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与えることは幸福をもたらす

与えることは幸福をもたらす
Giving Brings Happiness
2008 May 27
 
 多くの研究によって、所得と回答された幸福とが関連することが示されているが、その関連性は弱い。それでは、富の使い道は幸福にどのような影響を与えるのだろうか?

カナダおよび米国のチームは、米国の成人632人からなる全国を代表する集団を調査し、必要性や欲望(消費財の購入など)を満たすために金銭を使っても、回答された個人の幸福度とは相関しないことを突き止めた。一方、他人のために金銭を使うことは、回答された幸福と有意に相関した。その後、同チームは、ボーナスを受け取った会社員16人を縦断的に追跡した。その結果、ボーナスを自分自身のために使った場合は回答された幸福と相関しなかったが、他人のために使った場合は回答された幸福と相関した。最後に、チームは46人に金銭を渡してその日に使うよう依頼し、その使い道を調べて幸福度を測定した。その結果、自分自身ではなく他人のために金銭を使った場合は、幸福と相関した。

コメント:社会科学者によるこれらの研究は、医療とどのような関係があるのだろうか?私も私の患者も幸福を探し求めており、患者は主訴として「不幸」を訴えることがあることから、これらの研究で得られた洞察は価値があるかもしれない。たとえば、状況に応じて、理解できる特別な理由がないのに不幸そうに見える患者に対して、私はときに時間と金銭を慈善団体に寄付するよう助言することがあるが、この助言は多くの場合役に立つ提案に見える。

— Anthony L. Komaroff, MD

Published in Journal Watch General Medicine May 27, 2008

*****
そんな助言が出来るものだろうか。
かなり文化依存的な意見だと思う。

意見によれば、
けちな人は幸福に遠いようだ。
一方、人におせっかいを焼く軽躁状態のひとや循環気質の人は幸せになりそうだ。 
まわりは迷惑であり、不幸せであるが。

そもそもこんなレポートのどこに論文としての価値があるのか
よく分からない。文化依存的としかいえない。



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新聞の忘れ易さを訂正する方法

ジャーナリズムの忘れ易さを防止するために、
こうしたらどうだろう。

テレビはもう仕方がない。
日々起こることを伝えて、
たとえば洞爺湖ホテルの絵を流し続ければいいのだろう。
テレビ独自の説得力があり、
NHK特集で国民は多くものもを学ぶはずであるが、
それもまあ、どのような基準でテーマが選ばれるのか、不明である。

新聞については、こうしたらどうだろう。
ある案件について、重要度、どうなったら追跡完了なのか、追跡期間、報告実績と一覧表にしておく、
通知表のようなものだ。
それまでの一覧表があり、新しい事件が起これば、そこに付け加わり、
紙面が限られているので、相対的に割り振られる紙面は少なくなる。
紙面の割合を、この一覧表で確定しまおうというものだ。
だから、発生の時点で重要事件であっても、その後進展がなく、
なんとなく大事なことなのに、報道がなくなってしまう例がたくさんあるが、
それを防ぐことが出来る。
過去に重要であった事件は、紙面が割り振られ、何も書くことがなければ、
現時点での要約をして、埋めておくことになる。それでも充分にいいことだ。
感心は持っていること。進展がなければないと明確に伝えること。

今取り組まなければならない課題はなんであり、
にもかかわらず日々の報道を占有しているのはなんであるか、
分かるようになる。

スピード社の水着の枠はどれくらいで、
東海大地震の問題の枠はどれくらいなのか、
タクシー不正の枠、
建築偽装の枠、
防衛省スキャンダルの枠、
裁判制度の改正、
弁護士の人数、
官僚人事の問題、
日銀総裁でもめていた問題。
それぞれの重みが分かるようになる。

*****
それにしても、どの問題についても、
特段の解決なく先送りし、
次のニュースが到着してしまう、
この状況はどうだろう。

チベットもギョーザもガレキの下になり
というのを見かけた



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バブルの動向

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バブルがはじけるといっても、
元に帰るだけなんだな

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自殺統計

20070627041030.gif

諸国でそろって増加傾向。
シンガポールだけは別。
なぜだろう。

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自殺統計

20070627040940.jpg

ハンガリーの自殺の秘密は、
ハンガリー語に埋め込まれている(ビルトイン)のだと思う。

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精神医学の諸側面

朝日新聞の書評で精神医学関係の記事を二本読んだ。
どちらも記事の存在価値がよく分からない。
記事をきっかけとして本を読もうとする人はまずいないだろうという書き方であり、
しかし、公の場での記事である以上、あからさまな
無価値との断定ではない。

精神医学は各方面に関係があって、
ざっと考えると、
医学、
心理学、
哲学、
ジャーナリズム。

医学は身体医学のことであり、
精神医学は脳科学に翻訳されつつある。
しかし翻訳不可能だろうとの思いは当然あり、
脳科学の極限に、
精神医学の独自の、特権的な地位が待っているような気がする。

心理学はいつの時代にも
身体医学と、精神医学を土俵にして綱引きをしてきた。
ドイツ精神医学と精神分析学と脳神経回路と神経伝達物質と精神薬理学。
最近は心理学は押されっぱなしだが、
認知行動療法という堡塁を築き、立てこもりつつある。

哲学にはラカンとその弟子以降、あまりショックを与えていないように思う。
むしろ、脳科学者の用語を哲学が採用しつつあるのではないかと思う。

ジャーナリズムに関しては、やはり一般の人が新聞や図書館で触れるのが
ジャーナリズムの文章であり、
そこでまず疾患についての理解や誤解や先入観が構成されるのだろうから、
重要である。
精神疾患についての教育を中学生くらいで一度きちんとしておけば、
あとあとずいぶん理解が違うように思う。

治療の最先端とアカデミズムの最先端にはやはり方向の違いがあり、
それぞれを伝えるジャーナリズムのことばにも方向の違いがあるようだ。

*****
医学、心理学、哲学がどうであっても、患者さんにはあまり関係がないかもしれない。
しかしジャーナリズムが精神医学にどう反応しているかに関しては、
患者さんの病像にも治療にも大いに影響すると思う。

すごく好きという人でない限りは、
反感を持っていたり、問題だと感じている人の方が、
文章を書くものだと思う。
それを読む人たちは、当然、精神医学に潜在的な反感を持つのだと思う。

最初にフロイトやユングを読んだ人はまた別の先入観を持っていると思う。
一種の親しみを持ってくれるのではないか。
それくらいフロイトは強力であるといまも思う。

映画や小説で登場する精神病や精神医療、思想としての精神医学。
そして身近で体験する、一時的な精神病やアルコール症、老年期認知症。
その体験から来る、無力感。
医学の場合に、最終的には全員死ぬのであるから、敗北主義の下地は強く存在する。
ある場合には逆に全能感の幻想。

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近親相姦とアダムのことばと発祥の地アフリカ

ディエゴ・マラーニの小説「通訳」で扱われている精神病患者は、
「原初言語の妄想」を抱いている。

ウンベルト・エーコに「完全言語の探求」があり、
あらゆる言語の祖語としての「アダムのことば」がテーマになっている。

確かに、通訳をしていれば、言語相互の共通性に注意が行くだろう。

そして話はさらに「言語療法」につながり、
外国語を習得することによって精神療法をしようという話になる。

一方で、複数の言語を操れば、精神が不安定になるに決まっているとの意見も紹介している。

言語は、歯ブラシと同様、
各人が自分のものだけを口に入れるべきであると
語る。

登場する治療者は、症状に応じて、外国語を処方する。
希少言語はショック療法として、
ドイツ語は鎮静剤として。

曜日ごとに七か国語を使い分ける人も登場する。

外国語を学ぶことは、精神にとって毒なのか、薬なのか。

*****
そんな話があって、アフリカの話題が最近あり、
改めて、人類の発祥の地の問題に触れると、
「アダムのことば」が当然あったはずだという話になるし、
そうなれば、近親相姦の話題にもなる。

多分、最初は近親相姦をそうとは認識していなかったのだろうと思う。
妊娠と出産の始まりとしてのセックスに関して、
因果関係として明確に認識したのはいつ頃なのだろう。

最近やっと、おばあちゃんが口移しで赤ん坊に食べものを与えると虫歯が感染すると判明したが、
そのことが将来、当然のタブーになるまで、かなりの時間がかかるだろう。

*****
同じ言葉を話す人間とセックスをして
子供が生まれるのは、かなり近親相姦的な事態なのだと思う。

また、男性にとって、自分の子孫を残せるということは、
かなり特権的な事態だったのだろうとも推定できる。

強い者が何を独占したいか、
権力が成立するとしてその実体は何かといえば、
ひとつは食料についての権利であり、
ひとつは生殖についての権利だっただろう。

*****
食料についての権利は、土地の権利と直結しているだろう。
権利を維持するのは権威と暴力である。
部族の由来の神話を語りながら人殺しをする。
人間であることは難しいことだ。

古い習俗に、処女の性教育に部族の長が当たるという場合がある。
すでに妊娠した状態で、婿が指定される。
遺伝子を管理し、婚姻を管理する、そのような権力が成立するだろうことは
この例からも容易に推定される。

現代では、あらゆる特権は金銭に還元される傾向があり、
身分がどうであっても、金を払えば、いろいろなサービスを特権的に享受できるという
ケースが多い。
そうなると妄想的な人間は預金額の確認だけでかなり満足したりする。

アメリカ人はカジュアルであること、特権的でない事、貴族ではないことを
無理に表現する癖があり、
わざわざノーネクタイで足を組んで、You know,,と砕けた感じで話し続ける。
彼らにすれば、EUの内部がかなり貴族的でエリート主義的であることが
気になっていることだろう。
EU貴族の内部で家系図を気にし始めて自慢を始める事態になったら
アメリカは本気で戦争をするかもしれないと思う。

身分も出自も関係ないという思想は
人類にとってはとても新しい思想である。
それはヨーロッパとの対決の構図である。

お金持ちになることが人生の目標というのも
とても特殊で、最近のことだ。
そもそも金持ちといっても、
食糧は腐るものだし、
子供は成長してそれぞれに生きる。
女は衰える。建物も朽ちる。
金銀があっても、交換しなければつまらない。
交換可能にするためには信用が必要で、
信用はつまり、支配層を壊すことではなく
支配層に組み入れられることである。

お金があればホテルに泊まれる現代では、
そんなことはない。
気楽になったが誰も信用できないともいえる。
信用が薄まって広がったとも言える。

発祥の地アフリカから遥か遠くまで来たものだ
わたしたちは科学を発達させた代わりに人間の本来の能力を忘れ続けてきたともいえるだろう
出生率が低下し人工妊娠技術が発展するなど
その方向のことだろう
自分の中に眠っている能力を発掘できないか考えてみてもいいように思う

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大うつ病エピソードに関する DSM-IV 基準

大うつ病エピソードに関する DSM-IV 基準


 

基本基準

大うつ病エピソード Mager Depressive Episode

以下の症状のうち 5 つ (またはそれ以上) が同じ 2 週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起している;これらの症状のうち少なくとも 1 つは、(1) 抑うつ気分または (2) 興味または喜びの喪失である。

注:明らかに、一般身体疾患、または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まない。

(1) その人自身の明言 (例えば、悲しみまたは、空虚感を感じる) か、他者の観察 (例えば、涙を流しているように見える) によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。

注:小児や青年ではいらいらした気分もありうる。

(2) ほとんど 1 日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退 (その人の言明、または他者の観察によって示される)。

(3) 食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加 (例えば、1 ヶ月で体重の 5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。

注:小児の場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ。

(4) ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。

(5) ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止 (他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。

