勧めている。ただし片頭痛を治療すれば脳卒中リスクが低下するかどうかについては、データがなく不明とのこと。
 
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片頭痛だけでも充分不快なのに。



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75歳以上の多くが性生活を継続

75歳以上の多くが性生活を継続 
 
   米国では、年齢による性生活の衰えがみられない人が多いという報告が、米医学誌「New England Journal of Medicine」8月23日号に掲載された。高齢者を対象に実施された初めての性に関する包括的な調査の結果、50代後半から70代までの間に、性行為の頻度には大きな低下がみられないことが判明。性生活のある75~85歳のグループのうち半数以上が月2~3回、23%が週1回以上性行為をしていると回答した。

 米国では高齢者の人口が急増しているにもかかわらず、その性生活についてはほとんど知られていなかった。今回の研究では、米シカゴ大学NSHAP(米国社会生活、健康および加齢プロジェクト)のStacy Tesser Lindau博士らのグループが57~85歳の成人3,005人(女性1,550人、男性1,455人)を対象に自宅での面接を実施したもので、4分の3が回答に同意。性生活があると回答した人は、加齢に伴い減少がみられるものの、57~64歳で73%、65~74歳で53%、75~85歳で26%であった。各年齢グループ内では女性の方が性生活のある人が少なく、女性ではセックスについて「全く重要ではない」と回答する人が多かった(女性35%、男性13%)。

 性生活がある人のうち、男女ともに約半数がセックスに障害があると回答。女性では性欲の低下(43%)、膣の乾燥(39%)、絶頂感がない(34%)などが多く、男性には勃起不全(37%)が多くみられた。男性の14%が性的機能を改善する薬剤またはサプリメントを利用しており、これは高率である。性生活への影響は年齢よりも健康状態によるものが大きいと思われるが、性的障害について50歳以降に医師に相談したことのある人は男性で38%、女性で22%にとどまった。全身の健康状態が衰えても多くが性生活を続けており、オーラルセックスやマスターベーションも含まれるが、大多数は性行為の際に必ず膣性交があると回答した。

 研究グループは、唾液や膣分泌物などの検体も採取しており、ホルモンレベルや慢性疾患の有病率、ヒトパピローマウィルス(HPV)の検出頻度などの情報を今後の追跡研究に用いるという。この研究は将来に向けてさらに多くの情報をもたらすものだが、現在においては高齢者とのコミュニケーション上重要であり、医師はもっと高齢患者の性的機能に着目すべきと専門家は述べている。
 
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「New England Journal of Medicine」はきちんとした雑誌。
日本での調査はどう出るだろう。



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家庭内のカビがうつ病の原因?

家庭内のカビがうつ病の原因? 
 
   湿気が多くカビの生えた家に住む人はうつ病リスクが高いことが示され、米医学誌「American Journal of Public Health」10月号で報告された。

 カビは真菌類に属するどこにでもいる微生物で、数万から数十万種が存在、毒性の高い代謝産物を作るものも多い。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、カビの胞子は室内、野外ともに一年を通してみられ、暖かく湿気の多い場所で急速に増殖する。通常は石鹸や漂白剤によるこまめな清掃で防げるが、水害により深刻なカビ被害が生じることもある。

 米国では、住居内のカビの許容量についての指針はないが、カビの胞子を吸い込むと呼吸器のアレルギー反応が誘発されたり、喘鳴(ぜいめい)、息切れ、肺感染症のほか、鼻詰まり、咳(せき)、頭痛、皮膚や喉、目の炎症が生じたりするという。特に、アレルギーや喘息患者、癌(がん)の化学療法中などで免疫不全状態にある人はリスクが高い。

 米ブラウン大学(ロードアイランド州プロビデンス)のEdmond D. Shenassa氏らは、カビと精神衛生上の問題との関連を検討するため、2002~2003年に世界保健機関(WHO)がフランス、ドイツ、スロバキア、ハンガリー、ポルトガル、イタリア、スイス、リトアニアの8都市から収集したデータを解析した。これは約3,000世帯、18~104歳の約6,000人の対象者に直接問診を実施したもの。

