SSブログ

待合室から問診まで

安心感を生み出す待合室づくり

1:医師からのメッセージを掲示する
医師は問診票を通して、ある程度、患者さんのことを事前に知ることができます。しかし、患者さんには、診察室の向こう側について、全く情報がありません。情報がないということは、人を不安にさせます。「医師はどんな人なんだろう」、「どんな風に診察されるんだろう」と患者さんの不安や緊張は高まります。診察前に医師がどんな人なのか、どんなポリシーで診察を行っているかを示し、医師側の情報も提供することで、患者さんの緊張を和らげることができます。顔写真などもあれば、さらにイメージができます。また、WEB サイトでそのような情報を提供すると、患者さんは安心して医院へ足を運ぶことができます。

2:診察順表示で待ち時間を推測
「待つこと」以上に人をいらいらさせるのが、「いつまで待てばいいのか分からない」という思いです。遊園地や行例のできるお店など、その先に楽しいことがある場合はまだいいのですが、診察や治療が待っている病院の待合室では、待ち時間はとてつもなく長く感じたり、イライラ感も増すものです。
待ち時間のイライラが診察に影響することもあります。はっきりとした時間まではわからなくても、せめて、あと何人待てばいいのかが分かるように、表示をするのも工夫の1つです。いきなりそのためのシステムを導入しなくても、まずは手作りの番号札からでも始められます。

3:気持ちを紛らわせる時間つぶし
ちょっとした健康情報の読み物の掲示や雑誌などを用意しておくと良い時間つぶしになります。健康や医療関連で役立つ記事が載っている雑誌には、該当ページに付箋を貼っておくと教育効果もあり、効果的です。
また、小さなお子さんもいらっしゃる病院なら、子どもの目線に子供向けの掲示をするなどの工夫をしても良いでしょう。
掲示もいつまでも古いものを貼っているのではなく、定期的に新しい情報にリニューアルすることで、医院のプレゼンスを上げることもできます。

4:相談しやすい環境づくり
患者さんは、なかなか自分からは声をかけづらいものです。
「気軽にお声がけください」と掲示があれば、少し声がかけやすくなります。
そして、それ以上に、スタッフから声がけがあれば、それを機会に話すこともできます。

チェックリストで安心感のある問診を

1 はじめての患者さんには自己紹介をする 初診時には必ず自己紹介をします。「こんにちは。●●です。」こんな一言で、患者さんの表情はぐっと柔らかくなります。

2 継続して通院している患者さんにはあなたのことを覚えているよ、というメッセージを送る
「何日ぶりですね。」「その後いかがですか?」場合によっては、「●●さん、こんにちは」というだけで十分相手に伝わります。診察室に通す前にカルテを確認して、話しかけるポイントを決めるようにします。

3 患者さんの名前を多く呼ぶ 名前を呼ぶことで、「個人」として扱われていると患者さんは感じます。

4 はじめに患者さんに話をさせる まずは患者さんの話したいことをすべて話してもらいます。
患者さんの中にスペースができて、はじめてこちらの話を聞いてもらえるのです。患者さんの話が長かったり、まとまらない場合には質問などをしてサポートします。

5 診察内容を患者さんにも伝える 患者さんは、聴診器を当てられているときや触診のときの沈黙に不安を感じている場合があります。そんなとき、例えば、風邪の患者さんののどをみるときには「のどの腫れを確認しますね」と診察目的を伝えたり、「あ、ちょっと腫れてますね」といった具合に、診察途中で分かったことなどを伝えながら診察すると患者さんは安心します。

6 治療だけでなく、原因や予防策についても話す 治療だけでなく、予防法や原因を伝えると信頼感が増します。
また、そうすることで患者さんの自発性を促すこともできます。時には、生活や仕事の様子を聞き、患者さんと一緒に対策を考えることもできます。

7 図やデータを共有して話す
「見えない」ことは人に漠然とした不安を植えつけます。データなどは共有し、並んでみる、また、ときにはデータから読み取った結果だけでなく、分析のプロセスを話すと患者さんは安心します。

8 患者さんの気になっていることを引き出す
普段なら気長に治療に取り組めても、仕事やプライベートで大切なイベントを控えていたりすると、患者さんにとっての状況は変わってきます。疾病によって影響の出ることがあるか、など患者さんが気になっていることを引き出すことも必要です。

9 ポイントポイントで質問がないか聞く
質問はタイミングを外すとなかなか後になってはしにくいものです。こまめに質問がないかを確認するとスムーズに次の話に移ることができます。

10  最後の最後に「(他に)ご質問や確認したいことはありますか?」と聞く
最後に確認をすると、例え、質問がなくても、きちんと聞いてもらえたという安心感と満足感が相手に残ります。

共通テーマ:健康

うつの見分け方と病院の選び方、付き合い方

「うつ」は誰もがなる可能性がある心の風邪。大切なのは、あまり深刻化しないうちに、きちんと対処すること。うつの見分け方から病院の選び方、付き合い方を聞きました。

*****
という記事があったので紹介。
 
***** 
 会社を休むほどではないけれど、ダルい。最近、体の調子が良くない……。それは、体がストレスに反応してSOSを出しているのかもしれない。
 ストレスが原因となった体と心の不調は様々な形で現れる。WOMAN世代の女性の場合、ストレスがかかると体には、手が震える、お腹の調子が悪くなり、便秘や下痢の症状が出る、呼吸をコントロールできなくなる、胃がきりきりと痛むなどの症状が出るケースが多い。
「ストレスが心に歪みをもたらして現れる代表的な症状がうつ。このほか過食などの摂食障害、突然動悸やめまいなどを伴う不安感に襲われるパニック障害、不眠症などの症状が出ることもあります」(外堀クリニック院長・岩本典彦さん)。

 うつ病の最も基本的な症状は「抑うつ状態」、何をするにもおっくうで、憂鬱な気分になり、気分が重く沈み、自分を責めたり、イライラしてしまう。こうした精神面の症状に加え、食欲がない、疲労感、めまいや月経不順など体の症状としても現れる。
「普段と違う状態が2週間以上続いたら、うつ病を疑ってみてください。1カ月以上続くと、自力で元の状態に戻るのは難しくなり、医師の診断を受けることが必要です」(岩本さん)。
 心の病気を扱う病院には精神科、心療内科、メンタルクリニックなど様々な呼び方がある。実際にどこで診察を受ければいいのだろう。 
 精神科は精神症状が現れている疾患全般を扱うところ。入院が必要な病状の人がかかるケースも。

 心療内科はストレスが原因で生じた体の不調を診察する科。「最近は神経症やうつ病も治療の対象としています」(岩本さん)。
 最近増えている「メンタルクリニック」は正式な医学的名称ではない。メンタルヘルス全般を診療する臨床医で、町の個人病院に多い。
「大病院では病院に行くだけで一日仕事になってしまうことも。最初は行こうと思ったときに行きやすいところがいいでしょう。心療内科やメンタルクリニックと呼ばれるところがおすすめです」(岩本さん)。オフィス街の病院なら、内科でも職場のストレスやうつについて詳しいところも多い。会社帰りに立ち寄って話を聞いてもらえば気持ちも楽だ。

 ただし、ホルモンバランスの乱れなど、ストレス以外の原因が理由でうつの症状が起きる場合も。「その場合は、大学病院の精神科などできっちり検査をしてもらうのがいい」(精神科医・最上悠さん)。
 もう一つ大切なのは医師との相性。「相性はある意味、技法以上に大切。じっくり話を聞いてもらえるかどうか。合わなければ別のところを探したほうがいいでしょう」(最上さん)。また、最初から多くの薬を出すところは避けたほうがいい。


 



共通テーマ:健康

睡眠導入剤あれこれ

 ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤を頓用として処方するのは問題があるのでしょうか?
服用したりしなかったりの繰り返しは、反跳性不眠、服用時の健忘やふらつき、持ち越し作用などの有害事象も招きやすくなります。
また、「眠れないときだけ飲んでください」という指示は、患者さんに服薬するか否かの判断という要らぬ緊張・心配を引き起こし不眠を悪化させますし、「危険な薬なのでなるべく飲まない方がよいのだ」と睡眠薬に対する恐怖感を植えつけてしまう可能性もあります。
確実に眠れる高用量の頓服ではなく、低用量を毎日服用していただくことが、睡眠薬の適切な使用法であることをご理解いただきたいと思います。


躁うつ病の患者さんに睡眠薬を処方しています。お昼になると眠気を催すようですが、薬の影響でしょうか?
躁うつ病の場合は、うつ状態のときに過剰な眠気を催すことがあります。したがって躁うつ病患者さんが日中の眠気を訴える場合は、疾患特有の病相であるのか、睡眠薬や眠気を催す抗うつ薬が効き過ぎているのかを鑑別する必要があります。より作用時間が短い睡眠薬や眠気の出現しにくい抗うつ薬に切り替えるなどして、眠気の変化がないようであればうつ状態に原因があると考えられます。
臥床していても、実際に眠っているわけではなく、うつ症状の悪化のため、離床すらできない場合もあります。本当に眠っているのかどうかを確認して、うつ症状の増悪を見逃さないようにすることも大変重要です。


患者さんはどのようなときに、ふらついていると感じるのでしょうか?
睡眠薬の服用後に中途覚醒した際、十分覚醒していない場合に、ふらつきを感じることがあり、その原因としては、眠気による運動機能と姿勢制御能の低下が考えられます。これは、睡眠薬の筋弛緩作用や持ち越し作用によるもので、特に作用時間の長いタイプの睡眠薬で起こりやすい傾向にあります。

夜勤明けにスムーズな睡眠を得るための生活指導のポイントについて教えてください。
まず、食事は、体内時計に多大な影響を与えるため、3度の食事を決められた時間に摂取する習慣を守ることが重要です。特に帰宅後に食事を摂る場合には満腹にならないように軽めの食事を心がけ、起床後にしっかり食事を摂ることを基本にします。また入浴の際は、体温を上げるような熱い湯は避け、ほどよい温度のシャワー浴などで体にあまり刺激を与えずに就寝することがポイントです。
また、アルコールは入眠効果がみられる反面、利尿効果もあるため、中途覚醒や早朝覚醒の原因にもなります。さらに睡眠の質そのものを悪化させ、摂取量が増えると耐性を形成しやすく、肝疾患など内科的な疾患の原因にもなるので、睡眠薬がわりの寝酒は避けるように指導する必要があります。

睡眠薬の離脱を開始する際に注意すべき点は何ですか?
睡眠導入薬の長期使用者が服用を突然中止すると、反跳性不眠と呼ばれる不眠症状の増悪や、不安、焦燥感、頭痛、せん妄、振戦、痙攣などの退薬症状を来たすことがあります。半減期の短い睡眠薬ほどおこりやすいので注意が必要です。したがって睡眠薬の減量と中止は医師の適切な指示のもとで行い、決して自己判断で中止しないように指導しましょう。
離脱の過程では、あせらずじっくり時間をかけて睡眠薬の減量を行うことが大切です。また、薬の用量の変化による病状の急激な変化も考えられるため、1~2週間に1度は受診していただき、しっかり経過を観察しながら減量を進める必要があります。

重度の不眠症ではないので、市販の睡眠改善薬を勧めてもよいものでしょうか?
OTCの睡眠改善薬は抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン)が中心であり、医療機関で処方される睡眠薬とは基本的に異なる薬剤であることをまず認識すべきです。
抗ヒスタミン剤は催眠作用がありますが、耐性が出現しやすく、連用すると効かなくなります。ですから添付文書にも、不眠症と診断された患者さんは服用しないようにと書かれています。したがって、睡眠薬を週2~3回以上使用する必要がある患者さんには、OTCではなく医療用の睡眠薬を選択すべきです。
特に高齢者は、抗ヒスタミン剤により緑内障発作や尿閉など重篤な副作用が誘発されやすいので、OTCは勧められません。

睡眠薬を飲むと呆けるというのは本当ですか? 高齢者のかなには「睡眠薬を飲むと呆ける」と心配されている患者さんがいらっしゃいます。アルコールと併用した場合には健忘といわれる記憶障害などの副作用を生じるといわれておりますが、アルツハイマー病や認知症などの呆けとは異なるものであり、あくまで一過性のものです。現在主流となっているベンゾジアゼピン系睡眠導入剤は従来のバルビツール系薬剤と比較しても安全性が高い薬剤といえます。患者さんに対して睡眠導入剤の正しい使い方を指導していくことが不眠症治療にとって重要です。

 睡眠薬の大量服用をした患者さんとのコミュニケーションで、何か気をつけることがありますか?
まず、大量服用したと連絡してきた場合、電話での指示は非常に危険を伴うので、絶対に避けなければなりません。また患者さんの意識状態も含め、電話口での情報はきわめて不正確なので、必ず受診してもらい、できれば一刻も早くご家族や同居者も一緒に来院していただいて、直接情報収集することが推奨されます。
また治療が無事終了したあとは、大量服用した背景を上手に聞き出し、状況によっては精神科医を紹介することも考慮します。

ヒトの最適な睡眠時間はどれくらいなのでしょう? ヒトの睡眠時間は5時間未満から10時間以上と個人差があり、例え睡眠時間が短くても目立った心身の不調がなく、朝心地よく目覚め、日中過度な眠気がなければ、眠りは足りていると考えて差し支えありません。また睡眠時間は、年齢とともに変化します。新生児は1日17~18時間も眠りますが、健康な人でも加齢によって6時間程度まで短くなります。不眠が原因で死ぬことはないことがこれまでの研究でも確認されています。したがって睡眠時間は、あまりこだわらない方が良いといえます。
 睡眠衛生の維持に、ときには睡眠導入剤の一時的使用も考える場合もあると思われます。その際、どのような注意が必要ですか?
現在もっとも多く使われている睡眠導入剤は、安全性の高いベンゾジアゼピン系(ベンゾジアゼピン受容体に作用する非ベンゾジアゼピン系薬剤を含む)です。これら薬剤の効果は自然でマイルドであるため、服用したその日から必ずぐっすり眠れるわけではありません。使用し始めてから1-2週間程度は様子を見て、その間に以前よりよく眠れた日が増えていれば、薬の効果があったと判断します。むやみに服用量を増やさないことが重要です。



