自分の疲れに無自覚または否認
うつになるひとつのメカニズム
(しかしあまり多くはないメカニズム)は、
自分の疲れに無自覚だということだ。
自分が疲れていると感覚できれば、
それ以上無理はしないですむだろう。
自覚できなければ、ますます疲れるだろう。
サーモスタットの壊れているこたつみたいなもので、
どんどん熱くなってしまう。
足の感覚神経に障害をもつ人が、
足をあちこちにぶつけて怪我が絶えないようなものだ。
ある種の性格障害の人が、
何度でも自分の心を傷つけてしまうようなものだ。
無理に休養をとってもらって、
やっと、自分がどんなに疲れていたか、納得する。
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あるいは、心理メカニズムとしては、否認もあるのだろう。
疲れていることを認めたくない、
疲れを認めたらもっと重大な心理的危機が待っている、
そんな場合もある。
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結局、疲れに無自覚な場合、心療内科には来ない。
自己啓発系の本を読む。
鍛え始める。
あるいは、医者に行くとしても、身体科に行く。
心療内科のお医者さんとしては、診察室に来たということは、
一応、自分の疲れを自覚しているのだから、
そこから話を始めればいい。
そうではない、周囲の人とか、身体科のお医者さんは、
かなり困るだろうと思う。