 過去1年間にうつ病と診断されたかどうかの質問に加え、過去2週間に睡眠障害、自尊心(self-esteem)の低下、食欲不振、活動への興味の減少という4つのうつ症状があったかどうか尋ね、3つ以上あったとした人はうつ病とされた。また、住居の状態について質問すると同時に、湿気やカビについて視察により評価。さらに、居住者自身が住宅環境を管理できていると思うかどうか、カビ曝露に関連する呼吸器症状、疲労感、頭痛などの有無を尋ねた。

 湿気やカビの全くない住居で暮らす人は57%であったが、地域差が大きく、カビがある家はポルトガルでは80%以上、スロバキアでは25%未満だった。被験者の9%がうつ病であるとされ、ほかの因子を考慮しても、カビとうつ病との間に関連がみられ、「カビのある家で暮らす人はうつ病リスクが約40%高い」とShenassa氏は述べているが、現段階では因果関係は明確にされておらず、さらに研究が必要とのこと。微生物専門家は「どちらが原因でどちらが結果であるかはわからないが、いずれにしても家の中にカビを見つけたら除去すべし」と述べている。
 
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「American Journal of Public Health」って、おかしいね。
カビのある家で暮らす人っていうけど、どういう程度のカビなのか。
どちらが結果かってね、カビが結果でしょうと思いますが、断定は出来ない。

カビのことなら、日本人に聞かなくちゃ。

たとえば、鼻にカビが生えているような人、うつですか?って聞いてみたい。
性器にカビが住んでいる人もいるけれど、うつですか?って聞いてみたい。



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ロックスターは早死にする

ロックスターは早死にする 
 
   エルビス・プレスリー、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーン(コベイン)など、人気スターは若くして死亡する率が一般の人の2倍以上であることが、英国の研究グループにより報告された。さらに、スターは名声を博してから数年以内に、主に薬物やアルコールの乱用によって死亡することが多いという。この知見は医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」9月号で報告された。

 リバプール・ジョン・ムーアズLiverpool John Moores大学公衆衛生センターのBellis氏らは、北米およびヨーロッパで1956~1999年に人気を博したアーティスト1,064人のデータを収集した。対象者はいずれも2000年に「All Time Top 1,000 albums」に選ばれたミュージシャン。スターが有名になってから生存した期間と、同じ年齢、性別、民族、国籍の一般人の平均余命とを比較した。

 その結果、1956年から2005年までに死亡した人気スターは100人。死亡時の平均年齢は、北米で42歳、ヨーロッパで35歳であった。4人に1人以上が長期間の薬物やアルコールの使用により死亡していた。また、ヨーロッパでは有名になってから25年以上生存したスターの平均余命は通常と同じであったが、北米では死亡率の高さが継続してみられたという。

 一般には裕福であることによって生活が向上し、寿命も延びるものだが、今回のケースでは名声とそれに付随するものによって一般の人よりも死亡率が上がるという結果になっている。研究グループは、音楽業界は薬物乱用などの危険な行為をもっと深刻に受け止め、人気スターの短期的な健康ばかりでなく、人気がなくなった後の長期的な健康まで考慮する必要があると指摘している。これはスター自身のためであると同時に、スターには人々の模範としての役割もあるのがその理由である。英国では子どもの10人に1人がスターになりたいと思っているという。

 米エール大学医学部(コネティカット州)予防研究センターのDavid Katz博士は、この知見により、スターもファンも名声に伴う危険に気付くはずだと述べている。放埓(ほうらつ)な生活が死期を早めるという直観が今回の研究で裏付けられたことになるが、その結果を受けて実際に生き方や態度を変えることは実に難しいと同氏は指摘している。
 