共通テーマ:健康

軽度発達障害児対応の基本

・本人が悪いのではない、そしてお母さんのせいではない

 軽度発達障害児は、もともとバランスよく育てにくいのであって、誰のせいでもありません。家族は罪悪感を持たずに、学校、専門機関、ご近所など、様々な立場からの手助けをお願いしましょう 。


・ハードル設定の意識…得意・不得意の区別

 軽度発達障害を持つ子どもは、得意・不得意のバランスがよくないので、あれ(得意)ができるのだから、これ(不得意)くらいできて当然と、得意・不得意を同じレベルでハードル(目標)設定するとクリアが難しく、子どもも周囲もストレスを感じ、二次障害のもととなります。得意・不得意を区別して考え、得意分野には高めの、不得意分野には低めのハードル設定をしてあげましょう。


・何度も繰り返すだけでは効果がない

 何度言い聞かせても、やらせてもうまくいかないのは子どもが悪いのではなく、その子に合わない「伝え方」や「やり方」が原因の場合がほとんどです。繰り返してもうまくいかない場合には、子どもを責めるのではなく、「伝え方」「やり方」は適切であったか考え直してみる必要があります。また、「伝え方」「やり方」は適切であっても、どうしても子ども自身が欲求や感情をコントロールできない場合がありますので、その場合は、クリアしてほしいハードルの高さを考え直してみる必要があるかも知れません。


・気分転換

 軽度発達障害を持つ子に日常的に対応する場合、家族に慢性的にストレスが掛かることがあります。ストレスを抱えたまま子どもに対応するのは、お互いにとって良い結果は得られません。家族で連携を取り、特にお母さんは、時折子どもと距離を置いたり、趣味や旅行などで気分転換をはかりましょう。子どもの発達特性を理解した上で、家族が余裕をもって子どもに接する環境自体が、軽度発達障害を持つ子どもにとって、とても大切なことなのです。

*****

医療機関・療育機関で発達特性の説明を受けるときは、必ず心理検査の結果を見せていただき、以下のポイントについて説明を受けましょう。


・二次障害(環境による心の問題)か生得的障害(生まれもった障害)か

 生得的な障害であっても、「わがまま」「反抗的」「非常識」「やる気がない」など本人の性格の問題・親の躾の問題と受け取られる場合があります。また、生得的な障害が引き金となって二次障害を起こすことも少なくなく、二次障害にもともとの生得的な障害が見逃される場合もあります。二次障害と、生得的な障害とでは対応が異なりますので、専門的な視点での、二次障害か生得的な障害かの判断はとても重要です。


・知的側面

 とかくADHDや自閉傾向の側面のみに注目しがちですが、知的発達に遅れがあるか否かが子どもに対応する上でとても重要なポイントです。子どもにとって、簡単すぎず、難しすぎないハードルの設定が、二次障害を起こさず、持てる力を発揮させるための大切な援助となります。


・それぞれの傾向と重複の程度

 ADHD<注意欠陥/多動性障害>・高機能広汎性発達障害<高機能自閉症、アスペルガー症候群>・LD<学習障害>があるかないかを確認しましょう。軽度発達障害を持つ子どもは、上記の傾向が複数重複する可能性がとても高いといえますので、どの障害をどの程度もっており、日常生活に最も支障を来す障害は何なのか具体的に説明を受けましょう。


・心理検査の結果や発達特性が日常にどう影響するのか

 心理検査を受けた場合、検査自体の説明にとどまらず、検査の結果と発達特性が“その子”の日常生活のどの部分にどの様に影響しているのか、そして、どう対応すればいいのかを具体的に確認しましょう。“その子”のために、 周囲がすぐに取りかかれる具体策の提示がない場合、または、周囲が問題意識を持っているのに、『問題ない』『様子を見ましょう』と言われた場合は、別の機関でのセカンドオピニオンも必要かもしれません。



共通テーマ:健康

LDの本と専門機関

基本図書(親・教師向き)

ぼくのことわかって -LD(学習障害)児への手引き-
佐々木正美・中川克子・上野一彦 (1990)
朝日新聞厚生文化事業団

わかるLDシリーズ 第1巻「LDとは何か」-基本的な理解のために-
日本LD学会編 責任編集;上野一彦・中根 晃 (1996)
日本文化科学社

わかるLDシリーズ 第2巻「LDの見分け方」 -診断とアセスメント-
日本LD学会編 責任編集;森永良子・中根 晃 (1997)
日本文化科学社

わかるLDシリーズ 第3巻「LDと学校教育」
日本LD学会編 責任編集;林 邦雄・牟田悦子 (1998)
日本文化科学社

わかるLDシリーズ 第4巻「LDと医療」
日本LD学会編 責任編集;中根 晃・加藤醇子 (2000)
日本文化科学社

わかるLDシリーズ 第5巻「LDと家庭教育」
日本LD学会編 責任編集;牟田悦子・森永良子 (1999)
日本文化科学社

わかるLDシリーズ 第6巻「LDの思春期・青年期」
日本LD学会編 責任編集;上野一彦・森永良子 (2001)
日本文化科学社

LD(学習障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)
上野 一彦 (2003)
講談社

学習障害児の相談室 -つまずきやすい子どもの教育-
上野一彦 (1987)
有斐閣

おちこぼれのカルテ -スクールサイコロジストの目-
中川克子 (1984)
有斐閣

子育て質問箱 -LD児の療育-
中川克子 (1998)
日本文化科学社

こんなサポートがあれば!―LD、ADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症の人たち自身の声
梅永 雄二 (編集) (2004)
エンパワメント研究所

怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち
品川 裕香 (2003)
岩崎書店

基本図書 (親・子ども本人向き)


きみならどうする -LDのためのソーシャルスキル-
上野一彦 (1991)
日本文化科学社

[シリーズ障害を知る本・第8巻] LD(学習障害)の子どもたち
上野一彦編 (1998)
大月書店

専門書 (専門家・教師・学生向き)
LD・ADHDの理解と支援 -学校での心理臨床活動と軽度発達障害-
牟田 悦子 (2005)
有斐閣


学習能力の障害 -心理神経学的診断と治療教育-
D.J. ジョンソン・H.R. マイクルバスト/森永良子・上村菊朗 共訳 (1975)
日本文化科学社

LD-学習障害 治療教育的アプローチ 改訂2版 (小児のメディカル・ケア・シリーズ 6)
上村菊朗・森永良子 (1992)
医歯薬出版

子どもの発達と感覚統合
エアーズ/佐藤 剛 訳 (1980)
共同医書出版

講座サイコセラピー11 ソーシャル・スキル・トレーニング(略称SST)
渡辺弥生 (1996)
日本文化科学社

ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもたち
マーク・セリコウィッツ著/中根 晃・山田佐登留 訳(2000)
金剛出版

教室で行う特別支援教育 育てるカウンセリングによる教室課題対応全書
月森 久江, 岸田 優代, 朝日 滋也, 國分 康孝, 國分 久子 (編集) (2003)
図書文化社

専門書(教師・親向き)

学習障害児が出た時どうする? (楽しいクラスづくりフレッシュ文庫11)
伊藤雅亮 (1991)
明治図書

学習障害児の教育
上野一彦・牟田悦子 (1992)
日本文化科学社

LD児の指導法入門
鈴木健次・佐々木徳子 (1992)
川島書店

学習障害児の教科指導 算数・国語を伸ばすために
平山諭・津田誠一・田口貴春 (1993)
福村出版

LD ことばの表現力をのばす
C.W.ヘインズ/牟田悦子訳 (1995)
日本文化科学社

学級担任のためのLD指導Q&A
上野一彦 編 (1996)
教育出版

LD・ADHDへのソーシャルスキルトレーニング
小貫 悟・三和 彩・名越斉子 著 (2004)
日本文化科学社

LD教育選書・第1集「LDとは」症状・原因・診断理解のために
上野一彦他 編集 (1996)
学習研究社

LD教育選書・第2集「LDの教育と医学」学習課題と教育方法
上野一彦他 編集 (1997)
学習研究社

LD教育選書・第3集「LDの領域別指導事例」集団参加から教科指導まで
上野一彦他 編集 (1997)
学習研究社

図説 LD児の言語・コミュニケーション障害の理解と指導
竹田契一・里見恵子・西岡有香 著 井上芳子 絵(1997)
日本文化科学社

インリアル・アプローチ -子どもとの豊かなコミュニケーションを築く-
竹田契一・里見恵子 編著(1994)
日本文化科学社

特殊学級・養護学校用 「長所活用型指導で子どもが変わる」〈Part2〉
-認知処理様式を生かす国語・算数・作業学習の指導方略-
日本版K-ABC著者監修 藤田和弘・青山真二・熊谷恵子編著 (2000) 図書文化社

多動症候群への理解と対応 「落ち着きのない子どもたち」
石崎朝世 監修 (1997)
すずき出版

【VTR版】多動症候群への理解と対応 「落ち着きのない子どもたち」(全2巻)
石崎朝世 監修 (1997)
ジェムコ出版(株)

「多動な子どもたちQ&A」 -ADHD(注意欠陥・多動性障害)を正しく理解するために-
石崎朝世 編著 (1999)
(社)発達協会ブックメイト

「へんてこな贈り物」 -誤解されやすいあなたに-注意欠陥・多動性障害とのつきあい方-
エドワード・M・ハロウェル,ジョン・J・レイティー著/司馬理英子訳 (1998)
インターメディカル

「児童の臨床心理」 -放送大学印刷教材-
上野一彦 編著 (1998)
(財)放送大学教育振興会

「通級による指導の手引」 -解説とQ&A-
文部省特殊教育課内特殊教育研究会編著 (1993)
第一法規出版

親または「親の会」が書いた本

飛び立つ -LD(学習障害)児の学校を拓いて-
見晴台学園 (1996)
かもがわ出版ナ

ぼく学校きらいだもん -LD児を育てた母の記録-〔新装版〕
筒井やよひ (1990)
同時代社

STEP BY STEP 1.社会性編 2.算数編 3.ことば編
親の会「にんじん村」編集
「にんじん村」への 連絡先 各編一冊 \ 500.-

「ぼくたちだって輝いて生きたい」 理解されにくいLD-親の手記
全国学習障害(LD)児・者親の会連絡会 編 (1994)
青木書店

LD(学習障害)児・者を持つ親のハンドブック「きみといっしょに」
全国学習障害(LD)児・者親の会連絡会 編 (1996)
朝日新聞厚生文化事業団

 

--------------

◆ さらに詳しい書籍リストは以下のサイト。
全国LD親の会作成 http://www.normanet.ne.jp/~zenkokld/books.html

LD STATION 作成 http://www.amy.hi-ho.ne.jp/yamaokash/ldbook00.htm

日本LD学会の出版物 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jald/doc/doc-j/j10.html

Learning Disabilities Association of America (LDA) 作成 [洋書]
http://www.ldanatl.org/store/

*****
専門機関

機  関  名電 話 番 号
東京都総合教育相談室03-3493-8008
都立教育研究所・相談部03-3492-6188
都立多摩教育研究所・教育相談研究室0425-24-7221
都立多摩療育園0423-66-2311
都立梅ヶ丘病院・子どもの精神保健相談室・LD/ADHD専門外来03-3323-1621
東京小児療育病院0425-61-2521
こどもの城 小児保健クリニック03-3797-5667
国立大蔵病院 成育外来(小児科・精神科)03-3416-0181
国立小児病院精神科・神経科 小児医療研究センター03-3414-8121
国立精神・神経センター武蔵病院 小児神経科042-341-2711
東京女子医科大学附属病院 小児心理室03-3353-8111
日本大学・医学部附属板橋病院小児科 03-3972-8135
東京逓信病院 小児神経科03-5214-7111
東邦大学医学部附属大橋病院 小児科03-3468-1251
中川エデュケーショナルクリニック 連絡先変更 2000/110468-73-8227
旭出学園教育研究所03-3922-4422
こどもの発達療育研究所・長瀬療育相談室03-3221-9015
(社)発達協会王子クリニック03-3903-3311
明神下診療所・御茶ノ水発達センター03-5207-6177
のぞみ発達クリニック03-3627-9029
白百合女子大学 発達臨床センター03-3326-0925
明治学院大学心理臨床センター03-5421-5444
東京学芸大学・教師のための電話FAX電子メール相談電話相談は終了
東京学芸大学特殊教育研究施設・発達障害電話相談042-329-7686
東京学芸大学・インターネット発達障害チェックリスト 
東京成徳大学「心理・教育相談センター」03-3927-4117
リソースセンター ONE (ワン)03-3843-9455
練馬区総合教育センター・光が丘分室03-3904-4881
ユートリア(すみだ生涯学習センター) 教育相談03-5247-2001
司馬クリニック0422-55-8707
埼玉県立小児医療センター048-758-1811
埼玉県立総合教育センター048-874-1221
埼玉県立総合教育センター特殊教育室048-874-3400
埼玉医科大学附属病院・神経精神科・心療内科049-276-1111
伊豆逓信病院・小児リハビリテーション科05597-8-2320
横浜市総合リハビリテーションセンター045-473-0666
社団法人・神奈川学習障害研究協会 (神奈川LD協会)045-984-7910
LD発達相談センターかながわ045-988-3501
クリニック・かとう (院長・加藤醇子)044-522-0011
よこはま発達クリニック (院長・内山登紀夫)045-942-1077



