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軽症うつ病について

月刊 臨床精神薬理  
【バックナンバー目次】第6巻2号  2003年2月
●軽症うつ病について
笠原嘉
 軽症のうつ状態に注目を促す動きは比較的最近のもので,3つくらいの淵源があろう。1)日本で最初に「軽症うつ病」(1966)と題する書物を発行した平沢一は,1958年から1965年までの間の某大学病院精神科外来でのうつ病診療を集大成した。ここでの軽症とは「精神科外来で治療可能な程度の(躁うつ病性の)うつ病」であった。以降,今日まで続く軽症うつ病概念の中心にある。その背景には精神科外来患者の増加,薬物療法の進歩,メンタルヘルス運動の高揚などがあろう。2)もう1つの動きは,米の心身医学から1970年ころ導入された「仮面うつ病」であろう。前面に出た身体症状ないしは身体愁訴がその背後にある軽度の心理症状をマスクするという巧みな表現で,従来の「うつ気分のないうつ病」をより明確に特徴づけた。精神科よりも内科をはじめ一般診療でより有用な概念である。3)最後に神経症性・人格障害性などの「非精神病性うつ病」がある。元来,時代により文化により論議の絶えない領域だが,今日,たとえばdysthymia,cyclothymia(DSM―IV),soft bipolar spectrum(Akiskal),非定型うつ病などという新しい概念が生れている。今日では心理的治療のみならず,薬物療法の適否の再検討を要する領分にもなっている。話は変わるが,分類上ICD―10(1993)はうつ病にはじめて軽症,中等症,重症の区別をもうけたし,DSM―IV(1993,p719)も大うつ病のクライテリアを満たさない「小うつ病」を検討課題に挙げる。筆者はさらにメンタルヘルスの見地から,世間に残る偏見を一段と排除する目的で非精神病性を明示する「軽症うつ病」が市民権を得ることを切望するものである。丁度「統合失調症」と同じように。
Key words : mild degree of depression, minor depression, masked depression, anhedonia, chronic stage of mild depression

■特集 軽症うつ病の治療を巡るcontroversy

●軽症うつ病の診断的位置付け
坂元薫  鈴木克明
 笠原―木村分類のI型を「うつ病」の中核とみなすことを前提として,軽症うつ病概念が包含する種々の病態を批判的に概観し,軽症うつ病診断のありかたを検討した。軽症うつ病として第一に挙げられるのは,DSM―Ⅳの大うつ病性障害軽症型やICD―10の軽症うつ病であるが,症状数による重症度分類の問題性を指摘した。その他,軽症うつ病に相当するものとして気分変調性障害,非定型の特徴を伴うもの,特定不能のうつ病性障害(小うつ病性障害)をとりあげ検討した。明白なストレス因子によって誘発された「うつ病」が抑うつ気分を伴う適応障害と診断されうることに注意を喚起した。また不安障害に併発するうつ状態の成因論的鑑別の重要性を論じた。軽症うつ病診断がその多義性ゆえに「使用に耐えなくなる」事態を避けるためには,大うつ病性障害軽症型(DSM―Ⅳ),軽症うつ病(ICD―10)をその中核に据えるべきことと,「小うつ病」診断基準の充実が望まれることを指摘した。さらに,「うつ病」の早期に見られる軽症うつ病に対する適切な診断と対応が,軽症うつ病診断の最も重要な課題となりうることも指摘した。
Key words : mild depression, mild severity of major depressive disorder, dysthymic disorder, minor depressive disorder, adjustment disorder with depressive mood

●軽症うつ病の生物学――うつ病の発症メカニズムにおけるストレスの役割――
穐吉條太郎
 うつ病の発症メカニズムにおけるストレスの役割について,最近になってさらに盛んに研究されるようになってきた。その研究規模も拡大し,対象数が数千人でかつ双生児を用いた研究もある。今回は数十年間のうつ病とストレスに関する研究を文献的に考察した。研究項目としてストレスのタイプと質(ストレスの慢性化と期間,ストレスの時期とうつ病の発症,ライフストレスの領域,ストレスの質),変数(性格・ライフイベント・社会支援・遺伝子・性),ライフイベントとうつ病の経過(重症度とエピソードの期間,再燃と再発),ストレスとうつ病のタイプ(産後うつ病,症候群のタイプ,不安とうつ病)について言及した。
Key words : anxiety disorder, depression, life event, stress, twin study

●プライマリ・ケアを受診するうつ病
佐藤武
 プライマリ・ケアにおける大うつ病,軽症うつ病,気分変調性障害の本邦および諸外国の有病率を紹介した。特に軽症うつ病の臨床特徴として,本邦では腰痛,頭痛,頸部痛などの身体症状として表現されることを紹介した。軽症うつ病に使用される治療手段として,抗不安薬(alprazolam・etizolam・tandospirone),抗うつ薬(SSRI・SNRI),抗精神病薬(sulpiride)などが一般に用いられるが,さらに漢方薬,セントジョーンズワートに関しても紹介した。最後に,軽症うつ病では,薬物療法に限らず,精神療法の重要性を強調し,特にWHOが推奨する問題解決療法,最近注目を集めている短期療法として解決志向療法を紹介した。最後に,軽症うつ病(または気分変調性障害)が重症うつ病(抗うつ薬が無効,自殺の可能性が高いなど)に移行することもあり,その際,専門医との連携が必要とされ,入院治療へ繋げることの重要性を強調した。
Key words : depression, dysthymic disorder, prevalence, medication, psychotherapy

●内科診療における軽症うつ病の診断と治療
中野弘一
 心療内科におけるうつ病は軽症ないし中等症の特定不能と分類される病態が大部分である。ICD―10で不安障害に分類されている混合性不安抑うつ障害も多く認められる。内科診療においてもうつ病の頻度は高く,また悪性腫瘍に先行する症候や意識障害との鑑別も必要となる。慢性内科疾患管理の中でノンコンプライアンスやコントロール不良は抑うつのサインである場合がある。また診断過程においては悪性腫瘍を疑わせる症候を有するものの臨床検査で異常のない場合は,抑うつを想起する必要のある病像である。SSRIによる薬物治療には少なくなったとは言え抵抗はいぜん存在する。抑うつへの病態理解は気分障害としての部分のみならず広く日常の気分の変調としてとらえアプローチすべき病態も多い。これらの軽症病態には薬物というより言葉による介入が不可欠である。心理的対応もエビデンスが存在している有力な治療手段である。言葉を用いての個別性への対応なしにはぺトスとしての抑うつをいやしえない。
Key words : mild depression, psychosomatic medicine, antidepressant

●メンタルクリニックを受診する軽症うつ病
渡辺洋一郎
 CMI(コーネル・メディカル・インデックス)における抑うつ項目の回答と診断との関係を調べたところ,自覚的抑うつ症状は全体の67.6%にみられ,診断は多岐にわたっていた。一方,気分障害でも21.4%は抑うつ症状を示していなかった。DSM―Ⅳの基準をもとに軽症うつ病を規定し,該当症例の経過を調べたところ,軽症例の治療が容易とはいえず,患者の病識,治療への抵抗をめぐる問題,誘因となった心理的要因への対応や心理療法併用の可否,就労などに関する問題など軽症であるがゆえの治療的課題がいくつか認められた。これらのことより,精神科医への新たなるニーズ,症状や質問紙法のみに頼って安易にうつ病を診断することの危険性,軽症うつ病の診療には相当な経験と見識が必要であること,軽症うつ病を狭く規定したとしてもなおさまざまなバリエーションが存在し,治療者の心構えのためにも,治療法の決定や,予後予想に役立つ分類のさらなる検討が臨床的に有意義であることを指摘した。
Key words : mild depression, psychiatric clinic, CMI(Cornell Medical Index), dysthymia, depressive state

●軽症うつ病の薬物療法再考
岩川美紀  寺尾岳
 軽症うつ病の定義は未だ明らかとなっておらず,薬物療法の効果も十分検討されているとはいえない。今回我々はDSM―Ⅳで気分変調性障害,特定不能のうつ病性障害に含まれるもののうち小うつ病性障害,反復性短期うつ病性障害,月経前不快気分障害,さらに閾値下うつ病とされるものを軽症うつ病の対象とし,各疾患においてevidenceに基づいた検討を行い,薬物療法が効果的か否か判断した。その結果,軽症うつ病の中でも気分変調性障害,月経前不快気分障害においては薬物療法の有効性が示された。他の疾患については今後さらに研究を重ねて検討していくことが必要である。
Key words : mild depression, dysthymia, premenstrual dysphoric disorder, pharmacotherapy, SSRIs



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激務でうつ病発症 解雇は無効 東芝に賠償命令 赤旗 朝日

激務でうつ病発症 解雇は無効 東芝に賠償命令 東京地裁

 長時間過密労働によってうつ病にかかり、休職したのを理由に解雇したのは無効として、東芝の労働者が解雇無効と損害賠償を求めていた裁判の判決が二十二日、東京地裁でありました。

 鈴木拓児裁判官は、月九十時間を超える時間外労働があったとして「業務上の疾病」と認定。療養中の解雇を制限した労基法一九条に違反し、安全配慮義務にも反しているとして、解雇は無効とし、未払い賃金や慰謝料など総額二千八百万円の支払いを命じました。

 弁護団によると、業務上の疾病による解雇無効の判決は初めて。訴えていたのは、埼玉県の深谷工場の技術職、重光由美さん(41)。二〇〇〇年から生産ラインの立ち上げプロジェクトに従事し、残業や休日出勤が激増。〇一年四月、抑うつ状態と診断されましたが、次々と業務を担わされ症状が悪化。同年九月から療養生活を余儀なくされ、〇四年九月、休職期間満了を理由に解雇されました。

 東芝では、成果主義賃金のもとで長時間労働がまん延し、精神疾患が増加。重光さんの携わるプロジェクトでは同僚が二人も自殺しました。しかし、熊谷労基署は過重労働と認めず、労災不支給を決定。裁判でも東芝側は、過重労働ではないと主張していました。

 判決後、記者会見した重光さんは、「当たり前のことが認められるまで長い道のりだったが、うれしい。東芝は職場に問題があったことを認めて二度と悲劇が起こらないようにしてほしい」と語りました。

 川人博弁護士は、「過重労働が原因でうつ病になった労働者を一方的に解雇するケースが多いなかで、企業に重大な警告を発するものだ」と強調しました。

 東芝広報室は「主張が認められず遺憾だ。控訴手続きをとった」とのコメントを出しました。

2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

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特に新しい情報も観点もないようだけれど、赤旗もずいぶん平明に書いている。ですます体である。

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「うつ病で解雇」は無効 東芝に賃金支払い命令 東京地裁

2008年04月22日19時34分

 「東芝」(東京都港区)の工場で働いていた重光由美さん(41)が、長時間労働が原因でうつ病を発病したのに解雇したのは違法だと訴えた訴訟で、東京地裁(鈴木拓児裁判官)は22日、解雇を無効とし、未払い賃金など約2700万円を支払うよう東芝に命じる判決を言い渡した。

 代理人の川人博弁護士は「業務が原因で精神疾患にかかった従業員の解雇が、判決で無効だと認められたケースは初めて。過労でうつ病を発症する人は多いが、裁判で戦い続けることが難しい現状もある。経営者に警告を発する画期的な判決だ」と話す。

 重光さんは、埼玉県にある工場内の液晶生産ラインの技術者だった。01年10月にうつ病の診断書を東芝に提出して休職。04年9月に休職期間が満了したとして解雇されたという。