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日本画家は長生きですね。岩絵具が体にいいのかしらね。



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今も昔も「女は容姿、男は財産」

今も昔も「女は容姿、男は財産」 
 
   もし結婚相手を5分で選ぶとしたら、古くから言い伝えられているのと同様に、男性は女性の美しさを求め、女性は安心感、富、責任を求めるという。この古代からの法則が、現代の「スピード・デーティング(speed dating)」でも認められることが、米インディアナ大学のPeter Todd氏らの研究で明らかにされ、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」9月4-7日号で報告された。

 スピード・デーティングは、男女が最大30人ほどの相手と1人につき3~5分の「ミニデート」をするというもの。研究チームは、ドイツでスピード・デーティングに参加した成人46人を対象にデータを収集。デートの前に質問表を用いて容姿、現在と将来の財政状態、健康状態、子育ての資質などの特性によって参加者自身および理想とする相手について評価させ、1回のデートが終わるごとに、相手ともう一度会いたいかどうかを尋ねた。

 ほとんどの人は自分自身に近い人が理想だとしていたが、実際にデートをすると、男性は美しい女性に強く興味を示し、女性は自分自身の魅力に見合うだけの富と安心を求めることがわかった。「われわれの先祖は、このような方法で相手を選ぶことによって優良な子孫を残し、有利な進化を遂げてきた」とTodd氏は述べている。また、女性は3人に1人、男性は2人に1人の相手とまた会いたいと答えており、男性よりも女性の方が異性の選り好みが激しいことを裏付ける結果となった。Todd氏らによると、哺乳類ではメスの方が選り好みをすることが広く知られている。

 今回の結果は特に意外なものではないが、この研究により、スピード・デーティングの研究への有用性が示されたと研究グループは述べている。「スピード・デーティングでは、異性を選ぶ最初の段階しかみることができないが、第一印象がすべての始まりであり重要」とTodd氏は語っている。

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変だな、それだと、もうそろそろ、美人でない人たちは絶滅していい頃なのに。



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慢性疲労症候群の犯人はエンテロウイルス?

慢性疲労症候群の犯人はエンテロウイルス 
 
   父親の息子を思う気持ちが、謎に包まれていた疾患の原因解明を前進させることになった。米カリフォルニア州トランスの開業医John Chia博士は、1997年に慢性疲労症候群(CFS)と診断された息子のAndrew Chia氏との共同研究でCFSとエンテロウイルス(※消化管で増殖するウイルスの総称で、60数種類存在)との関連を示し、その知見を医学誌「Journal of Clinical Pathology」オンライン版に9月13日発表した。

 米国では、推定100万人以上がCFSに罹患しているとわれる。特に40~60歳の女性に多い疾患で、原因不明の疲労感、睡眠障害、記憶力および集中力の障害、疼痛など、さまざまな衰弱性症状がみられ、多発性硬化症(MS)と同程度の障害を来すこともある。1980年代後半に初めてCFSの存在が認められたが、当初はその信憑(しんぴょう)性が疑われたこともあった。エンテロウイルスのほかにも、いくつかのウイルスがCFSに関与しているといわれているが、ウイルスの関与を裏付ける根拠を見つけるのは困難であった。

 Chia氏はまず、患者から約3,000の血液検体を採取してウイルス遺伝子を見つけようとした。5~6年の歳月をかけ、検体の35%にエンテロウイルスが存在することを突き止めたものの、これは1人の患者から複数の検体を採取した結果であり、1人につき1検体とすると5%未満という結果にとどまった。このためChia氏は血液ではなく、組織内にウイルスを探すことに方向転換した。

 過去の研究では、自殺したCFS患者の脳、筋肉、心臓からエンテロウイルスが発見されたが、生存する患者の脳や心臓の生検は事実上不可能。そこでChia氏は、エンテロウイルスの増殖の場である胃に着目した。長期間の消化器症状(CFS患者にはよくみられる)を訴えるCFS患者165人を対象に、胃生検および内視鏡検査を実施した結果、CFS患者の検体のうち82%でエンテロウイルスが陽性であったのに対して、対照群では20%であった。最初の感染は数年前(最長20年前)である患者が多かった。

