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心療内科の本質

ある先生の話

高血圧で内科にかかっている患者さんが
心療内科に紹介されたきた
薬をもらっても眠れないという。
話を聞いて、ストレス要因について整理した。
心理療法の後、
偶然ジェネリック薬に切り替えていたので、
同じ薬でいいから、ジェネリック薬を出しますと説明。

患者さんは、内科に血圧の薬をもらいに行ったときに、
紹介してもらってありがとうございます、
おかげさまで眠れるようになりましたと感謝した。
お医者さんは薬を見て、
これは同じ薬なんだよ、
同じ薬で眠れたり眠れなかったりするなんて、
いわしの頭も信心からって言うからな、
眠れるはずだったのに、
と言って患者さんに少し当たったらしい。

この話をさらに患者さんに聞いて、
その先生は考えた。
半分は、うれしい。心理療法がやはり効いているのだから。
半分は、悲しい。内科の先生は、よかったね、眠れるようになって、
と言えばそれだけでよかったはずだ。
どうせ同じ薬だなどという必要があるだろうか。
患者さんの利益になるだろうか。
そんなことをお医者さんに言わせたのは、
わたしも親切じゃなかったということか。

*****
とりあえずこの話から分かることは、
同じ薬をもらっても、
誰から、どのような説明で、どのような態度でもらうかによって、
効き目が全然違うことだ。
そして患者さんにとっての、薬の意味が違ってくる。

よい説明のあとでは、薬を飲むたびに、
その説明を思いだし、あの先生がわたしにはついていてくれると感じることになる。

このようなエピソードを先輩の先生から聞くと、
たしかに心理療法は効いているし、大切なのだと思う。



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