共通テーマ:健康

高機能自閉症 (HA)/アスペルガー症候群 とは

自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、その多様性・連続性を表した概念を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼ぶ。

知的障害を伴う場合が多いが、知的能力(一般的にIQで判断される)が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼ぶことがある。また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼ぶ。 なお、「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」、「低機能自閉症」と「カナー症候群」は基本的には同じものであり、臨床的には区別されないことが多い。
(DSM-Ⅳ、ICD-10では言語障害がないものをアスペルガー症候群、言語障害があるものを自閉性障害、小児自閉症(カナー症候群)と分類する)



%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87.png

高機能自閉症/アスペルガー症候群の定義と判断基準(試案)

1. 高機能自閉症の定義
高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
※ 本定義は、DSM-IVを参考にした。

2. 高機能自閉症の判断基準
以下の基準に該当する場合は、教育的、心理学的、医学的な観点からの詳細な調査が必要である。

1. 知的発達の遅れが認められないこと。

2. 以下の項目に多く該当する。

○ 人への反応やかかわりの乏しさ、社会的関係形成の困難さ
目と目で見つめ合う、身振りなどの多彩な非言語的な行動が困難である。
同年齢の仲間関係をつくることが困難である。
楽しい気持ちを他人と共有することや気持ちでの交流が困難である。

【高機能自閉症における具体例】
友達と仲良くしたいという気持ちはあるけれど、友達関係をうまく築けない 。
友達のそばにはいるが、一人で遊んでいる。
球技やゲームをする時、仲間と協力してプレーすることが考えられない。
いろいろな事を話すが、その時の状況や相手の感情、立場を理解しない。
共感を得ることが難しい。
周りの人が困惑するようなことも、配慮しないで言ってしまう。

○ 言葉の発達の遅れ
話し言葉の遅れがあり、身振りなどにより補おうとしない。
他人と会話を開始し継続する能力に明らかな困難性がある。
常同的で反復的な言葉の使用または独特な言語がある。
その年齢に相応した、変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会性のある物まね遊びができない。

【高機能自閉症における具体例】
含みのある言葉の本当の意味が分からず、表面的に言葉通りに受けとめてしまうことがある。
会話の仕方が形式的であり、抑揚なく話したり、間合いが取れなかったりすることがある。

○ 興味や関心が狭く特定のものにこだわること
強いこだわりがあり、限定された興味だけに熱中する。
特定の習慣や手順にかたくなにこだわる。
反復的な変わった行動(例えば、手や指をぱたぱたさせるなど)をする。
物の一部に持続して熱中する。

【高機能自閉症における具体例】
みんなから、「○○博士」「○○教授」と思われている。(例:カレンダー博士)
他の子どもは興味がないようなことに興味があり、「自分だけの知識世界」を持っている。
空想の世界(ファンタジー)に遊ぶことがあり、現実との切り替えが難しい場合がある。
特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり、意味をきちんとは理解していない。
とても得意なことがある一方で、極端に苦手なものがある。
ある行動や考えに強くこだわることによって、簡単な日常の活動ができなくなることがある。
自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる。

○ その他の高機能自閉症における特徴
常識的な判断が難しいことがある。
動作やジェスチャーがぎこちない。

3. 社会生活や学校生活に不適応が認められること。
 
※ DSM-IV及び、スウェーデンで開発された高機能自閉症スペクトラムのスクリーニング質問紙ASSQを参考にした。
※ 定義、判断基準についての留意事項 
○ ADHDや高機能自閉症等は、医学の領域において研究、形成された概念である。教育的対応のための定義や判断基準は、現在ある医学的な操作的診断基準に準じて作成する必要がある。 
○ 判断基準は、都道府県教育委員会がその判断及び指導方法等について学校を支援するために設置することになろう専門家で構成された組織(以下、「専門家チーム」という)において活用することを想定した。  
○ 専門家チームでは、医療機関と連携して、必要に応じて医学的診断が受けられるようにしておく必要がある。 



共通テーマ:健康

ADHD (注意欠陥多動性障害)

ADHDの定義と判断基準(試案)

(1) ADHDの定義
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。 
※ アメリカ精神医学会によるDSM-IV(精神疾患の診断・統計マニュアル:第4版)を参考にした。

(2) ADHDの判断基準
以下の基準に該当する場合は、教育的、心理学的、医学的な観点からの詳細な調査が必要である。

1.以下の「不注意」「多動性」「衝動性」に関する設問に該当する項目が多く、少なくとも、その状態が6カ月以上続いている。

○ 不注意

学校での勉強で、細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いをしたりする。
課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
面と向かって話しかけられているのに、聞いていないようにみえる。
指示に従えず、また仕事を最後までやり遂げない。
学習などの課題や活動を順序立てて行うことが難しい。
気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避ける。
学習などの課題や活動に必要な物をなくしてしまう。
気が散りやすい。
日々の活動で忘れっぽい。

○ 多動性

手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする。
授業中や座っているべき時に席を離れてしまう。
きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする。
遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する。
過度にしゃべる。

○ 衝動性

質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
順番を待つのが難しい。
他の人がしていることをさえぎったり、じゃましたりする。
2.「不注意」「多動性」「衝動性」のうちのいくつかが7歳以前に存在し、社会生活や学校生活を営む上で支障がある。

3.著しい不適応が学校や家庭などの複数の場面で認められる。

4.知的障害(軽度を除く)、自閉症などが認められない。
 
※ アメリカにおけるチェックリストADHD-RS(学校用)、及びDSM-IV を参考にした。
※ 定義、判断基準についての留意事項 
○ ADHDや高機能自閉症等は、医学の領域において研究、形成された概念である。教育的対応のための定義や判断基準は、現在ある医学的な操作的診断基準に準じて作成する必要がある。 
○ 判断基準は、都道府県教育委員会がその判断及び指導方法等について学校を支援するために設置することになろう専門家で構成された組織(以下、「専門家チーム」という)において活用することを想定した。  
○ 専門家チームでは、医療機関と連携して、必要に応じて医学的診断が受けられるようにしておく必要がある。 

 



共通テーマ:健康

学習障害 Learning Disabilities  LD

学習障害の定義 Learning Disabilities  LD
1999.7.2
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。

学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。 
 
------------

学習障害の定義の解説
1999.7.2
[1] 学習障害の特徴
ア 学習障害とは、知能検査等の結果から、基本的には知的障害のような全般的な知的発達の遅れは見られないが、学業成績、行動観察、詳細な心理検査等により、学習上の基礎的能力である聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力を習得し、使用することについて、1つないし複数の著しい困難があると見られる様々な状態を総称するものである。 
イ 中間報告の定義では、能力の範囲に「など」をつけ、解説において「など」による能力には、運動・動作の能力、社会的適応性に係る能力が考えられるが、具体的な内容とその限界について更に検討を進めるとしていた。
しかし、全米学習障害合同委員会の定義では対象となる能力は限定列挙であること、都道府県教育委員会等からも学習障害の範囲が不明確になるという意見があったこと、運動・動作の能力や社会的適応性に係る能力の欠如が学習障害に重複して現れることはあるが、その能力の欠如のみでは学習障害とは認定し難いことから、学習障害の対象となる習得と使用に著しい困難を示す能力の範囲は、「聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力」に限定することとした。 
ウ なお、推論する能力には、図形や数量の理解・処理といった算数や数学における基礎的な推論能力が含まれていることに留意する必要がある。 

[2] 学習障害の原因
ア 学習障害の直接の原因は、個人に内在するものであり、中枢神経系の何らかの機能障害によるものと推定される。つまり、様々な感覚器官を通して入ってくる情報を受け止め、整理し、関係づけ、表出する過程のいずれかに十分機能しないところがあるものと考えられる。しかし、中枢神経系のどの部分にどのような機能障害があるかについては、まだ医学的に十分には明らかにされていない状況にある。
学習障害は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの他の障害、あるいは児童生徒の生育の過程や現在の環境における様々な困難といった外的・環境的な要因による学習上の困難とは異なる。また、ある教科に対する学習意欲の欠如や好き嫌いによるものでもない。 
イ 除外すべき障害の例示につけた「など」の障害には、言語障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱がある。
なお、言語障害については、器質的又は機能的な構音障害や吃音等の話し言葉のリズムの障害そのものは、学習障害の直接の原因となるものではないが、話す、聞く等言語機能の基礎的能力に発達の遅れがあるという状態については、学習障害でも同様に見られることがあることに留意する必要がある。 

[3] 他の障害や環境的要因との重複
ア 中間報告の定義では、他の障害や環境的な要因が学習障害の直接の原因ではないが、「ともに生じる可能性」があるとした。しかし、他の障害や環境的要因が重複する場合、それらによってより困難な状態が生じることはどの障害でも同様であり、学習障害以外の障害の定義では重複する障害との関係は示されていないこと等から、重複障害についての記述は定義ではふれないこととした。 
イ 知的障害と学習障害の関係については、教育上の措置を考えるに当たっては、[1]にも述べたように基本的には全般的な知的発達の遅れがないことの確認を要件としていることから、知能検査等の結果、あきらかに知的障害が見られれば、知的障害の養護学校や特殊学級で教育を行うことが適当である。
ただし、知的障害でありながら話す、書く等の学習の基礎的能力に大きな能力上のアンバランスがみられる等学習障害と同様の状態を示す場合がまれに見られるが、そのような場合は、知的障害児を対象とした教育の場の中で、必要に応じて学習障害としての配慮をすることが適当である。 
ウ 知能検査の結果が、知的障害との境界付近の値を示すとともに、聞く、話す、読む、書く等のいずれかの学習上の基礎的能力に特に著しい困難を示す場合の教育的な対応については、その知的発達の遅れの程度や社会的適応性を考慮し、学習障害として、通常の学級等において学習上の基礎的能力の困難を改善することを中心とした配慮を行うか、知的障害として特殊学級において学習上の困難への対応を工夫することが適当である。 
エ 視覚障害、聴覚障害等他の障害と学習障害が重複する場合についても、主たる障害に対応する盲・聾・養護学校や特殊学級における教育、通級による指導等の中で、必要に応じて学習障害としての配慮をすることが適当である。 

[4] 行動の自己調整・対人関係の問題
ア 学習障害児には、行動の自己調整や対人関係などに問題が見られる場合がかなりあることから、これらの問題が「学習障害に伴う形で現れることもある」旨を中間報告の定義に記述した。具体的には、例えば学校生活において、注意集中の困難や多動、対人関係などの社会的適応性の問題が現れることもある。このような問題は、一次的に学習障害と重複して現れている場合と、学習障害による学習上の困難の結果、そのような問題が二次的に生じている場合がある。
このような場合には、学習障害児に対する指導の中で、それらの問題の改善につき配慮する必要がある。 
イ しかしながら、このような問題のみが生じていたり、このことが主たる原因として学習の遅れが生じている場合は学習障害ではないことから、定義では触れないこととしたが、その困難の程度に応じて、情緒障害の特殊学級における教育や通級による指導などの対応を考慮するか、通常の学級において授業に集中しやすい環境の整備や対人関係等の改善に配慮する等の教育的対応を考慮する必要がある。 

-----------

そして、特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議は、2002年10月21日付けで「今後の特別支援教育の在り方について(中間まとめ)」を公表しました。この「中間まとめ」は、2002年2月から3月にかけて全国5地域の公立小学校(1~6年)及び公立中学校(1~3年)の通常の学級に在籍する児童生徒41,579人、370校の4,328学級を対象にして実施された調査結果等をもとにして、検討されたものです。この「中間まとめ」から、関連部分を以下に抜粋します。
【 全文については http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2002/021004a.htm を参照して下さい 】

------------

【 追 記 】
2003年3月28日付けで「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」が公表されました。大筋では「中間報告」の内容を踏襲したものとなっています。 全文及び議事録要旨は以下のサイトから閲覧できます。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/index.htm

--------------

LD、ADHD、高機能自閉症のある通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への教育的対応は緊急かつ重要な課題となってきている。こうした児童生徒が学級にいる場合、担任教員の理解や経験または学校内での協力体制が十分でないこと等から適切な対応ができない、また、時には、学級としてうまく機能しない状況に至る事例もある。
これらの児童生徒は多様な障害の状態像を示すことがあり、その状態に応じて情緒障害、言語障害等の通級指導教室や特殊学級において教育を受けている状況はあるが、総合的、体系的な対応はなされてこなかった。


LDについては、通級指導教室に関する調査研究協力者会議の報告(平成4年)で初めてその対応についての検討の必要性が取り上げられ、LDに関する調査研究協力者会議の報告(平成11年7月)により、その定義、判断基準、実態把握基準(試案)、指導の方法などが示された。また、平成12年度から、LDのある児童生徒に対する指導体制の充実事業が全国で展開されてきており、同会議の示した定義、判断基準、実態把握基準等の検証や学校における適切な指導体制の整備に向けて取り組んでいる。具体的には、小・中学校に校内委員会を設置し学校における実態把握を行うとともに、教育委員会に置かれる専門家チームの意見を踏まえてLDの判断や適切な教育的対応を決定するほか、専門家による巡回指導の有効性の検証を行ってきている。
しかしながら、ADHD、高機能自閉症等については、定義や判断基準が明確になっていないこと等から学校における適切な対応が行われてこなかった。


LD、ADHD等の児童生徒数は、現在の特殊教育の対象者の割合(義務教育段階で約1.4%)に比べて多く6%程度と考えられること、また、特定の学習面で著しい困難を示すLDと、行動面で困難を示すADHDや高機能自閉症とを併せもつ児童生徒がいること、LD、ADHD等については指導内容や指導上配慮すべき点について類似する点も少なくないことから個々の障害毎にではなく総合的に対処することが効率的な場合も考えられることから、これらの実態を踏まえて効果的かつ効率的に対応することが求められる。
本調査研究協力者会議では、ADHDや高機能自閉症について、別添資料にあるように定義と判断基準(試案)、学校における実態把握のための観点、指導方法等について作業部会を設置して検討してきた。今後は、同作業部会のとりまとめた内容が実際に学校教育の場で効果的に活用できるよう検証するとともに、学校における適切な指導体制を早急に構築する必要がある。国においては、上述のLDへの指導体制の充実事業を通じて整備を進めている支援体制を拡充し、ADHDや高機能自閉症をも含めた総合的な支援体制の確立に向けて取り組むことが必要である。