 判決は、重光さんがうつ病になった01年4月までの時間外労働は月平均90時間に上ったと指摘して、うつ病と業務との因果関係を認めた。さらに会社側が重光さんの業務を増やしたことが症状を悪化させたとし、「心身の健康を損なわないような配慮をしなかった」と述べた。

 判決について東芝広報室は「会社の主張が認められなかったことは大変遺憾で、直ちに控訴の手続きをとった」とするコメントを発表した。
(朝日新聞)

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どこも特別な情報はないようで、同じような文章だ。



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パワハラで自殺2審も認定…名古屋高裁「心理的負荷でうつ病」

パワハラで自殺2審も認定…名古屋高裁「心理的負荷でうつ病」

 中部電力社員だった夫(当時36歳)がうつ病になり自殺したのは、過労や上司のパワーハラスメント(職権による人権侵害)が原因だったとして、愛知県内に住む妻(43)が名古屋南労働基準監督署長を相手取り、遺族補償年金の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が2007-10-31日、名古屋高裁であった。

 満田明彦裁判長は、「業務が原因でうつ病を発症し、そのために自殺しており、不支給処分は違法」と述べ、不支給処分の取り消しを命じた1審・名古屋地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 判決によると、夫は1999年8月に主任に昇格した後、うつ病を発症。同年11月、乗用車内で焼身自殺した。妻は翌年、労災認定を申請したが、労基署は「業務が原因のうつ病ではない」として申請を退けた。

 判決は、「主任昇格は、夫にとって心理的負荷が強かった」と指摘。さらに、上司の「主任失格」「おまえなんかいなくても同じ」といった言葉や、上司が結婚指輪を外すよう命じたことについて、「合理的な理由のない、指導の範囲を超えたパワーハラスメント」と認定し、こうした心理的負荷からうつ病を発症し、自殺に至ったと結論付けた。

 愛知労働局労災補償課の話「国側の主張が認められず残念。今後の対応は、判決内容を検討の上、決めたい」

2007年10月31日  読売新聞)


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教諭自殺は公務災害 高裁逆転認定

教諭自殺は公務災害 高裁逆転認定
うつは仕事が原因
 県西部の小学校養護教諭だった尾崎善子さん(当時48歳)が自殺したのは公務災害だったとして、母親(82)が地方公務員災害補償基金県支部長の石川知事を相手取り、公務災害の認定を求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であった。浜野惺(しずか)裁判長(渡辺等裁判長代読)は「(尾崎さんが)うつ病に関係の深い性格だから公務災害としなかったのは、到底理解できない」とし、請求を棄却した1審・静岡地裁判決を取り消して公務災害とした。

 判決などでは、養護学級で障害児2人を担当していた尾崎さんは、別の養護学校の児童が体験入学し、暴力を振るうなどの行動を取るようになったことが原因で、うつ病を発症。2000年4月から約3か月間特別休暇を取ったが、同8月に自殺した。

 1審判決では、体験入学によるストレスとうつ病の因果関係は認めたが、ストレスは「公務自体というより、体験入学に過剰な拒否反応を抱いたから」と判断した。これに対し、控訴審判決は「几帳面(きちょうめん)な性格で柔軟性に欠けていても、20年間に十分な勤務実績があった」とし、ストレスは「体験入学による重圧がかかりすぎたから」とした。

 逆転勝訴を受け、原告側代理人の塩沢忠和弁護士は「うつ病が本人の性格でなく、仕事によるものと判断した意味は大きい。うつ病を最先端の医学的見地からみている」と評価した。

 善子さんの弟、正典さん(54)は「精神疾患が職場で一般的に語られ、科学的な論点でものが言われるような社会になってほしい」と語った。同基金の藤原通孝副支部長は「判決内容を精査して対応を検討する」との談話を出した。

(2008年4月25日  読売新聞)



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高機能自閉症の何をどう治療するのか

まずもう一度、高機能自閉症のイメージをまとめる。

【高機能自閉症における具体例】
含みのある言葉の本当の意味が分からず、表面的に言葉通りに受けとめてしまうことがある。
会話の仕方が形式的であり、抑揚なく話したり、間合いが取れなかったりすることがある。

たとえば、私の知っている例でいえば、「カウンセラーに、父親とキャッチボールをしなかったから、病気になったといわれている。僕はキャッチボールをしなかった」という人。カウンセラーは、言葉のキャッチボールとか、こころのキャッチボールとかの説明をしたはずで、実際に野球のボールを、グローブに投げなかったことが病気の原因になったはずはない。
この人は知能が低いのかといえばそうではなくて、某有名大学のゴルフ部だった。
「大学のゴルフ部で、タイガー・ウッズみたいな才能のある人っているのかな?」と聞くと、むっとした様子で、とてもプライドを傷つけられたようなしぐさをして、「わかってませんね、全然、タイガーはもう全然違うんです……」と話し始める。落第もしないで、進級して卒業、父の後をついで社長になる予定で修行しているのではないかと思う。

○ 興味や関心が狭く特定のものにこだわること
強いこだわりがあり、限定された興味だけに熱中する。
特定の習慣や手順にかたくなにこだわる。
反復的な変わった行動(例えば、手や指をぱたぱたさせるなど)をする。
物の一部に持続して熱中する。

これは診察室でも良く見られるし、特徴的なので印象に残る。

【高機能自閉症における具体例】
みんなから、「○○博士」「○○教授」と思われている。(例:カレンダー博士)
他の子どもは興味がないようなことに興味があり、「自分だけの知識世界」を持っている。
空想の世界(ファンタジー)に遊ぶことがあり、現実との切り替えが難しい場合がある。
特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり、意味をきちんとは理解していない。
とても得意なことがある一方で、極端に苦手なものがある。
ある行動や考えに強くこだわることによって、簡単な日常の活動ができなくなることがある。
自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる。

なんでもそつなくこなす秀才ではない。
偏った分野のとんでもない天才の印象を受ける。
しかし困ったことに、現代では、コンピュータを叩けば、その程度の知識は検索できてしまい、
実際的な価値は低くなっている。

○ その他の高機能自閉症における特徴
常識的な判断が難しいことがある。
動作やジェスチャーがぎこちない。

常識がないことはしばしばで、目の前にいる人間が何を感じているかに、まったく気付かない。

3. 社会生活や学校生活に不適応が認められること。

当然不適応になるはずで、その適応の悪さを聞いていると、一見、いじめにあっているのか、
知能が低いのか、何かあるのかと思ってしまう。しかし知能は高く、周囲は意地悪をしているわけではなく、ただ、本人が、常識に欠け、特に他人の気持ちを推定することができない。

他人の気持ちが分からないのは当然といえば当然である。
人間は、自分の内側の心をモニターして、こんなときはこんな感情が生まれるのだと観察している。
それを他人の心を推定するときに思い出して、応用している。
ところが、そのモニターしている自分の心があまりにも世間一般とずれているので、
それを適用しても、うまく推定できないことが分かる。
すると、手がかりを失い、特定の習慣や手順にかたくなにこだわることになる。
自分の得意なことだけはやるけれども、そのほかについては、
自分がやってもうまく行かないし、うまく行かない理由も分からないというのが実際だろう。
それは心のモデルが壊れているからだ。

*****
このように観察してくると、
治療に当たっては、SSTのように、「良肢位での固定」といったものも考えたい。
世間を渡るための最低限の防波堤である。
柔軟な対処は無理。
むしろ、硬直した対処を通してもいい環境を作ること。
その環境からはみ出ないようにして、
半ば習慣に「こだわり」つつ生きていけるようにすること。
その方がいい。

労働力としては、ときに抜群の力を発揮するので、
環境を整えてあげることが大事。
職場で誰かに嫌われて、低次元のいじめを受けたりすると、極端に弱い。
有用性を知り、才能を理解してくれる人にめぐり合うことが大切である。

さて、そのようにして、定職までは一応たどり着くことができる。
しかし、家庭生活を築くとなると、配偶者選択が問題である。
上手にお付き合いして、幸せになれるようなお相手を見つけられるかどうか、
それはなかなかの難問題になる。

しかしまた、そこだけを工夫すれば、あとは安定した職場で、安定して仕事ができるタイプの人たちなので、
ひと安心である。
ご両親とご兄弟の力を借りたいところだ。

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緩和医療 スピリッチャル・ペイン

「緩和医療」とは死の直前だけの話であると、未だに誤った認識を抱いている医師は少なくない。だが、「がん対策基本法」において、抗腫瘍治療の早期の段階から緩和医療の遂行が重点課題として挙げられているように、緩和医療を理解し実践することの必要性は確実に高まっている。

*****
治療の早期から、QOLを保持するために、緩和医療を積極的に進めることが提唱されている。

身体的苦痛、
精神的苦痛、
社会的苦痛などと分類して、注意する。

倦怠感、抑うつ、せん妄(意識レベルの低下)などに対して、
精神的苦痛を癒すことができるように、精神療法と薬剤で対処する。

スピリッチャル・ペインと呼ばれる次元の苦痛もあり、
それは例えば、「自己消滅への不安」「人生の意味・目的の喪失」など、
人間として根源的な苦悩の部分もある。

自分が死に直面したとき、親しい人が死に直面したとき、
老化に伴う喪失の感覚など、
深刻に悩むもので、実際、慰めようもないようなものである。

人間の尊厳を保つこと、
過度の依存性を避けること、
独立性を維持することなどが大切である。

尊厳死や安楽死の問題にもつながるもので、
スピリッチャルな次元の問題で、
宗教者や哲学者、芸術家が関与する場合もある。

傾聴と共感がここでも大切であるが、
多くの治療者は、たぶん、年長者の、この世界から消え行く不安感には、
対処できないだろう。
むしろ、そばで付き添ってあげる感覚だろう。
その程度しかできないが、それでも、大切である。

深い信仰さえ揺れる。
それがスピリッチャル・ペインである。

社会的苦痛としては、経済的苦痛、対人関係の苦痛などがあり、
精神的苦痛と重なるものであるが、
考え方や受け止め方を変えるだけではなく、
実際の社会的な対処が必要な部分である。
例えば、医療費の補助制度を有効に活用する、
親族や愛する人たちとの関係の変化に実際的に対応するなどの対処ができる。


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悪い知らせの伝え方、SHAREプロトコール

これも現代的な略称である。説明されないと分からない。

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悪い知らせの伝え方、SHAREプロトコールの活用で医療者の燃え尽きを減らそう【臨床腫瘍学会2008】

「悪い知らせの場合、その伝え方が患者に与える影響は大きい。そのため、悪い知らせをうまく伝えるスキルが求められる」と語るのは、国立病院機構九州がんセンターの大島彰氏。

 大島氏は、「臨床腫瘍医におけるコミュニケーション・スキル-いかに悪い知らせを伝えるか-」と題した講演を、3月20日~21日に福岡市で開催された日本臨床腫瘍学会の教育セッションで行った。

 同講演において大島氏は、悪い知らせを伝えるコミュニケーション・スキルとして、「SHAREプロトコール」を紹介した。SHAREプロトコールとは、「Supportive environment」、「How to deliver the bad news」「Additional information」「Reassurance and Emotional support」という4つの要素の頭文字をとったもので、日本の医療現場で、患者の意向に沿って、悪い知らせを伝えるために開発されたコミュニケーション・スキルだ。患者への調査で、患者が「悪い知らせを」を伝えられる際に、望む、望まないコミュニケーションとしてあげられた70項目が4つの要素に分類できることから作成された。

 大島氏が示したSHAREプロトコールの具体例とは以下のようなもの。

 まず準備として、次回は重要な面談であることを伝え、家族の同席を促す。当日は、プライバシーが保てるような場を準備する。また、自分の身だしなみ、表情などコミュニケーションの基本も配慮する。