 皆が血液にばかり着目する中、Chia氏が消化管に着目したことがウイルスの発見につながったとある専門家は指摘する。エンテロウイルスはCFSの原因の一部にすぎないが、CFSが感染性疾患であるとする考えは世界を納得させるものだとChia氏はいう。息子のAndrew Chia氏は今では回復しているが、Chia氏は「息子がいなければこの研究はなかった」と述べている。 

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まだ ? です。



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痛みのない歯科治療が実現に近づく

痛みのない歯科治療が実現に近づく 
 
   「痛みなくして得るものなし(No pain, no gain.)」という格言が、歯科治療では通用しなくなる日も近そうだ。米ミズーリ大学コロンビア校の研究チームが開発中の技術により、ドリルを用いない歯科治療が実現する可能性があるという。

 研究チームが開発に取り組んでいるのは、低温化学反応を用いて虫歯部分の殺菌および詰め物に備えた処理をする「非熱(non-thermal)プラズマブラシ」。

 一般的な虫歯治療では、患部をドリルで削った後、詰め物をして元の歯の形を復元するが、その際の振動と音は患者にとって非常に不快なものである。プラズマブラシの開発に成功すれば、現在の歯科治療で用いられているような破壊的な穴あけ作業に替わるものとなるだろうと、同大学助教授のHao Li氏は述べている。

 このブラシは、痛みや不快感の原因となる熱や振動を伴わず、音もないという。熱や機械的相互作用に頼るものではなく、化学反応によるものであるため、痛みのない、歯に優しい治療法であると、同大学助教授のQingsong Yu氏は述べている。また、プラズマ治療によって歯と詰め物との間に形成される化学的結合は、従来のドリルやレーザー治療によるものよりも強いと期待できるという。Yu氏らは、このブラシに関する2件の米国特許出願を提出している。



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英国の病院で医師の白衣やネクタイを禁止

英国の病院で医師の白衣やネクタイを禁止 
 
   英国の病院で、院内感染を管理する取り組みの一環として、医師の伝統的な白衣の着用が禁止される。白衣以外にも、宝石類や時計、ネクタイ、付けづめ、長袖の服も着用禁止の対象となっている。

 禁止される品目はいずれも、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの病原菌が潜伏する可能性があるもの。MRSAは、ほとんどの抗生物質に耐性をもつ「超強力菌」として知られる。

 英国保健省は、新しい服装規定「bare below the elbows(肘から下を露出)」の中で、「ネクタイは毎日着用するにもかかわらず、まれにしか洗濯されない。患者のケアに役立つ機能はなく、病原菌が住み着きやすいことが示されている」と述べている。この新しい規則は、来年(2008年)にも施行される予定。

 AP通信によると、2004年の研究により、米ニューヨークの病院で医師が着用するネクタイの約半数が、1種以上の病原菌に汚染されていることが判明したという。
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医者のネクタイ、ですか。
眉毛とか耳たぶとかも危ないような気がする。
 



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妊婦の魚摂取はリスクよりも利益が上回る

妊婦の魚摂取はリスクよりも利益が上回る 
 
   米国では2001年、米国食品医薬品局(FDA)および米国環境保護局(EPA)が、「妊婦は魚の摂取を週に12オンス(約340g)以内に控えるべき」との勧告を行った。魚介類に水銀が含まれる可能性があるとの理由からである。しかし今回、米国で母子健康向上を推進する団体HMHB(National Healthy Mothers, Healthy Babies Coalition)は、この警告は誤りであると指摘。水銀の問題よりも、魚類に含まれるオメガ-3脂肪酸の不足による害の方が深刻で、女性はもっと魚介類を食べるべきだという。この勧告は、ワシントンD.C.で開催された米国記者クラブ会議で発表された。

 HMHBは、米国小児科学会(AAP)、ボランティア団体March of Dimes、政府機関である米国疾病予防管理センター(CDC)なども構成メンバーとなっている非営利団体。そのメンバーの一人、ニューヨーク大学メディカルセンター助教授のAshley S. Roman博士は、FDAおよびEPAの勧告により多くの女性が魚の摂取を恐れているが、妊娠中のバランスのとれた食事に魚は欠かせないと述べている。