ADHDや高機能自閉症は、近年、その対応の重要性が認識されてきている新しい障害であることから、管理職を含む教職員や保護者等への幅広い理解の推進が必要である。

また、LDとともに、ADHDや高機能自閉症といった通常の学級に在籍する特別な教育的支援の必要な児童生徒に関わる教職員の養成や研修を、国立特殊教育総合研究所や都道府県等の教育センター等において積極的に行う必要がある。

ADHDや高機能自閉症等は、個々の児童生徒により多様な状態を示すことがあり、例えば、ADHDの児童生徒が同時に高機能自閉症と判断されたり、同時にLDと判断されることもある。このため、これらの児童生徒の教育的ニーズは多岐に渡ることもあることから、国立特殊教育総合研究所においては、当該児童生徒への具体的な指導方法の実践的な研究を引き続き進めるとともに、これまでの研究成果や実践事例を取りまとめ活用し易いものにするなど、学校や都道府県の教育センター等に対して的確に情報提供することが必要である。


LD、ADHD等について、さらに幼児期からの支援を進めるためには、幼稚園全体で支援しあえるような体制を整備したり、日頃から保護者への理解推進を進めていくような研修等の充実が必要である。また、幼稚園と比べて保育園の在籍幼児数が多い実情を踏まえれば、障害に対応した適切な教育的対応を考えていく上で保育園の役割を軽視することはできない。保育園においても幼稚園と同様の視点から取り組むことが期待され、また、小学校や盲・聾・養護学校の小学部において幼稚園や保育園と日頃からの情報交換を行うことが就学後に児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した教育を行う上で重要と考えられる。

親の会やNPOの中にはLD、ADHD等の理解の促進等を目的に活発に活動を行っているものがある。こうした草の根的な活動は、教育の充実や効果的な展開を図る上で、重要な役割を果たしうるものと考えられることから、親の会等との連携も図りながら取組みを行うことも重要なことと考えられる。
また、中学校を卒業した後は、高等学校へ進学する生徒も多いことから、LDやADHD等へ対応した特別な支援体制を構築することや、研修などを通じて理解推進を進めることが期待される。また、都道府県等の教育委員会に設置された専門家チームが、必要に応じて高等学校への支援を行なうことについて検討する必要がある。さらに、養護学校高等部との連携も重要である。

高等教育段階においても、障害に応じた配慮が各学校においてなされつつあるが、大学で学ぶLD、ADHD等の学生についても、支援の在り方についての研究を進めるとともに、様々な機会を通して大学関係者の理解の促進が図られることが重要である。



共通テーマ:健康

ピック病チェックリスト

状況に合わない行動
場所や状況に不適切と思われる悪ふざけや配慮を欠いた行動をする。
周囲の人に対して無遠慮な行為や身勝手な行為をする。
意欲減退 
引きこもりや何もしないなどの状態が持続し、改善しない。
思い当たる原因は特になく、本人の葛藤(かっとう)もない。
無関心
身だしなみに無関心になり、不潔になる。周囲の出来事にも無関心になる。
逸脱行動
万引きなどの軽犯罪を犯すが、反省したり説明したりできず、同じ違法行為を繰り返す場合が多い。
時刻表的行動
散歩や食事、入浴などの日常生活の様々な行為を時刻表のように毎日決まった時間に行う。
この際、やめさせたり、待たせたりすると怒る。
食べ物へのこだわり
毎日同じもの(特に甘いもの)しか食べない。際限なく食べる場合がある。
言葉の繰り返し
同じ言葉を繰り返したり、他人の言葉をオオム返ししたりする。
好みの変化
突然甘いものが好きになるなど、食べ物の好みが大きく変わる。
アルコールやたばこなどは毎日大量に摂取するようになる。
発語、意味の障害
無口になったり、語彙(ごい)が少なくなったりする。
物の意味が分からなくなる。
短期記憶の維持
最近の出来事など、短期記憶は保たれる。また、日時も間違えない。外出しても道に迷わない。

40歳以上の方で、上のチェックリストで3項目以上当てはまると、ピック病の疑いがある。ピック病かどうかの最終判定はこのテストだけではできません。
色々な診断などを行った上で専門家が総合的に診断する。
ピック病チェックリスト:群馬県こころの健康センター・宮永和夫所長作成



共通テーマ:健康

上司の注意の仕方と部下の注意の受け方

上司として、部下に注意するとき、ひとつ提案があります。

自分はこの注意にどれだけ感情を乗せているか、意識して欲しいのです。

メッセージには、内容と形式があります。
形式は適切かを考えて欲しいのです。

有能な上司は、教育的に接するものです。

*****
たとえばのはなし、
昔、ある横着な人がいて、葉書を大量に印刷してもらいました。
内容は、年賀と暑中見舞い、喪中の挨拶、喪中のお返し、など、
よく使うパターンを並べておいて、チェックボックスをつけて、必要な場合に
チェックを入れるものです。

これならば、文案を考えないので、まったく感情が入りません。

*****
いちいち感情のこもった文章を書いていたのではビジネスタイムの損失です。
雛形を作っておいて、要所だけを入れ替えましょう。
あるいは練り上げた雛形をそのまま伝えましょう。

怒るのもいいですが、その場合は、怒るのではなく、
「わたしは怒っています」とニュートラルに文章で伝えてはどうでしようか。
そうまでして、怒りを伝えて、有益かどうか、考えてください。
もし、有益なら、まず、この文章だけを伝えてください。

あるテレビ局のニュースキャスターは、
怒ってニュースの言葉を伝えていますが、
視聴している側として、欲しいのは、情報の内容です。
そのニュースキャスターが、
理想の上司の何位に入っているか、
考えてみてください。
あなたがそのニュースを見ていて、
この人についていこうと思うかどうか、正直に考えてみてください。

*****
現代は難しい時代です。
部下に優しくしようと思えばセクハラだといわれる可能性があります。
厳しくすればパワハラだといわれる可能性があります。
ですから、自分がどのような形式で部下に接しているのか、
チェックする必要があります。
上司として必要な能力です。

感情はニュートラルに、
内容は教育的に具体的に、してはいかがでしようか。

*****
部下としては逆に、
上司の感情部分に過剰に付き合う必要はありません。

メッセージを感情と内容とに分けて、内容だけをメモして、あとは早く忘れましょう。

あるいは感情部分を、不快な感情として記憶するのではなく、
上司はイライラして怒っていたと、客観化して、記録しておいてもいいと思います。

上司のへたな指導の仕方にあなたが腹を立てても仕方がありません。
有益なものは受け取り、無益なものは気分転換して早く忘れましょう。

上司のへたな指導の仕方を観察して、
自分なりの上手な指導の仕方を考えてみましょう。
自分だったら、同じ状況のときに、どのような言葉と態度で、部下に接するか、
メモしておきましょう。

こう考えれば、だめな上司も、自分の成長の役に立ちます。
腹を立てていても部下はついて来ないのだと学習しましょう。
本質的に有能な人間に、あるいは徳のある人間に、部下はついていくのだと、
早く学習しましょう。
そして自分が有能で徳のある人間になるように、努力しましょう。

共通テーマ:健康

子宮頸癌予防ワクチンの効果は最低でも6年以上継続

いろいろな病気をワクチンで解決しようという技術が各方面で進行中。

*****
子宮頸癌
の予防ワクチンの1つである「Cervarix」(国内では承認申請中)の効果が最低でも6年以上は継続することが確認された。3月10日に英国GlaxoSmithKline社が発表したもの。ワクチンの持続期間の調査は継続中であるため、今後、さらに長期間の持続効果が示されることが期待される。

 子宮頸癌は、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染が原因で生じることが知られている。HPVにはいくつかの型が存在し、なかでも16型と18型は子宮頸癌の原因となる場合が多い。「Cervarix」(サーバリックス)はこの2種類のHPV感染を予防するワクチンだ。

 今回の試験では、ワクチン投与後平均76カ月が経過している776人の被験者を対象に、HPVに対する抗体価を調査した。被験者はワクチン投与時に15~25歳であった女性だ。

 その結果、被験者全てが16型と18型のHPVに対する十分な抗体価を維持していたという。抗体価が十分に高いということは、この2つのHPVへの生体防御態勢が十分に高く、感染しないことを意味する。

 加えて、同ワクチンの投与により、HPV45型の感染が78%、HPV31型による感染が60%予防できていたという。

 HPVワクチンは、豪州などにおいて思春期前(12歳)の女子を対象に定期接種化が進みはじめている。長期間の効果持続が確認されれば、成人に達した後も継続してHPVの感染予防効果が得られ、子宮頸癌の激減に貢献すると期待される。

*****
別の薬、「Gardasil」は、米国や欧州など85カ国で承認されている。国内では、万有製薬が2007年12月に、子宮頸部におけるHPV6型、11型、16型、18型の感染予防ワクチンとして申請中。

共通テーマ:健康

質問を行なうポイント

<質問を行なうポイント>

POINT1

傾聴する。

POINT2

質問の目的を明確にする。
(例えば、自分が相手から情報を知りたいための質問なのか、相手に気付かせるための質問なのか。)


POINT3
 
シンプルで短い質問をする。
(短い質問は相手に深い思考を促すことができます)


POINT4

しなければならないこと(have to)」だけでなく、「どうしたいのか(want to)」も質問する。

POINT5

同じ質問をタイミングをかえて繰り返し行なう。
(繰り返し同じ質問をされることによって、相手は自分自身と向き合い、深い思考を行なうことができます。)
 
質問は目的をもって行なわれたときに最も効力を発揮します。

ですから、必ず「自分はこれから何のために質問をするのか」について、きちんと頭の中で整理してから質問をすることが必要です。

そうすれば、短い時間でもスムーズにその目的を果たすことができます。
 



共通テーマ:健康

マネジャーやリーダーに必要なものは何か

「マネジャーやリーダーに必要なものは何か」

「部下を育成する複数のスキルセットです。
それは、コミュニケーションスキル、
関係性を築くスキル、
相手に自発的に考えさせるスキル、
相手に関心を持つスキル、
相手に話をさせるスキルです」

・言葉づかい、声のトーン、ボディランゲージからメッセージを
 聞き分けることができる

・クライアントの話を明確に理解したかどうかを確認するために、
 クライアントが言ったことを要約したり、言い換えたり、
 繰り返したりして言い直すことができる

・クライアントの感情、認識、懸念、信念、提案などを表現することを促し、
 それを受け入れ、探求し、後押しすることができる

・クライアントのアイディアと提案を統合し、展開させることができる

・次のステップに前進するために、
 批判や判断を加えずにクライアントが状況を打開できる


 



共通テーマ:健康

ホルモン補充療法に伴うリスクについて

たとえば以下のような報告があり、
注意しつつ、使用する。

*****
ホルモン補充療法後も一部の健康リスクは残る

提供:Medscape

 研究者らがホルモン補充療法の是非を検討

Kathleen Doheny


 【3月4日】ホルモン補充療法(HRT)を止めた女性を約2年半追跡した最新研究から、治療を止めた閉経後女性にとってよいニュースと悪いニュース、そして驚くようなニュースがある。

よいニュースは、エストロゲンとプロゲスチンの併用療法に伴うリスクの一部、例えば心疾患、脳卒中、肺血栓リスクの増大が、治療を止めた後には消失することが研究で分かったということ。ただ、残念ながら、股関節骨折と結腸直腸癌を防ぐというホルモンの防御作用も、同時に治療を止めれば消えてしまう。

また、HRTをかつて受けていた女性は、その2年半後であっても乳癌のリスクは高いままであることが、「Women's Health Initiative(WHI)」というオリジナルの研究で分かった。ただし、HRT中止後のリスクの大きさは、統計的には有意でない。そして驚くことに、かつてHRTを受けていた女性は、複数の種類の癌についての全リスクも、HRT未経験者より高いことが今回分かった。

癌に関するこの驚くべき発見を始めとする新知見にもかかわらず、「結論は変わっていない」と試験研究者のGerardo Heiss, MD(ノースカロライナ大学公衆衛生学部疫学教授、チャペルヒル)が述べている。標準的な助言はまだ有効だ、とHeiss博士はWebMDに語った。

しかもこれは、ほてりなどの煩わしい症状を鎮めるのに必要な最小限の用量のHRTをできるだけ短い期間だけ使った女性についてのことだ。

この研究は、『The Journal of the American Medical Association』3月5日号に掲載されている。

HRTと健康リスク:研究の詳細

高齢者に対するエストロゲンとプロゲスチンの健康作用について調べるために実施されたオリジナルの研究であるWHIに参加した16,608例の女性のうち15,730例をHeiss博士らは追跡した。WHI研究は、平均しておよそ5.6年間の治療をした2002年に終わっており、ホルモン療法を受けた女性はプラセボを受けた女性よりも、乳癌リスクが高いことがその時点で分かった。

試験期間中は、心疾患、脳卒中、血栓のリスクは、ホルモン使用者の方がホルモン未使用者よりも高いが、結腸直腸癌と骨折のリスクは低いということも分かっていた。

2002年7月から2005年3月まで実施された今回の新たな追跡研究でHeiss博士らが調べたのは、ホルモンを中止することが6つの転帰に与える影響であった。6つの転帰とは、心疾患、脳卒中、肺での血液凝固(肺塞栓)、浸潤性乳癌、結腸直腸癌、股関節骨折である。