 その後は、起承転結で話を進める。

起:患者に対してオープン・クエスチョンを投げかけ、患者の気がかりを知り、気持ちを和らげる。経過を振り返り、病気に対する患者の認識を知る。

承:心の準備ができる言葉がけを行った後、「がん」という言葉を用いてわかりやすくはっきりと伝える。その上で、患者の気持ちを受け止める。この際、沈黙の時間をうまく使うこと、共感の言葉を投げかけることが重要。

転:治療を含め、セカンドオピニオンや生活面への影響など、今後のことについて話し合う。

結:伝えた内容を患者がどこまで理解しているかを確認する。そして、最後まで責任を持って診療にあたること、見捨てないことを伝える。「一緒にやってきましょう」などの保証を与える。

 最後に大島氏は、「コミュニケーション・スキルが良好であれば、患者の満足度が上がるだけでなく、医療者の燃え尽きを減らすことにもつながる」と述べ、良好なコミュニケーション・スキルを身につけることが医療者自身にとっても重要であると語った。



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略称 ウィルソン病とSLE QOH

物事の表現に、最近は、UFJ、JRなどと省略し、
さらに専門分野では著しく、SAD、SDA、MARTA、前頭側頭葉変性症(FTLD)など、どんどん略語ができる。

昔、ヨーロッパが学問の中心だった頃は、
ウィルソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、ピック病などと呼んだ。
アメリカの時代になって、
SLEとかBPDとかBPⅡとか、そんな言い方になった。
アメリカではケネディと言わずJFKと言うのだから、頭文字を並べる方式は徹底している。
映画の中でJrと呼ばれている人もある。

シゾフレニーも、ブロイラー病でもよかった。この先は、ドーパミン失調症とか言うのかもしれない。それも頭文字を並べるだろう。

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そんな状況の背景には、科学研究も個人の業績ではなくなっていているということがある。
チームの業績であり、今回のSE細胞やiPS細胞などは、先着順が問題になっているくらいで、多チームの共同の業績という側面もある。
昔なら「山中細胞」でも「京都万能細胞」でもよかったのだと思う。

*****
そのうち紛らわしくなって、方針が変わりそうな気もする。

QOLは Quality of life  で 生活の質 だけれど、
QOHとして Qulity of human 人間の質とでも名づけて、
「測りたい」と思うくらいのこともある。



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医療事故調法案騒動

とても参考になります。

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医療と司法をめぐる騒動:医療事故調法案騒動から見えてくる医療政策立案プロセスの変化

 2006年2月の福島県立大野病院産科医師逮捕事件を契機に、司法と医療の関わり方について国民的議論が巻き起こっています。厚労省は2007年3月から「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(以後、検討会)を立ち上げました。2008年4月に第三次試案を発表しましたが、この検討会は迷走を続けており、決着までには時間がかかりそうです。この検討会のプロセスを丹念に振り返ることで、医療界の合意形成の仕方、政策形成過程が変りつつあることが理解できると思います。今回は、この問題を解説したいと考えています。

■医療が刑事処分の対象となった経緯

 まず、医療が刑事処分の対象となった経緯についてご紹介します。皆さんは、異状死や医師法21条という言葉をお聞きになったことがおありでしょうか。異状死とは犯罪や、感染症など公衆衛生的な問題が疑われる死のことで、明治以来、そのような死体を診察した医師は警察へ届けることが義務化されています(医師法21条)。こ
れは、当時の社会環境を考えると極めて妥当な判断だったのでしょう。
 終戦後、新生日本の体制整備の一環として厚生行政に関する法体系も整備されました。その一環として、1949年、旧厚生省医務局長が医療は警察への届け出対象ではないと通知し、医療者・司法関係者の共通認識となりました。副作用や合併症など医療行為による死亡は警察の取り扱う範囲ではないことを確認したわけで、これは世界的には常識です。

 一方、1994年、法医学会が異状死に関するガイドラインを作成し、診療関連死を異状死(副作用や合併症による死亡)に含めるべきと主張しました。このガイドラインが作成された経緯については様々な噂があり、正確な事情は分かりませんが、このガイドラインは一任意団体の主張に過ぎず、医療現場や司法関係者への影響はほとんどありませんでした。

 この流れが変わったのは1999年の横浜市大、都立広尾病院などの医療事故、およびその後のメディア報道の増加です。そもそも、行政府はメディアに影響されるものですが、このような報道を受け旧厚生省は2000年に国立病院マニュアルと死亡診断書記入マニュアルの中に診療関連死を異状死に含めると記載し、医師法21条を拡大解釈しました。この結果、2000年以降、病院からの警察への届け出が急増し(前年比400%)、警察の立件数も増えました。この件について、飯田英男・元検事、太田裕之 警察庁刑事企画課長は検討会にて、刑事立件が増えたのは病院からの届け出が増えたからに過ぎないと説明しています。つまり、医療における刑事事件の増加は、患者・家族の不満が高まったことが直接的原因ではないわけです。

 その後、2004年に都立広尾病院事件の最高裁判決が出て、病院長は医師法21条違反で有罪となり、診療関連死が異状死に含まれることが法的に確定しました。つまり、この裁判以降、病院で医療事故により患者が死亡した場合、警察に届け出なければならなくなりました。更に、福島県立大野病院事件では稀な妊娠合併症で手術中
に妊婦が死亡したのですが、この担当医が逮捕されたため、稀な手術・治療合併症で死亡した場合も警察に届け出るケースが増えています。

 現在、医師法21条は、患者と医療者の間の信頼感を醸成する上での大きな障壁となっています。現行の運用状態では、院長、警察、メディア、検察が自己の責任を逃れようと動いているため、医療事故について検察は立件しないが、警察から検察への書類送検だけが増える結果となり、送検時のメディア報道を介し、国民の医療不信が増強されています。私の知る限り2008年1-3月の間に18件が医療過誤で書類送検されていますが、国際的にも前代未聞です。

 医師法21条問題を振り返れば、その引き金は厚労省のマニュアル変更です。注意していただきたいのは、厚労省のマニュアル変更は法改正とは異なり、国会や社会のチェックを受けないことです。医療者は医療への刑事介入を議論する際に、法医学会ガイドラインの果たした役割に注目しがちですが、むしろ、この問題は厚労省の裁量行政の後遺症と考えるべきで、我が国の医療行政でのチェックシステムの不備を示しているでしょう。

■厚労省検討会設置の経緯

 次に、厚労省検討会・自民党医療部会の経緯について説明します。福島県立大野病院事件以降、医療関係者は政府・与党に警察が医療現場に介入しないこと、医師法21条の改正、および医療事故調の設立を強く要望しました。このような要求をうけ、2007年3月、厚労省は医療紛争処理に関するパブリックコメントの募集を開始し、4月から8月まで計7回の検討会を開催しました。この時点では、厚労官僚の行動は医療現場を何とかしたいという純粋な善意に基づくものだったと思います。

 この検討会の議論についての詳細はロハスメディカルブログ(http://www.lohasmedical.jp/blog/)をご参照ください。ロハスメディカルとは朝日新聞を退社した川口恭さんという記者が運営しているメディアです。彼は医療事故
調についての全ての検討会を傍聴し、速やかにブログやメールマガジンで報告しました。彼の記事を通じて、何万人という医療関係者が検討会での議論を知り、大きな衝撃を受けました。彼は、厚労省記者クラブや既存の業界メディアとは異なる切り口で解説し、既存メディアが書けなかった事実を明らかにしました。プロの記者がブログで厚労省検討会に関する詳細な情報を提供したのはおそらく初めてであり、厚労省にはプレッシャーとなったことは想像に難くありません。

 この検討会で特徴的だったのは、厚労省が座長に刑法学者である前田雅英教授(首都大学東京)を選んだことでした。厚労省は医療事故の真相究明のための検討会とうたったものの、その関心は刑事手続きにあったことが伺えます。また、読売新聞関係者も検討会委員に入っており、12月6日の法案内容の是非より自民党と民主党の対立に重点を置いた同紙社説へと繋がっていったのでしょう。言い古されたことですが、メディアと権力の立ち位置はむずかしいことを実感します。

 次に特徴的だったのは、検討会の中で委員からは様々な意見が続出し、とりまとめが困難だったことです。たとえば、2007年8月の検討会による中間とりまとめでは懸案事項に関しては両論併記のスタイルをとっています。このように医療紛争処理に関しては医療関係者の間でも意見が割れ、議論を尽くすには時間が足りないことは明らかでした。ちなみにマスメディアは、この事実には全く触れませんでした。

■厚労省第二次試案が医療現場の大反発を引き起こした

 この医療事故調問題が医療者の大きな関心を引くのは、2007年10月17日に厚労省が第二次試案を発表してからです。第二次試案では前述の中間とりまとめで両論併記された部分は、医療現場の厳罰化・統制をもたらす制度が採用されました。

 この第二次試案の骨子は、医療現場で診療関連死が発生した場合、医療機関は厚労省内の医療事故調に届け出ることが義務化され、怠った場合には厚労大臣が罰則を課すこと、および医療事故調での調査の結果、故意・重過失と判断された場合には警察に連絡し、また不適切な行為に関しては厚労省が行政処分を課すことでした。

 この試案に対しては、全国から反対意見が続出しました。印象的だったのは、早稲田大学で法社会学を研究している和田仁孝教授の意見です。彼は、「法律学者は、理念や規範的視点からあるべき論で構成し、できてしまえば、ほったらかし。現実への洞察はできないし意図的にしない。」「ジャーナリズムは「制度の理念(=お題目)」と「制度の現実機能」と、焦点がずれたまま議論が展開しています。ジャーナリズムには、制度の現実機能について洞察する試みだけでもしてもらいたいものです。」「医師は、理念ではなく、現実に制度として動き始めたときに何が起こるかと
いう点を直感的・体感的に見抜いての反発だと思います。」「組織はできてしまうと、当初の理念でなく自己保存の論理が運用基盤となります。」と述べています。従来の医療界には、和田教授のようなものの見方をする人は殆どいませんでした。彼の言論が著作やインターネットを介して、多くの医療者に影響を与えました。

■自民党は現場の反発に反応せざるを得なかった

 自民党は2007年11月1日、医療紛争処理の在り方検討会(座長 大村秀章衆議院議員)を開催しました。その中で、座長である大村議員は医療紛争処理案の作成を厚労省・総務省・警察庁に委ねる旨を発言し、日本医師会代表の竹島康弘副会長、検討会委員の山口 徹 虎の門病院院長などは厚労省第二次試案の趣旨に賛同し協力
を表明しました。

 このニュースは業界メディアで報道され、多くの医療関係者の不興を買いました。特に、虎の門病院の小松秀樹医師は2007年11月17日に長崎県で開催された第107回九州医師会医学会の特別講演で厚労省第二次試案の制度設計の問題点を指摘し、試案に賛成した日本医師会執行部を強く非難しました。当日、会場では大きな拍手が沸き起こったようです。小松医師の主張は「日本医師会の大罪」「日本医師会の法リテラシー」としてインターネット上で公開されています(http://mric.tanaka.md/)。

 このような小松氏の意見は幾つかの医療メディアで配信され、多くの医療関係者が関心を持つようになりました。この結果、医療事故調の問題は、各地の医師会、病院会、学会、インターネット上で議論されるようになり、彼らを通じて地元の国会議員、業界団体幹部、メディアに情報が伝えられました。

 その後、自民党は2007年11月30日に医療紛争処理のあり方検討会を開き、とりまとめ案を提示しました。自民党案は厚労省第二次試案と基本的に同じですが、医療現場の反発を受けマイルドな表現になりました。たとえば、医療事故調査委員会は国の組織(第二次試案 厚労省)、委員会の届け出を制度化する(第二次試案 義務化)、行政処分は委員会の調査報告書を参考に医道審議会が行う(第二次試案 行政処分に用いる)と表現されています。医療現場の意見に柔軟に対応した自民党議員の努力には敬意を払いますが、自民党案は玉虫色で複数の解釈が可能であり、医療者の懸念は払拭されませんでした。

■舛添厚生労働大臣、野党、業界団体の反応は?