(6) ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。

(7) ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感 (妄想的であることもある)、(単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。

(8) 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる (その人自信の言明による、または、他者によって観察される)。

(9) 死についての反復思考 (死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。

症状は臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

症状は、物質 (例:乱用薬物、投薬) の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患 (例:甲状腺機能低下症) によるものではない。

症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち、愛する者を失った後、症状が 2 ヶ月を超えて続くか、または、著明な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念慮、精神病性の症状、精神運動抑止があることで特徴づけられる。

上記の内容はすべて、重度うつ病エピソードに該当します。


 

現在の大うつ病エピソードの
重症度/精神障害の判定基準

.x1-軽症: 診断を下すのに必要な症状の数に余分があることはほとんどなく、また、その症状のために起こる職業的機能、平常の社会的活動、または他者との人間関係の障害はわずかでしかない。

.x2-中等症: 症状または機能障害は、"軽症" と "重症" の間にある。

.x3-重症、精神病性の特徴を伴わないもの: 診断を下すために必要な症状の数より数個の余分があり、しかもその症状によって職業的機能、平常の社会的活動、または他者との人間関係が著しく障害されている。

.x4-重症、精神病性の特徴を伴うもの: 妄想または幻覚。可能であれば、その精神病性の特徴が気分に一致しているか、気分に一致していないかを特定せよ。


現在の大うつ病エピソードの
メランコリー型の特徴の判定基準

A. 現在のエピソードのもっとも重症の期間に、以下のどちらかが起こる。
(1) すべての、またはほとんどすべての活動における喜びの消失。
(2) 普段快適である刺激に対する反応の消失 (何か良いことが起こった場合にも、一時的にさえ、よりよい気分とならない)

B. 以下のうち 3 つ (またはそれ以上)。
(1) はっきり他と区別できる性質の抑うつ気分 (すなわち、抑うつ気分は愛するものの死の後に体験されるような感情とははっきり異なるものとして体験される)。
(2) 抑うつは決まって朝に悪化する。
(3) 早朝覚醒 (通常の起床時間より少なくとも 2 時間早い)。
(4) 著しい精神運動制止または焦燥。
(5) 明らかな食欲不振または体重減少。
(6) 過度または不適切な罪責感。

グループ A 中の 1 つの症状、およびグループ B 中の 3 つの症状に該当する場合に、憂うつ障害と判定します。


現在の大うつ病エピソードの
非定型の特徴の判定基準

A. 気分の反応性 (すなわち、現実の、または可能性のある楽しい出来事に反応して気分が明るくなる)。

B. 次の特徴のうち 2 つ (またはそれ以上)。
(1) 著明な体重増加または食欲の増加。
(2) 過眠。
(3) 鉛様の麻痺 (すなわち、手や足の重い、鉛のような感覚)。
(4) 長期間にわたり対人関係の拒絶を起す敏感さ (気分障害のエピソードの間だけに限定されるものでない) で、著しい社会的または職業的障害を引き起している。

A および B の症状が 2 つ以上該当する場合に、異常障害と判定します。



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ICD-10 うつ病エピソードの基準

精神障害および行動障害に関する ICD-10 分類

うつ病エピソードの基準

出典:The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders
World Health Organization, Geneva, 1992

 

F32

うつ病エピソード

 

F32.0

 

軽度のうつ病エピソード

 

F32.00

 

 

身体性の症状を伴わないもの

 

F32.01

 

 

身体性の症状を伴うもの

 

F32.1

 

中程度のうつ病エピソード

 

F32.10

 

 

身体性の症状を伴わないもの

 

F32.11

 

 

身体性の症状を伴うもの

 

F32.2

 

精神病症状を伴わない大うつ病エピソード

 

F32.3

 

精神病症状を伴う大うつ病エピソード

F32 うつ病エピソード

以下に記載されている 3 種類の典型的なうつ病エピソード (軽度、中程度、重度) において、患者は通常、抑うつ感、関心や喜びの喪失、体力の低下などのため、疲労や行動力の低下に悩まされ、わずかな努力の後にも、疲労感を感じます。以下は、その他の一般的な症状です。

 

(a) 集中力と注意力の低下

 

(b) 自信の喪失

 

(c) 罪責感と無価値感 (軽度のうつ病エピソードにも確認される症状)

 

(d) 将来に対する不安や悲観的な考え

 

(e) 自虐的や自殺的な考えや行動

 

(f) 睡眠障害

 

(g) 食欲不振

気分的な落込みは、日による変化があまり認められず、環境からの影響もあまりありませんが、日数の経過にしたがい、日中に特有の変化が現れる場合があります。躁病エピソードと同様に、症状には明確な個人差があり、思春期には一般的でない症状が認められることも多くあります。また、うつ症状と比較して、不安、苦悩、動揺などが顕著に表れる場合も多く、いらいら、過度の飲酒、演技的行動、既存の恐怖症や強迫観念の増大、心気症などによって気分的な変化が潜在化してしまうケースもあります。上記 3 つのすべての程度のうつ病エピソードの診断には、2 週間の症状継続期間を必要としますが、重度の症状や急激な発症が認められる場合は、それ以下の短い期間を診断の対象とすることも可能です。

上記の症状の一部では、その症状が顕著に表れる場合や特殊な臨床的特徴が認められる場合などがあります。これらの「身体性」症状の最も典型的な例には、以下のような症状があります。普段楽しいと感じる行動における関心や喜びの欠如。普段楽しいと感じる状況やイベントにおける感情的反応の欠如。通常より 2 時間早い起床。午前中のうつ症状の悪化。客観的に認識可能な精神運動の低下や動揺 (第三者による認識)。著しい食欲不振。体重の減少 (通常は 1 か月間に 5% の減少)。著しい性欲の減退。この身体性症候群は通常、以上の症状のうち 4 項目が明確に認められる場合に「症状」として診断されます。

うつ病エピソードに対する軽度、中程度、重度の分類 (詳細は以下を参照) は、1 つの (最初の) うつ病エピソードのみに対して適用します。その他のうつ病エピソードは、反復性うつ病性障害の一部として分類します。

これら症状の程度は、さまざまな精神医学的診断において考えられる状況に、幅広く対応するように設定されています。プライマリーケアや一般診療では、軽度のうつ病エピソードを患う患者が多い反面、大うつ病を患う患者は、精神科入院施設で診療を受けます。

感情障害に関連する自虐的な行為には、最も一般的なものとして、処方された薬剤の過剰な服用によるものがありますが、ICD-10 の該当する章に記載された追加コードを使用して記録する必要があります。自殺計画と「偽装自殺」は、自虐行為の一般的なカテゴリに含まれるため、これらのコードは、この二者を区別するものではありません。

うつ病エピソードの軽度、中程度、重度の区別は、数値、タイプ、症状の程度など、複雑な臨床診断に基づいたものとなります。日常の社会的や職業的な活動は、エピソードの程度を判断する有力な手がかりとなりますが、症状の程度と社会活動との関連付けを困難にする個人的、社会的、文化的な影響の存在を考慮した場合、社会活動を、判定の主な基準にするのは適切ではありません。

痴呆や精神遅滞が認められる場合も、治療可能なうつ病エピソードの診断を除外しませんが、コミュニケーションが困難な場合は、一般的な診断以上に、客観的な観測が可能な身体性症状 (精神運動の低下、食欲不振、体重減少、睡眠障害など) が重要となります。

 以下を含む
* 単一のうつ病エピソード (精神病の症状を伴わない)、心因性うつ病、反応性うつ病

 

F32.0 軽度のうつ病エピソード

診断ガイドライン:抑うつ気分、関心や喜びの欠如、疲労感の増加は、一般的なうつの症状と認識されますが、これらのうちの 2 つ以上の症状に加え、上記のうちの 2 つ以上の別の症状が認められてはじめて診断が確定されます。この症状は、いずれも程度の重いものでないことが条件となり、エピソード全体の最短継続時間は、約 2 週間となります。

  軽度のうつ病エピソードを患う患者は、症状に悩まされ、日常業務や社会活動の継続に多少の困難を感じますが、完全に機能できなくなるということはありません。

  5 番目の数字は、身体性症状の有無を表します。

 

F32.00 身体性の症状を伴わないもの

軽度うつ病エピソードの診断基準を満たし、身体性症状が 2、3 のみ、またはまったく認められない。

 

F32.01 身体性の症状を伴うもの

軽度うつ病エピソードの診断基準を満たし、4 つ以上の身体性症状が認められる (身体性症状が 2、3 のみ認められる場合でも、その症状の程度が非常に重い場合はこのカテゴリに含まれる)。

  

F32.1 中程度のうつ病エピソード

診断ガイドライン:軽度うつ病エピソードの最も一般的な 3 つの症状のうち、2 つ以上が認められ、さらに別の症状が 3 つ以上 (4 つの症状がある場合は確実) 認められる場合。全体的に各種の症状が見られる場合は、程度の重い症状がいくつか認められた場合も、重要な基準とはなりません。エピソード全体の最短継続時間は、約 2 週間となります。

中程度のうつ病エピソードを患う患者は通常、社会、職場、家庭での活動がかなり困難となります。

5 番目の数字は、身体性症状の有無を表します。

 

F32.10 身体性の症状を伴わないもの

中程度うつ病エピソードの診断基準を満たし、2、3 の身体性症状が認められる。

 

F32.11 身体性の症状を伴うもの

中程度うつ病エピソードの診断基準を満たし、4 つ以上の身体性症状が認められる (身体性症状が 2、3 のみ認められる場合でも、その症状の程度が非常に重い場合はこのカテゴリに含まれる)。

  

F32.2 精神病症状を伴わない大うつ病エピソード

大うつ病エピソードを患う患者には、顕著な精神遅滞がない限り、重度の苦悩や動揺が認められます。自信の喪失、および無価値感や罪責感を抱き、重症の場合は、自殺の危険性も非常に高くなります。大うつ病エピソードでは、身体性症状がほぼ確実に認められます。

診断ガイドライン:軽度/中程度のうつ病エピソードの一般的な 3 つの症状すべてに加え、4 つの別の症状 (重度のものを含む) が認められます。しかし、動揺や精神遅滞などの重要な症状が顕著な患者は、多くの症状の詳細を説明しようとしない場合や、できない場合があります。このような場合は、総体的に重度のエピソードと診断することが適切と思われます。エピソードは、通常 2 週間以上継続しますが、症状が極めて顕著な場合や急激に発症した場合は、2 週間未満でも確診とすることができます。

 大うつ病エピソード期間中、患者は、社会、職場、家庭での活動を継続することは、ごく一部を除いてほぼ不可能となります。

  このカテゴリは、身体性症状を伴わない単一の大うつ病エピソードに対してのみ適用されます。それ以降のエピソードには、反復性うつ病性障害のサブカテゴリが適用されます。

 以下を含む
* 動揺を伴う単一のうつ病エピソード
* 精神病症状を伴わないメランコリーまたは顕著なうつ病

 

F32.3 精神病症状を伴う大うつ病エピソード

診断ガイドライン:精神病症状を伴わない大うつ病エピソードの診断基準を満たし、妄想、幻覚、うつ病性昏迷を伴う大うつ病エピソード。妄想には通常、罪悪感、貧困、切迫感、自責の念などが含まれます。また幻聴や幻嗅には通常、中傷や非難の声、および汚物や肉の腐敗臭などがあります。重度の精神病症状は、昏迷にまで進行することがあります。必要に応じて、妄想や幻覚と感情との関連を特定することもできます。