HRTと健康リスク:知見

「我々にはよいニュースがいくつかある」と、ロサンゼルス生物医学研究所(カリフォルニア州)の腫瘍内科医で、別の研究の研究者であるRowan T.Chlebowski, MD, PhDが語った。「心血管疾患のリスクは、ホルモンを止めたら本当になくなった」

心臓発作、脳卒中、肺での血液凝固といった心血管系疾患のリスクは、HRT治療経験者と未経験者で差がなくなった。このような「事象」の症例数はHRT経験者群が343、未経験群が323だった。

治療経験者のHRT中止後の骨折のリスクは未経験者と差がなく、このことはホルモンの防御作用も治療を止めれば消失することを示している。結腸直腸癌の発生率も両群間で有意差がなく、やはりHRTで見られた結腸直腸癌に対する防御作用が消失したことを示している。

乳癌のリスクは、追跡期間中も高いままだった。Chlebowski博士によると、HRT中の女性は治療を受けていない女性に比べて乳癌のリスクが27%高い。追跡期間中に乳癌が発生した女性の数は、HRT経験者群が79例で、未経験者群は69例だった。しかし、博士によれば、この差は有意ではなかった。

乳癌リスクについて調べると、「乳癌リスクが低下するには若干期間が短かったのかもしれない」とHeiss、Chlebowski両博士は語った。「乳癌リスクが減少する傾向は見られた」とHeiss博士はWebMDに話している。

その他に問題となる癌の知見として、「HRT中の女性はすべての(侵襲型の)癌のリスクが、プラセボ群よりも24%大きかった」とHeiss博士は述べている。追跡期間中に癌が発生した人数はHRT経験者群が281例だったのに対して未経験者は218例だった。それでも「大げさに心配するほどのものではない」とHeiss博士は話している。

Chlebowski博士は、この知見は「懸念材料」であり、さらに試験を行うべきものだと述べている。肺癌などその他の癌がHRT未経験者よりもHRT経験者の方で多かった理由は謎である、と博士は語った。

さらに1人の専門家が議論に加わる

今回の最新研究には、いくつかのよいニュースがある、とユニバーシティ病院ケース医療センター(クリーブランド)マクドナルド女性病院産婦人科長であるJames Liu, MDが語った。Liu博士は今回の知見をWebMDのために検証してくれた。博士は、2001年までWomen's Health Initiativeの主任研究員の1人だった。

「よいニュースは、ほとんどすべての副作用は元に戻るようだ、ということだ」と博士は言う。「乳癌の問題は解消するにはもう少し時間がかかるだろう」

HRTと健康リスク:治療経験者への助言

Chlebowski博士によれば、HRTを受けた女性は、マンモグラフィや結腸直腸癌スクリーニングといった癌スクリーニング検査に注意を払うべきである。

HRTをまだ続けている女性は、その必要性について医師と一緒に定期的に繰り返し検討すべきだ、とLiu博士は言う。「治療をまだ続けているならば、ぜひ質問すべきだ。なぜ治療をまだ続けているのですか? (閉経に伴う)症状がまだあるのならば、乳癌検診を継続する必要がある」

今回の知見は、併用HRTの場合にのみ当てはまる。エストロゲンのみを使用した女性の追跡結果は、もう少し後で出る予定である。

製薬企業の見方

WHI研究で用いられたHRTを製造したWyeth Pharmaceuticals社の後援によるテレビ会議で話した代表者によると、WHIで用いられたホルモンの処方は、今日一般的に用いられる処方とはやや異なっている。Wyeth社によれば一般的な治療期間は短くなってきており、用量もWHIで用いられた用量よりも少ないのが一般的である。

現在、HRTはWHI研究の時よりも若い女性にも処方されている。WHI参加者の平均年齢は、研究開始時で63歳だった。 Wyeth Pharmaceuticals社(フィラデルフィア)の上級副社長で医学担当重役のGary Stiles, MDによれば、高齢者でのリスクは若年者でのリスクとは同じではない。

今回の研究結果は、症状が最も悩ましい閉経期の「つらい」時期にホルモン療法を用いる女性を勇気づけるものである、とWyeth社は述べている。

 

 


 
 Gerardo Heiss, MD ノースカロライナ大学(チャペルヒル)公衆衛生学部疫学教授 Rowan T.Chlebowski, MD, PhD ロサンゼルス生物医学研究所(ロサンゼルス)の腫瘍内科医 James Liu, MD ユニバーシティ病院ケース医療センター(クリーブランド)のマクドナルド女性病院の産婦人科長

Heiss, G. TheJournal of the American Medical Association, March 5, 2008: vol 299: pp1036-1045.

Gary L. Stiles, MD Wyeth Pharmaceuticals社の上級副社長・医学担当重役


 Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape
 
 
 



共通テーマ:健康

いじめ

泥棒した人と、泥棒された人がいる。
心を傷つけた人と、傷つけられた人がいる。

泣いていて、うつになっているのは泥棒された人である。
泣いているのは、心を傷つけられた人である。
医者は泣いている人を慰める。

泥棒した人は、法律的にはどうしようもないという場合がほとんどで、
お咎めはなく、自分を責めることもなく、反省することもなく、平然と生きている。
ますます傲慢に生きている。
それでいいのだろうか。

*****
人間は、自分の言ったひどい言葉は忘れている。
自分のしたひどい行為は忘れている。

言われた方は覚えている。
されたほうは覚えている。

この非対称はなんだろう。
許されるものだろうか。

医者の仕事として、
ひどいことを言われた・された側のケアをすることはよくある。

しかし、いった側・した側のケアをすることはほとんどない。

言った者勝ち、した者勝ちなのだろうか。
そんな社会でいいはずはない。

会社でも、家庭でも、人間が何人かいれば、起こってしまう事だ。
珍しいことではない。

こんな社会でいいのだろうか。
こんな社会に参加し続けていていいのだろうか。

*****
人が一番つらいときに、その一番つらい部分を攻撃して、平気な人間がいる。

一度そんなことをしてしまっているのに、
本人は忘れているのだろうか。
こちらは決して忘れないのに。

覆水盆に帰らず。

言ってはいけない言葉を言ってしまったことの責任は、やはり、人間として、
受けるのがいいと思う。
何も死刑だといっているのではない。
妥当な苦しみを受けて当然だというだけだ。

言われたものだけが苦しむのは本当に納得できない。
言われた人だけをケアして、世の中がよくなるのか、
とても疑問だ。

ひどい言葉を投げつける人がいたら、
その人が精神的には一番病んでいるのだと思う。
その人こそ手当てが必要なはずである。
しかしそれがなされていない。
それは本人のためにならないし、社会のためにならない。
しかしそれは往々にして社会の勝者なのである。
自分の優位な立場を背景にして、
攻撃している。

だから、それを病気とは思わず、
勝者によるイジメだと感じている。
ある場合には、正当な指導だとさえ言う。
導くのだという。
そうではないだろう。
あなたがたの情操の欠落なのである。
他者の心を感受するモニター能力の障害なのである。
治療が必要なのは、
いじめる側という優位者である。

*****
「あなたはつまらないことをいつまでも覚えている」
「いつまで同じことを言っているのか」
いじめる優位者の常套文句である。
「さらにはそんなことを言った覚えはない」
と言い放つ。
「誤解だ」と居直る。
「どうしてそんなに被害的なのか」とさらに攻撃する。

いつまでも忘れることのできない傷を作ったのはあなたではないか。

おごり高ぶったこころは、
この世で栄える。
仕方がない。
そういう世の中なのだ。
しかし断じて正しいことではない。
あなたには罪がある。

その冷酷な攻撃性は明らかに罪だと思う。
かっとなって取り乱して、わけの分からないことを言っているのではない。
冷静に、相手の一番つらいところに塩をすり込むように、
ことさらに、攻撃する。
なぜそんなにもいじめて、そんなにも攻撃するのか、理解できない。
そんなにも相手を不愉快にして鬱にして、
あなたは楽しいのか。何の利益があるのか。
心の中心が病んでいるとしかいいようがない。

そう考えると、攻撃する側の、頭の中の価値観の天秤が壊れているとしか思えない。
できるだけ仲良くやっていったほうが誰にとっても幸せではないか。
なぜそれが分からない。

なぜそこに余計な緊張をもたらすのか。
なぜ亀裂を走らせるのか。
あなたにだって不利益をもたらしているのに。

そこに病気があるとしか思えない。
そして彼らは強者であり優位者であるから、
医者に行ったりしない。
攻撃の手段だけをますます身に付ける。
表の手段としては、制度、法律、人脈、
裏の手段としては、もろもろ。

この種の人たちが、泣きながら医者に来ることは、まずない。
共感不能で理解不能な攻撃性を高めて、
会社の一室で、あるいは弁護士を交えて、あるいは業者を巻き込んで、
どうにかしろと語る。

心ある人は、そのような相談をきっぱりと断って欲しい。
それは間違っている。
わたしは相談には応じられない。
そういって、きっぱりと、断って欲しい。
それが本人のためなのだし、社会のためなのだ。



共通テーマ:健康

企業の人事・労務管理者向け会員制サービス

損害保険ジャパンが昨年4月に設立したメンタルヘルス(心の健康)対策の専門子会社、損保ジャパン・ヘルスケアサービス(東京都新宿区)は10日、企業の人事・労務管理者向け会員制サービスの提供を4月から開始すると発表した。メンタルヘルス対策の相談や小人数のゼミ形式による知識やスキルの取得を安価な費用でできる内容になっている。

 サービス名は「メンタルヘルスサポート倶楽部」。同社が提供している人事・労務者向け相談サービスを提供する。「鬱病(うつびょう)で休職中の社員には、どういった対応が必要か」といったメンタルヘルスに関して、同社専属で専門知識を持った産業カウンセラーや看護師、社会保険労務士などに電話やメールで相談することができる。

 また、メンタルヘルス分野の実績がある医師や弁護士などを講師として事例研究会なども開催する。「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスクと対処法」といった具体的な知識を取得することが可能だ。

 年会費は48万円。登録は企業単位で、1会員あたり5人までメンバーになれる。定員は30社。小人数にすることで、より実践的できめ細かいサービスを提供できるとしている。損保ジャパンの取引先企業以外でも利用できる。

 損保ジャパンでは「メンタルヘルスに関する単発のセミナーは多いが、小人数のゼミ形式の講座とすることで知識の取得に加えて、同じ人事・労務に携わる関係者の情報交換の場となることも狙っている」としている。

 損保ジャパン・ヘルスケアサービスは、ヘルスケア対策に関するサービスを提供しており、現在の顧客は50社程度。新たなサービスの提供などで、来年3月末で顧客を約100社に増やす考えだ。

*****
もうすっかり、メンタルヘルスビジネスという感じですね。
自己啓発系と似た感じ。

損保としては、「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスク」が直接の関与点なのでしょう。

同社専属で専門知識を持った産業カウンセラーや看護師、社会保険労務士などに電話やメールで相談
と書いていますが、専門知識をもつ人たちといえますか?この人たちが。精神科医と臨床心理士が入ってないのは、不思議というか、この種のものの採算を考えれば、当然というか、かなり脱力します。

メンタルヘルス分野の実績がある医師や弁護士などを講師として事例研究会なども開催する。
とあるが、弁護士は判例を通して、どのようにすれば企業が過労死自殺の対策をすることができるか、話すのでしょうか。「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスクと対処法」ですか。格安で話してくれるのかな。

48万円で30社というのですから、ほとんど収入になっていませんね。
いったいどうやって運営するのでしょうか。本体からの持ち出しサービスというはずもないでしょうし。

企業の人事・労務管理者向け会員制サービスといいますが、さてさて。
個別の案件は医者に連れて行かなければどうせ対処できないし、
企業としての対策は、休業の仕方、復帰のプログラム、残業の限度、不調者の早期発見、上司の見るべくチェックポイント、など、もう決まっているし、それをやっていればいいだけで、それをしないで、何を相談できるわけもない。

すこし批判的なことを書いてみました。
まだまだいろいろな事が実際には行なわれていて、
その意味では啓発が必要なのだと思います。



共通テーマ:健康

復職のための実際の調整

うつ病の人は「ノー」と言うのが苦手。
上手な断り方を練習する。
極端に「ノー」ばかり言っても、うまくはいかない。

復職の時、主治医から上司あての
「復職後1週間は半日勤務にして下さい」という手紙を預かっていたが、
渡せなかった、などという例があるので、
医療側の意見として提出する。

また上司も、職場でどう接していいか、仕事の負荷をどの程度にしたらいいか、
決定に困る。このあたりも、必要に応じて調整し、教育的な説明をする。

部署の異動を考えるべきときは、積極的に意見を出す。

共通テーマ:健康

うつ病は病人対策ではなく企業経営に直結する組織課題と認識する~心の病気について知る

うつ病は病人対策ではなく企業経営に直結する組織課題と認識する~心の病気について知る

エンジニアをはじめとするビジネスマンにとって必要なのは、病気や病名の細かな知識ではありません。心の病気(メンタル不全)が、チームとプロジェクトにどのような悪影響を及ぼすかを理解することがポイントになります。

 今回はメンタル不全がビジネスに及ぼす影響を、数が最も多い(80%)うつ病を中心に述べます。

 

 

メンタル不全の負の連鎖

 まず、メンタル不全は個人だけでなく、なぜチーム全体に損失をもたらすのかを図解するとこのようになります(図1)。

図1
図1 メンタル不全がチームに及ぼす影響

①出発点は寝不足とストレス

 うつ病は長時間勤務による寝不足を土台に各種のストレスが加わった結果、脳が疲労状態になって起こる病気です。神経細胞の間で情報を伝達する物質(神経伝達物質)であるセロトニンノルアドレナリンが足りなくなって発病します。

