いじめ
泥棒した人と、泥棒された人がいる。
心を傷つけた人と、傷つけられた人がいる。
泣いていて、うつになっているのは泥棒された人である。
泣いているのは、心を傷つけられた人である。
医者は泣いている人を慰める。
泥棒した人は、法律的にはどうしようもないという場合がほとんどで、
お咎めはなく、自分を責めることもなく、反省することもなく、平然と生きている。
ますます傲慢に生きている。
それでいいのだろうか。
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人間は、自分の言ったひどい言葉は忘れている。
自分のしたひどい行為は忘れている。
言われた方は覚えている。
されたほうは覚えている。
この非対称はなんだろう。
許されるものだろうか。
医者の仕事として、
ひどいことを言われた・された側のケアをすることはよくある。
しかし、いった側・した側のケアをすることはほとんどない。
言った者勝ち、した者勝ちなのだろうか。
そんな社会でいいはずはない。
会社でも、家庭でも、人間が何人かいれば、起こってしまう事だ。
珍しいことではない。
こんな社会でいいのだろうか。
こんな社会に参加し続けていていいのだろうか。
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人が一番つらいときに、その一番つらい部分を攻撃して、平気な人間がいる。
一度そんなことをしてしまっているのに、
本人は忘れているのだろうか。
こちらは決して忘れないのに。
覆水盆に帰らず。
言ってはいけない言葉を言ってしまったことの責任は、やはり、人間として、
受けるのがいいと思う。
何も死刑だといっているのではない。
妥当な苦しみを受けて当然だというだけだ。
言われたものだけが苦しむのは本当に納得できない。
言われた人だけをケアして、世の中がよくなるのか、
とても疑問だ。
ひどい言葉を投げつける人がいたら、
その人が精神的には一番病んでいるのだと思う。
その人こそ手当てが必要なはずである。
しかしそれがなされていない。
それは本人のためにならないし、社会のためにならない。
しかしそれは往々にして社会の勝者なのである。
自分の優位な立場を背景にして、
攻撃している。
だから、それを病気とは思わず、
勝者によるイジメだと感じている。
ある場合には、正当な指導だとさえ言う。
導くのだという。
そうではないだろう。
あなたがたの情操の欠落なのである。
他者の心を感受するモニター能力の障害なのである。
治療が必要なのは、
いじめる側という優位者である。
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「あなたはつまらないことをいつまでも覚えている」
「いつまで同じことを言っているのか」
いじめる優位者の常套文句である。
「さらにはそんなことを言った覚えはない」
と言い放つ。
「誤解だ」と居直る。
「どうしてそんなに被害的なのか」とさらに攻撃する。
いつまでも忘れることのできない傷を作ったのはあなたではないか。
おごり高ぶったこころは、
この世で栄える。
仕方がない。
そういう世の中なのだ。
しかし断じて正しいことではない。
あなたには罪がある。
その冷酷な攻撃性は明らかに罪だと思う。
かっとなって取り乱して、わけの分からないことを言っているのではない。
冷静に、相手の一番つらいところに塩をすり込むように、
ことさらに、攻撃する。
なぜそんなにもいじめて、そんなにも攻撃するのか、理解できない。
そんなにも相手を不愉快にして鬱にして、
あなたは楽しいのか。何の利益があるのか。
心の中心が病んでいるとしかいいようがない。
そう考えると、攻撃する側の、頭の中の価値観の天秤が壊れているとしか思えない。
できるだけ仲良くやっていったほうが誰にとっても幸せではないか。
なぜそれが分からない。
なぜそこに余計な緊張をもたらすのか。
なぜ亀裂を走らせるのか。
あなたにだって不利益をもたらしているのに。
そこに病気があるとしか思えない。
そして彼らは強者であり優位者であるから、
医者に行ったりしない。
攻撃の手段だけをますます身に付ける。
表の手段としては、制度、法律、人脈、
裏の手段としては、もろもろ。
この種の人たちが、泣きながら医者に来ることは、まずない。
共感不能で理解不能な攻撃性を高めて、
会社の一室で、あるいは弁護士を交えて、あるいは業者を巻き込んで、
どうにかしろと語る。
心ある人は、そのような相談をきっぱりと断って欲しい。
それは間違っている。
わたしは相談には応じられない。
そういって、きっぱりと、断って欲しい。
それが本人のためなのだし、社会のためなのだ。
企業の人事・労務管理者向け会員制サービス
損害保険ジャパンが昨年4月に設立したメンタルヘルス(心の健康)対策の専門子会社、損保ジャパン・ヘルスケアサービス(東京都新宿区)は10日、企業の人事・労務管理者向け会員制サービスの提供を4月から開始すると発表した。メンタルヘルス対策の相談や小人数のゼミ形式による知識やスキルの取得を安価な費用でできる内容になっている。
サービス名は「メンタルヘルスサポート倶楽部」。同社が提供している人事・労務者向け相談サービスを提供する。「鬱病(うつびょう)で休職中の社員には、どういった対応が必要か」といったメンタルヘルスに関して、同社専属で専門知識を持った産業カウンセラーや看護師、社会保険労務士などに電話やメールで相談することができる。
また、メンタルヘルス分野の実績がある医師や弁護士などを講師として事例研究会なども開催する。「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスクと対処法」といった具体的な知識を取得することが可能だ。
年会費は48万円。登録は企業単位で、1会員あたり5人までメンバーになれる。定員は30社。小人数にすることで、より実践的できめ細かいサービスを提供できるとしている。損保ジャパンの取引先企業以外でも利用できる。
損保ジャパンでは「メンタルヘルスに関する単発のセミナーは多いが、小人数のゼミ形式の講座とすることで知識の取得に加えて、同じ人事・労務に携わる関係者の情報交換の場となることも狙っている」としている。
損保ジャパン・ヘルスケアサービスは、ヘルスケア対策に関するサービスを提供しており、現在の顧客は50社程度。新たなサービスの提供などで、来年3月末で顧客を約100社に増やす考えだ。
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もうすっかり、メンタルヘルスビジネスという感じですね。
自己啓発系と似た感じ。
損保としては、「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスク」が直接の関与点なのでしょう。
同社専属で専門知識を持った産業カウンセラーや看護師、社会保険労務士などに電話やメールで相談
と書いていますが、専門知識をもつ人たちといえますか?この人たちが。精神科医と臨床心理士が入ってないのは、不思議というか、この種のものの採算を考えれば、当然というか、かなり脱力します。
メンタルヘルス分野の実績がある医師や弁護士などを講師として事例研究会なども開催する。
とあるが、弁護士は判例を通して、どのようにすれば企業が過労死自殺の対策をすることができるか、話すのでしょうか。「メンタルヘルス不調者にかかわる企業の法的リスクと対処法」ですか。格安で話してくれるのかな。
48万円で30社というのですから、ほとんど収入になっていませんね。
いったいどうやって運営するのでしょうか。本体からの持ち出しサービスというはずもないでしょうし。
企業の人事・労務管理者向け会員制サービスといいますが、さてさて。
個別の案件は医者に連れて行かなければどうせ対処できないし、
企業としての対策は、休業の仕方、復帰のプログラム、残業の限度、不調者の早期発見、上司の見るべくチェックポイント、など、もう決まっているし、それをやっていればいいだけで、それをしないで、何を相談できるわけもない。
すこし批判的なことを書いてみました。
まだまだいろいろな事が実際には行なわれていて、
その意味では啓発が必要なのだと思います。