 医療事故調に関しては、厚労省、自民党以外でも活発に議論されました。

 舛添要一厚労大臣は、厚労省試案の完成度は不十分と首尾一貫して主張しています。例えば、2007年11月16日の衆議院厚労委員会では、社民党 阿部知子議員の質問に対して「厚労省が試案として出しているものが完全とは思っていません」「行政がかかわった調査報告書が裁判過程に使われることに対する懸念は現場から聞いています。これをどうするか。ADR(裁判外紛争処理)の位置づけというものをもう少し工夫すべきではないか」と回答しています。また、2008年2月5日、参議院予算委員会では社民党 福島みずほ議員の質問に答え、「厚労省が権力的に介入することがあれば、かえって現場の医師を萎縮させる」「設置にあたっては国民的な議論を行った上で結論を出す」と回答しています。更に、2008年2月27日に厚労省の職員に対し、「各種の審議会についても、自分の役所に好意的な委員を中心に集めることがあってはならず、」「審議会委員の人選を抜本的に見直し」「大臣の目指す方向と背反する政策を進めんがために、たとえば族議員に働きかけをし、その圧力でもって大臣に政策変更を迫るなどは、断じて許されないことです」」と発言しています。このような舛添厚労大臣と厚労省担当者の意見の違いを見る限り、この国の厚生労働行政の責任者は誰であるか首をかしげたくなります。官僚が素案を作成し、検討会の権威を借りて正当化する、いわば「官僚内閣制」の姿を垣間見るようです。個人的には舛添大臣の開かれた議論を求める姿を高く評価したいと思っています。

 一方、野党の議員の多くも厚労省試案の拙速な法案化には反対しました。民主党の足立信也参議院議員は、12月4日の参議院厚労委員会で「死因究明は双方の納得のために行われるべきものであり、対話こそが大切である」「平成16年医師の職業倫理指針にもあるように、調査結果報告書は不利益処分に使用されないように決めて欲
しい」と発言しています。彼は、国会議員の中でもっとも臨床経験が豊富な医師の一人で、その発言には現場の実感がこもっています。また、民主党の鈴木 寛参議院議員は、ロハスメディカル3月号にて「医療安全調査委法案が成立すれば救急医療は崩壊します」と訴えています。鈴木寛議員は旧通産省出身で、政策立案の専門家とし
て、厚労官僚が作成した試案が実際に運用された場合の問題点を指摘しています。さらに、医師出身の議員である共産党の小池晃衆議院議員、社民党の阿部とも子衆議院議員、日本新党の自見庄三郎参議院議員も国会にて厚労省試案に対する懸念を表明しています。

 日本医師会、内科学会、外科学会など多くの業界団体も厚労省試案に対する意見を発表しました。筆者の見るところ、検討会の委員、あるいは彼らの所属する団体は厚労省試案に好意的でした。また、全国医学部長病院長会議、日本産婦人科学会を除き、既存の学会、学術団体が批判的なコメントを表明した例は殆どありませんでした。一方、現場の臨床医が個人として回答した場合、厚労省試案の評価は低く、例えばNext Doctorsというベンチャー企業の調査によれば、厚労省試案に賛成している医師は10%に過ぎず、反対は69%にものぼりました。この乖離は極めて示唆に富みます。この事実は、業界団体の多くが構成員の意見を適切に反映できておらず、政府案の権威付けに利用されている可能性を示唆しています。

■厚労省は第三次試案を発表した

 厚労省は第二次試案発表後に合計五回の検討会を開催し、着実に法案提出の手続きを進めていきました。検討会では前田座長を中心に委員の意見が集約されていきましたが、依然として医療現場の反発は強く、医療界全体としてのコンセンサスを形成するには至りませんでした。このため、2008年4月3日に厚労省は第三次試案を公開し、世間に意見を求めることとなりました。4月20日現在、厚労省は第三次試案に対するパブリックコメントを求めています。舛添厚生労働大臣は、第三次試案で国民的な合意が得られれば今国会での法案提出を目指すが、意見が集約されなければ第四次試案を作成することを明言しています。

 このように医療事故調法案の作成においては、与党、業界団体を中心とした従来型の根回しが通用していません。その理由として幾つかの可能性が考えられます。

 まず、舛添要一厚生労働大臣の存在が挙げられます。前述しましたように、彼は官僚からの報告を鵜呑みにせず、責任者である大臣として独自に判断しています。これは、彼個人の能力に負うところも大きいのでしょうが、外部人脈を用いて厚労省の外からの情報を積極的に入手していることや、メディアを使い、国民への情報開示に努めていることは高く評価できるでしょう。

 第二に民主党の参議院議員を中心とした野党議員の反対が挙げられます。マスメディアでは、福田総理と小沢党首の対立軸に重点をおき、ねじれ国会の負の側面を喧伝する傾向があります。しかしながら、医療事故調問題のように野党議員の積極的な発言が政府案の完成度が高めることもあり、ねじれ国会の意義は複眼的に評価すべき
です。

 第三に業界メディアの発展が挙げられます。特に、この数年の間にソネットエムスリー、ロハスメディカル、日経メディカルオンラインなどのオンラインメディアが発達し、経験を積んだ記者が独自の取材に基づく記事をタイムリーに発表したことは注目に値します。オンラインメディアは紙面の制約がないため、十分な量の情報を提供することが可能です。また、厚労省記者クラブのメンバーでないため、独自の取材を元に記事を書かざるを得ません。このため、結果として厚労省発表をチェックする役割を果たしています。医療事故調を取材しているマスメディアの記者達は、記事を書く際に、このようなオンラインメディアを参照していると聞いています。このような動きは、医療界における「メディアチェーン」形成の萌芽かもしれません。

 最後に、医療関係者が地元の国会議員やメディア関係者に大量の電子メールを送り続けたことが挙げられます。電子メールであれば、議員やメディアに連絡する心理的障壁も低く、市井の勤務医も参加可能です。一方、選挙を控えた国会議員は、地元からの意見には極めて敏感です。この結果、従来の族議員の枠を超えて、多くの議員が
医療事故調を議論するようになりました。医療界と利害関係のない議員が議論に参画することにより、その結論はより公正、妥当になります。

 このように振り返ると、IT技術の普及が医療界のコンセンサス形成の方法を大きく変えつつあることがわかります。

■厚労省第三次試案の問題点

 厚労省第三次試案について解説します。第二次試案に対し医療現場から強い非難をうけたため、その表現はマイルドになりましたが、実態は第二次試案と殆ど変っておらず、重大な幾つかの問題を抱えています。

 第一の問題点として、医療事故調が設立されても、警察の「不適切な」介入はなくならないことです。検討会の多くの委員は、「法務省も警察庁も謙抑的に対応するといっており(樋口範雄 東大法学部教授)」、「法に書けなければ運用も含め、厚労省の公式文書として出す(木下勝之 日本医師会常任理事)」「医師の代表の目を通した後でなければ、刑事司法は動き出さないというシステムが構築される(前田雅英首都大学東京 教授)」という発言を繰り返しています。更に、最近になって、厚労省の二川一男 医政局総務課長が「警察は通知の有無を踏まえて対応する。通知がない場合は調査委員会での調査を進める。」と発言していますが、この発言は信頼できません。なぜなら、厚労省の検討会で委員が何を言っても、司法機関への強制力を持たないからです。

 元検事である河上和雄氏は「医療安全調査委員会の結論が刑事法上の責任追及の責務を負っている警察、検察に対して拘束力を持たない以上その結論を尊重するといっても、具体的事件においては無視される可能性が高い。」、あるいは「過失概念は法的概念であって、医学的概念ではない。医師を中心とする委員会の委員で真の意味の
過失概念を理解している人物を多数揃えることはまず不可能であろう。」と述べ、医療事故調のあり方について疑念を表明しています。また、H20.3.21に行われた福島県立大野病院の論告求刑では、検察は「基本的な注意義務違反であり、その過失は重大である」「事実を曲げる被告の態度は許し難い」と主張していることは注目に値します。彼らの意見を読む限り、検討会関係者の主張は司法関係者のコンセンサスとはなっていません。このように医療関係者と司法関係者の間には、実態として大きな考え方の齟齬があります。この齟齬は、医師法21条の変更や事故調査期間の創設など手続きを変更しても解決できません。

 第二の問題点として、厚労省内に医療事故調を設立し厚労省が調査権と処分権を併せ持つことは、「医療の正しさ」を厚労省が判断する国家統制を招き、医療の発展を阻害することが挙げられます。成熟した民主主義社会では医療の正しさは政府の判断に委ねるのではなく、医療者と市民が対話、試行錯誤の末に理解するものです。あまり報道されていませんが、現在、厚労省は医療法を改正し、病院への立ち入り調査権・処分権限を強化しようとしています。これまで同法に基づく調査・処分権限は、大学病院などの特定機能病院を除き、都道府県知事、および政令指定都市市長などに付与されてきたため(医療法25条)、屋上屋を重ねることになります。この法律にもとづく業務改善命令は医療事故調と連動するとされており、第三次試案通りに医療事故調が設立されれば、行政処分のための「医療警察」として機能する可能性が高いでしょう。舛添厚労大臣は、この問題を危惧していますし、ソ連や東欧諸国などの統制主義国家では医療の進歩が損なわれたこと、愛媛県宇和島市立病院で行われた病腎移植についての厚労省・学会の魔女狩り的対応をみれば明らかでしょう。万波医師による病腎移植では、これを問題視した厚労省が、医学的妥当性の議論ではなく保険診療報酬請求をチェックし、多くの「不正・不当」請求を発見し、保険医療機関の指定の取り消しをちらつかせていることは御存知でしょうか。まさに、「別件逮捕」であり、保険医療機関取り消しによる地域住民への迷惑など全く考慮されていません。

 第三の問題点として、事故調査の領域では調査結果を不利益処分に用いないことは国際的常識であり、処分と連動した場合には現場での隠匿、相互不信、ひいては萎縮医療を助長するというものです。これは、安全管理・事故調査料域の科学的真実であり、議論の余地のないところです。私たちは医療事故調では医学的判断だけを行い、その結果は全て患者、医療者に正直に返せば良いと考えています。患者に法的助言を行うのは、門外漢である厚労省とは別の枠組みで考えれば良いのではないでしょうか。

 第四の問題として、一度出来てしまった組織は当初の設立理念ではなく自己保存の論理が運用基盤となります。医療事故調に過失に関する法的判断を委ねれば、どうしてもグレーゾーンのケースを扱わざるを得なくなります。この場合、厚労官僚は自らの責任回避のため、過失の可能性がある案件は警察へ通報し、一方、警察官僚は自らの責任を回避するため、医療事故調という権威から送られた案件を立件せざるを得ません。この結果、医療事故調での調査は不適切な刑事介入を誘導する可能性が高くなります。医療問題に詳しい井上清成弁護士は「いずれは厚労省試案に「責任追及を目的とするものではない」と明示されるだろう。しかし、明示したからといって、医療者の責任追及が制度の目的ないし意図ではなくなるだけである。責任追及の制度として機能するであろうし、制度が責任追及の結果をもたらすであろう。」と主張していますが、まさに正鵠を得ています。