 もちろんストレスは誰にもあります。ストレスの全くない人間とは、文字通り生きていない人間です。ストレスを適切に処理し、乗り越えていくことで人は成長するわけですが、度を過ぎれば心身を破壊することになります。

②発病初期は不眠症とミス・能率低下

 発病すると、不思議なことに、寝不足であるにもかかわらず眠れなくなくなります。寝つくまでに30分以上かかる、何回も目が覚めて眠りが浅い、朝早く目が覚める、などの不眠症になります。

 うつ病の具体的な症状については次回に述べますが、ここでは不眠症がポイントであることを、まず理解してください。

 さらに大事なことは、集中力と判断力が落ちて、本来持っているはずのスキルやノウハウが発揮できなくなり能率が低下していきます。同時に注意力が低下してミスが増えていきます。これは知識やスキル不足が原因でおこすミスではなく、ケアレスミスといえるものです。「彼らしくないミスが、この頃増えてきた」という場合はメンタル不全の始まりかもしれません。

 以上の結果、さらに仕事に時間がかかるようになり、脳の疲労が加速して病気が進んでいきます。

 慢性的な寝不足や不眠症の人は「メンタル不全予備軍」と言えますが、彼らの能率も落ちて判断ミスも増えています。ただ、うつ病ほどの注意力低下はないので、ミスをしたことに気づくのです。5時間未満の睡眠不足が続くと、ケアレスミスが1.5~1.7倍に増えるという研究もあります。

 

③就労不能

 出勤しても仕事にならなくなり、最終的には診断書が出て休業となります。システム開発の分野では、無断欠勤の形をとることも少なくありません。

 うつ病は「気分の落ち込み」という生易しいものではなく、スキルがあっても、注意力、判断力、集中力という、働くためのパワーが枯れ果てた状態になる病気であって、「怠け者」でも「脱落者」でもありません。がんぼろうにもがんばれないのです。

 モノにたとえればバッテリーが切れた携帯電話のような状態。従って、充電すなわち休養と薬の内服が必要になります。

④チームの戦力低下

 ここまでは、メンタル不全がエンジニアという個人に及ぼす悪影響について述べました。次はチームの問題です。

 初期の状態では、見た目では「五体満足」なので周囲は気づいていません。そして、大事なことは、うつ病は「自分が病気になったことに気づきにくい病気」なのです。

 従って初期の段階では、働くためのパワー(注意力、集中力、判断力)が低下しながら働くメンバーが発生することで、チームの戦力ダウンが始まり、就労不能でそれが決定的になります。

⑤悪循環と連鎖反応

 エンジニアの業務は専門分化し、分業されているので、他の職種と違って、休んだメンバーの業務を他の人がカバーするには非常な困難があります。

 従って、残りのメンバーがさらに長時間勤務となり、ストレスを抱えるという悪循環が生じます。システム開発の分野だけでなく、現代の職場は、バッファーとなる要員を抱えず、ギリギリの人数で成り立っているため、メンタル不全による休業という連鎖反応が起こることも稀ではありません。

 たとえば5人のメンバーのうち1人が欠けたとします。残りの4人の業務量が25%増となることはあり得ません。なぜなら人間の能力には差があって、できる人ほど仕事の負担が増えていく、という「原理」が作用するからです。できる人の負担がより多く増え、たまたまその人が発病しやすい体質であった場合、連鎖反応が起こりやすくなります。

⑥仕事・プロジェクトの不具合

 発病まで至らなくても、寝不足とストレスによる能率の低下やケアレスミスの増加がチーム全体に起こりやすくなるのは言うまでもありません。その結果、プロジェクトに重大な悪影響を及ぼすトラブルが生じるリスクが潜在化します。特にリーダーやマネージャーの発病はプロジェクトの頓挫につながるリスクといえます。

 

 

プロジェクト管理と安全配慮義務

①メンタルヘルス対策はプロジェクト管理の重要な要素

 要するに、メンタルヘルス問題は個人問題にとどまらず、チームとプロジェクトひいては企業経営に悪影響を及ぼす組織の課題であることが、お解かりいただけたと思います。

 これからのプロジェクト管理にはメンタルヘルス対策が不可欠ということです。メンタルヘルス対策によって、心の健康が保たれれば、働くためのパワー(注意力、集中力、判断力)が温存されてモチベーションも高まり、生産性が維持・向上するというわけです。

 いいかえれば、会社やマネージャー、リーダーは、「メンタルヘルス対策は病気・病人対策」という既成概念を乗り越える必要がありましょう。

②安全配慮義務

 一方、メンタルヘルス対策を会社や管理職が行うべきという法律上の根拠もあります。これを安全配慮義務といい、民法労働基準法労働安全衛生法などに基づき、会社が社員の安全と健康に配慮する義務で、管理職に委ねられています(図2)。

図2
安全配慮義務

 メンタルヘルス対策や過労死予防でいえば、次のような内容が含まれます。

  1. 上司は部下の労働時間を把握し
  2. 上司は部下の心身の健康状態を積極的に把握し
  3. 必要に応じて勤務軽減措置をする義務がある

 会社と管理職は社員(部下)に指示命令を出せる民法上の権利(労務指揮権)を持っていますが、安全配慮義務はこれと表裏の関係にある「債務」であり、すべての経営者・管理職に課せられた責任といえます。

月100時間の残業を単なる「自己責任論」で終わらせることはできない

 ①と③がポイントになります。前回、過労死の認定基準として「月100時間を超えた残業」を示しましたが、もし訴訟が起こった場合、「彼は自分の意思で自発的に残業していた」とか「上司である自分は早く帰れと言っていた。帰らなかった本人の責任だ」という反論は成り立ちません。



共通テーマ:健康

職務満足度 QWL quality of working life

職務満足度 QWL quality of working life
職務満足度とは、所属する会社組織に対する満足度のこと。

企業の組織、工場システム、個人の職務、集団の活動などにおける、人間が働くことの積極的意味づけや、労働環境の質をいいます。
その改善、充実を目的とした活動が、最近海外においてもわが国においても顕著になってきました。

直訳すれば「労働生活の質」ということ。
労働生活の質的充実,つまり働きがいを目指す世界的な運動を指す。
ベルトコンベアに代表される単調労働に起こりがちな人間疎外を克服し,労働を通して精神的な豊かさを実現しようと,1973年国際QWL委員会が発足したが,この時から国際的にQWLの慣用が確立したとされている。QWLの基準として,賃金の十分さ,公平さ,作業条件の安全性,能力の開発・活用,組織内での権利保障などをあげる学者もいる。



共通テーマ:健康

急性中毒患者に活性炭を投与しても死亡率を低減する効果は見られない

中毒物質を経口摂取した急性中毒患者に対する処置として、消化管除染(催吐、胃洗浄、活性炭の服用など)が行われるが、その効果については議論がある。今回、農薬や有毒植物を意図的に摂取した患者に対する活性炭の複数回投与の効果をスリランカで調べた結果、活性炭を投与しても死亡率を低減する効果は見られないことが示された。英国Oxford大学のMichael Eddleston氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年2月16日号に掲載された。

 先進国では、服毒して病院に運ばれた患者が死亡することはまれで、消化管除染の利益はさほど大きくないと考えられている。しかし途上国では事情は全く異なり、服毒自殺を試みた人の死亡率は高く、先進国の10~50倍といわれている。毒性の高い農薬や植物が使用されることが、死亡リスクを高めている。

 例えばスリランカで主に服毒自殺に用いられるのは、有機リン酸系農薬またはキバナキョウチクトウの種子だ。これらはいずれも活性炭に結合するが、これまで単回投与、複数回投与のいずれも臨床的に有効であることを示すエビデンスがなかった。そこで著者らは、同国で、活性炭の単回投与または複数回投与が、服毒患者の死亡を減らせるかどうか調べるオープンラベルの並行群間無作為化試験を実施した。

 対象は、スリランカの3病院で、毒物を摂取して入院した15歳以上の患者4632人。うち2338人(51%)が農薬を、1647人(36%)がキバナキョウチクトウの種子を摂取していた。年齢の中央値は25歳。

 結果から、少なくとも、有機リン酸系農薬またはキバナキョウチクトウの種子が自殺に用いられ、服毒から入院までに4時間程度を要するようなアジア太平洋地域では、活性炭の投与は有効ではないことが明らかになった。より早期に活性炭を投与すれば利益が得られる可能性はあり、研究の余地がある。幅広い患者に有効な治療方法を探すことが大切だろう。



共通テーマ:健康

若年性認知症

先日、「わたしは若年性認知症でしょうか」という女性がいて、
少し話を聞いた。
韓国映画「私の頭の中の消しゴム」を、
本人も見て、友人たちも見て、
自分は、「まるでわたしみたい」と思い、
友人らは「まるであなたみたいよ」と言ったという。

これは、若年性アルツハイマー病の20代の女性を描いたもの。

また、日本映画「明日の記憶」があり、もとになった小説もある。
こちらは、50代男性の若年性アルツハイマー病の発症とその後を描いたもの。

どちらも、記憶が根こそぎ消えてゆくので、怖い。
記憶がというより、自分が根こそぎ消えていく感じ。
そんなとき、パートナーに恵まれなかったら、どんなことになるか。
映画だから、どちらも、いい人たちに囲まれている。

*****
お勉強をすると、
18歳以降44歳までに発症するものを若年期認知症、
45歳以降65歳までに発症するものを初老期認知症、
ふたつをまとめて、通称、若年性認知症という。

認知症には、アルツハイマー病(AD)、脳血管性認知症(VaD)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症(DLB)、その他があり、たとえば、プリオン病、皮質基底核変性症、アルコール症などがある。
ピック病は、前頭側頭葉変性症(FTLD)のひとつと考えられている。前方方認知症と呼ばれ、FTDである。側頭優位型ピック病は、意味性認知症。進行性非流暢性失語(PA)などがFTDとともに、FTLDとして総称される。

そもそも人間の最高次機能が失われるとき、人間の人間らしさが失われるだろうと考えられ、
その点では、前頭葉が障害される、ピックが、問題になる。
実際、性格変化などで、その人らしさが失われ、
記憶の問題はそのあとに明らかになることが多いような気がする。

高次脳機能障害としかいえないような異常は実際にあり、
性格障害でもなく、また、交通事故の後遺症や脳手術の後遺症でもないが、
高次機能が障害されている場合がある。
それらは、認知症とはせず、高次機能障害という枠で診断している。
44歳以前の症例については、各種の機能を総合して考えて、やはり、認知症というよりは、
高次機能障害と呼ぶことがふさわしいような気がしている。
慎重に検討すれば、障害の本質は、広汎でない印象を受ける。

しかしこれについては、ADの場合、若年性だと、記憶全般よりもむしろ、
病巣の局在性が目立つ場合があり、focal variants と呼ぶ。
それを、神経障害とか、自律神経失調症とか、診断していないか、反省が必要である。
最初のうちはなかなか分からず、
MRIでも、明確に変化を指摘できないことも多い。

それぞれが若年性にも発症するが、その頻度については、確かな統計がない。
死亡後に脳を顕微鏡で見なければ確定できないもので、
統計を検証するにも時間がかかる。
さらに、最近は、疾患の再分化や、概念の組換えが起こり、
各統計数字には大きなばらつきがある。
一例を示すと、AD 38,FTLD 20,VaD 14,DLB 1,その他27,である。

その人は、海馬の萎縮を気にしていたが、
若年性ADとしても、海馬の萎縮よりも、側頭・頭頂部移行部の萎縮が強いようで、
したがって、記憶は保持され、言語能力と集中力に問題が出るようである。

注意集中困難である場合、日常の中で、
自分が何を目的に行動を起こしたのか忘れてしまい、
目に映るものに次々に注意が移行することがある。
これは病的な場合もあるし、マイルドで正常範囲である場合もあり、
さらに、疲労時にも見られる現象である。
これだけを指標にすることはできない。

注意の集中に問題があれば、当然その間の記憶は不安定になるわけで、
想起の問題なのか、注意の問題なのかと分けて考えると、
若い人の場合には、注意の障害のほうが多いような気がする。
うつ病の場合にも、注意集中の困難が起こる。

*****
この人の場合、小学生の頃、担任の先生に「君は海馬が悪いんだ」といわれて、
かなりショックを受け、いまだに気にしている。
暗記物はずっと不得意。でも、立派な大学を出て、すごい職業で、年収もすごい。
風呂に入っていて、シャンプーをしたかどうか忘れてしまい、
面倒だからも一度シャンプーするとか、やっぱり変ですよねという。

一番気になること。
みんなで話していて、あのときの旅行はひどかったねーなんて話していて、
なにそれ、みんないつ行ったの?
などといって驚かれ、そのときの写真を見せられて、自分が映っていて、二度驚き、
そういえばそういうこともあったかも、などと思う。

これは、お年寄りが、食事をしたことをすっかり忘れてしまい、
わたしは食事も食べさせてもらえないと怒っているのに似ているのではないかと言う。

最近は物忘れも度を越していて、書類を忘れたりする。

デジャビュもある。道を走っていて、あれ、これはなんだか見覚えがある、
夢の中で走っていた道だ、などと思う。
結構夢を見るほうだ。

でもこの場合、本当に走った経験があり、いつものように忘れているのかもしれない。
それを、なんとなく走ったことがあるなあと思っているのかもしれない。

*****
まあ、そんなことを言いながらも、元気に毎日を暮らしているようで、問題はない。
最近は覚えておかなくても、コンピュータがあれば仕事はできる。
漢字も固有名詞も、コンピュータを叩けばすぐに出てくる。
旅行を忘れているのは、あまりにたくさん旅行に行ったからで、
わたしのように25年前に行ったのが最後だとなれば、忘れようもない。
シャンプーは疲れている時にそうなるので、やや過労気味、
または何か気になることがあって、そちらに気をとられている結果だろう。
シャンプーを二回しても、特に害はない。