鑑別診断:うつ病性昏迷は、緊張型分裂症、解離性昏迷、脳器質性昏迷などと区別する必要があります。このカテゴリは、精神病症状を伴う単一の大うつ病エピソードにのみ適用されます。それ以降のエピソードには、反復性うつ病性障害のサブカテゴリが適用されます。

以下を含む
* 精神病症状を含む単一の大うつ病、精神病性うつ病、心因性抑うつ精神病、反応性抑うつ精神病



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リーボウィッツ社会不安尺度 Social Phobia

リーボウィッツ社会不安尺度
Liebowitz MR. Social Phobia. Mod Probl Pharmacopsychiatry 1987;22:141-173

リーボウィッツ社会不安尺度、24 項目からなる自己記入式評価尺度で、社会不安 ( 対人恐怖 ) を測定します。患者は、下記に示した答の中で、最も自分にあてはまると思うものを選びます。回答は過去 1 週間の体験に基づいて選びます。すべての項目について答えるようにしてください。



恐怖

0 = まったくない、1 = わずかにある、2 = ある、3= かなりある

逃避

0 = まったくない、1 = わずかにある、2 = ある、3= かなりある


 

恐怖逃避

1. 公共の電話 - 公共の場で人と電話で話す

 

 

2. 小集団への参加 - 少人数の人間と議論をする

 

 

3. 公共の場での食事 - 食事をしている最中に震えたり、うまく食事ができない

 

 

4. 公共の場で飲む - お酒を含むすべての飲み物について

 

 

5. 権威ある人との会話 - 会社の上司や教師など

 

 

6. 観衆の前での演技、実演、トークなど - 大観衆を含む

 

 

7. パーティに出かける - 平均的なパーティに出席。知人も何人かいるが、全員を知っているわけでないと仮定

 

 

8. 人に見られながらの仕事 - すべての仕事、学校や家での仕事を含む

 

 

9. 人に見られながらの執筆 - 例えば、銀行で小切手を切る時

 

 

10. あまりよく知らない人への電話

 

 

11. あまりよく知らない人との会話

 

 

12. 知らない人間との出会い - 比較的あなたにとって重要な人物と仮定

 

 

13. 公衆トイレでの排尿 - 他人がいると仮定、平常時の状態で

 

 

14. 他人が着席している部屋に入る - 比較的少人数、誰もあなたに席を譲らない

 

 

15. 注目の的になる - 人々の前で話をする

 

 

16. 会議で発言する - 小さな会議室の場合、席から声をあげる、大会議室の場合、起立して発言

 

 

17. ペーパーテストを受ける

 

 

18. よく知らない人に対して適切な反対意見を述べたり、否定したりする

 

 

19. よく知らない人の目を見る - 適切なアイコンタクト

 

 

20. グループ発表を行なう - 小集団に対する口頭での発表

 

 

21. 人と知り合う - 自分一人で他人との関係を築く

 

 

22. 返品可能な店に、実際に品物を返却する

 

 

22. パーティーを開く - 知人を招く一般的なパーティ

 

 

24. 押し売りに抵抗する - この場合の「逃避」は、長時間にわたって押し売りの話を聞くこと

 

 

スコア合計 :

55-65 - 軽い対人恐怖症
66-80 - 中程度の対人恐怖症
81-95 - 重度の対人恐怖症
96 以上 - かなり重度の対人恐怖症



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自殺企図評価尺度(SSI)

自殺企図評価尺度
(SSI)
Beck AT Kovacs M Weissman A. (1979) Assessment of suicidal intention: The scale of suicide ideation. J Consult Clin Psychology. 47: 343-352.

この自殺企図評価尺度 (SSI) は、19 項目からなる評価尺度です。主に自殺企図を持つ患者を評価するために使われます。さらに、入院の必要性の有無、または治療に対する患者の長期的な反応をみるためにも使用できます。  



設問

回答

スコア

 

1. 生きたいと思う気持ち

普通またはそれ以上

0

 

わずかにある

1

 

ない

2

 

2. 死にたいと思う気持ち

ない

0

 

わずかにある

1

 

普通またはそれ以上

2

 

3. 生死に対する見方

死よりも生を重視

0

 

どちらも同等

1

 

生よりも死を重視

2

 

4. 自殺してみたいという強い願望

ない

0

 

わずかにある

1

 

普通またはそれ以上

2

 

5. 自殺に対する消極的な願望

生きることに注意を払っている

0

 

生きるか死ぬかは、偶然にまかせる

1

 

生存するために必要な手段は特にとらない

2

 

6. 自殺企図の期間

比較的短い

0

 

比較的長い

1

 

連続的(慢性的)またはほとんど連続的

2

 

7. 自殺企図の頻度

稀に起こる

0

 

たまに起こる

1

 

連続的に起こる

2

 

8. 自殺企図や願望に対する自己の態度

拒絶できる

0

 

無関心になる

1

 

許容してしまう

2

 

9. 自殺行動または願望に対する抑制

抑制心を持っている

0

 

わからない

1

 

全く抑制心がない

2

 

10. 実際の行動を引き止めるもの

引き止めるものがあるので行動しない

0

 

懸念すべきことはある

1

 

引き止めるようなものは少ないか、全くない

2

 

11. 自殺企図の動機

現在の状況から逃れるため、注意を引く、もしくは復讐のため

0

 

現在の状況から逃れたいのと現実逃避が混在している

1

 

現実逃避、問題の解決を放棄しているため

2

 

12. 方法 : 特性または未遂の計画

考えていない

0

 

考えたことはあるが、詰めが甘かった

1

 

詳細にわたって、よく計画した

2

 

13. 方法 : 実行にうつすための機会

方法や機会が見つからない

0

 

実行にうつすには時間や労力が必要だった、機会がなかった

1

 

方法や機会は存在した

2

 

今後実施する機会や手法が見つかると思う

2

 

14. 実行にうつす能力

実行にうつすだけの勇気がない

0

 

自分に勇気があるかどうかわからない

1

 

実行にうつすだけの勇気や自信がある

2

 

15. 実行する確率/予定

ない

0

 

分からない

1

 

ある

2

 

16. 実行の準備

していない

0

 

一部が完了している

1

 

完了している

2

 

17. 書き残しメモ

ない

0

 

未完成、ただ考えただけ

1

 

完成

2

 

18. 自殺の最終的な準備

考えたことがない

0

 

考慮した、または一部手配した

1

 

完全な計画をたてた、すべて手配済み

2

 

19. 自殺の意思を話したか否か

オープンに誰にでも話した

0

 

自分の胸の内だけにしまっておいた

1

 

自殺を隠し、時には人を欺いた

2
採点方法 :
上記の 19 設問のスコアをすべての合計します。
最小スコア = 0
最大スコア = 38
スコアが高いほど自殺の企図も深刻になります。


共通テーマ:健康

ゴールドバーグうつ病、躁病自己評価尺度

ゴールドバーグうつ病、躁病自己評価尺度
Goldberg Depression Scale - ©1993 - All Rights Reserved
Dr. Ivan Goldberg


 

うつ病評価尺度

本評価尺度は、主にうつ症状における変化を検知するためのものです。 うつ症状の変化を見るために、週ごとにご活用ください。スコアの合計が 5 ポイント以上の場合、うつ症状の重要な変化を示しています。
過去 1 週間を通じて、あなたがどのように感じ、どのように行動したか、という点について、各項目の該当するスコアを丸で囲んでください。
0 = まったく当てはまらない     1 = 少しは当てはまる    
2 = いくぶんかは当てはまる     3 = ほぼ当てはまる    
    4 = 非常に当てはまる     5 = まったくその通りである    

ものごとをする動作が遅くなった。

0

1

2

3

4

5

自分の未来が希望のないものに感じられる。

0

1

2

3

4

5

読書に集中することが難しい。

0

1

2

3

4

5

日々の生活に喜びや楽しみがなくなってしまった。

0

1

2

3

4

5

ものごとを決める、判断することが困難に感じる。

0

1

2

3

4

5

以前は自分の人生にとって重要に思われたことに興味をなくしてしまった。

0

1

2

3

4

5

悲しい、ゆううつな、不運な気持ちである。

0

1

2

3

4

5

そわそわ、イライラして常に動き回っている。

0

1

2

3

4

5

疲労感を感じている。

0

1

2

3

4

5

簡単なことをするのに非常な努力を要する感じがする。

0

1

2

3

4

5

自分は何か罰せられるべき罪深い人間であると思う。

0

1

2

3

4

5

何か失敗したような気持ちがしている。

0

1

2

3

4

5

生きているよりは死んだような、活気のない状態である。

0

1

2

3

4

5

睡眠が極端に浅い、深い、もしくは寝付けない状態である。

0

1

2

3

4

5

いかに自殺するかを考えながら時間を過ごしてしまう。

0

1

2

3

4

5

がんじがらめになった、何かに捕らえられたような気持ちがする。

0

1

2

3

4

5

良いことが起こっても、気分が沈んでしまう。

0

1

2

3

4

5

食事制限をしないと、太ったりやせてしまったりする。

0

1

2

3

4

5


     

躁病評価尺度

本評価尺度は、主にうつ症状における変化を検知するためのものです。 うつ症状の変化を見るために、週ごとにご活用ください。スコアの合計が 5 ポイント以上の場合、うつ症状の重要な変化を示しています。
過去 1 週間を通じて、あなたがどのように感じ、どのように行動したか、という点について、各項目の該当するスコアを丸で囲んでください。
0 = まったく当てはまらない     1 = 少しは当てはまる    
2 = いくぶんかは当てはまる     3 = ほぼ当てはまる    
    4 = 非常に当てはまる     5 = まったくその通りである    

頭がはっきりとした状態にならない。

0

1

2

3

4

5

いつもより眠くならない。

0

1

2

3

4

5

実現できないようなたくさんの計画なアイデアがある。

0

1

2

3

4

5

話し続けることが楽しく感じる。

0

1

2

3

4

5

非常に幸福感を感じている。

0

1

2

3

4

5

いつもより、アクティブな状態である。

0

1

2

3

4

5

話し相手がついてこれないような早さで話してしまう。

0

1

2

3

4

5

自分で対処しきれないような多くの考えが浮かんでくる。

0

1

2

3

4

5

神経過敏な状態である。

0

1

2

3

4

5

冗談やふざけた話を考えるのは非常に簡単である。

0

1

2

3

4

5

パーティの主役のような感じである。

0

1

2

3

4

5

ずっとエネルギーがあふれている。

0

1

2

3

4

5

ずっとセックスのことを考えている。

0

1

2

3

4

5

ずっと陽気な気持ちがしている。

0

1

2

3

4

5

世界に対して、何か特別なことができるような気がする。

0

1

2

3

4

5

たくさんお金を使ってしまう傾向がある。

0

1

2

3

4

5

注意力が散漫で一つのことに集中できない。

0

1

2

3

4

5

特定の場所に落ち着いて、止まっていることが難しい。

0

1

2

3

4

5



共通テーマ:健康

疫学的うつ病評価尺度 (CES-D)

疫学的うつ病評価尺度 (CES-D)

Radloff, L. S. (1977). The CES-D scale: A self-report depression scale for research in the general population. Applied Psychological Measurement, 1, 385-401.
本評価尺度は、研究機関である Center for Epidemiologic Studies (1977 年、Radloff 博士) により開発されたものです。 この評価尺度は、短い自己記入式の評価尺度で、一般の方がうつ病の症状を評価できるように作成されています。

過去 1 週間を通じて、どの程度の頻度で以下の感覚を持ったかについて、該当するスコアを記入してください。

0. ほとんど、もしくはまったく感じることはなかった (1 日未満)
1. たまには、もしくは少々は感じたことがあった (1-2 日程度)
2. しばしば、もしくは結構感じたことはあった (3-4 日程度)
3. ほとんど、もしくはずっと感じていた (5-7 日程度)

 

スコア
1.