 第五の問題点として、民事訴訟の問題が挙げられます。多くの法律家からは、「当事者同士で納得ができていてもペナルティまで科して強制的に届出させ紛争化する事故調のシステムは、患者遺族の心の平安を害するだけ」「医療安全の名の下に過失判断までするのに損害賠償は訴訟をしないと得られない」という声を聞きます。金銭的補償は、医療事故に遭遇した患者にとって極めて重要です。時間と費用がかかる民事裁判制度の充実ではなく、無過失補償制度の迅速な創設が望まれるのではないでしょ
うか。

 最後に、もっとも重要な問題として、厚労省、および検討会委員は、新しく創設する制度の長所ばかりを強調し、その問題点を患者・医療者に説明していません。彼らは、私たちは警察や法務省と話し合って、うまくやりますという主旨の主張を繰り返していますが、これは全くナンセンスです。なぜなら、国民は検討会の委員には専門家としての適切な助言を求めているのであり、政治的判断を期待していないからです。

■まとめ

 持続可能な医療システムを構築するには、医療を適切な情報公開、および関係者の熟議による合意形成が必要不可欠です。日本の医療が、従来の官僚主導の統制システムでは、対応できなくなりつつあることは、誰の目にも明らかです。医療事故調問題は、医療現場にとって、この問題を解決するための試金石とも言えます。医療現場再生のため、国民的議論が繰り広げられることを期待しています。

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上 昌広(かみ・まさひろ)
東京大学医科学研究所 探索医療ヒューマンネットワークシステム部門:客員准教授



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新生児医療 一人飲み

この状態は「一人飲み」と呼ばれているそうです。新生児医療の現場では今、未熟児を抱っこして授乳させられないほど多忙を極めており、全国の過半数のNICUでは「一人飲み」を行わざるを得ない状況だというのです。網塚氏は、「これは、1人の夜勤看護師が大勢の新生児を担当することを許している体制が原因だ」と指摘しました。
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ビオフェルミンR

抗生物質による下痢の予防に用います。
抗生物質を飲んでいると、軟便や下痢を起こすことがあります。これは、抗菌作用により、腸内細菌のバランスが乱れるためです。

このお薬は、抗生物質に抵抗力を持つ乳酸菌です。ふつう、抗生物質といっしょに飲みます。抗生物質によって死滅してしまう善玉菌を補うわけです。おなかの調子がよくなり、下痢を防ぐことができます。

ビオフェルミンは
腸にやさしい善玉の乳酸菌を補い、悪玉の腸内細菌を追い出します。その結果、下痢や腸のゴロゴロが改善され、おなかの調子がよくなってきます。おもに下痢症に用いますが、便秘にもいいです。乳酸菌製剤は、強力な作用はありませんが、どのような症状にも安心して使えます。抗生物質による下痢を防ぐ目的で、いっしょに飲むことも多くあります。

抗生物質によって死滅してしまう善玉菌を補うわけでが、この場合、抗生物質に抵抗力を持つ耐性乳酸菌製剤(R)のほうが適当です。

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メンタルヘルスケアの新しいサポートサービス

環境を変えて、社会復帰の第一歩を!
EAPサービスから一歩踏み出した、メンタルヘルスケアの新しいサポートサービス
従業員のメンタルヘルス不全の予防から復職・転職など社会復帰まで一貫したケアと
サポートを提供する、株式会社ベクトル『メンタルヘルス就職支援室』開設!

人材マネジメントの戦略コンサルティングを手がけている、株式会社ベクトル(本社:東京都港区 代表取締役社長:卜部 憲)は、従来のEAPサービスから一歩進んだ、従業員のメンタルヘルス不全の予防から社会復帰まで、一貫したケアとサポートを提供する『メンタルヘルス就職支援室』を新たに開設しました。
うつ病などメンタルヘルス不全やその予備軍は年々増加傾向にあり、休職者を多く抱えた企業ではその復帰に苦慮しています。休職者は、休職⇒復職⇒再発⇒再休職と繰り返すことが多く、社会復帰の困難が問題になっています。
株式会社ベクトル『メンタルヘルス就職支援室』では、メンタルヘルス不全者やその予備軍の方々に対して、カウンセリングを行うほか、個別のリワークプログラムを作成し、弊社専用施設(所属企業から離れた別環境のもと)へのリハビリ出勤を通して、心身のリフレッシュと共に、円滑な復職・転職など社会復帰へのサポートサービスを提供いたします。

*****
医療職でなくても法律的に問題ない部分を全部やろうということです。

「個別のリワークプログラムを作成し、弊社専用施設(所属企業から離れた別環境のもと)へのリハビリ出勤を通して」とのことで、
心強いことです。持続していただけるよう、願います。

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うつ病治療、4人に1人が中断

うつ病治療、4人に1人が中断

  うつ病や関連の疾患で受診した経験がある人のうち、症状が治まっていないにもかかわらず、治療を中断するケースが少なくないことが、ファイザーの調査で分かった。精神医療の専門家は「患者が疾患を理解し、安心して治療に専念できる環境を創出できるよう、医師側の意識をさらに高めていく必要がある」と指摘している。

 調査は、うつ病とその関連疾患で受診経験がある12歳以上の1,000人を対象に実施した。
 「治療を中断したことがあるか」との質問では、ほぼ4分の1に当たる252人が「ある」と回答。その際の症状については、「治まっていなかった」が104人(41%)で、「治まっていた」の76人(30%)を上回った。
 中断の理由としては、「通院が面倒」「通院するほどの病気や症状ではないと思った」「症状が良くならなかった」が多かった。

 治療の満足度に関しては、「医師の説明」や「薬剤の効果」を重視する人が多かったが、専門医の場合には特に「医療施設の雰囲気、受診のしやすさ」が重視されていた。
 通院に当たっては、約半数が「普段、病気の際に利用している身近な医療機関」を最初に受診しており、ファイザーでは「うつ病を日ごろの診療の際にできるだけ早く発見して治療するには、かかりつけ医の役割が重要になる」と指摘している。

 調査結果について、鳥取大医学部の中込和幸教授(精神行動医学)は「せっかく受診したのに、治療や通院を中断してしまうという、うつ病医療に関する課題が示された」と指摘。「患者が最初に受診する可能性が高い、かかりつけ医による病気についての詳細な説明や診断、薬剤の正しい服用方法の指導などが患者の満足度を高める。かかりつけ医と専門医の連携が重要」と話している。

 



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はや食い訂正


Q:わかっているんですが、昔からはや食いなんです。

Aはや食いの人は満腹感が遅く脳に伝わるため、食べ過ぎる傾向にあるようです。食べ物を一口入れたら箸を置いて、いつもより5回多く噛んだりすることでゆっくり食べる習慣がつくといいですね。

日本人を対象とした研究で、食べる速さと肥満度(BMI)との間には関連がみられるという報告があります[例:国立健康・栄養研究所の佐々木敏氏の報告(1997年)によると、女子大生を対象に行った調査で、食べる速さが「とても速い人」は「とても遅い人」よりも、平均体重で5.8kgも重いことが報告されている]。そこで、はや食いによる肥満リスクの度合いを確認するため設定されているのが、質問票の「14」です。

14人と比較して食べる速度が速い。(1)はい
(2)いいえ

指導では、はや食いが肥満を招きやすい食習慣であることを認識させること、しっかりと噛んで食べる習慣が今すぐできる肥満予防法であることを理解させることが重要です。食事をよく噛んで減量につなげる方法は「肥満症治療ガイドライン2006」の中でも「咀嚼法」として位置付けられています。

併せて、きちんと噛むために自分の歯を保つ重要性を、理解させる情報提供も大切です。

資料
保健指導における学習教材集



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運動負荷の程度を設定する


Q:若い頃に比べると確かに体力が落ちていますね。

A体力が低下している人ほど生活習慣病の発症リスクは高くなります。筋肉量は年間約1%ずつ低下します。20代に比べると、50代では筋肉量は3割減る計算になります。体力を維持するために、もしくは体力を向上させるために何か始めてみませんか?

体力(持久力、筋力)が低下すると、生活習慣病の発症リスクが高くなることが明らかとなっています。運動を行ってこれらの体力を向上させることにより、生活習慣病を予防することが期待されます。そこで現在の対象者の体力を評価するため設定されているのが、質問票の「12」です。

12ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い。(1)はい
(2)いいえ

この質問項目は身体活動量に関する質問「10」「11」と密接に関連しています。運動指導では、身体活動量とともに現在の体力を評価することが、目標設定およびその達成方法の選択、実践に欠かせません。いくら必要な目標量を設定しても、取り組める状態に対象者がいなければ、目標は絵に描いた餅で終わってしまいます。また対象者が体力に応じた運動を選択することで、運動を効果的に安全に行えると同時に爽快感が得られ、不安な気持ちを改善するなどの心理的な効果も期待できます。
体力テストの方法として、「持久力」テストは、3分間「ややきつい」と感じる速さで歩き、その距離を測定する全身持久力の評価方法が、「筋力」テストは、椅子の座り立ちを10回行い時間を測る評価方法が推奨されています(詳細「エクササイズガイド2006」)。

体力評価を踏まえて、持久力を中心とした運動(ジョギングやランニングなど)を行うのか、筋力を中心とした運動(筋力トレーニングなど)を行うのか、またそれらをどのような配分で行うのかを決めます。その前後にストレッチングを加えた準備・整理運動などを目標とする体力向上に向けてバランスよく行うことが重要です。

図表出典
エクササイズガイド2006



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運動の工夫

Q:1回30分以上の運動をする時間なんてありません。
A毎日する必要はありません。健康づくりや糖尿病予防のために1週間に合計60分の運動からはじめてみましょう

生活習慣病の発症および死亡リスクを減少することが示唆されている身体活動量(運動・生活活動)の基準を、受診者がクリアしているかどうかを確認するため設定されているのが質問票「10」「11」です。

指導では、この項目を活用すること(対象者の反応)で、対象者の現在の身体活動ステージを確認し、どのような運動内容が適しているかを確認することができます。

101回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施(1)はい
(2)いいえ
11日常生活において歩行又は同等の身体活動を1日1時間以上実施(1)はい
(2)いいえ

「10」は、「エクササイズガイド2006」で生活習慣病予防に必要な身体活動量の目標値として掲げられている「週23エクササイズの身体活動(運動・生活活動)を! そのうち4エクササイズ以上は運動強度3METs以上の“運動”を」の目標に達しているかどうかを確認する項目です。特に目標の後半部分「3METs以上の“運動”」を行っているかどうかに限定して設定されています。対象者の現在の運動ステージの高低を把握するためです。なおここでいう「運動」とは図の左半分に例示されているような筋トレやゴルフといった積極姿勢(準備)が必要な身体活動で、イメージしやすいように「軽く汗をかく」という主観的感覚の文言を加えた問いかけとなっています。

指導では、質問に対する反応が「はい」であれば、より高度な「運動」メニューを促すことが可能です。「いいえ」であれば、「運動」に取り組むことを促すか、もしくは日常生活の延長で取り組める程度の「生活活動」メニューから促すことになります。

Qのような反応の場合は後者を提案します。このような対象者への指導では、「取り組めるかもしれない」と思えるメニューから提案することが大切です。

続く質問票「11」は、生活習慣病予防に必要な身体活動量の「下限値」がクリアできているかを確認する項目です。下限値は「週19~26エクササイズ」の間に分布していて、「歩行」(普通歩行)で換算すると1日当たり54~74分を毎日実施する活動量に相当します。この質問が「はい」であれば、生活活動量を増やす提案とともに、次のステップとして「運動」メニューを促すことも可能です。「いいえ」であれば、生活活動量を増やす提案がまずは適当です。
「今は忙しくて食事や運動療法をやることができません」
「事務仕事が中心で、ほとんど体を動かさないんです」
対象者はさまざまな反応を示すでしょうが、いずれもステージ見極めの指標として活用できます。