 魚介類の摂取は、胎児の脳の発達、認知・運動能力の向上、早産や産後うつ病のリスク軽減など、数多くの利益をもたらすことが裏付けられているという。週12オンス以上の魚の摂取で、胎児によい影響がみられることも複数の研究で示されており、オメガ-3脂肪酸の摂取が不十分であると、母体と胎児の両方に健康リスクが生じる。米国民健康栄養調査(NHNES)のデータによれば、米国女性の90%は魚の摂取量がFDAの摂取推奨量に達しておらず、オメガ-3脂肪酸の摂取が不足していることがわかっている。別の研究では、FDAおよびEPAの警告により、妊婦の56%が魚の摂取を控えていることも判明した。

 「妊娠を望む女性、妊婦、母乳育児中の女性は怖がらずにサケ、マグロ、イワシ、サバなどを週に12オンス以上食べるべきである」とRoman氏は勧めている。魚を食べられない場合は、魚油サプリメント(栄養補助食品)で代用してもよい。また、魚介類に含まれるセレニウムには水銀の有害作用を抑えるはたらきがあることもわかっている。魚に含まれる一成分だけではなく、魚全体で考えるべきだとRoman氏は指摘する。

 他の専門家らも、オメガ-3脂肪酸を十分に摂らないことの方が、微量の水銀摂取よりも危険と同意している。魚に含まれる水銀の有害性が示された過去の事例は、日本で発生した工業汚染のケース(水俣病)のみであり、それ以外には世界のどこでも魚の摂取による被害は報告されていないとのこと。
 
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水銀だ。



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人尿が安全で優れた肥料に

人尿が安全で優れた肥料に 
 
   財政の苦しい農家にとって、身近に無料の肥料があるという。人尿が窒素やその他ミネラルの優れた供給源となることがフィンランドの研究で示された。この知見は、農業食品化学誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」10月31日号に掲載される。

 クオピオKuopio大学環境科学部のHelvi Heinonen-Tanski氏らの研究グループは、汚水処理システムのない地域で人尿を農業に役立てると同時に、水資源の汚染を減らし、水を守る方法を探るべく今回の研究を実施した。尿を肥料として利用するのは一般的ではないが、フィンランドの一部地域では増えており、オオムギおよびキュウリ栽培にも用いられている。尿には窒素が含まれることから、他の植物にも優れた肥料となると思われるという。

 研究では、試験作物として多量の窒素を必要とするキャベツを選択。人尿を肥料として育てたキャベツと、肥料なし、市販の肥料を用いたものを比較した。収穫時、尿を肥料としたキャベツは市販肥料のものに比べやや大きく、最大サイズまでの成長が早かったほか、虫害が少なかった。3種類のキャベツで作ったザワークラウトを20人が試食した結果、味に違いはあったが、いずれも「おいしい」との評価であった。

 今回の結果から、ヒト1人が1年間に排泄する尿で、キャベツ160株の栽培に十分との結論に達した。これは、同条件の畑で市販の肥料を使用して育てることのできるキャベツよりも64kg多い。「心理的な抵抗感はともかく、尿は正しく扱えば汚染物質ではなく資源となる」とHeinonen-Tanski氏は述べており、尿はエコトイレから集めて貯蔵し、直接作物にかけずに周囲の土にまくよう勧めている。

 米ニューヨーク大学医療センターのPhilip Tierno博士は、尿は窒素を含む優れた天然物質で、肥料として簡単に用いることができると述べている。尿に含まれる病原菌は土の中の微生物に淘汰(とうた)されるため、汚染リスクはほとんどないという。米ワシントン州立大学のBarry Swanson氏も、尿が窒素、カリウム、リンの優れた栄養源であると認め、米国では衛生観念の点から受け入れられないかもしれないが、国によっては極めて実用的な利用方法であると述べている。なお、キャベツをザワークラウトとして保存すれば、大量の塩によって病原菌の増殖が抑えられるとのこと。
 