普段は悩むようなことではないことで、頭を悩ませられた。

 

2.

食事を取る気になれなかった。食欲がなかった。

 

3.

家族や友人の助けを受けたとしても、憂うつな気分を振り払うことができなかった。

 

4.

自分は他人と同様に正常であったように思う。

 

5.

自分のしていることに集中することができなかった。

 

6.

気分が落ち込んでいた。うつ状態であった。

 

7.

自分がなすすべてのことに対して努力を払ったように思う。

 

8.

将来に対して希望を持つことができた。

 

9.

自分の人生が失敗であったように思われた。

 

10.

おびえ、心配することがあった。

 

11.

落ち着いて睡眠できなかった。

 

12.

幸福感を感じることがあった。

 

13.

いつもより話すことが少なくなった。

 

14.

孤独を感じることがあった。

 

15.

他人が不親切であるように感じられた。

 

16.

生活を楽しむことができた。

 

17.

ひとしきり泣くことがあった。

 

18.

悲しさを感じた。

 

19.

他人が自分を嫌っているように感じられた。

 

20.

活発に行動することができなかった。

 

合計スコア

 


評価方法
うつ病スコアは、各項目のスコアの合計値になります。 4、8、12、16 の肯定的設問に対しては、スコアのカウントが逆になります (0 = 3 点、1 = 2点、2 = 1 点、3 = 0 点)。 合計スコアが 16 以上である場合、過去 1 週間のうつ症状が深刻であることを指し示しています。


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エジンバラ出産後うつ病評価尺度(EPDS)

エジンバラ出産後うつ病評価尺度
(EPDS)

J.L. Cox, J.M. Holden, R. Sagovsky
British Journal of Psychiatry June, 1987, Vol. 150

エジンバラ出産後うつ病評価尺度は、出産後のうつ病に悩む女性患者を対象に、プライマリケア医がうつ病を検知するのを助けるために開発されました。これまでの研究によると、約 10% の女性が出産後うつ病になることがわかっており、その多くは治療を受けていません。
本評価尺度は 10 項目の質問からなっています。各質問には 4 種類の選択肢があり、患者は過去 1 週間を振り返り自分の気分に最も近いものを選びます。平均所要時間はおよそ 5 分です。答えを選ぶ際には一切他人と相談してはいけません。
これまでの評価試験では、閾値 13 以上となった患者のおよそ 92.3% が何らかのうつ症状を示しています。そのような場合、診断を行う前に、さらに慎重な臨床評価を行わなければなりません。本評価尺度は患者の過去 1 週間の気分を反映したものなので、疑いのある場合はさらに 2 週間続けて実施しても構いません。なお、不安神経症、恐怖症、ならびに人格障害には本評価尺度を適用することはできません。

すべての質問事項に答えてください。

1. 物事のおかしな側面を考えたり笑ったりすることができたか。

普段のようにできた。

 

何となくできなかった。

 

ほとんどできなかった。

 

まったくできなかった。

 

2. 物事に対して楽しいことを考える気持ちになれたか。

普段のようになれた。

 

普段のようにはなれなかった。

 

ほとんどなれなかった。

 

まるでなれなかった。

 

3. 物事が悪い方向に行った時、不必要に自分を責めることがあったか。 *

常に自分を責めていた。

 

時々自分を責めることもあった。

 

それほど自分を責めるようなことはなかった。

 

まったく自分を責めるようなことはなかった。

 

4. 特に理由もなく不安になったり、心配したりしたことがあったか。

まったくならなかった。

 

ほとんどならなかった。

 

時々なった。

 

頻繁になった。

 

5. 特に理由もなく怖がったり、パニックになったことがあったか。 *

頻繁になった。

時々なった。

それほどならなかった。

まったくならなかった。

 

6. 物事にうまく対処できないことがあったか。 *

ほとんどの場合対処できなかった。

 

時々対処できないことがあった。

 

多くの場合うまく対処できた。

 

いつもと同じように対処できた。

 

7. あまりに不幸な気分のため、よく眠ることができなかったことがあったか。 *

常に眠れなかった。

 

時々眠れなかった。

 

ほとんど眠れなかった。

 

まったく眠れなかった。

 

8. 悲しいまたは惨めな気分になったことがあったか。 *

常になっていた。

 

時々なった。

 

それほどならなかった。

 

まったくならなかった。

 

9. あまりに不幸な気分のため、いつも泣いていたようなことがあったか。 *

常に泣いていた。

 

よく泣いていた。

 

時おり泣いていた。

 

まったく泣いたことがない。

 

10. 自分を傷つけたい衝動にかられたことがあったか。 *

頻繁になった。

 

時々なった。

 

ほとんどならなかった。

 

まったくならなかった。

 

回答に 0~3 の順で点数をつけ、値が大きいほど症状も重くなります。
星印 (*) の付いた項目は逆の順で点数をつけます(3~0)。
すべての項目の点数を加算し、合計点数を算出します。


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モントゴメリー / アスベルグうつ病評価尺度自己評価版 (MADRS-S)

モントゴメリー / アスベルグうつ病評価尺度
: 自己評価版
(MADRS-S)

Svanborg, P., Asberg, M., 1994. A new self-rating scale for depression and anxiety states based on the Comprehensive Psychopathological Rating Scale. Acta Psychiatr. Scand. 89, 21-28.
Svanborg, P., Asberg, M., 2001. A comparison between the Beck Depression Inventory (BDI) and the self-rating version of the Montgomery Asberg Depression Rating Scale (MADRS-S). J. Affect. Disorders 64, 203–216

 MADRS の中にあった「外見に表出される悲しみ」という評価項目は、自己評価できない項目のため削除されており、そのため、この自己評価版は全部で 9 項目になっています。


本評価尺度の目的は、あなたの現在の精神状態を詳しく知ることです。過去 3 日間の精神状態と照らし合わせて記入してください。
各質問項目には、評価のポイント数とこれに呼応する精神状況が記されています。それを参考に自分の状態を判断してください。ポイント数は苦悩の度合いに応じて設定されており、最低 0、最大で 3 となっています。各項目について、あなたの過去 3 日間の精神状態に最も近いと思われるポイントの数値を丸で囲んでください。
あまり考え過ぎず、できるだけテンポよく回答するようにしてください。

 

1. 気分
悲しいのか、陰うつなのか、あなたの気分について記します。ここ過去 3 日間で、気分に変化があったか、ほとんど同じであったか、思い出してみてください。特に、何かいいことがあって陽気な気分になったことがあるか、振り返ってみてください。

0

状況によっては、明るかったことも、暗かったこともある。

0.5

 

1

時々楽な気分になることもあったが、ほとんどは少し落ち込み気味だった。

1.5

 

2

本当に落ち込んで陰うつな気分だった。普段は楽しいことも、何も楽しくなかった。

2.5

 

3

自分が惨めに感じるほど落ち込んでおり、最悪の気分だった。

2. 不安
過去 3 日間にどの程度、内的緊張、不安、心配、またはもやもやとした気持ちを経験したか思い出してください。そうした気持ちの強さは?今はそのような気持ちがもうなくなってしまったのか、あるいはずっと存在しているのか。

0

いつも大体落ち着いていた。

0.5

 

1

時々、不安で楽しくない気分になった。

1.5

 

2

常に不安な気持ちに支配されており、それが時に強くなり、克服するのが困難に感じた。

2.5

 

3

強烈で堪え難い不安な気分をずっと持ち続けている。

3. 睡眠
ここでは睡眠について記します。過去 3 日間の睡眠時間、睡眠の深さはどれくらいでしたか。ここではあくまで実際の睡眠だけを評価するので、睡眠薬を服用したかどうかは問いません。いつもよりたくさん寝たと思ったら、0 に印をつけてください。

0

睡眠については何の問題もなく、いつもと同じように寝られた。寝つきも良好。

0.5

 

1

やや問題がある。寝つきが悪かったり、眠りが浅かったり、あるいは疲れがとれないことがあった。

1.5

 

2

いつもより睡眠時間が少なくとも 2 時間短かった。理由もなく、夜中突然目がさめることがよくあった。

2.5

 

3

ほとんど眠ることが出来ず、睡眠時間は毎日 3 時間以下。

4. 食欲
ここでは食欲について記します。食欲に関し、異常がなかったかどうか、思い出してください、もしいつもより食欲が旺盛だったら、0 に印をつけてください。

0

食欲は特にいつもと変わらなかった。

0.5

 

1

いつもより食欲がなかった。

1.5

 

2

ほとんど食欲がなかった。何を食べても味がなく、無理して食べなければならなかった。

2.5

 

3

まったく食べる気がしなかった。食べ物を飲み込むことさえ一苦労だった。

5. 集中力
ここでは思考や、行動に対する集中力について記します。集中力を要する作業をどれくらいうまくこなせたか、思い出してください。例えば、難解な書物を読む時、新聞のような軽い読み物、あるいはテレビの視聴など、集中力の程度を比較します。

0

集中力にはまったく問題ない。

0.5

 

1

時折、いつもは興味を持っていたこと (例 : 読書、テレビを見る) に集中するのが難しいと感じた。

1.5

 

2

いつもは何の苦もなく行っていた行為 (例 : 読書、人との会話) に集中することがほとんどできない。

2.5

 

3

全ての物事に対し、まったく集中できない。

6. 自発性
ここでは物事を成し遂げる能力について記します。やるべき事にとりかかる際、どの程度苦労したか、あるいは楽だったか。さらに何か行動するにあたって、どのくらいの心的抵抗 ( 無気力感 ) に打ち勝たなければならなかったか。

0

新しい作業に取りかかる際、何の問題も感じなかった。

0.5

 

1

何かに取りかかろうとすると、いつもにはない困難さを感じた。

1.5

 

2

普段は何も考えずにできるような簡単な作業でも、開始するのに多大の労力を要した。

2.5

 

3

日常的な些細な行為でさえ、取りかかることができなかった。

7. 興味・関心
ここでは周囲に対する関心について記します。周囲の人間、通常楽しいと感じる行動など。

0

周囲に興味を持ち、自らも関与しているという事実が、自分に喜びを与えてくれた。

0.5

 

1

いつもは面白いと思う事柄に対し、あまり関心が湧かない。何か理由があっても、喜んだり、怒ったりできない。

1.5

 

2

たとえ友人、知人相手であっても、まったく興味が持てない。

2.5

 

3

何の感情も持てない。身近な人間に対してもまったく無関心。

8. 悲観
ここでは将来や自分自身についての考えを記します。自分がどの程度自己批判的であるか、例えば、罪悪感に悩まされていないか、または金銭や健康について必要以上に悩んでいないか。

0

自信を持って将来を展望することができる。全般的に人生に満足している。

0.5

 

1

自己批判的になり、自分が他人よりも価値ない存在だと感じることがある。

1.5

 

2

失敗についてくよくよ考え、たとえ他人が同意しなくても、劣等感や無気力感を感じる。

2.5

 

3

目の前が真っ暗で、何の希望も見えない。自分が何の役にも立たない無価値な人間と感じられ、過去の行いをまったく許すことが出来ない。

9. 生に対する欲求
ここでは人生に対する熱意を記します。人生に疲れたと感じますか?これまでに自殺を考えたことはありますか?もしあるなら、どれくらい真剣でしたか?