エクササイズガイド2006」に、「ステージに応じた目標達成のためのアドバイス」(p25)のより詳細な具体例が示されていて参考になります。



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禁煙チャレンジ

Q:禁煙には何度もチャレンジしているんですが、上手くいきません。

A1回のチャレンジで禁煙に成功するのは意外と難しいことです。真剣に禁煙を考えてから7~10年、平均3~4回のチャレンジを経て生涯禁煙者になることが報告されています。禁煙はよく登山に例えられます。イギリスの版画家であったウィンパーはマッターホルンの頭頂に執念を燃やし、7回の試登の後、8回目で登頂に成功しました。今までは禁煙準備だと思って、もう一度禁煙にチャレンジしてみましょう。

喫煙は、動脈硬化の独立した危険因子であり、内臓脂肪症候群に喫煙の因子が加わると、脳卒中や虚血性心疾患のリスクが相乗的(個々に得られる結果以上)に上昇することが報告されています。そのため特定健診では、特定保健指導対象者細分化の指標として、「喫煙歴の有無」が導入されています。判断基準は国民健康・栄養調査(平成16年度)の問診項目に準拠した内容が採用され、「標準的な質問票」の「8」に示されている内容となっています。

8現在、たばこを習慣的に吸っている。
(※「現在、習慣的に喫煙している者」とは、「合計100本以上、又は6ヶ月以上吸っている者」であり、最近1ヶ月間も吸っている者)
(1)はい
(2)いいえ

指導では、必ず本人の禁煙に対する意識を確認した上で、関心のない人には情報提供にとどめ、関心がある・禁煙したいと思う人に禁煙を支援します。実際の禁煙につながるポイントは、喫煙が健康に及ぼす影響および禁煙にあたっての留意点を伝えることです。

参考:『保健指導における学習教材集 D 行動変容 ~何をどうすれば改善できるか~ たばこ』
http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kyozai/data/d_32.ppt
http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kyozai/data/d_33.ppt

より効果的な禁煙支援を行うためには、厚生労働省において最新の科学的知見を踏まえて策定された「禁煙支援マニュアル」を活用します。

その中でも示されているように、禁煙を阻む要因には「ニコチン依存」と「心理・行動的依存」の2種類があり、支援に当たっては、これらの依存状態の程度を評価し(ニコチン依存症のスクリーニングテスト「TDS」)、状態に合った支援を行うことが禁煙の達成につながります。

また禁煙は一朝一夕にできるものではなく、練習や経験が必要であること、プロセスが必要であることも報告されています。

そうした情報を伝えながら、禁煙を山にたとえて、対象者が登ろうとする山を確認してもらい登山方法(禁煙方法)を選択してもらうアプローチが重要です。

禁煙の難易度、たとえばニコチン依存度により、禁煙の方法を大きく3つにわけることができる。喫煙者には、以下に示すように、禁煙を登山に例えて説明し、自分にあった禁煙の方法を選択してもらうことが重要である。

  1. ニコチン依存度の低い方
    • ニコチン依存度の低い方にとって禁煙は、低い山に登るようなものです。
    • 依存度の低い方の場合は、ニコチン代替療法や専門家のサポートがなくても、自力で登ることが可能です。
    • 自力で登るにあたっては、上手な登山の方法、つまり禁煙のノウハウ(行動科学的な方法)を学んでから登ることを勧めましょう。
  2. ニコチン依存度の中等度の方
    • ニコチン依存度が中等度の人にとって禁煙は、中くらいの高さの山に登るようなものです。
    • 依存度が中等度の方の場合は、頂上まで自力で登るのは、少し無理があるので、山の途中までロープウェイで連れていってくれる方法を用います。
    • 禁煙登山においてロープウェイの役割を果たしてくれるのは、禁煙補助剤です。
    • つまり、行動科学的な方法を用いて自力で登るだけでなく、途中まで連れていってくれるニコチンガムやニコチンパッチを上手に使う方法がお勧めです。
  3. ニコチン依存度の高い方
    • ニコチン依存度が高い人にとって禁煙は、高い山に登るようなものです。
    • 依存度が高い方の場合は、ロープウェイにあたる禁煙の補助剤を使うだけでなく、登山でいう「シェルパ」にあたる禁煙の専門家のサポートを受ける方が確実に禁煙しやすくなります。
    • 全国に200施設以上開設されている禁煙外来(*)を利用して禁煙に取り組むことが禁煙への近道といえます。

(*)全国の禁煙外来を公開しているホームページへのアクセス方法
大阪府立健康化学センターのホームページにアクセスして、「健康ライブラリー」の「たばこ」のページから「全国禁煙クリニックリストへ!」をクリック



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減量の実際

Q:若い頃から体重が10kg以上増えたんですが、元に戻さないといけませんか?

A元に戻す必要はありません。肥満体重の5~10%減量することで、肥満に関わる検査数値は著明に改善しますよ。

体重の増加は、摂取エネルギーが消費エネルギーよりも大きい状態であることを示します。また、糖尿病・高血圧の発症リスクは、体重増加量が大きいほど高いことが報告されています。

そこで特定健診では、生活改善の必要性(高い発症リスクを有しているか)を判定する指標として体重増大の有無を確認する下記項目「9」が設定されています。

920歳の時の体重から10kg以上増加している。(1)はい
(2)いいえ

指導では、この質問を深めることで、次のような展開が可能となります。
(1)20歳の時の体重から何kg体重は増えましたか?(答え:10kg)
(2)○kgと言うと身の回りのものでどんなものを思い浮かべますか?(答え:お米10kg)
(3)(減量する気になっていたら)3ヵ月で何kg減らしたいですか?(答え:3kg)
(4)それなら、1日当たり○kcal減らすと達成できますよ。(240kcal(3点分))

身体に蓄積された脂肪1kgには、約7,200kcalのエネルギーが含まれています。3ヵ月で3kg減量したい場合には、計算上は1日当たり約240kcal減らせばことになります。1点を80kcalとすると3点分になります。1kgやせたい人は1点分(80kcal)、2kgやせたい人は2点分(160kcal)、3kgやせたい人は3点分(240kcal)減じればよいことになります。安全な減量のペースは1ヵ月あたり1~2kg以内です。急激に減量すると、かえってリバウンドしてしまいます。

図表出典
保健指導における学習教材集



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仕事でうつ病、解雇無効 東芝の元技術職社員が勝訴

仕事でうつ病、解雇無効 東芝の元技術職社員が勝訴 
 
記事:共同通信社 提供:共同通信社【2008年4月23日】

 過酷な勤務が原因でうつ病となったのに、休職期間終了を理由に解雇したのは不当として、東芝の技術職の元社員重光由美(しげみつ・ゆみ)さん(41)=埼玉県深谷市=が解雇無効の確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は22日、解雇は無効と認め、慰謝料など約835万円と未払い賃金を支払うよう命じた。

 鈴木拓児(すずき・たくじ)裁判官は「うつ病発症前の半年間の時間外労働は平均で月約90時間。業務も肉体的、精神的な負荷を生じさせるもので、うつ病との間には因果関係があり、解雇は無効」と判断した。

 原告側の代理人は「仕事が原因でうつ病となった労働者を一方的に解雇するケースは多い。ただ訴訟になる例は少なく、今回のように業務が原因でうつ病になったと認め、解雇を無効にした判決は珍しい」としている。

 判決によると、重光さんは埼玉県の深谷工場で2000年から液晶生産ラインの立ち上げなどを担当。長時間の過重な労働で01年4月にうつ病を発症し10月から欠勤していたが、会社は04年9月に解雇した。

 同じ工場で働いていた元技術職の社員も01年秋にうつ病を発症、同年12月に自殺し、熊谷労働基準監督署は労災と認めている。

 東芝広報室は「主張が認められず、大変遺憾。控訴の手続きを取った」としている。



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SDA開発の流れ

クロザピンはD2、D1、D4遮断作用を持っていることがわかり、 セロトニン系ではセロトニン2受容体の拮抗作用があり、それが臨床的に何かよい意味で抗精神病作用の中に含まれているのではないかと推定された。

ハロペリドールとセロトニン2受容体拮抗作用のあるプロピタンを併用するとよいことが分かり、抗ドーパミン作用(D2受容体遮断作用)とセロトニン2受容体拮抗作用を持った薬をつくってやればよいのではないかと、2つの作用を持った薬剤としてリスペリドンができた。

SDAの中でリスペリドンはブチロフェノンからの流れで、オランザピンとクエチアピンは三環構造を持った薬でクロザピンの流れを含み、クロザピンの臨床効果を期待しながら、クロザピンの持っているような副作用がない薬をということから生まれた。

日本では2001年の2月にペロスピロンとクエチアピンが承認され、同じ頃にオランザピンが出てきた。リスペリドンは1996年に一番最初の非定型抗精神病薬として登場した。

陽性症状にも陰性症状にも効き、認知機能障害を改善させながら錐体外路症状を軽減させ、高プロラクチン血症などを呈しにくい。



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器質性脳疾患や身体疾患の可能性

~救急医療のニアミスから学ぶ~
筆者の経験した事例を一つ紹介します。精神科救急の当直をしていたとき、一般救急病院の医師から電話がありました。「昼間、救急車で搬送され入院した50代の男性が、夜になって落ち着かず興奮し困っている。会話もちぐはぐで臥床させようとすると激しく対抗する」とのことで、「身体的には異常はなく精神障害と思われる。とりあえずハロペリドールを筋注したが、そちらで診て欲しい」という依頼でした。

しばらくして救急車で転送されてきました。到着時、本人はストレッチャーの上で傾眠状態にあり、すでに興奮することはありませんでした。同伴した妻に様子を聞くと、昼頃酔って転倒し頭を打ったため救急車を呼んだとのことです。精神科の治療歴はありません。ただ、飲酒の問題があったとのことで、アルコールの離脱症状の可能性などが考えられました。

本人を診察すると、問いかけにはわずかに応えるだけで閉眼したまま傾眠状態が続いています。ハロペリドールの筋注だけにしては良く効いているなという印象でした。バイタルサインには問題ありません。

ところが一応理学所見をとるために眼瞼を開いたところでぎょっとしました。顕著な瞳孔不同が見られたのです。半信半疑でしたが、腱反射に左右差があり、バビンスキー反射も強陽性となると、これは頭の中で何か異変が起きているとしか考えられず、すぐに頭部CT検査を依頼しました。すでに夜中の1時を回っています。CT室のモニターに映し出されたのは頭蓋内の大きな白い影と中心線の偏位でした。急性硬膜下血腫のようです。すぐに院内の救命救急センター当直医に電話し、CT写真を見てもらいセンターに入院となりました。

頭蓋内出血を見落とし、精神科で救急入院させたままでしたら、あるいは生命に危険がおよんだかも知れません。ハロペリドールの筋注が良く効いていると疑いもせず、瞳孔不同に気づかなかったらと思うとぞっとします。

精神科救急の実践について話をするとき、必ず強調することは、「一般救急病院からの“身体的異常なし”の紹介を鵜呑みにしてはならない」ということです。筆者自身も何度か冷汗をかかされる思いをしたことがあります。本当に幸いなことに医療事故につながったことはありませんでしたが、ニアミスの怖さは身に染みています。そういったニアミス例のほとんどが、実は一般救急病院から「身体的に問題なく精神症状だ」として転送されてきたケースなのです。多忙を極める一般救急病院の医師は、対応の困難な興奮患者に対して十分に診察できない場合が多いのかも知れません。

