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待合室から問診まで

安心感を生み出す待合室づくり

1:医師からのメッセージを掲示する
医師は問診票を通して、ある程度、患者さんのことを事前に知ることができます。しかし、患者さんには、診察室の向こう側について、全く情報がありません。情報がないということは、人を不安にさせます。「医師はどんな人なんだろう」、「どんな風に診察されるんだろう」と患者さんの不安や緊張は高まります。診察前に医師がどんな人なのか、どんなポリシーで診察を行っているかを示し、医師側の情報も提供することで、患者さんの緊張を和らげることができます。顔写真などもあれば、さらにイメージができます。また、WEB サイトでそのような情報を提供すると、患者さんは安心して医院へ足を運ぶことができます。

2:診察順表示で待ち時間を推測
「待つこと」以上に人をいらいらさせるのが、「いつまで待てばいいのか分からない」という思いです。遊園地や行例のできるお店など、その先に楽しいことがある場合はまだいいのですが、診察や治療が待っている病院の待合室では、待ち時間はとてつもなく長く感じたり、イライラ感も増すものです。
待ち時間のイライラが診察に影響することもあります。はっきりとした時間まではわからなくても、せめて、あと何人待てばいいのかが分かるように、表示をするのも工夫の1つです。いきなりそのためのシステムを導入しなくても、まずは手作りの番号札からでも始められます。

3:気持ちを紛らわせる時間つぶし
ちょっとした健康情報の読み物の掲示や雑誌などを用意しておくと良い時間つぶしになります。健康や医療関連で役立つ記事が載っている雑誌には、該当ページに付箋を貼っておくと教育効果もあり、効果的です。
また、小さなお子さんもいらっしゃる病院なら、子どもの目線に子供向けの掲示をするなどの工夫をしても良いでしょう。
掲示もいつまでも古いものを貼っているのではなく、定期的に新しい情報にリニューアルすることで、医院のプレゼンスを上げることもできます。

4:相談しやすい環境づくり
患者さんは、なかなか自分からは声をかけづらいものです。
「気軽にお声がけください」と掲示があれば、少し声がかけやすくなります。
そして、それ以上に、スタッフから声がけがあれば、それを機会に話すこともできます。

チェックリストで安心感のある問診を

1 はじめての患者さんには自己紹介をする 初診時には必ず自己紹介をします。「こんにちは。●●です。」こんな一言で、患者さんの表情はぐっと柔らかくなります。

2 継続して通院している患者さんにはあなたのことを覚えているよ、というメッセージを送る
「何日ぶりですね。」「その後いかがですか?」場合によっては、「●●さん、こんにちは」というだけで十分相手に伝わります。診察室に通す前にカルテを確認して、話しかけるポイントを決めるようにします。

3 患者さんの名前を多く呼ぶ 名前を呼ぶことで、「個人」として扱われていると患者さんは感じます。

4 はじめに患者さんに話をさせる まずは患者さんの話したいことをすべて話してもらいます。
患者さんの中にスペースができて、はじめてこちらの話を聞いてもらえるのです。患者さんの話が長かったり、まとまらない場合には質問などをしてサポートします。

5 診察内容を患者さんにも伝える 患者さんは、聴診器を当てられているときや触診のときの沈黙に不安を感じている場合があります。そんなとき、例えば、風邪の患者さんののどをみるときには「のどの腫れを確認しますね」と診察目的を伝えたり、「あ、ちょっと腫れてますね」といった具合に、診察途中で分かったことなどを伝えながら診察すると患者さんは安心します。

6 治療だけでなく、原因や予防策についても話す 治療だけでなく、予防法や原因を伝えると信頼感が増します。
また、そうすることで患者さんの自発性を促すこともできます。時には、生活や仕事の様子を聞き、患者さんと一緒に対策を考えることもできます。

7 図やデータを共有して話す
「見えない」ことは人に漠然とした不安を植えつけます。データなどは共有し、並んでみる、また、ときにはデータから読み取った結果だけでなく、分析のプロセスを話すと患者さんは安心します。

8 患者さんの気になっていることを引き出す
普段なら気長に治療に取り組めても、仕事やプライベートで大切なイベントを控えていたりすると、患者さんにとっての状況は変わってきます。疾病によって影響の出ることがあるか、など患者さんが気になっていることを引き出すことも必要です。

9 ポイントポイントで質問がないか聞く
質問はタイミングを外すとなかなか後になってはしにくいものです。こまめに質問がないかを確認するとスムーズに次の話に移ることができます。

10  最後の最後に「(他に)ご質問や確認したいことはありますか?」と聞く
最後に確認をすると、例え、質問がなくても、きちんと聞いてもらえたという安心感と満足感が相手に残ります。