0

自分の生に対する欲求は普通。

0.5

 

1

死にたいとは思わないが、人生に意味を見出せない。

1.5

 

2

死んだ方がマシだと考えることがよくある。決して自殺したいとは思わないが、可能な選択肢の一つと考える。

2.5

 

3

死ぬことが唯一の解決法であると確信している。どのように自らの命を断つか、そればかり考えている



共通テーマ:健康

ミニメンタル・ステート検査(MMSE)

ミニメンタル・ステート検査
(MMSE)
Folstein MF, Folstein SE, McHugh PR (1975) Mini-mental state: A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. J Psychiatr Res.12:189-198.

ミニメンタル・ステート検査 (MMSE) は、認知障害の疑いのある患者のために開発された古典的な評価方法です。その内容は、患者の理解力と認識機能をテストする一連の質問からなっています。繰り返し使用することで、認知機能の変化をモニターすることもできます。

 スコア

 

最大

患者

 

 5

 

「今年は何年ですか? 季節、年月日、日時は?」
各正解につき 1 点

 5

 

「いまあなたは何処にいますか? あなたのいる州、郡、町 / 市、病院、階は?」
各正解につき 1 点

3

 

関連のない物の名前を 3 つ、ゆっくりとした調子ではっきりと患者に伝えます ( 例、ボール、旗、木 )。 その後、すべての単語名を挙げるように言います。
患者の返答に基づいてスコアをつけます ( 単語 1 つにつき 1 点 )。可能ならば、患者が全ての単語を覚えるまで続けます。さらに時間をおいて、単語を覚えているか確かめます。

 

「100 から順次 7 を引いた数を数えてください」
正しい数字 (93, 86, 79, 72, 65, … ) につき 1 点。 65 まで数えた時点で止めます。

代替質問 :「 WORLD という単語のスペルを逆から言って下さい」
正しい文字 1 個につき 1 点 (D-L-R-O-W)

3

 

「さきほど物の名前を 3 つ挙げましたが、すべて覚えていますか?」
各正解につき 1 点

2

 

身近にある物を 2 つ示して ( 例、腕時計、ペン )、その名前を答えさせます。
各名前につき 1 点

1

 

「次のフレーズを繰り返してください。“もしも、そして、しかし、ということはない”」
正しく繰り返すことができたら 1 点

3

 

患者に一枚の白紙を渡し、次のように言います。「この紙を右手に持って半分に折畳み、床に置いてください」
正しい動作 1 つにつき 1 点

1

 

患者に「目を閉じてください」と書かれた紙を渡し、紙に書かれた指示に従って行動するように言います。
患者が実際に目を閉じたら 1 点

1

 

「何でもいいから一行の文を書いてください」
文に名詞および動詞が含まれていたら 1 点。文法や綴りのミスは考慮しなくて結構です。

1

 

「この図を模写してください」 mini.gif
患者に白紙を渡して図を描くように指示します。5 つの辺と 2 つの交点を持った図が描けたら 1 点。

30

 

総得点


 

得点の見方 :
26 ~ 30 点 – 正常
22 ~ 25 点 – 軽度の障害
22 点未満 – 重度の障害


右のウエブサイトでは本評価試験のスコアを自動で算出することができます。

http://www.medafile.com/mmses.htm

 



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モントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度 MADRS

モントゴメリー/アスベルグ
うつ病評価尺度
Br. J. Psychiat. (1979), 134, 382-389

評価は臨床面接に基づいて行い、症状に関する大まかな質問から始め、重症度の正確な評価を可能とするより詳細な症状について質問していくべきです。評価者は評価が定められた尺度の段階 ( 0、2、4、6 ) か、それともそれらの中間 ( 1、3、5 ) に当てはまるかを判断します。各設問に対する評価値の判断は、過去 1 週間の患者の状態を基準に行います。  


 

1 - 外見に表出される悲しみ - 話し方、顔の表情、姿勢に表れる意気消沈、憂うつ、絶望( 単なる通常の一時的な元気のなさより強い )を示します。深さと、明るくすることの難しさによって評価します。

0

悲しみはない。

1

2

元気なく見えるが、無理なく明るくなることができる。

3

4

ほとんどの時間悲しげに、また不幸せそうに見える。

5

6

常に悲惨に見える。非常に意気消沈している。


 

2 - 言葉で表現された悲しみ - 外見に表出されているかどうかにかかわらず、言葉に表れた抑うつ気分の報告を示します。元気がない、意気消沈、あるいは救われない、希望のない感じを含みます。気分が出来事に影響されると表現される、その強さや期間、そしてどの程度かによって評価します。

0

状況に即した時おりの悲しみ。

1

2

悲しみ、または元気がないが、無理なく明るくなれる。

3

4

広汎な悲しみ、あるいは陰うつ。それでも気分は外的な状況に影響される。

5

6

持続的ないし揺るぎない悲しみ、悲惨、あるいは意気消沈。


 

3 - 内的緊張 - 漠然とした不快感、イライラ感、内的混乱、さらにはパニック、恐怖、苦悶のいずれかに至る心的緊張を示します。その強さ、頻度、持続および、再保障を必要とする程度によって評価します。

0

静穏。一時的な内的緊張のみ。

1

2

イライラ感、漠然とした不快感が時に生じる。

3

4

患者が克服するのにいくらか困難を伴う持続的な内的緊張感または間欠的なパニック。

5

6

激しい恐怖または苦悶感。克服不能のパニック。


 

4 - 睡眠減少 - 健康な時の本人自身の正常なパターンと比較して、睡眠の持続または深さが減少している体験を示します。

0

通常通り眠れる。

1

2

軽度の入眠困難、または軽度に減少した、浅い、または途切れがちな睡眠。

3

4

少なくとも 2 時間、睡眠が減少または途切れる。

5

6

2~3 時間未満の睡眠。


 

5 - 食欲減退 - 健康な時と比べて食欲が落ちているという感じを示します。食物への欲求の低下、または無理して食べる必要性について評価します。

0

正常または増加した食欲。

1

2

わずかに減退した食欲。

3

4

食欲がない。食物は味がしない。

5

6

少しでも無理して食べる。


 

6 - 集中困難 - 自分の考えをまとめることの困難さを示し、さらには集中力の欠如を示します。生じる困難の強さ、頻度、および程度によって評価します。

0

無理せず集中する。

1

2

時おり自分の考えをまとめることが困難。

3

4

集中したり考え続けることが困難で、読んだり会話を続ける力が低下している。

5

6

本を読んだり会話することが非常に困難。


 

7 - 制止 - 日常的な活動を始めるのが困難なこと、または開始し実行するのが遅いことを示します。

0

何かを始めることにほとんど何の困難もない。緩慢さはない。

1

2

活動を始めることが困難。

3

4

いつも行っている簡単な活動を始めることが困難で、実行に努力を要する。

5

6

まったくの制止。援助がないと何もできない。


 

8 - 感情を持てないこと - 周囲への、あるいは通常は楽しみな活動への興味の減退の自覚を示します。周囲の状況や人に対し、適切な感情を持って反応する能力が減退している状態です。

0

周囲の状況および他の人々に対する正常な興味。

1

2

普段なら興味のあることを楽しむ能力の減退。

3

4

周囲の状況に対する興味の喪失。友人や知人に対する感情の喪失。

5

6

感情的に麻痺している体験、怒りや深い悲しみ、または喜びを感じることができず、身近な親戚や友人を思いやることが完全にあるいは苦痛なまでにできない。


 

9 - 悲観的思考 - 罪業念慮、劣等感、自責感、罪悪感、悔恨、および破滅感を示します。

0

悲観的思考はない。

1

2

失敗、自責あるいは自己卑下に関する動揺性の思考。

3

4

持続的な自責、あるいは明白だが了解可能な罪業念慮や罪悪感。将来に対してますます悲観的である。

5

6

破滅や悔恨あるいは償いようのない罪悪に関する妄想。不合理で揺るぎない自責。


 

10 - 自殺思考 - 生きる意味がない、自然に死ねるならいつでもかまわないという感じ、自殺思考、および自殺の準備を示します。自殺企図そのもので評価が影響されるべきではありません。

0

人生を楽しんでいる、または人生をあるがままに受け止めている。

1

2

人生に飽きている。ごく一時的な自殺思考のみ。

3

4

死んだほうがましと考えたりする。自殺思考がしばしばあり、自殺は一つの有り得る解決法と考えられているが、特別の計画または意図はない。

5

6

機会があれば自殺しようとする明確な計画。自殺の積極的な準備



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ハミルトンうつ病評価尺度 HAM-D17

ハミルトンうつ病評価尺度
(HAM-D17)

Br. J. Soc. Clin. Psychol. 6 : 278-296 (1967)
各項目について、患者の過去 1 週間の症状に最も近い番号を選択してください。

1 - 抑うつ気分 (悲哀感、絶望感、無力感、自信喪失感)

0

なし。

1

聞かれた場合にのみ、抑うつ気分を訴える。

2

自発的に、言葉で抑うつ気分を訴える。

3

抑うつ気分を言葉以外 (表情、態度、声、よく泣くなど) の方法で訴える。

4

抑うつ気分が、言葉や言葉以外の行動の端々に現れている。


 

2 - 罪業

0

なし。

1

自己批難し、ほかの人を気落ちさせてしまうと考える (自責感)。

2

過去の過ちや悪行に対して沈思黙考する、またはそれに対する罪悪感を持つ (罪業念慮)。

3

うつ症状を罰だと考える (罪業妄想)。

4

非難や弾劾的な幻聴が聞こえる。幻覚症状がある。


 

3 - 自殺

0

なし。

1

生きるだけの価値が無いと思う。

2

死を願う、または考える。

3

希死念慮がある、または自殺の意志表示を行う。

4

自殺企図がある (深刻な自殺未遂は、すべてこの「4」に属する)。


 

4 - 入眠障害

0

問題なし。

1

時折寝付きが悪い (30 分以上)。

2

毎晩寝付きが悪い。


 

5 - 熟眠障害

0

問題なし

1

夜間、落ち着かず、睡眠が途絶えがちになる。

2

夜中に目が覚める。寝床から出る場合は、すべてこの「2」に属する (排泄時は除く)。


 

6 - 早朝睡眠障害

0

問題なし。

1

早朝に覚醒するが、再び眠ることができる。

2

早朝に覚醒し、再び眠ることができない。


 

7 - 仕事と興味

0

問題なし。

1

仕事や趣味などのアクティビティに関して無力感、倦怠感、虚弱感がある。

2

仕事や趣味などのアクティビティに関する興味の欠如。本人による直接の訴えや、関心の欠如、ためらい、迷いなどの間接的な場合がある (仕事やアクティビティを、自分自身に強制する必要性を感じる)。

3

アクティビティに費やす時間や生産性の減少。病院では、1 日に 3 時間以上をアクティビティに費やさない場合は、「3」とする。

4

うつ症状のため、作業を放棄。病院では、病棟の雑用以外のアクティビティに参加しない場合、または病棟の雑用を 1 人でできない場合は、「4」とする。


 

8 - 精神運動抑制 (思考や会話の遅延、集中力の低下、自発的運動の減少など)

0

問題なし。

1

インタビュー時、わずかな遅延が表れる。

2

インタビュー時、顕著な遅延が表れる。

3

インタビューが困難。

4

完全な昏迷状態。


 

9 - 激越

0

なし。

1

落ち着きがない。

2

手や髪などを触る。

3

落ち着きがなく、じっと座っていることができない。

4

手を動かす、爪を噛む、髪を抜く、唇を噛むなどの動作を行う。


 

10 - 精神的不安

0

なし。

1

緊張、いらいらする傾向にある。

2

些細な物事が気になる。

3

不安感が表情や会話に現れる。

4

常に恐怖に怯えている。


 