精神科救急医療では、誤診が深刻な結果となる危険性が極めて高いのです。どんな場合でも常に器質性脳疾患や身体疾患の可能性を頭の片隅に置き、重篤な身体疾患を見落とさないこと。そしてそのためには、基本的な理学的診察を怠らないことがもっとも重要なポイントとなるのです。
(飛鳥井)



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精神科救急

1.なぜ夜間24条通報事例が増加したのか

核家族化や親世代の高齢化等により、家族の危機的事態への対応能力が乏しくなったこと、そのような家族や近親者により普段は援助されているものの、地域生活を支える各機関との関係が希薄な精神障害者が増えたこと。さらに家族や近親者は、危機的事態において、親族や近隣あるいは他の援助者の助力を期待できるケースが少なく、ことに通常の相談機関が機能していない夜間・休日では、結局警察の力に頼らざるを得ない状況に置かれていることなどが原因。

2.精神科救急でもっとも多い疾患は統合失調症である

すべての施設の救急受診者数を合計し、受診形態によって4群に分け(緊急措置診察群、その他の警察官関与群、警察官関与のない入院群、警察官関与のない外来群)、それぞれ比較検討した。その結果、「緊急措置診察群」や「その他の警察官関与群」などの公的強制力を要するハードな救急において、およそ6割ともっとも多くを占めたのは統合失調症を中心とする精神病圏で、次いでアルコール・薬物性精神障害がおよそ2割だった。一方、ソフトな救急としての外来群では精神病圏の割合はより少なくなっていたが、それでも約4割だった。

日本の精神科救急医療でもっとも多い疾患は統合失調症である。



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限界まで食べ、吐く 摂食障害と向き合う

限界まで食べ、吐く 摂食障害と向き合う/1 
 
記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社【2008年4月22日】

摂食障害と向き合う:/1 限界まで食べ、吐く

 ◇「毎日が生き地獄だった」??体が壊れる…でも太るのは恐怖

 「細くはないな」。片思いしていた男の子が、足を見て何気なく言った一言。それが引き金だった。「もっと、やせよう」。神奈川県三浦市の女性(38)は高3で始めたダイエットを機に、17年間、摂食障害に苦しんだ。

 食事の量を減らしたり絶食をするなどの食事制限を続けたが、一時体重は減っても、すぐ元に戻ってしまう。20歳の時、友人に「食べた後に吐いている」と打ち明けられた。

 「食べたいだけ食べても、吐けば太らない。こんなおいしい話はない」。目標体重の45キロになるまでと、軽い気持ちで自分も始めた。太るのが怖く、やがて吐かずには食べられなくなった。仕事のストレスもあり、過食と嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。

 28歳で思いを寄せていた男性と別れると、悲しみと喪失感から過食がエスカレートした。毎晩、スーパーで見切り品の食物を買いあさり、おなかが膨れ上がるまで食べ続ける。食後、吐く汚物は一日バケツ3杯にもなり、父親が裏山へ捨てに行った。体重34キロ。心も体も限界だった。仕事は辞めた。

 「毎日が生き地獄だった。でも、吐くのを前提に食べると、本当に自由な気分になれる。過食の時間を待ちこがれ、そのために生きていた」と振り返る。体が壊れていくのを感じてはいたが「命に代えても太りたくなかった。やせることが人生のすべてだった」と話す。

    *

 食事を拒否することは、不仲な両親に対する無言の抵抗だった。大阪市の女性(34)は高校卒業直前から、食事を拒むようになった。食卓越しに両親の口論が始まると、黙ってはしを置き、自室にこもった。やせ細っていく彼女を、周囲は心配したが「スリムでカッコよくなったのに」と不思議だった。

 21歳で看護師に。命に向き合う現場の責任は重く、仕事に不慣れな新人に対する先輩らの風当たりはきつかった。重圧と劣等感に押しつぶされ、疲弊して家に帰ると、両親の怒号が飛び交っている。安息の場はどこにもなかった。はけ口を求めるように、過食が始まった。

 仕事帰りに大量に買い込み、家族が寝静まるのを待って、手当たり次第に口に詰め込んだ。食パン4斤、特大弁当2個、スナック菓子4袋、ケーキ、ご飯は櫃(ひつ)ごと……。それでも太るのが怖く、食べ終わると全部吐いた。「消えてしまいたい」。後悔と自己嫌悪でその度、涙が出た。「それでも、つらい日常の中で、過食だけが私を癒やしてくれた。あの時、過食がなければ自殺していたかもしれません」

    *

 長期にわたり心身をむしばむ摂食障害。自分が病んだ時、身近な人が発症した時、どうすればいいのか。摂食障害と向き合う人々を追った。【川久保美紀】=つづく

 ◇患者数は近年急増--死亡率高く影響深刻

 ストレスなど種々の心理的問題が原因となって食行動に異常をきたす摂食障害は、心の病だ。患者数はここ数年で急増している。

 厚生労働省研究班が98年にまとめた摂食障害の全国調査によると、80年の患者数推計値は人口10万人当たり1・5-1・8人。それが93年には4・9人、98年には18・5人と約10倍に増加。摂食障害の中でも、過食症の増加は著しく、93年には人口10万人当たり1・2人だったのが、99年には約6-7倍に。受診しない実際の患者数はもっと多いと推定される。10-30代を中心に女性の患者が9割以上を占めるが、男性にも一定の割合でみられる。

 低年齢化も進んでいる。国立精神・神経センター精神保健研究所(東京都小平市)の小牧元・心身医学研究部長が02潤オ03年に、全国8府県で全中学高校の養護教諭を対象に実施した調査では「摂食障害の生徒を持った経験がある」と答えた教諭は、中学で62%、高校で87%に上った。小牧部長は「高齢で発症するケースも目立ち、年齢層が広がっている」と話す。

 若い女性の「やせたい願望」や過激なダイエットと結びつけられ、軽くとらえられがちな摂食障害。だが、その影響は深刻だ。拒食症患者の死亡率は7%とも言われ、食べ吐き型では長期的な経過調査で死亡率が17-18%に上った報告もある。小牧部長は「思春期にみられる心身疾患の中では死亡率が極めて高い」と警告する。

……………………………………………………………………………

 ◇摂食障害

 大きく「拒食症」と「過食症」の二つに分けられる。拒食は食事量が減って極端にやせてしまう症状で、体重増加への恐怖や不安が強い。過食は食事の量や内容をコントロールできず、衝動的に大量の食べ物を食べてしまう。拒食は、食事を拒む「制限型」と、過食後に太らないよう嘔吐したり下剤などを使う「むちゃ食い・排出型」に分けられる。過食も「排出型」と「非排出型」がある。



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自殺企図患者への精神科救急対応

自殺企図患者への精神科救急対応

精神科救急で頻度が高い受診者は、自殺企図や企図を未然に防がれた場合、ないし深刻な自殺念慮などである。また一般救急や救命救急から精神科コンサルテーションを要請される場合においても、もっとも多いのは自殺未遂である。中でも初期救急や二次救急で、ことに目立つのは過量服薬と手首自傷(リストカット)である。

自殺未遂が疑われたら、まず本人ないし家族に事実関係を単刀直入に確かめる。「いたずらに刺激してしまうのでは」といった心配は無用である。

受傷機転に関しては得られた情報を鵜呑みにせず、一つの手段に目を奪われないようにすること。例えば手首自傷の前に鎮痛剤を大量服用していたなど、複合的な手段を見逃さぬようにすることが身体治療上重要である。

以下は自殺未遂者の特徴と対応上のポイントである。

1.自殺未遂者の特徴
A.生命的危険性の乏しい軽症自殺未遂者
  • 20代若年女性層が突出して多い。
  • 手段は、少~中等量の過量服薬、浅い手首自傷が大多数。
  • 神経症、軽症うつ病、パーソナリティ障害、通院中の精神障害者に見られる
    (非精神病群>精神病群)。
B.生命的危険性を伴った重症自殺未遂者
  • 男性、中高年層に多い。
  • 手段は、飛び降り、電車飛び込み、大量服薬、服毒、刃物、縊首、焼身、家庭用ガスないし排気ガスなど。
  • 精神病圏、重症うつ病、アルコール症の割合が60%以上
    (精神病群>非精神病群)。
2.自殺未遂者への対応
A.良好例-簡単な精神的援助で帰宅させることも可能。
  • 言葉や表情が和らいで、自然な感情交流ができる。
  • 診察や処置に協力的。
  • 「もうしない」「助かって良かった」などの肯定的表現をしている。
  • 家族は患者の行動を共感的にとらえている。
B.不良例-救急入院を含め向精神薬投与
  • 言葉や表情に緊張が強く、自然な感情交流が見られない。おし黙っている、興奮が強い、不自然に冷静で他人事のよう、など。
    あるいは幻覚妄想状態、強いうつ状態を認める場合。
  • 診察や処置に拒否的、ないし言葉や行動がまとまらない。
  • 助かったことへの肯定的表現が出てこない。
  • 家族は患者に対して拒否的、批判的態度が強い。


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現実との多彩なふれあいを

患者の回復
~現実との多彩なふれあいを

かつて診ていた統合失調症患者の話である。母親と二人だけの密着した生活を送っていた彼女は、完全寛解と思われた約10年間の後、母親の死をきっかけに急性の幻覚妄想状態に陥り、その後は一進一退を繰り返し、容易には回復しなかった。彼女は妄想上のフィアンセが自分を迎えに来ると信じ、来るはずのないその彼のために毎晩夕食を作り続けたのである。

遅ればせながら私は、現実との多彩なふれあいが病気からの真の回復を促すことを感じ、患者・家族の方には、表2のようなポイントを示して、一つでも多くこれを満たすと、病気に対する「免疫力がつく」などと話すようになった。

表2 回復に向かう人のイメージ
 病名を知っている。
 自分なりの人生設計を持っている。
 家の中で役割を持っている。
 病院以外に定期的に通うところがある。
 話せる友だちが2人以上いる。
 親や兄弟姉妹と仲が良い。
 主治医等に信頼感を持っている。
 自分の貯金を持っている。
 自分のことを悪く言わない。

(白石先生)

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疾患へのアプローチ、 障害へのアプローチ

疾患へのアプローチ、 障害へのアプローチ 蜂矢英彦

地域リハビリ推進には、疾病と障害の概念自体の変革も必要であった。以前は「障害とは医学の力で治る可能性のないもので、医学の責任の範囲外にある」といった考え方があり、疾患と障害との共存という捉え方も理解されないことが多かった。良心的な医療者にも、患者を福祉施設に送るのは間違いだとか、彼らを障害者と捉えるのは、「医療の敗北」と考える向きもあった。

統合失調症の場合、陰性症状であれ陽性症状であれ、その症状の存在によって日常生活に困難・不自由・不利益が生じているのであれば、それは「障害」と捉えるべきである。そこでは、疾病に対するアプローチとしての「医学モデル」と同時に、障害に対するアプローチとしての「障害モデル」がなければならない(図1)。この「障害モデル」の実践、つまり障害によって生じた生活上の困難・不自由・不利益を軽減することを目的として、障害された機能の回復あるいは障害に対する援助と保障を行うのがリハビリである。精神障害においては、疾患と障害が共存しているのだから、治療開始とともに障害に対するリハビリを始めなければならないのである。