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うつの見分け方と病院の選び方、付き合い方

「うつ」は誰もがなる可能性がある心の風邪。大切なのは、あまり深刻化しないうちに、きちんと対処すること。うつの見分け方から病院の選び方、付き合い方を聞きました。

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という記事があったので紹介。
 
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 会社を休むほどではないけれど、ダルい。最近、体の調子が良くない……。それは、体がストレスに反応してSOSを出しているのかもしれない。
 ストレスが原因となった体と心の不調は様々な形で現れる。WOMAN世代の女性の場合、ストレスがかかると体には、手が震える、お腹の調子が悪くなり、便秘や下痢の症状が出る、呼吸をコントロールできなくなる、胃がきりきりと痛むなどの症状が出るケースが多い。
「ストレスが心に歪みをもたらして現れる代表的な症状がうつ。このほか過食などの摂食障害、突然動悸やめまいなどを伴う不安感に襲われるパニック障害、不眠症などの症状が出ることもあります」(外堀クリニック院長・岩本典彦さん)。

 うつ病の最も基本的な症状は「抑うつ状態」、何をするにもおっくうで、憂鬱な気分になり、気分が重く沈み、自分を責めたり、イライラしてしまう。こうした精神面の症状に加え、食欲がない、疲労感、めまいや月経不順など体の症状としても現れる。
「普段と違う状態が2週間以上続いたら、うつ病を疑ってみてください。1カ月以上続くと、自力で元の状態に戻るのは難しくなり、医師の診断を受けることが必要です」(岩本さん)。
 心の病気を扱う病院には精神科、心療内科、メンタルクリニックなど様々な呼び方がある。実際にどこで診察を受ければいいのだろう。 
 精神科は精神症状が現れている疾患全般を扱うところ。入院が必要な病状の人がかかるケースも。

 心療内科はストレスが原因で生じた体の不調を診察する科。「最近は神経症やうつ病も治療の対象としています」(岩本さん)。
 最近増えている「メンタルクリニック」は正式な医学的名称ではない。メンタルヘルス全般を診療する臨床医で、町の個人病院に多い。
「大病院では病院に行くだけで一日仕事になってしまうことも。最初は行こうと思ったときに行きやすいところがいいでしょう。心療内科やメンタルクリニックと呼ばれるところがおすすめです」(岩本さん)。オフィス街の病院なら、内科でも職場のストレスやうつについて詳しいところも多い。会社帰りに立ち寄って話を聞いてもらえば気持ちも楽だ。

 ただし、ホルモンバランスの乱れなど、ストレス以外の原因が理由でうつの症状が起きる場合も。「その場合は、大学病院の精神科などできっちり検査をしてもらうのがいい」(精神科医・最上悠さん)。
 もう一つ大切なのは医師との相性。「相性はある意味、技法以上に大切。じっくり話を聞いてもらえるかどうか。合わなければ別のところを探したほうがいいでしょう」(最上さん)。また、最初から多くの薬を出すところは避けたほうがいい。


 



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睡眠導入剤あれこれ

 ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤を頓用として処方するのは問題があるのでしょうか?
服用したりしなかったりの繰り返しは、反跳性不眠、服用時の健忘やふらつき、持ち越し作用などの有害事象も招きやすくなります。
また、「眠れないときだけ飲んでください」という指示は、患者さんに服薬するか否かの判断という要らぬ緊張・心配を引き起こし不眠を悪化させますし、「危険な薬なのでなるべく飲まない方がよいのだ」と睡眠薬に対する恐怖感を植えつけてしまう可能性もあります。
確実に眠れる高用量の頓服ではなく、低用量を毎日服用していただくことが、睡眠薬の適切な使用法であることをご理解いただきたいと思います。


躁うつ病の患者さんに睡眠薬を処方しています。お昼になると眠気を催すようですが、薬の影響でしょうか?
躁うつ病の場合は、うつ状態のときに過剰な眠気を催すことがあります。したがって躁うつ病患者さんが日中の眠気を訴える場合は、疾患特有の病相であるのか、睡眠薬や眠気を催す抗うつ薬が効き過ぎているのかを鑑別する必要があります。より作用時間が短い睡眠薬や眠気の出現しにくい抗うつ薬に切り替えるなどして、眠気の変化がないようであればうつ状態に原因があると考えられます。
臥床していても、実際に眠っているわけではなく、うつ症状の悪化のため、離床すらできない場合もあります。本当に眠っているのかどうかを確認して、うつ症状の増悪を見逃さないようにすることも大変重要です。


患者さんはどのようなときに、ふらついていると感じるのでしょうか?
睡眠薬の服用後に中途覚醒した際、十分覚醒していない場合に、ふらつきを感じることがあり、その原因としては、眠気による運動機能と姿勢制御能の低下が考えられます。これは、睡眠薬の筋弛緩作用や持ち越し作用によるもので、特に作用時間の長いタイプの睡眠薬で起こりやすい傾向にあります。