11 - 身体的不安 (不安感に伴う生理学的発症。胃腸に関しては口渇、ガス、消化不良、下痢、腹痛、げっぷが、心臓血管に関しては動悸や頭痛が、呼吸に関しては過換気やため息が、それぞれ発症する。その他、頻尿や多汗など。)

0

なし。

1

軽度。

2

中度。

3

重度。

4

身体障害の発生。


 

12 - 消化器系の身体症状

0

なし。

1

食欲不振だが自主的に食事をする。胃がもたれる。

2

強制されないと食事をしない。下剤や胃腸薬を要する。


 

13 - 一般的な身体症状

0

なし。

1

手足、背中、頭が重い。背中の痛み、頭痛、筋肉痛、体力の低下、疲労感など。

2

その他の明らかな症状が認められる場合は、この「2」に属する。


 

14 - 生殖器に関する症状 (性欲の低下、生理不順など)

0

なし。

1

軽度。

2

重度。


 

15 - 心気症

0

なし。

1

体のことばかり考える。

2

健康に気を取られる

3

不満を漏らす、助けを求めるなど。

4

心気症的妄想を抱く。


 

16 - 体重の減少

A) 過去の経緯と比較した場合

0

なし。

1

うつ病に起因する体重の減少。

2

絶対的な体重の減少 (患者による申告)。

または

B) 精神病医による毎週の体重検査において、体重の変化が実際に測定された場合

0

週に 1 ポンド (500 g) 未満の減少。

1

週に 1 ポンド (500 g) 以上の減少。

2

週に 2 ポンド (1000 g) 以上の減少。


 

17 - 病識

0

うつの症状を認め、病気であることを認識している。

1

病気であることを認識しているが、食物、気候、過労、ウイルス、休息不足などが原因だと考えている。

2

病気であることを認めない。



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エビリファイ 適応症と用量 アメリカ2008-5月

アメリカで2008年5月に添付文書の改編があった。
エビリファイについて、適応症と用量は次のような感じ。

                           初期            推奨           上限
統合失調症・成人                10-15           10-15          30
統合失調症・若年者               2              10            30

双極性Ⅰの躁 単独または            15             15            30
リチウム/バルプロ酸補助療法・成人   
双極性Ⅰの躁 単独または            2              10            30
リチウム/バルプロ酸補助療法・成人

大うつ病の抗うつ薬の補助療法        2-5             5-10          15

統合失調症または双極性での         9.5(筋注)                      30
躁での興奮状態・成人

経口剤は食事時間を考慮せず、1日1回服用。

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近親相姦のタブーの成立

原初の状態では近親姦のタブーはなかった
むしろ、数少ない人間種の中で、交配を繰り返すのが、
有利な形質を維持するのに必要なことであった。
しかしある時点で、近親相姦はタブーではないかと妄想する人間が出現し、
その考えは広がっていった。
拡がってみると、近親相姦を許容している集団に比較して、
強いことがわかった。
いったん優位に立つと、近親相姦のタブーと共に集団は維持される。
近親相姦のタブーは遺伝学的に理にかなっているから優位に立ったのであるが、
心理学的には、大変自然な感情をタブーとして抑圧している不自然な形であるため、
ひずみが出易い。
ひこで神経症が形成され易い。
このようにしてひとつ神経症が成立した。

個体発生としても母子は歴史の始まりである。
集団発生としては、人間の歴史の始まりの集団内で近親相姦があったのだろう
そして後代になって、近親相姦はタブーとみなされた。
みんな必然的なことである。

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パーソナリティ障害の人が二者関係に固執することについて

たとえば境界型パーソナリティ障害の場合、
社会の中に生きているような顔をして
実は母子関係を祖形とする二者関係を押し付けてくる

健康な生活に復帰するために
治療者と話をするのではなく
治療者と母子関係と同等な密接な関係になるために
治療に通う

そこで展開される会話は
赤ん坊がどんな事をしてでもおっぱいを飲みたいという態度と同じである

治療者に内在する直したい、力になりたいという欲望は、
利用され、治療者は破壊的な報酬を受け取る

これが三者関係になり、社会関係になること、
母子関係が父親を交えた三者関係になること

それが成長なのであるが
難しい面もある

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MAD理論によるうつ病の治療

1.MAD理論によれば、躁状態または強迫性障害の状態が続いて、
そのあとにうつ状態が来る。
つまり、MとAの細胞がくり返し刺激によってダウンした時に、D要素だけが残り、
うつ状態になる。
2.したがって、治療は、MとAの細胞の回復を待つだけである。
3.細胞の回復を待つのは、時間を待つしかない。切れたアキレス腱を無理してどうしようと思ってもどうしようもない。固定しておいて、待つしかない。
4.逆に時間がたてば必ず治る。治らないうちにまたストレスの中に飛び込んでいくのは、アキレス腱がつながっていないのに走り始めるマラソンランナーのようなもので、助けようがない。
5.治療として大切なのは、再発を防ぐことである。MAD理論をよく理解して、MとAの細胞が機能停止してしまうほど熱中したり繰り返したりしないで、睡眠をよくとり、適切に別の活動も混ぜながら毎日を暮らすことである。その「生活スタイル」の確立が大切である。
6.治療は以上に尽きる。うつのつらさを軽減するために抗うつ薬は役立つ。しかしそれが治癒のプロセスを短縮するのでもない。例えていえば、早くアキレス腱をくっつける薬はない。しかし、アキレス腱がずれないように固定するギブスはあるのであって、それが抗うつ剤に相当する。
7.自殺については、薬剤がそれを抑止することも多いが、促進することもあり、注意を要する。場合によっては家族が自殺を防ぐようにみていることが必要で、それが出来ないなら入院する必要がある。
8.うつの精神療法としては、MA細胞が再生するまでストレスをかけないこと、そのほか無駄な努力をしないこと、再発防止の教育をすること、それだけである。
9.逆に、どんな精神療法をしても、MA細胞が、再生するのは関係のないプロセスである。極端に言えば、アキレス腱がつながるようにといろんなおはなしを聞いて、待つ時間を退屈しないようにする、それだけのものである。話そのものがアキレス腱に関係することは何もない。同じように、話の内容がMA細胞の回復に影響することはない。
10.したがって多分、どんな精神療法も、おばさんの楽しいお話と同程度の効き目しかないだろうと思う。しっかり休養することが必要であるという理論的枠組みだけを教育すれば足りる。
11.MADの要素の中に、人格の未成熟や歪みが混入している場合には、そちらの訂正が必要になる。世界モデルの訂正は十回程度の精神療法では不足で、むしろ長期にわたる行動療法的訓練が必要になる。最近の新型うつ病といわれるものは、MADにプラスして人格の病理が混入しているものであって、根本的にはその人の世界モデルを作り直し、育て直す試みが必要になる。

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CBASP 認知行動分析システム精神療法

「行動, 認知を扱った精神療法の流れのなかでは,
行動療法と認知療法を組み合わせた認知行動療法
を第2 の波, そしてCBASP をはじめとする1990
年代後半より台頭してきた手法を第3 の波」
と自らを紹介している。

以下に見るように、
私の立場から見れば、
要するに世界モデルの変容を誘発するための技法を
いくつか組み合わせたものと見える。
“前操作段階” から“操作段階” へと
二分するなど、
割り切りは実に豪快で、
これくらいでなくてはNEJMなどには載らないのだろう。

詳細を見ると精神分析、行動療法、認知療法などの
組み合わせのようであり、
その簡単版なのであるが、
どのように簡単にすればいいか
よく分からなかったところに、
このような簡略版でいいのだと
大胆に示したところに意義がある。

要するに、不適合な世界モデルを修正するまで、
根気よく、技法として意識して、
照合・訂正・修正しようということで、
そのポイントをつかみだして見せたという様子である。

名バッティング・コーチが
ねらい球はストレート!
といったら本当にストレートが来る、
売ったらヒット、
そんな感じで、打率が上がる。
最初から10割は狙わない。

「社会的領域での操作段階への移行の失敗」
と「決めて」くれているわけで、
すごいものだと思う。

*****
慢性うつ病の精神療法CBASP の理論と技法
中野有美 古川壽亮
名古屋市立大学大学院医学研究科精神・詔知・行動医学分野

認知行動分析システム精神療法(cognitive behavioral analysis system of psychotherapy:
CBASP) は, うつ病への治療を皮切りにBeck が開
発した認知療法の流れとは別に, アメリカバージ
ニア州立大学心理学および精神医学教授の
McCullough がその臨床実践のなかで練り上げて
きた慢性うつ病のための治療法である.
行動, 認知を扱った精神療法の流れのなかでは,
行動療法と認知療法を組み合わせた認知行動療法
を第2 の波, そしてCBASP をはじめとする1990
年代後半より台頭してきた手法を第3 の波として
とらえる見方もある.
慢性うつ病はDSM - I , D SM - II ではパーソナ
リティ障害であるととらえられていたという事実
が示すように, 一般に治療抵抗性であるという印
象を免れえない. しかし, 慢性うつ病患者に抗う
つ剤とCBASP を用いた無作為割付け比較試験で
は, その結果, CBASP のみの患者群は抗うつ剤の
みの群と同等の約45 % , 併用群ではそれらをはる
かに上まわる70 % 以上の反応率を示したと報告
しているのである3・4).
本稿ではCBASP が対象とするうつ病の範囲に
ついて確認した後, McCullough が論じる慢性うつ
病の精神病理とCBASP の治療原理について紹介
する.
CBASPが対象としている慢性うつ病とは
DSM - IV にあてはめたとき, CBASP が治療の
対象とする慢性うつ病にはつぎのものが含まれ
る.
① 大うつ病性障害, 慢性
② 気分変調性障害
③ 気分変調性障害が先行した大うつ病性障害
④ 大うつ病性障害, 部分寛解
⑤ 大うつ病性障害, 反復性, エピソードの間
欠期に完全回復を伴わないもの
実証的研究によると, これらの種々の慢性うつ
病の亜型の間には, 人口統計学的にも, 臨床症状
や社会機能の面でも, 治療反応性においても6・7),
心理学的特徴についても8-11)大きな差はない. 基本
的に2 年以上の抑うつが続いているものはすべて
“慢性うつ病” という共通特徴をもっている.