WHOの国際障害分類(ICIDH)以来、一般に障害はImpairment(機能障害)、Disability(能力障害)、Handicap(社会的不利)の3つのレベル、つまり生物学的レベル、個人レベル、社会的レベルで捉えられる(図2)。精神障害の場合には、精神疾患を経験したという経歴だけでも、就職、求職、結婚などに支障を来すなどの「社会的不利」は明らかであり、また職業上、日常生活上のさまざまな対応能力、処理能力に障害を来すこともしばしば経験する。これに対して、精神疾患の生物学的メカニズムが未だに不明であるため、機能障害については、身体疾患ほど明確にはなっていない。

リハビリのアプローチも、これら3つのレベルに応じて組み立てられる。すなわち、(1)機能障害には治療的アプローチが、(2)能力障害には適応的アプローチ(SST;Social Skills Training ;生活技能訓練、職業訓練など)が、(3)社会的不利には環境を改善する福祉的アプローチ(職業・所得・住居などの保障)が必要となる。また、治療とリハビリは並行して行わなければならないため、「障害の受容」をめぐっては心理的アプローチも必要となる。

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ES細胞 iPS細胞 ゆめの臓器 初期化因子

ES細胞 Embryonic Stem Cell、胚幹細胞
iPS細胞 induced pluripotent stem cell 人工多能性幹細胞

*****
精子と卵子が受精した直後の受精卵は、
単細胞ですが、それはいずれ細胞分裂して分化して、
人体のすべてを形成するに至ります。

成人の細胞をとってきて代々分裂増殖させたとしても、
無限に分裂するわけではありません。
老化が関与してきます。そして分裂能はなくなってしまいます。

ですから、受精卵は、すべての細胞になる能力をもつつともに、
老化の観点では、年齢カウンターをゼロにリセットしているのだと思います。

臓器移植するよりも、細胞培養によって臓器を形成し、
それを植えつけた方が良いだろうとの考えでした。

*****
そのような中で、ES細胞の開発が行われました。Embryonic Stem Cell、胚幹細胞です。

ES細胞は人体を形づくるあらゆる細胞にへと変ぼうすることのできるおおもとの細胞であるとともに、変ぼうする前の状態のまま自らをいくらでも分裂させて増やすことができる特性を持っています。
ES細胞を上手に誘導してやれば目的とする必要な細胞、組織、器官を意図的に作り出し、さまざまな治療に生かせる可能性が大いに広がったということを意味します

しかし、ES細胞はヒト受精卵から作製するために
患者へ移植すると拒絶反応が起ってしまいます

*****
ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞(ES細胞)と遜色のない能力を持った人工多能性幹細胞(iPS細胞 induced pluripotent stem cell)の開発に成功しました。
患者自身の体細胞から直接、ES細胞と同じ能力を持った幹細胞を作成するので免疫拒絶反応は起こらず、倫理的にも問題がありません。

ヒトES細胞と形態、増殖能、遺伝子発現、分化能力などにおいて類似したヒトiPS細胞

*****
初期化因子

体細胞を卵子に移植したり、ES細胞と融合させたりすると初期化が誘導されます。したがって、卵子やES細胞には初期化因子が存在していると考えられます。初期化因子の候補として24因子を選出しました。24因子を同時に線維芽細胞に導入すると、ES類似細胞が樹立できました。さらに因子の絞り込みを行った結果、Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4の4因子が必要であるとわかりました。こうやってできた細胞は、胚を使用していないのでES細胞ではなく、iPS細胞と命名しました。
何を導入したらiPS細胞ができるのか、最低限必要なのは何か、ここで国際的な競争が起こっていたわけです。

これまで体細胞から万能細胞を作るためには、卵子への核移植やES細胞との融合が必要でした。iPS細胞は、卵子や胚に由来するES細胞を利用する必要がありません。バチカンからのメッセージも好意的です。

しかしまた、そのようにしてできた細胞を累代培養した場合にどうなるかも問題です。



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精神科診療所現況

全国の診療所数は推計ですが約2,500~3,000施設の間で、1診療所の平均患者数が556人です。施設状況は約3/4がビル診、常勤医師が1施設平均1.12人、事務員が約2人。医師1人のビル診が主流です。平均約2割が統合失調症の患者さんですから、1診療所の平均患者数556人のうち約100人、したがって全国では約30万人となり、いかに多くの統合失調症の患者さんが地域の精神科診療所に通っているかわかります。

東京都内には約400の診療所がありますから、約4万人になります。ちなみに都内には社会復帰施設(生活支援センター、授産施設など)が多数できましたが、そこでケアされている方々は多く見積もっても約9,000人です。

地域生活支援センターでは、統合失調症の方が今のところはメインではあるんですが、いわゆる境界型人格障害(Borderline Personality Disorder;BPD)の方が結構増えてきています。ICD-10やDSM-IVなど既存の診断基準を、診療所やカウンセリングルームでフォローしている人たちに適用しようとすると、どこか無理があるように感じるのです。対人緊張、リストカット、過食、キレやすさ、引きこもりなどのケースを既成の診断基準に当てはめようとしても、難しいものがかなりあったのです。

「機能分化」が進むと、そのシステムからはみ出さざるを得ない患者さんたちが一層出現する危険性があるわけです。

 



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産業メンタルヘルスにおける統合失調症

とても参考になります。

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産業メンタルヘルスにおける統合失調症

全国で6万3千人いる産業医のうち、精神科医は3%しかいません。実数で1,200名ぐらいです。最近、ようやく企業が精神科医を雇用して対策を講じるようになってきました。かつては企業で産業医を雇うとなると、内科医、外科医、あるいは整形外科医でしたが、今は内科医と精神科医です。

こうした企業内のストレス増大に伴って、統合失調症の方々にお会いすることが多くなってきています。ただし「統合失調症が増えた」ということではなく、今まで同僚が支えて何とか勤務を続けられていた軽症の方が、やっていくのが現在は難しくなっている。言い換えれば、事例化する閾値が下がっているということです。

統合失調症を発症した場合、退職を余儀なくされるケースも実際少なくありません。周囲が気を遣いますし、本人だけでなく周囲も悩み、結果的に生産性が落ちることもあります。そこをどうすれば上手く支えられるか、職場復帰を可能にできるか。産業医および主治医の対応は重要です。

産業医が企業から受ける相談とは
職場から産業医がよく相談を受ける内容は「(ある社員の)パフォーマンスが下がった」とか、「ちゃんと仕事はやっているんだけどミスが多い」「独り言が多い」などですね。特に目立つ訴えは「人間関係のこじれ」です。「パソコンのパスワードを消された」など、現代風の妄想も増えてきました。ですが、私がよく職場から聞くのは「仕事をこなす量は多少減ってもいいが、周囲を威圧するような問題行動が一番困る」ということです。この点で統合失調症は職場にとってすごく問題の大きい病気かと言うと、そうではないですね。精神障害において、職場復帰率が最も悪いのはアルコール依存、それから会社に行けなくなってしまうパニック障害。躁うつ病も、躁状態のときにいろいろなトラブルを起こしてしまうので復帰率は低い。うつ病などは2割ぐらいは慢性化し、コンスタントに能力が発揮できなくなる。でも統合失調症は落ち着けば5~10年はその状態が保てます。120%仕事して、急にまったくできなくなって休んでしまうよりは、80%の力で働き続けてくれる社員のほうが望まれますから。実際、企業で働いていて初めて統合失調症を発症した場合、一時的に休職が必要になる場合もありますが、長期的にまったく仕事ができなくなるケースは、それほど多くありません。

診断書をどう書くか
産業医の診断書はふつう上司、人事、健康管理室に回っていくのですが、そうすると誰が見るかわかりませんので、当たり障りのない病名を付けることがあります。これは仕方がないと思います。本人にとって不利益になることが多いですからね。ただし、診断書とは別に診療情報提供書を産業医から主治医に求めることがあって、それにはリアルな情報が提供されます。

やはり統合失調症に関しては、病名が変わった今でも「かなり重い病気」「治らない」「働けなくなる」という誤った考えが一般にあります。症状の重い方は本当に数パーセントに過ぎず、軽い方は事実上ほとんどが就労には差し障りありませんから、病名については慎重になります。もし病名を言うなら、病気の説明をかなり細かくする必要があります。しかし、それよりもどれぐらい仕事ができるのか、就業上どういう配慮が必要か、服薬の必要性などの話のほうが有益です。

企業側への情報提供
一般の方に統合失調症を理解してもらうのは本当に難しいです。例えば「妄想」ひとつを言っても、それがどういうものであるか、職場の方は意外とわかっていないのです。ですから企業側には「統合失調症は、ひとつの病気ではない」ということを、かなり強調します。「風邪と同じように、いろいろな原因が関わって起こる病気で、表に出る症状は人によってさまざまです。きちんと服薬し治療をすれば、仕事も十分してもらえる可能性が高いと考えます」と、お話しします。

「会社側には(患者さんの)情報を一切提供しない」という主治医がよくいらっしゃいます。患者さんの利益を考えてのこととは思いますし、もちろん情報開示は本人の了解を得ることが前提になりますが、実はかえって本人に不利益となることが多いのです。情報が提供されないと、職場としても「どこか精神科に通っているらしい」だけでは疑心暗鬼になってしまう。さらに偏った知識に頼ったり、あるいは専門でない産業医に聞いたりして、誤った情報を得ることもあるのです。そうすると会社側は本人に不利益な処遇をすることもあります。

情報提供のポイント
それでは、本人の不利益にならない適切な情報開示とは何か。確かに難しい問題ですが、実はそんなに手間ではありません。

職場で重要な情報は、病名よりも“今後の見通し”です。本人に3か月休職が必要なら、その間アルバイトを雇うなどの対処が必要ですから。企業側としても、育てた人材が辞めてしまうのは損失も大きいですし。さらに職場の同僚にどう説明すればいいか、どこに相談すればいいのか、という情報があれば職場も安心ですよね。

復職へのステップ
復職へのステップは、統合失調症でも、うつ病や不安障害でもほとんど同じです。まず病状が回復し、生活リズムが戻ってきて、さらに日常の活動性が元に戻ったかどうか、です。
しかし、その状態はまだ「家庭内寛解」に過ぎません。仕事ができるのは次の段階です。家だけでなく職場で活動できるようにしてもらわなければなりません。朝決まった時刻に起きられるように、一日一時間ぐらいの散歩や、スポーツジムに通っていただく、さらに新聞を30分読んだり、パソコンを操作したり、また家族や人と話ができるようになることも重要です。少なくとも1か月~2週間前にはもともとの生活リズムに戻しておきたいですね。

本人への説明
私は産業医の立場でよく患者さんと話をするのですが、どういう病気で、どういった治療をし、どんな薬を飲んでいるのか、理解されている方はあまりいらっしゃらない。診断書も大概、「心因反応」や「神経衰弱」などと書かれているから、本人が病気をきちんと理解していない方が多いです。この問題は大きいのです。どういう病気で、どういった点に気をつければ再発しないなどの情報は、本人が復職した後も重要です。こうした情報共有の必要性を理解していただきたいと思います。

(島悟)



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企業側への情報提供のポイント

企業側への情報提供のポイント

● どのように治るのか(統合失調症はきちんと服薬し治療すればよくなる、など)
 
● どんな姿で治るのか(復職後は何割の仕事ができるのか、など)
 
● 治療期間、見通しは(休職期間、など)
 
● 復職後どんな配慮が必要か(就労時間を短縮したほうがいいのか、仕事量を減らしたほうがいいのか、など)
 
● 職場でどういった点に気を付けてもらうか(環境の変化に敏感なので異動などがあった場合、不眠などでボーッとしていたりミスが増えたりした場合、主治医に知らせて欲しい、など)
 



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