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日本では昔からきわめて一般的ですが。



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高学歴者では認知症の発症は遅いが進行は速い

高学歴者では認知症の発症は遅いが進行は速い 
 
   高等教育を受けた人では認知症の発症は遅いものの、いったん認知力の低下が始まると急激に進行することが新しい研究で判明した。この研究は米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)のCharles B. Hall氏らによるもので、米医学誌「Neurology」10月23日号に掲載された。

 学歴の高い人は、脳に「予備力」があるために認知症の病変に長い期間耐えることができるが、疾患の進行がこの予備力を上回ると、その後の精神機能の低下は加速されるとする、いわゆる「認知的予備力(cognitive reserve)仮説」がこの研究によって裏付けられたといえるという。

 Hall氏らは、この仮説を検討するために、認知症を発症した患者117人を平均6年間追跡し、1年ごとに認知力を評価。被験者の学歴は、小学校3年間未満から大学院まで幅があった。教育を受けた期間が1年増えるごとに、認知症による急速な記憶力低下が始まるのが約2カ月半遅かったが、いったん低下が始まると、教育期間が1年増えるごとに、認知力の低下する速度が4%速くなることが明らかになった。

 Hall氏によると、現時点ではアルツハイマー病の有効な治療法がないため、この研究の実用的意義は限られているという。しかし、認知症の症状の現れ方には極めてばらつきがあることを医師は知っておく必要があり、特に高齢者のケアを担う立場にある人(家族、介護者、医師など)は、学歴の高い人では認知症が予想以上の速度で進行する可能性を認識しておく必要があると指摘している。

 また、認知症状が現れたときには、すでに脳の相当範囲が病変に侵されているケースがある。このため、仮に認知症の自然経過を変えることのできる治療法が見つかったとしても、症状が出るまで待っていては、特に高学歴の人では、治療が間に合わない可能性もあるという。認知症の発症を示すさまざまな生物学的マーカーの発見に多くの人が取り組んでおり、このような研究を継続することが重要だとHall氏は述べている。
 



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自閉症の新しいガイドライン

米国小児科学会が自閉症の新しいガイドラインを発表 
 
   米国小児科学会(AAP)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorders)をもつ小児の発見および対処法について2つの勧告を発表した。米ニューヨーク大学小児研究センターのMellissa Nishawala博士によると、小児の発達には大きな個人差があるとして親を安心させる傾向があるために、小児が正式に自閉症であると診断されるまでに1年以上を要することもあり、治療に最適な時期を逃してしまうことがあるという。この報告は医学誌「Pediatrics」11月号に掲載されたほか、サンフランシスコで開催されたAAP年次集会でも発表された。

 第1の報告は、自閉症スペクトラム障害の発見方法を詳細に示したもので、下記のような徴候を挙げている:
 ・両親や世話をする人を見つめるとき、嬉しそうな表情がみられない。
 ・生後5カ月ごろ以降、親子の間での喃語でのおしゃべりがない。
 ・親の声を認識しない。親が子どもの名前を読んでも振り向かない。
 ・目を合わせない。
 ・9カ月を過ぎても喃語(なんご=片言を言う)が出ない。
 ・手を振る、指差すなどの身ぶりが少ないか、全くない。
 ・反復的な行動がある。

 言語が発達するころに明確に現れる危険信号は以下のとおり:
 ・16カ月までに単語が出ない。
 ・1歳までに喃語がなく、指差しなどの身振りによる伝達もみられない。
 ・2歳までに2語文が出ない。
 ・年齢にかかわらず、言語能力が低い。

 この報告では、たとえ親が特に心配していなくても、生後18カ月から24カ月の間にすべての小児について共通のスクリーニングを実施するよう推奨している。



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ヒット曲の3分の1が薬物乱用を歌う

ヒット曲の3分の1が薬物乱用を歌う 
 
   歌詞の内容で判断するなら、ロックよりもカントリー・ミュージックの方が子どもにとって有害である可能性があるという。複数ジャンルのヒット曲について調べた研究の結果、カントリーの37%、ロックの14%で薬物やアルコールについて歌われていることが明らかになった。ラップではさらに多く、77%にも上ったという。この知見は米ワシントンD.C.で開催された米国公衆衛生学会(APHA)年次集会で発表された。