●慢性うつ病の精神病理
慢性うつ病の精神病理を説明するとき,
McCullough は患者を早発性(20 歳までに発症) と
晩発性(2 1 歳以降に発症) の大きく2 つに分けて
いる. McCullough が臨床の場から抽出した慢性う
つ病の精神病理は, Piaget 学派の発達段階理論を
用いて説明されている. すなわち, 慢性うつ病患
者は周囲の社会や人, いわゆる“環境” とのかか
わり方が学童期以前のレベルであるととらえるの
である. これは, 実際の生育環境上の問題のため
に発達がある段階で停止してしまったと考えられ
る早発性の患者を例にとると理解しやすい. そし
て晩発性の慢性うつ病患者については, うつ症状
のきっかけがこのような発達の停止以外のところ
からきているにしても, いったん慢性化したその
ときには早発性の患者と同じ心的特性が現れてい
るという. そして, CBASP では慢性うつ病患者に
共通してみられるこの精神病理に焦点を当てて治
療が展開する.
Piaget 学派では学童期以前の発達段階を“前操
作段階” と名づけている. 発達段階にある子供が
正常に“前操作段階” から“操作段階” へ進むと,
自己中心的で周囲の理論的思考から影響を受けな
い非理論・刹那的な世界のとらえ方から脱中心化
(瞬時の体験からいったん自分を切り離して周囲
とのかかわりのなかで体験をとらえる) が進み, 抽
象的かつ理論的な思考が可能になると説明されて
いる. 子供の発達にみられる正常な移行は社会的
(対人関係的) 領域と非社会的領域(無機物的・数
学など) の両面においてみられる. そして慢性うつ
病の精神病理で観察されるのは, 社会的領域にお
ける操作段階への移行の失敗である.
対人社会面での機能においで操作段階” へ発
達が進んだ子供は, 自己と環境との関係性を理論
的に把握することができるようになり.
① 自分がいま感じているひとつの情動は, 可
能性のあるいくつかの情動のひとつにすぎないと
考えられるため, いまの自分の感じ方がこれから
もずっと続くとは結論しない.
② 目の前の人はさまざまなタイプのうちのひ
とつにカテゴライズできるので, すべての人は同
じようだという結論には達しない.
③ 家族のなかで起こっている人間関係が今後
続いていく一連の人間関係の1 パターンにすぎな
いとみなすことができるため, その人間関係が将
来起こりうるすべての人間関係で再現されるとい
う結論には達しない.
ここで, 対人社会面での発達が“前操作段階”
で停止しているととらえられる慢性うつ病の精神
病理を上記3 点を参考にして考えると, 現時点の
周囲の環境がより平和ですばらしい面をもってい
ようとも, それらとの相互作用や共感は生まれず,
患者はいまの抑うつ気分がこれからもずっと続
き, すべての人は同じようで, うまくいかなかっ
た人間関係がこれからの人間関係すべてで再現さ
れると考える, ということになる.

●CBASPの治療原理
これまでに示してきたように, CBASP では慢性
うつ病を個人×環境=(対人社会) の相互作用, 共感
の欠如という面を重要視してとらえている. また,
患者がこのように環境を因果的・論理的に考えら
れないので, 通常の認知療法的技法を用いて患者
の世界観に反論しても, 治療効果は上がらないと
McCulloug h は考えている.
上述した慢性うっ病特有の精神病理に焦点を当
て, CBASP ではつぎのような2 つの技法を中心に
して治療を進めていく.
1. 状況分析(situational analysis : SA )
SA は前操作的思考の患者に操作的思考を行わ
せるために, 非常に高度に構造化された技法であ
る. SA により慢性うつ病特有の精神病理が患者の
目の前で浮き彫りになる. 治療者は患者が対人関
係を中心とした周囲の環境に対して引き起こした
言動の“結果” に患者の注意を向けさせ, 患者の
言動が周囲の環境と相互作用があると患者が気づ
くことを手助けするのである.
SA は明確化段階(elicitation phase) と修正段階
(remediation phase) に分かれる.
SA を行うために, まず患者は毎回のセッション
の前に図1 に示す“対処行動質問票” を記入して
くるよう求められる. 治療セッションで, この宿
題をもとに上記の2 段階を経て治療者とディス
カッションしていくと, 目の前の環境と自分の間


名前
出来事の日付
対処方法質問票
治療セッションの日付
指示: 先週あなたに起こった、一対人関係上問題になった出来事を一つ選び、下の様式に
従って記述してください. この質問票のすべての項目に記入するようにしてください.
’次の治療セッションでは、治療者といっしょに状況分析しましょう.
状況の領域; 配偶者_ _ , 子供._ , 親戚_ , 仕事や学校_ _ _. , 社交_ _ _
ステッブ1 : 何が起こったか記入してください.
ステッブ2 : 起こったことについてのあなたの解釈を記入してください. その状況をど
うに「読み」ましたか.
ステップ3 : 状況の間, あなたが何をしたか(何を言ったか,どのように言ったか) を記
入してください.
ステップ4 : その出来事があなたにとってどういう結果になったかを記入してください
(現実の結果) .
ステップ5 : その出来事があなたにとってどういう結果になってほしかったかを記入し
てください(期待した結果)
ステッブ6 : 期待した結果は得られましたか. はい_ いいえ_ _ ____
図1 対処方法質問票(the coping survey questionnaire : CSQ ) (文
献1) より翻訳)


には相互作用があることがしだいにわかってくる
仕組みになっている.
明確化段階のステップ1 では, 患者は最近問題
となった対人関係上の出来事を開始点と終了点が
明確になっだ一区切りの時間” として取り上げ,
その間どのように話が展開していったかを記述す
るよう求められる. SA の原則として, SA が終了
するまで患者はこの“一区切りの時間” から外へ
出てはならない. ステップ2 では患者はその時な
にを感じなにを考えたか, 出来事についての患者
の解釈を求められる. 解釈は3 つあるいは4 つま
でとし, それぞれはひとつの文章で簡潔に言い表
されなければならない. ステップ3 ではこの出来
事に際して患者が実際になにをしたか, 患者の行
動の記述を求められる. ステップ4 ではその出来
事の現実の結果(actual outcome : AO) を同定し,
“誰がなにをした”というような, そばにいる人が
みてわかるような行動として, やはり一文で記述
されなくてはならない. ステップ5 では本当はど
うなってほしかったか, 実現可能な範囲で期待し
ていた結果(desired out come : DO) を同定し, ス
テップ6 でAO=DO であったかどうかの判断を
求められる.
治療の初期では, とくに取り上げた状況は通常
A O ≠D O である. この事実を目のあたりにする患
者はSA を行う度に自分の行動の非効率性を繰り
返し認識することになる.
どのように考え行動すればA O = D O となるか
を考えるのが, SA の修正段階である. 修正段階の
ステップ1 では明確化段階のステップ2 であげ
られた解釈をひとつずつ取り上げ, ①それが状況
に根ざしたものであるかどうか, ② それが状況を
正確に記述しているかどうか, ③ その解釈はDO
に貢献するかどうかの観点から検討され, ①~③
のいずれかにあてはまらなければ, より適切な解
釈に修正する. ステップ2 では, 修正された解釈
に基づけばD O を得るにはどのような行動をとら
ねばならなかったか, 行動を修正する. ステップ3
では今回のSA でなにを学んだかを総括し, ス
テップ4 では患者の生活の他の場面にも当てはま
る状況がないかを検討する.
SA は治療者と患者の双方にとって患者の対人
関係面, 認知行動面の診断手段となり, 患者に社
会との関連を気づかせ, どう行動を変容させて
いったらよいかを教えてくれる. これらをもとに
患者が現実の生活のなかで行動を変化させ, 治療
者の助けなしにSA を行い, A O = D O となった状
況を報告してくれるようになることがSA の最終
目標である.

2. 対人弁別訓練(interpersonal discrimination
exercise : IDE )
CBASP に特徴的な第2 の技法であるI D E は,
慢性うつ病患者が患者の人生にとって重要な人物
との間で経験した苦痛を伴う過去の体験を治療関
係において治療者に転移してくるので, それを治
療に利用したものである. 患者を誤って扱ってき
たであろう重要他者の行動と治療者の促進的な行
動とを明示的に比較・弁別させるものである.
第2 回セッションでは重要他者歴(significant
other history ) を聴取し, IDE の下準備をする. 6,
7 人の, 患者の人となりを決定づけたような重要
人物について患者に語ってもらい, 各人が患者の
人生に与えた影響を「もし……ならば, …… とな
る」という因果論的なとらえ方で文章に表しても
らい(因果論的結論) , それらをもとに治療者は治
療中の患者との転移関係を予測しておく(転移仮
説の構築) . わかりやすい例を1 つあげる.
① 母親…… 「大酒飲みで嘘つきで, 母はいつ
も私が悪かったような感じを私に抱かせました.
飲んでいないと母が言うときは, 母は嘘をついて
いると私はいつも感じました. 私は母親の面倒を
みなければなりませんでした. 母は気持ちの面で
返してくれることはけっしてありませんでした.
してあげるぱかりなのです. 母は私に母を愛して
いると言わせました. 本当は愛してなんかいませ
んでした. 母に対して本当の気持ちを正直に言う
ことは一度もできませんでした. 正直になろうと
すると, 決まって母は怒り, 私は間違っていると
か私が馬鹿なのだと言いました」
② 母親に関する因果論的結論…… 「いま, だ
れかと一緒にいても人は私の本心は絶対にわかり
ません. 自分が正直になろうとすれば, 馬鹿げて
いると罵倒され傷ついて終わるのです. 私はどう
やって自分の望むことや私のしたいことを他の人
に理解して受け入れてもらうことができるのかが
わからないのです. その人との間で物事がうまく
行くように, 私が舵をとらなくてはならないので
す. なぜかわからないけれど, 他の人の面倒をみ
なくてはならないと感じるのです」
③ 母親像をもとに構築された転移仮説……
「もし, 私が先生に本当に正直に接して, 私がどう
感じているか, あるいは私が本当はどう考えてい
るかを伝えたならば, 先生は私の言うことを馬鹿
にするに違いない(つまり私は馬鹿で, まちがって
いて大げさで, 悪い人間だと私に感じさせる) 」
実際には全重要他者の因果論的結論を総合し
て2~ 3 個の転移仮説を導き, 毎回のセッションを
通じて取り扱うことになる. セッション中, 治療
者個人との対人関係のなかで, これらの転移仮説
が活性化される“ホットスポット”がかならず何
度か訪れるので. 治療者はその機会を逃さず, た
とえばつぎのようなやり取りでI D E に取り組む
ようにする.
「今回のように自分の気持ちをお母さんに告げ
たら, お母さんはどのように反応したと思います
か」
「では, つぎに私の反応に注目してください. あ
なたが自分の気持ちを正直に言ったとき, 私はど
のように反応しましたか. お母さんの反応と私の
反応とどこが違いますか」
「あなたが自分の気持ちを言ったとき, これまで
の経験から得たものは馬鹿で間違っていて悪い人
であるという感情でした. しかし, いま, あなた
が私との間で経験したことは馬鹿にされたと言う
ものではなく, あなたが抱えている問題を解決し
援助するために自分の話を聴いてもらった, とい
うものです. 自分の気持ちを話すことについて,
いま, どのようなことを学びましたか」
このように重要他者の反応と, 治療者の肯定的
な反応との区別を学ぶことにより, 例に示した患
者には安堵感が生まれ, つぎに同じような状況を
迎えたときには以前に比べて楽な状態で自分の気
持ちを正直に話すことができるようになる(行動
変容) であろう.

● おわりに
なぜ, 慢性うつ病患者では環境との相互作用が
前操作期で止まっているのか. それには患者が歩
んできた人生があまりにも過酷で患者の手に負え
ないものであったことからくる恐怖感や余裕のな
さ, あきらめなどが関係しているかもしれない.
しかし, たとえそうであったとしても, 患者はも
う一度勇気をもって自分の足で立ち, いま, 目の
前に広がっている環境と向き合い, かかわりをは
じめることが慢性うつ病の罠から抜け出す最善の
策であるとMcCullough は述べている. 患者が
CBASP に助けられながら現実の安全な環境と向
き合い, これまでの患者の世界観からは予想でき
なかった安堵感を目の前の世界に実感できれば,
患者の行動は徐々に, しかし, しなやかに変容し
ていくであろう.

文献
2) McCllough, J. P (古川壽亮・他監訳) : 慢性うつ病
の精神療法. 医学書院, 2005, pp.1-334.
4 0 2 - 4 0 7 , 1994 .