*****
若年性認知症の問題として、
1.「うつ」「ちょっとした性格障害」と診断されたまま、放置されることがある。
2.退職になるまで、職場の配慮が必要である。できれば軽作業で就業を維持したい。何もしないでいると、廃用性の変化も加わってしまう。
3.退職になった場合、収入の問題がある。障害年金を受給する。生命保険の高度障害認定を受ける。
生命保険の高度障害認定とは、寝たきりや植物状態、絶対に回復が見込めない疾患の場合に、死亡に準じて保険金が支払われるもの。若年性認知症の場合、身体が健康である場合があり、認知機能障害が重篤でも、それなりに制限されつつも日常を生きている。その場合に、保険会社が支払いをするかどうかであるが、会社が支払いをしない場合には、逆に掛け金を支払い続けなければならず、結局解約したりする。
4.攻撃性、徘徊、性格変化が目立つ場合には、家族が疲弊する。
5.サラリーマンの場合には、ミスが連発して、会社から医療機関受診を促される。自営業の場合には、「また出たよ」くらいで、迷惑に思われながら、経過してしまうこともある。オーナー社長さんは注意が必要である。お山の大将が認知症になっていた場合、対策が遅れることが多い。
6.性格変化が背景にある場合、たとえば警察沙汰になり、結果として退職となった場合、退職金も年金も危ないことになる。それが病気のせいだと証明できれば、退職金、年金は確保され、さらに、退職も撤回されるかもしれない。しかし、休職期間にも限りがあるので、満了した場合には、退職となる。

*****
こんな具合なので、
会社から受診命令が出ない程度であれば、経過を見てよい。
また、小学生の頃からの暗期苦手は、たくさんのことに興味があり、
覚えていられないということだろう。
九九を覚えられたし、英語も覚えられたのだから、問題ない。

第一、小学生の頃からある、認知の障害は、若年性認知症とは言わず、
知能発達遅滞と呼ぶ。IQ測定で、でこぼこのある、折れ線になるはずである。

また、社会性能力が優れていれば、
記憶の喪失に関しても、周囲の協力を引き出すこともできるし、
度忘れがあったとしても、何とか処置できる。

*****
なかなか難しいが、歳をとるにつれて、いずれ、誰もが、可能性を検討しなければならなくなるだろう。

*****
たとえばブログで汚言症を反復している人、
忘れているのかしらないが同じことばかり繰り返している人、
まったく社会性にかける人、
などをそれぞれ見ることができる。
しかしそれも、病気と判定するものでもなく、その人の生きている環境との相関物である。
同じことを言わなければならない理由があるのかもしれない。
ブログにしか自己表現の場がないのかもしれない。
あるいは、ブログで演じているのかもしれない。
一貫して演じられているならば、高度な知能である。
ある種の生活をしていると、廃用性成分が混入することはさけられない。
その分も考慮しないといけない。



共通テーマ:健康

損保ジャパン子会社、人事・労務管理者向けサービス「メンタルヘルスサポート倶楽部」を提供

損保ジャパン子会社、人事・労務管理者向けサービス「メンタルヘルスサポート倶楽部」を提供

「メンタルヘルスサポート倶楽部」サービスの提供開始
~ひとつでも多くの「ヘルシーカンパニー※」実現への貢献を目指して~


 株式会社損害保険ジャパン(東京都新宿区、社長:佐藤正敏)の100%子会社で、メンタルヘルス対策のサービス提供を行う株式会社損保ジャパン・ヘルスケアサービス(東京都新宿区、社長:小澤正彦、以下「SJHS」)は、2008年4月1日から、企業の人事・労務管理者向け会員制サービス「メンタルヘルスサポート倶楽部」の提供を開始します。

※ヘルシーカンパニーとは、「従業員の健康増進を経営戦略と位置づけ、高い成果に繋げている企業」といった解釈が一般的ですが、SJHSでは、「社会から信頼・尊敬され、生き生きした魅力ある企業」、「従業員が自己の成長の手ごたえを感じられ、自らの仕事に胸を張れるような組織」をイメージしています。組織にとって最も大切な資産は、そこで働く人々であり、最も幸せなことは、誇りと生きがいを感じる仕事を持てることだと考えるからです。


1.「メンタルヘルスサポート倶楽部」開発の背景

 人事・労務管理ご担当の皆様の、「日常業務の悩みに対して専門のスタッフに気軽に相談したい」、「単発のセミナーには参加しているが、体系的かつ実践的な知識になっていない」という両方のニーズに対応しつつ、少人数制のゼミナール形式の講座とすることで人事・労務管理に携わる方々の人脈構築・情報交換の場を提供いたしたく、会員制としました。


2.「メンタルヘルスサポート倶楽部」の概要

 企業単位でご登録いただく会員制倶楽部で、リーズナブルな会費で充実したサービスメニューをご利用いただけます。

 (年会費)   48万円(税込み)
 (定 員)    30社
 (会員登録) 1企業を1会員とし、1会員につき、倶楽部メンバーとして記名式で5名まで登録可能


3.「メンタルヘルスサポート倶楽部」提供サービスの概要

(1)メンタルヘルス対策 業務相談サービス
 人事・労務管理者が直面するメンタルヘルス対策に関する問題について、高度な専門知識と豊富な経験とを有するSJHSの看護師、保健師、社会保険労務士、産業カウンセラーなどの有資格者が電話やメールによりご相談に応じます。

{ご相談内容の一例}
 ・会社を休みがちで、心の健康問題がありそうな社員への対応はどうすべきでしょうか?
 ・うつ病で休職中の社員には、どのような対応が必要でしょうか?
 ・メンタルヘルス不調者が職場復帰する際の注意点は何でしょうか?
 ・衛生委員会等の運営方法や産業保健スタッフとの連携はどのようにしたらよいでしょうか?

(2)メンタルヘルス対策 労務実践講座・事例研究会
 メンタルヘルス分野において実績のある医師、弁護士等を講師に迎え、人事・労務管理者が高度で実践的な知識・スキルを体系的に習得されるための場として、労務実践講座・事例研究会を開催します(2008年4月から、年9回のシリーズで開催予定)。

{労務実践講座・事例研究会内容の一例}
 ・人事・労務担当者が知っておくべきメンタルヘルスの基礎知識(現状および課題ならびに企業がかかえるリスクおよびその対応について)
 ・メンタルヘルス悪化につながる労働環境(長時間労働、残業代未払い、裁量労働、偽装請負等について)
 ・メンタルヘルスにおける人事・労務管理者の役割と活動(対策の効果検証、ROIの考え方について)
 ・メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスクおよびその対処方法(休職、職場復帰、離職等のケースについて)
 ・メンタルヘルス対策における実践的アプローチ(ケース事例、職場環境改善への対応)
 ・メンタルヘルスが悪化する原因の一つとしてのセクシャルハラスメント・パワーハラスメントの法的問題点とその対応について など


4.今後の展開

 SJHSでは、今後、企業の人事・労務管理者の方々にメンタルヘルスの課題に対する高度な解決力を身につけていただくためのサービスを開発・提供するなど、社会貢献にも寄与する取り組みを進めてまいります。


以 上


[SJHSの提供するメンタルヘルスケアサービス] 
 従業員個人への支援サービスであるEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)に加えて、企業の経営陣、人事・労務管理部門、産業医を中心とする産業保健スタッフ※などが抱える課題の解決を支援する「総合的なソリューション」のご提供を目指しています。

URL:http://www.sj-healthcare.com
 ※産業保健スタッフ:産業医、産業看護職、衛生管理者等を中心とする、各企業の労働安全衛生推進組織の構成員


*****
今後まだまだ増えるでしょう。



共通テーマ:健康

広場恐怖とパニック障害

DSMⅣとICD-10ではかなり違っていて、
パニック障害 P
広場恐怖 A
とすると、

DSMⅣでは
P with A
p without A
とういうことで、Pが中心になっている。

ICD-10では
A with P
A without P
その他のものとしてP
と分類されている。

ICD-10はDSMⅢに準じているので、古い。
だんだんDSMⅣの方向に向かっているようだ。
書類はICD-10に準拠しているので、少し不便。

パニック発作があれば、パニック障害と診断してしまうのは、
過剰診断になっている可能性があり、慎重になるべきだ。



共通テーマ:健康

BPDについてのメモ

怒り・攻撃性にバルプロ酸がやはり効くようだ。
薬剤は慎重にすべきだとやはり思う。
薬剤をODすることで、医療を対象として行為障害を起こす。
まあ、その分、周りは一息つくかもしれない。

*****
なるほど無理もないと思える部分を見つける。
そこを伸ばす。

共感性のない人に、共感性の見本を見せる感じで。
ミラーニューロンを働かせる。

治療ターゲットとしては、衝動的行動のほうが変えやすい。
それも10年勝負。
しかし10年は、患者さんの多くのものを奪う。
それがさらに自信のなさや空威張りにつながる。
脳や筋肉の廃用性萎縮というものがあるが、
社会性機能についても同じことがいえる。
学校から社会へ、滑らかにつながらないと、
社会性機能はどうしても廃用性に萎縮する。

*****
カンデール Kandelの実験。
Potenciation
キンドリング
ウミウシのエラの反応で研究。
刺激を続ければ、敏感になる。
くり返し刺激すると強く反応するようになる。
学習の一種。

私見では、
刺激を続ければ、敏感になる部分と、
刺激を続ければ、鈍感になる部分と、
刺激を続けても、感度が変わらない部分と、
この三つが連続してスペクトラムを形成するはずだと思う。
刺激が続けば意識下のものとしてカットしてしまう機能もある。
いちいち反応しても無駄だからだ。

すると、
刺激を続けていたら鈍感になるべき部分が、
鈍感にならないでいるだけで、
結果は、刺激に対して敏感になるのと、似たようなものになるはずだ。
特に社会に生きる人間としては、
他人と比較して、そういうことになる。

少しのストレスでも発症する。

うつ病も最初は起こりにくいが、繰り返しているうちに起こり易くなる。
たいしたストレスでなくても起こってしまう。
これは統合失調症でも、パニックでも、てんかんでも、いろいろな形で言われていることだ。
キンドリングはてんかん関係の用語だ。
再発を準備してしまう。
着火しやすくなる。
これは危険回避行動としては合理的。
あつものに懲りてなますを吹くの類であるが、
過剰な回避行動として解釈できる。
過剰であっても、完全に回避した方がいい危険もある。
しかし現代の日本社会で生きていて、
そのような、完全に回避すべき刺激がたくさんあるはずはない。

しかし他人というものについて、いやな経験をしてしまった人は、
一回ごとに、ヒグマと出会ってしまったような不安・恐怖の体験をしているのだ。

海馬・扁桃体と大脳皮質。
記憶と現在起こっている事象との比較検証。
すると、昔のいやな記憶が大きく影響する。
今現在目の前で起こっていることの解釈も、集団の一般とずれてしまう。
戦争体験や性的暴行体験もそのようにして、現在の経験の邪魔をする。

攻撃の二つのタイプ。
ひとつはコールドな攻撃。はじめから目的を持って、冷酷なもの。反社会的性格障害。心拍数も変わらない。辺縁系や情動系がかかわらない。
これはドクター・レクター。看護師の耳をかじって、心電図に乱れが出なかった。
他方、ホットな攻撃は不安・恐怖に反応して、辺縁系・情動系を巻き込んで攻撃反応する。こちらはBPDのタイプ。非合理的・情動反応的な攻撃。
猫がたいした危険でもないのに反応して、背中を大きく持ち上げて反応している感覚。
その様子を見ていると、猫は現実に目に映っているもの以外に何かを見て、感じているに違いないと思う。

*****
責められる。見下される。被害を受ける。
相手は責めるつもりではないのに、患者さんは、責められていると受け取ってしまう。
責められている感覚を自分の内部で処理できずに、現実の相手にぶつけてしまうので、
話がややこしくなる。
相手は理解してくれないし、自分は消耗する。

相手がうんざりしているのが見えるから、
「やっぱり!」ということになる。
この経験が重なると、学習は強化され、
信念は固定化する。

あまり言いたくないことだが、
現代社会では、そのような不信の固まりの人を、
上手に乗せて、お金を巻き上げる人たちもたくさんいる。
巻き上げられた果てに医者にかかる。
その時点ですでに人間不信は極点に達している。
実際に、その人にとって、人間は信じてはならないもので、
確信としてもそうであるし、
客観的現実としても、そうであったのだ。
不幸としかいいようがないが、
未来を信じるなら、未来を生きるしかない。

思うに、そのような加害者や搾取者が独りで生きているはずもなく、
その搾取した利益からまたさらにおこぼれをいただいている人もいるのだろうと思う。
その人たちは、分かっていても、その人を止めないのだろう。
いろいろな考えの人はいるものだが、しかしそれでも、社会のお互い様のルールの中に入る程度に、
訂正できないはずはないのだが、見てみぬふりをしているのだろうと思う。

*****
本人はそれなりに我慢している。
他人が過剰に責めると感じるので、
過剰の怒りや悲しみで反応してしまう。

たとえて言えば、補聴器のボリュームが大きすぎる。
相手は普通に話しているのに、怒鳴られているように感じる。
何事かと思って、総毛立つ。

全部がこうではないだろうけれど、
一部は多分そんな風だろう。

*****
どうして怒りの表情を読み取ってしまうのか。
コンピュータで人の顔の写真を連続して変形させて、10枚くらい見せる。
アミグダラが強く反応して不安・恐怖がひきおこされる。
これは脳画像で確認できる。

しかし不安・恐怖は悪いものではない、不幸を回避できる、とひとまず考える。
それでも、いつも、不必要に戦ったり、逃げたりしていないか?と考え直して、
現実のいまの状況で、どう反応したら、自分にとって最適なのか、考える。
過剰反応は、おおむね、損である。