 今回の研究は、米ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)医学部のBrian Primack博士らが、音楽誌「Billboard」のヒットチャートをもとに、子どもに人気のあるラップ、カントリー、R&B(リズム・アンド・ブルース)/ヒップホップ、ロック、ポップスの5ジャンルから2005年にヒットした279曲について調べたもの。

 その結果、全体の3分の1の曲が薬物乱用について言及していることが明らかになった。ポップスでは9%、R&B/ヒップホップでは20%であった。8~18歳の子どもは、1日に約2時間ポピュラーミュージックを聴くこともわかった。

 アルコールおよび大麻について歌ったものが特に多く、いわば「肯定的」結果に言及する傾向があった。「性的、社会的、感情的結果は肯定的だが、身体的、法的には否定的というものが多くみられた」とPrimack氏は述べている。

 ビートルズの「Lucy in the Sky with Diamonds」はLSDを暗示するといわれることもあるが(バンド側は否定している)、現代の歌ではこのように婉曲(えんきょく)的な表現ではないという。カントリー・ミュージックでは、薬物よりもアルコールに言及する頻度が高かったが、いずれにしても子どもたちへの影響は少なくないはずだとPrimack氏はいう。

 今回の研究では、歌の内容と子どもの行動との関係については検討していないが、子どもたちと話し合い、正しいこととそうでないことを教えるきっかけになるとPrimack氏は述べている。

 別の専門家も、エンターテインメントがそれを視聴する子どもの行動に与える影響については明らかにされていないことを認めている。例えば、暴力的なテレビ番組を見ることによって子どもが暴力的になるのか、もともと攻撃的な子どもがそのようなテレビ番組を好むのかは判断できない。いずれにせよ問題は、行動との関係があるならば、どういった関係なのかという点であるという。
 



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新しい喘息治療ガイドライン

新しい喘息治療ガイドライン 
 
   米国心肺血液研究所(NHLBI)の米国喘息教育予防プログラム(NAEPP)により、喘息の管理と発作予防に焦点を当てた新しい喘息ガイドラインが作成され、ダラスで開催された米国アレルギー喘息免疫学会(ACAAI)年次集会で発表された。

 喘息症状はコントロールでき、重度の発作は防ぎうるという。このガイドラインでは、喘息と診断された人が必ずしも呼吸困難に苦しむわけでもなく、活動を制限される必要もないことが強調されている。「すべての喘息患者にこのことを実感してもらいたい」と米Advocate Health Care(シカゴ)のMichael B. Foggs博士は述べている。

 新ガイドラインでは、新たに医師と患者の協調と、監視・管理の継続に重きを置いている:

・喘息患者は、疾患の重さや症状の有無にかかわらず、1~6カ月に1回、医師の診察を受ける必要がある。
・日常の処置に関する指示や症状が悪化した際の対処法が書かれた治療計画書を、患者全員が持つ。この計画書は医師または看護師が患者の意見を取り入れて作成し、家族、教員、スポーツのコーチなど、患者に関わる人すべてにも共有させる。
・喘息治療には、患者の文化的背景や教養レベルを考慮に入れた教育を取り入れる必要がある。患者が自分の喘息管理に積極的に関わるようにする。
・重症度に基づき、旧ガイドラインの4段階ではなく、6段階に分けた喘息治療を行う。従来どおり、症状に応じて薬剤を増減する段階的な治療が推奨される。

 10年ぶりの大改訂となるこの新しいガイドラインでは、吸入コルチコステロイド薬の定期的な使用が標準治療であることを強調しているが、実際に処方される頻度はそれほど高くないという。スポーツ選手が筋力増強のために用いる危険な蛋白(たんぱく)同化ステロイドと混同している人もいるが、コルチコステロイド薬は適切に使用すれば極めて安全で有効であると専門家は述べている。