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適応障害的うつ状態と大うつ病

大うつ病というなじめない名前にも大分
強制的になじんでしまっている最近であるが
適応障害から来るうつ状態とどう違うのか
問題になる。

昔から、
統合失調症では履歴現症、
てんかんではキンドリングといわれる現象があって、
何度も繰り返していると
ますます再発しやすくなるという傾向のことである。

適応障害も繰り返していると
大うつ病になってしまうのかという点が議論される。

肉離れとか脱臼とかも癖になるというし。

運の悪い人というものはいるもので、
なかなか難しい状況が次々に降りかかる。
それでも前向きで笑顔でいられるかといえば、
映画の主人公でもないし、
そうそうは明るくはいられないかもしれない。

神戸の震災は実際、大変だったようで、
話し聞いていても危機一髪という感じはわかる
その人の場合、両側からたんすが倒れてきて、
間に寝ていたので、
たんす同士がぶつかって
逆V字になって止まったのだという
それがPTSDになって繰り返し悪夢を見るというのもわかる
その後の人生が
なんとなくついていないのも
ひょっとしたら
悪い回路ができてしまったのかなあなどと
思わないでもない

関節を痛めた人は
季節になると病むといい
無理はできないという
そんな感じに似ている

アレルギーの場合とか
ヘルペスの場合も
ストレスがかかると同じ場所に同じ病理が現れやすい
記憶してしまっている
いまわしいことだ



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病前性格を記述することの難しさ

病前性格と一言でいい、
病気ではなくても、性格は?なんていうのだが、
そんなに簡単ではない。

どんな場面名でどんなふうに反応するかが性格というものの全体であるが、
たとえば診察室でその全部を把握することはできない。
診察室での態度、話し方、話の内容、医者、事務への態度、そのあたりがせいぜいである。

人間の性格の一番くっきり出る場面は、集団場面であり、
デイケアなどで集団運営すると、それはもうくっきりと現れる。

これは学校の先生が生徒の特性を把握するときの印象に似ているだろうし、
会社の上司が集団としての部下を率いているとき、観察される部下の行動特性に似ているだろう。

二者関係での性格特性と
多者関係での性格特性はかなり異なる。

二者関係の性格特性の原型は母子関係であるが、
母子関係がずれていたら圧倒的に問題だし、
母子関係は基本的に問題ないとしても、
それをいつどのような場面で出すかという事は、
大きな問題である。
しばしば不適切な場面で二者・母子関係を持ち出してしまう。

親から見えている性格も一部ではあるが、独特であるから、
治療者に話していただけば、大変参考になる。
同時に、親の性格も大体分かる。

性格検査用紙で分かることは、性格の一部でしかないし、
医者の知りたいこととは少し違うことのようだ。

性格検査で見えてくるものは、単にどの項目に丸をつけるかではなくて、
そのときのつけ方の全体がどんな風だったかである。
そこにある種の特性が現れる。

*****
一人の人間が同じ場面で違う行動をする。
その場合、性格をどう記述するかも、問題である。
性格傾向として記述すれば足りるのか、
あるいは、
普段と違う行動をしていること自体が問題なのか、そのあたりもある。

*****
生育の各時期で、性格は環境への適応として獲得される。
それが年輪の様に刻まれている。
医者は診察室で話を聞きながら、その性格の年輪をたどってみる。
それは時間がかかるし、終わりということもない。

しかしそのように蓄積された性格のレパートリーは、
生活のいろいろな場面で顔を出す。

例えば、仕事のとき、上司に対するとき、親に対するとき、子供に対するとき、妻に対するとき、アルコールが入った時、昔の友達に会ったとき、異性との場面、危機の場面、
ときどきは、これがその人かと思われるような行動をしたりする。

多くは過去の行動パターンの応用である。
だから、現在を見て、過去を推定できる。

現在起こっていることは、診察室でも起こる。
強迫性の人は治療にも強迫性になる。
被害的な人は治療場面でも被害的になる。

*****
治療場面と、現在の生活と、過去の生活と、三者は重なり合う。
重なり合ったところに「中核問題(Core Conflict)」が存在する。

*****
そのように、性格は層構造をなしていて、
違う場面では違う性格を発揮するものだ。
その全体を統合するものがセルフ・アイデンティティというものだ。
ここが定まっていないと、どんな場面でどんな行動をするか自分でも分からなくなる。

*****
こんな中では、
よそよそしさや親しみやすさは、比較的分かりやすいものの一つだ。
対人距離と言ってもいい。

例えば、飛行機で、向こうも慣れない英語で、フィンランドの中年婦人が話しかけてくる。
当たり障りのないことを言っておくわけだが、
そんなとき、対人距離の感覚が出る。近いか遠いか。

*****
対他配慮を対人距離に還元するのは無理なような気がする。

対他配慮は、自我防衛のなかでも高次のもので、
めったに批判されず、おおむね尊敬され、いい結果を産む、
親切のイニシアチブのようなものだ。
相手に合わせて相手が気持よくなるようにするという、
お茶やお花のおもてなしのようなもので、
あくまでも相手にあわせて、
親切の先制攻撃をするのである。
必勝パターンである。

このような高度な技はなかなか要素に還元できるものではない。
まず相手のことが見えていないといけない。
そして、自分のできることが分かっていなければいけない。
その上で、喜んでもらえるように配慮するのだから、
大変に高級である。

対他配慮のできる猫など、いそうもない。
犬ならできるかもしれない。

*****
この、犬ならできるかもしれないというところが、
ひょっとしたら、順位性社会の原理に還元できるかもしれないと思う点なのだ。

*****
むしろ、利益を未来に預金するみたいな感じだと思う。

この言い方でいうと、
協調性は対他配慮とかなり違う。
協調性は先制的なところが薄いし、親切をするというよりも、
その場の空気に反対はしない、感じがある。

協調性の範囲でのリーダーシップは、
なんとなくできた合意をそのまま保持するというだけのリーダーシップのようだ。

積極的に妥協点を探す調整型でもないし、
自分の考えに同調させるよう引っ張って行く型のリーダー(これが本来のリーダーだが)
でもないように思う。

協調性は日和見と言ってもいいし付和雷同と言ってもいいくらいのものも含む。

笠原先生は積極的に対他配慮と考えているようだ。
利他行為と関係していると思う。

利他的行動も動物に深く根ざしているものだ。



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「食べない、食べられない、食べだしたら止まらない」

これは切池信夫先生の
摂食障害についての本のタイトル。
うまいことを言うものだ。

食べないというのは、強い意志だ。
人間は危機に備えて少しでも脂肪を蓄えるようにできているのだから、
そのメカニズムに反して、意志の力で立ち向かうのだから、
強い力である。

食べられないというのは、
それが意志ではなく、意志よりも下の、潜在的な力にになったということだろう。

食べだしたら止まらないという表現も見事で、
確かにそのとおりだ。

そのことをall or nothing という場合もあるが、
それだけではない。
ぎりぎりまで持ちこたえて、
そのラインを突破されると、もうどうにもできない。

どうしてなのかいい加減なことができない。

食べるというのは負けるということで、
いったん負けたら、そのあとは無力感に支配される
学習性の無力感といってもいいのかもしれない

第一食欲に立ち向かって勝てるはずがない
とても強い本能なのだから

食べる人しか生き残っていないのだから
今生きている人すべては
食欲の勝っている人の子孫なのだ

それなのに食べないと決意するのだから
最初から無理なような気がする
どうしてそんな無理なことを決心するのか

そこにもたぶん学習が作用していて、
すこしだけ節食すると面白いように痩せる
だから学習性の拒食になる

それが次第に内在化するというか器質化して
拒食症になる

それがある点まで持続するが
結局食べ始めて
食べ始めると止まらない

ほどほどということがない

*****
強迫性性格の人たちも
そんな傾向がある

自分自身についてのハードルを
思いっきり高く掲げてしまう
そしてぎりぎりまで努力する
それはたいしたものだ
そしてその後で疲れきってすべてを投げ出す

このように見れば
強迫性行動にも波があるように見える

食行動についてはもちろん波がある

波が出たときにそれにとらわれるように仕向けてしまうとますます
とらわれる

*****
食べだしたら止まらない
というのは
確認しだしたら止まらない
というのと似ていて
ここで波が発生するように思う

不可能な目標を掲げている限り
必ず負ける

非常なチャレンジャーであるが
常に負けるチャレンジャーである



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生き方を粗末にするということ

言葉遣いを粗末にするということは
自分の生き方を粗末にするということ
と竹西寛子が述べている。

わたしは
「一日を丁寧に生きること」という命題を愛する。

しかし
生き方を粗末にするとはどういうことだろうかとも考える。
誰しも、自分の人生を粗末にしたりはしない。
理由があって、一見、粗末に見えるような扱いをしているのだ。

人生なんて石ころよりも重いもんじゃないというのも
かなり高度な認識だし
自分の人生を、何よりも大切と知りつつ、あえて粗末に扱ってみるという
人間的な振る舞いもすばらしいと思うのである

共感はできないが、
そんな生き方もあるだろうとは思える

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詩経から古今集へ

古今集の四季の歌は、
自然の運行や宇宙の呼びかけに対し
当時の歌人たちが
歌で答えたのではないかと、
竹西寛子の考察。

これは特に珍しいものではなく、
中国古代の詩経では顕著に、天への願いであり、呼びかけであった。

中国古代では、天から人への通知は、易教である。
今でも易断として残っているが、
天からの通知を亀の甲羅で占ったりしていたものだろう。
天気や季節については、
農耕の関係で現在よりもかなり切実に考えられていたはずで、
いろいろな微細な兆候を判断の根拠としてあげていたのではないかと思う。

天から人へのメッセージを易として受け取り、
逆に人から天へのメッセージは詩経としてまとめられている。
各地の収穫を願う歌などの集積だろうが、
かなりまともに天へのメッセージと思っていたと思う。

その泥臭い感覚からすれば、
古今集の四季の歌などは洗練されすぎていて、
やはり文明化の果てというしかないものだろうと思う。

詩経では豊饒を願っての類感呪術がたくさんあり
登場するのは多産で生命力盛んな生き物たちである。
それはほとんど未開人の習俗を連想させる。
血まみれである。
古今集になると描かれているものもかなりきれいにまとまっていて、
着物の柄のようである。
抽象的な模様である。


*****
実際、詩経を読んでも、解釈は難しく、解説頼みである。
読解には文化人類学が役立つ。
これは人間の心理のさらに古層にあるものといってよいものだと思う。

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6万年前のアフリカで

最近のDND分析によると、
現在の地上の人類はすべて、
約6万年前の東アフリカのある小集団を祖先にしているらしい。

ここから考えると、
たぶん、共通の言葉があった。
そう想定して悪いことはない。

またたぶん近親相姦が習慣としてあった。
そう考えてもおかしくない。
その当時は、握手とかマッサージとセックスを区別していなかっただろう。

子供はたくさん死んで、
人間は長生きしなかっただろう。

「所有」の概念はいつころからあったものか。
「縄張り行動」は動物に見られているので、その延長なのだろう。

それにしても6万年前といえば、
大して昔でもない。

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アレルギーの学習と不安の学習

不安の病理は
学習の障害という色彩がある

パニック障害
全般性不安障害(GAD)
PTSD
社会不安障害(SAD)
強迫性障害(OCD)
など、本来は強い学習をすべきではない場面で、
長期に残る学習をしてしまった結果であると
見ることもできるだろう。

PTSDの場合には、衝撃そのものが強力である。

パニック障害の場合、
たとえば、電車に乗った時の動悸が強く学習されてしまうメカニズムがあることになる。
何かの事情で、本来は閉じているはずの学習回路が開いてしまったものと思う。

こうした事情はアレルギーとよく似ている。

不適切な強い学習。
そのあとの脱感作のプロセス。
しかし一面では、反応が強すぎることを除けば、有用な反応であること。

本来有用な回路であるので
完全に抑制することも合理的ではない。



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