夜勤明けにスムーズな睡眠を得るための生活指導のポイントについて教えてください。
まず、食事は、体内時計に多大な影響を与えるため、3度の食事を決められた時間に摂取する習慣を守ることが重要です。特に帰宅後に食事を摂る場合には満腹にならないように軽めの食事を心がけ、起床後にしっかり食事を摂ることを基本にします。また入浴の際は、体温を上げるような熱い湯は避け、ほどよい温度のシャワー浴などで体にあまり刺激を与えずに就寝することがポイントです。
また、アルコールは入眠効果がみられる反面、利尿効果もあるため、中途覚醒や早朝覚醒の原因にもなります。さらに睡眠の質そのものを悪化させ、摂取量が増えると耐性を形成しやすく、肝疾患など内科的な疾患の原因にもなるので、睡眠薬がわりの寝酒は避けるように指導する必要があります。

睡眠薬の離脱を開始する際に注意すべき点は何ですか?
睡眠導入薬の長期使用者が服用を突然中止すると、反跳性不眠と呼ばれる不眠症状の増悪や、不安、焦燥感、頭痛、せん妄、振戦、痙攣などの退薬症状を来たすことがあります。半減期の短い睡眠薬ほどおこりやすいので注意が必要です。したがって睡眠薬の減量と中止は医師の適切な指示のもとで行い、決して自己判断で中止しないように指導しましょう。
離脱の過程では、あせらずじっくり時間をかけて睡眠薬の減量を行うことが大切です。また、薬の用量の変化による病状の急激な変化も考えられるため、1~2週間に1度は受診していただき、しっかり経過を観察しながら減量を進める必要があります。

重度の不眠症ではないので、市販の睡眠改善薬を勧めてもよいものでしょうか?
OTCの睡眠改善薬は抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン)が中心であり、医療機関で処方される睡眠薬とは基本的に異なる薬剤であることをまず認識すべきです。
抗ヒスタミン剤は催眠作用がありますが、耐性が出現しやすく、連用すると効かなくなります。ですから添付文書にも、不眠症と診断された患者さんは服用しないようにと書かれています。したがって、睡眠薬を週2~3回以上使用する必要がある患者さんには、OTCではなく医療用の睡眠薬を選択すべきです。
特に高齢者は、抗ヒスタミン剤により緑内障発作や尿閉など重篤な副作用が誘発されやすいので、OTCは勧められません。

睡眠薬を飲むと呆けるというのは本当ですか? 高齢者のかなには「睡眠薬を飲むと呆ける」と心配されている患者さんがいらっしゃいます。アルコールと併用した場合には健忘といわれる記憶障害などの副作用を生じるといわれておりますが、アルツハイマー病や認知症などの呆けとは異なるものであり、あくまで一過性のものです。現在主流となっているベンゾジアゼピン系睡眠導入剤は従来のバルビツール系薬剤と比較しても安全性が高い薬剤といえます。患者さんに対して睡眠導入剤の正しい使い方を指導していくことが不眠症治療にとって重要です。

 睡眠薬の大量服用をした患者さんとのコミュニケーションで、何か気をつけることがありますか?
まず、大量服用したと連絡してきた場合、電話での指示は非常に危険を伴うので、絶対に避けなければなりません。また患者さんの意識状態も含め、電話口での情報はきわめて不正確なので、必ず受診してもらい、できれば一刻も早くご家族や同居者も一緒に来院していただいて、直接情報収集することが推奨されます。
また治療が無事終了したあとは、大量服用した背景を上手に聞き出し、状況によっては精神科医を紹介することも考慮します。

ヒトの最適な睡眠時間はどれくらいなのでしょう? ヒトの睡眠時間は5時間未満から10時間以上と個人差があり、例え睡眠時間が短くても目立った心身の不調がなく、朝心地よく目覚め、日中過度な眠気がなければ、眠りは足りていると考えて差し支えありません。また睡眠時間は、年齢とともに変化します。新生児は1日17~18時間も眠りますが、健康な人でも加齢によって6時間程度まで短くなります。不眠が原因で死ぬことはないことがこれまでの研究でも確認されています。したがって睡眠時間は、あまりこだわらない方が良いといえます。
 睡眠衛生の維持に、ときには睡眠導入剤の一時的使用も考える場合もあると思われます。その際、どのような注意が必要ですか?
現在もっとも多く使われている睡眠導入剤は、安全性の高いベンゾジアゼピン系(ベンゾジアゼピン受容体に作用する非ベンゾジアゼピン系薬剤を含む)です。これら薬剤の効果は自然でマイルドであるため、服用したその日から必ずぐっすり眠れるわけではありません。使用し始めてから1-2週間程度は様子を見て、その間に以前よりよく眠れた日が増えていれば、薬の効果があったと判断します。むやみに服用量を増やさないことが重要です。



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