 5~11歳の小児では薬剤への反応が成人と異なることがあるため、この年齢層は独立したカテゴリーとして扱われている。多くの成人患者に必要とされる長時間作用型β(ベータ)作動薬などとの併用はせず、低用量の吸入コルチコステロイド薬を毎日使用するだけで喘息を管理できるとしている。さらに、喘息の症状がないときでもコントロール薬を使用する必要があることが強調されているほか、薬剤を肺にきちんと届かせるため吸入器(インヘラー)の正しい使用法を患者に指導することも必要としている。
 



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“高齢者は運動をしないもの”という考えは単なる思い込み

“高齢者は運動をしないもの”という考えは単なる思い込み  
 
年を取れば動きが鈍くなるのが当然だと思い込んでいる高齢者が多いが、試験的プログラムにより、このような誤解は簡単に解消できることが示された。

今回の研究では、運動をしない65歳以上の高齢者46人を対象に、週1回1時間、計4回のグループセッションを実施。このセッションでは、健康指導員が「再帰属訓練(attribution retraining)」と呼ばれる技術を用いて、年を取れば運動をしなくなるのが普通だという考えを改め、高齢になっても運動を続けることが可能であると考えるよう指導を行った。毎回のセッションの後は、筋力、耐久性、柔軟性のトレーニングなど1時間の運動講座を実施した。

研究期間中、参加者の1週間ごとの歩行歩数(電子歩数計により測定)は2万4,749歩から3万707歩に増大(24%増)。また、精神的健康についてのQOL(生活の質)が改善され、日常の動作の困難や痛みが少なくなり、活力が高まったほか、睡眠も改善されたという。

研究を行った米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のCatherine Sarkisian博士によると、この再帰属訓練は、教育面では極めて大きな成功を収めているが、運動面の介入についてはこれまで試されていなかったという。この研究は、米医学誌「Journal of the American Geriatrics Society」11月号に掲載された。
 



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よく眠りましょう

米国睡眠医学会(AASM)で。現代人の多くは慢性的な睡眠不足であることが多くの論文で示されていると、米コロラド神経学研究所睡眠障害センター(コロラド州)のRon Kramer博士は述べている。

 1日2~3時間の睡眠不足でも長く続けば、事故リスクの増大、疲労による抑うつ症状、運動する活力の不足、脳を刺激する物質の変化による食事量の増加や、塩分や糖分の摂取の増加など、健康に重大な影響を及ぼす可能性があるという。質のよい睡眠を取ることにより、運動する活力も得られ、健康的な食生活のために自制心も働きやすくなると同氏は述べている。

 AASMによると、成人は一晩に7~8時間、ティーンエイジャーは約9時間、学齢児童は10~11時間、就学前の小児は11~13時間の睡眠時間が必要だという。以下のような徴候がみられる場合は、もっと睡眠を取る必要がある:

・目覚まし時計がないと朝起きられない。何度もスヌーズボタンを押している。
・運転しながらぼんやりする、居眠り運転をしてしまう。
・眠気を覚ますために1日1杯以上コーヒーを飲む。
・集中力があれば避けられるミスをする。
・忘れっぽい。
・憂うつ、不安、いらだちを覚える。
・頻繁に体調を崩す。免疫システムの強化には睡眠が欠かせない。

 このような問題は、十分に質のよい睡眠を取ることで解消できるよい睡眠を得るために以下のことを勧めている:

・いつも同じ時間に就寝する。
・リラックスできる睡眠環境を作る。
・毎晩、朝までぐっすり眠る。
・空腹の状態で床に入らない。ただし、寝る前に多量の食物を摂るのも避ける。
・就寝前は、アルコール、カフェインを含む飲食物、興奮作用のある薬剤の摂取を避ける。
・就寝前の6時間は激しい運動をしない。
・寝室は静かで暗くし、少し涼しくする。
・毎朝同じ時刻に起きる。

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それができないから困っているのだが。

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