SSRIの副作用について
SSRIの副作用として、
眠気、めまい、胃もたれ、下痢・便秘などが代表的である。
脳内のセロトニンに作用すれば、眠気やめまいも起こるだろうし、
胃腸に分布する神経に作用すれば、胃もたれ、下痢、便秘が起こるだろう。
それはそうだけれど、
SSRIを始めるときにも起こり、
急に止めたときにも起こる。
これがおかしい。
仕事が忙しくて来院できず、仕方なく何日か薬を中止したりすると、
薬剤の血中濃度が急激に低下するので、反応が起こる。
ゆっくり計画的に減量していけば、何も起こらない。
これは、急に止めたときの症状の話。
たとえば、始めた時は便秘で、やめたときは下痢とか、反対の症状なら、分かりやすい。
始めた時は眠気が強くて、急に止めると不眠になるとか。
でも、胃もたれは、始めた時も急にやめたときもおなじ胃もたれだ。
めまいも、右回りと左回りで違うわけではない。
なぜなんだろう。
セロトニンが急に増えるのと急に減るのでは、
やはり逆の反応が起こるはずだと思う。
そう考えると、セロトニンを介した直接の作用ではなく、
薬剤の変動に対しての、生体側の反応が、吐き気やめまいなのかと思う。
眠気、めまい、胃もたれ、吐き気というと、つわりみたいだ。
体を守るときに起こる一般的な反応なのかもしれない。
だから、正確には、SSRIによる副作用という言い方ではない方がいいかもしれないのだが。