副腎皮質系が過剰反応している。
ストレス反応系が亢進している。
その反応の過剰を抑制できれば一番いい。
できないならば、せめて外に出さないでいられれば、それでも、何とか生きていける。

共感性の問題。
ミラーニューロン。
他人がいやなにおいを嗅いでいる写真で、いやな感じを感じることができる。
他人がくすぐられている写真で、くすぐったさを感じる。
集団の中で生きていくに有用な機能。
その部分がうまく働いていないと、他人と気持ちがすれちがう。

この説明で言えば、「他者の心」をどう認知するか、という、
最近流行の問題であり、
他者の心を認知する唯一のモデルは自分の心であるから、
自分の心をモニターできているのかという問題でもある。

自分の心の状態を自分がどのようにしてモニターできるのかという問題については、
なかなか難しい。

こころの言葉と脳の言葉が必要。
脳の言葉だけでは納得ができないし、
こころの言葉だけでは、検証できない。
客観的なデータで説得されたほうが、受け入れやすい。
血圧でも、血糖でも、そうだ。
まして、攻撃性が過剰だとか共感性が欠けているとか、
他人に言われて、素直に納得できるはずもない。
またまた他人からの過剰な攻撃かと思って、身構え、
いつものように過剰な反応をするだけだろう。
解決にならない。

*****
悲惨な幼児体験を話す人もいて、
それが事実か作話か知る方法もないけれど、
それでも、そのような幼年時代を生きてくれば、
現在がそうであっても仕方がないだろうと思う部分もある。

親の関わり方も難しい。
間違った信念をうっかり強化してもいけないし、
頭ごなしに貶めて自信喪失させてもいけない。
親としても、自分も加害者なのかと思う部分もあり、
最初の加害者ではないとしても、
何番目かの無理解者であった可能性は、
どうしても否定できない。
現実に結果として、悪かったのであれば、充分ではなかったのだと自己批判するだろう。
それも、どうしようもない。

*****
自己モニタリング不全の話は、あちこちで登場して、
原因なのか結果なのか、よく分からない。
いずれにしても、よくないものだろうと思う。
しかしまた、おなじ自己モニタリング不全でも、
自分に対する評価が、現実の自分よりも少しだけよいと、一番幸せだと思うこともある。
現実の自分よりも、少しだけ美人だと確信していれば、
なんとなく楽しく生きられるだろう。
ちょっとだけの自己愛はみんな持っているし、むしろ必要である。



共通テーマ:健康

境界性パーソナリティ障害についての雑記

Borderline Personality Disorder,BPD

DSM-IV-TRの診断基準では、以下9項目のうち5つ以上を満たすこととなっている。

見捨てられ不安
理想化とこき下ろしに特徴づけられる不安定な対人関係
同一性の障害
衝動性
自殺企図
感情不安定
慢性的な空虚感
怒りの制御の困難
一過性の妄想様観念/解離

注意として、誰でも不安定といえばある程度不安定で、
不安といえばある程度不安なのであり、
その程度が病的か否かの判断は、かなり専門的ということになる。

また、5つ以上というのも、一応の目安で、
1-5月は4つだったから、境界性パーソナリティ障害ではなくて、
6-10月は5つだったから、境界性パーソナリティ障害になったというようなものでもない。

たとえばのはなし、
「ワン」となけば犬で、「ニャー」となけば猫だと、分かり易い基準があったとして、
「ワン」となかないとしても、
DNAも、食事の量も、運動も、体格も、付き合う相手も、すべて犬らしいというときは、
何とないていても、犬である。

その本当に基本的なメカニズムが分かっていないから、
このように参考に並べているだけである。

*****
9つあるが、分類すると、

対人関係の2項目
見捨てられ不安
理想化とこき下ろしに特徴づけられる不安定な対人関係

情動の3項目
感情不安定
慢性的な空虚感
怒りの制御の困難

認知の2項目
一過性の妄想様観念/解離
同一性の障害

行為の障害2項目
衝動性
自殺企図

などと大きく分けることもできる。

この中でも、
一過性の妄想様観念/解離などについては、書いてあるとおりに一過性のであるが、
一過性でも拾えというよりは、
一過性ではなく一貫して常にあるならば妄想性障害を疑いなさいということだ。
状態の悪いときにはあるけれど、
状態のよいときにも、隠れているだけかもしれないという気分かもしれない。

見捨てられ不安などはどちらかといえば一貫した傾向になるかもしれない。

内面を変えるよりも、
行動をコントロールするほうが分かりやすいので、
また、結果が重要なので、衝動性や自殺企図のコントロールがまず初めの標的となる。

そして、そうした行動を変えるためには、
つまり我慢するには、
否定的な認知を変える事が有効だという話になる。

たとえば、写真の人が、怒っているのか悲しんでいるのか、判断してもらうとして、
いつでも、怒っていると判断する人は、
日常生活の中で、他人が起こっていない場面でも、
怒られたと感じ、非難されたと感じるだろう。
そうすると自己評価が傷つき、我慢しきれなくなって感情を爆発させ、
結局周囲の人に、反感を買い、自分は落ち込む。
明日会社に行って、みんなわたしを無視するだろう、陰口を言うだろう、怒った目つきや軽蔑した目つきで私を見るだろうと思っていると、実際そのように思える。
そこでますますいらいらする。
気の休まるときがない。 

写真の中の人を、いつでも悲しい人だと判断する人は、
いつでも慰めようとするかもしれない。
しかしいいことばかりでもなくて、
余計なおせっかいだと叱られるかもしれない。

*****
性格なのだから、変わらない一定のものだろうという意見もあるが、
そんなことはない。
環境によってかなり違う現れ方をする。
ある環境では賞讃されることが、ある環境では嫌悪される。
ある環境では障害であり、別の環境では特性である。

DSMのなかでも、
適応障害とPTSDは、原因に言及している点で特異なものなのであるが、
表面に現れている症状としては、
不安、抑うつ、ときに妄想、その程度で、
適応障害とPTSDは、なければなくても、運用できる。

たとえば、
現在の症状としてはうつ病、
原因に言及すれば、適応障害、
性格に着目すれば、境界型パーソナリティ障害と
それぞれにいえる例もある。

適応障害とPTSDは、おおむねそうだろうと理解することはできるが、
客観的な裏付けはできないことが多い。
環境の中の何が本当の原因なのか、結局分からないはずだ。
生育歴の中でトラウマがあるとして、
本当にそのトラウマなのか、どのトラウマなのか、
知る方法はない。

性格と適応は表裏のもので、
環境を変えれば、適応障害はなくなり、
性格障害と見えたものも、消えてしまうこともある。
その場合も、環境の中の何が本質的にいけなかったのかは、
よく分からない。
部長なのか、課長なのか、残業なのか、相手業者なのか、
あるいは当人の思い込みなのか。
性格の問題と見立てた場合にも、性格の中のどの部分がどうだったのか、
客観的に性格に評定することもできないわけで、
断定的なことは言わないのがエレガントというものだ。

従って、性格だから、死ぬまで治らないと思う必要はない。
年齢により、状況により、変化する部分もある。

*****
むしろ、場面に応じて柔軟に、性格の各方面を発揮できるのが普通である。

たとえば、自己愛性人格障害というのがあり、
理由もなく、プライドが高くて、うぬぼれているのだが、
恋愛の状況で、ある程度自己愛的に振舞わないならば、
ちっとも恋愛にならない。
僕はつまらない人間なんだ、DNAはこの程度、と言ってしまったのでは、恋愛にならない。

孫が生まれたとき、
かわいいと思ってしまうのは、理由のない理想化であるが、
それがないと、孫がかわいく思えない。

また、境界性パーソナリティ障害では、
相手を過度に理想化して、そのあとこき下ろすなどが特徴なのだが、
これもたとえば恋愛のときに、一時的に理想化していなければ、
恋愛など成立しない。
あなたは、まあまあ、こんな程度ね、わたしもその程度だし、いいでしょう、と、
10年も連れ添った夫婦のようであり、
スーパーで買い物をするようなものである。

うぬぼれたり、理想化したりするから、
恋愛したり、
デパートで新製品を正札で買ったり、
新車を買ったりするのだ。

失恋したときに相手をこき下ろすことができるから、
涙からも立ち上がることができる。
正確に自分の欠点を認識しているようでは、
なかなか元気になれない。

仕事、家庭、夜の飲み会、子供の運動会、趣味のサークル、
それぞれで違う性格面を発揮するから、おもしろいのであって、
いつでも同じだと、周りも、困る。

人間は、ある程度、境界性パーソナリティ的でも、自己愛的でも、依存的でもいいのであって、
しかし、それを発揮していい場面と、悪い場面を区別しないといけない。

その場の空気を読むとは、そんなことだろう。

自己紹介でも、
合コンの紹介と、
新居の隣人への紹介と、
新人社員としての紹介と、
みんな違うはずで、
新人社員がいきなり、飲み屋でふざけるような自己紹介では困るし、
飲み屋でふざけないようでは、女性たちが困ってしまう。

人間にはいろいろな面が内在し潜在しているはずで、
要するに、場所と時を考えて発揮するということになるのだと思う。

場合によって自己愛的にも境界性にもなれないのでは、
いいことなのかどうかすこし疑問がある。
現状では、固すぎてつまらない人間には診断はつかない。
放置すれば迷惑にならないからだろう。

 



共通テーマ:健康

強迫性障害の悪循環の図

photo_3.jpg

ある状況で心配が頭をかすめること(侵入思考)は9割の人が体験しており、正常体験に属する(表)。侵入思考に対して、「まあ、大丈夫だろう」と日常的に対処できれば問題は生じない。
強迫性障害患者は侵入思考を過大に評価して過剰な不安を覚え(強迫観念)、不安を抑えるための儀式的行動(強迫行動)を行う。
強迫行為で一時的に不安が和らぐが、(1)不安を覚えると強迫行為を行わないと安心できなくなる、(2)当該テーマ(例:確認)への過敏さが強まり、さまざまな場面で不安が生じて悪循環に陥る。

治療法には、薬物療法と精神療法(認知行動療法など)がある。

 

 「侵入思考」というのは、ある事態に遭遇した際に誰でも抱きうる一過性の心配を言います。たとえば、外出してから「確かに鍵を閉めた、ガスの元栓を閉めたと思うけれど、どうだったかな?」と心配になるとか、公衆トイレを使う際に「ここを使って、汚れはしないかな?」と感じたりすることは、誰でも思い当たるところがあるでしょう。普通はこの種の心配にとらわれず受け流すことができますが、強迫性障害の患者さんは「侵入思考」を「過大評価」しがちです。「過大評価」によって強い不安が生じて、それを和らげるために強迫行為をしますが、それが病態を悪くします。強迫行為をしないと安心できなくなりますし、強迫行為をすることで「過大評価」がいっそう強まってしまうからです。


  実際にこの図を臨床の場で使用してみますと、「侵入思考」と「過大評価」という二つの術語が入ることで心理教育が行いやすくなると感じています。(原田先生より引用)



共通テーマ:健康

境界性パーソナリティの悪循環の図

中心となる基本テーマに、(1)自信がない、(2)資質を生かせる活動の場が乏しい、(3)支えになる仲間が少ない、の三つがある。
基本テーマから「落ち込み」「空しさ」などの感情が生まれ、対人関係の特徴(例えば、傷つきやすさ)につながる。
日常生活の「行き違い」などで「見捨てられた」などと極端に受け止めて、行動化を起こしてしまいがち。
行動化が「周囲との軋轢」の増大、患者本人の「後悔」などをもたらし、不安・抑うつ症状や基本テーマが、いっそう悪化する。
以上をふまえて、「典型的なうつ病との違い」や「精神科での治療の内容や限界」を理解してもらう。

患者本人の試行錯誤・自助努力で「行動化」を減らし、基本テーマを変えていくことが治療の本質であると伝える。

photo_2.jpg
ここでは、中心となる基本テーマに、(1)自信がない、(2)資質を生かせる活動の場が乏しい、(3)支えになる仲間が少ない、の三つがある
とされていますが、それに「(4)他人と自分の気持ちがすれちがう」を加えてもよいだろうとの意見もありました。(尾崎先生)

優先順位をつけられない。一人で抱え込む。このあたりも特徴です。

なるほど、うまく行かない根本の原因は、気持ちのすれちがいで、そこから、自信ももてないし、仲間も少なくて、一人で悩み、抱えきれないという結果になると考えることはできそうです。

ショックを受け易く、
たいていは我慢するのですが、
ときに「過剰な反応」になってしまいます。

ショックを受けるのは仕方がないので、
過剰な反応はしないでおきましょうと
話し合うわけです。

また、日常生活で、
「見捨てられた」
「嫌われた」
「見下された」
と感じすぎる傾向について、
いろいろな研究があります。
たとえば、いろいろな写真を見せて、
この人は怒っているか。悲しんでいるかとたずねると、
一般の人よりも、「怒っている」「非難している」と
感じる反応が多いようで、
このあたりも、ショックを受け易い要因のひとつになっているようです。
ある種の過敏さ、受け取り方の歪みが、やはりあるようです。

病院を転々とする傾向もあるのですが、
真剣に援助を求め、変化を求めていると評価することもできます。
転々とするときに、「過剰な反応」ではなく、新しい変化を求めるのだと冷静に対処すればいいわけです。

何もかもすべてが一度に改善するものではないのですから、
治療の当面の目標を小さく決めて、
できるかどうかやってみればいいのです。

精神の全部が不健康な思考に侵されているわけではありませんから、
精神の健康部分を用いて、かなり健康に暮らすことも可能なのです。
つまり、「過剰な行動」をまず何とか我慢して、抑えることが目標になります。

 



共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。