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前駆期・極期・回復期

寛解と回復に加えて、うつ状態にになる前からの図を描くとどうでしょうか?



この図では、二つの特徴があります。

まず、回復期に、波が描かれていることです。
これはKupfer先生の元の図にはなかった情報です。
寛解に向けても、回復に向けても、さらに回復してからも、
波はあるという教えです。
(でも、極期はつるんとしていますね。わたしなら、ここも波を加えます。)

次に、うつ状態の前の時期を描いていることです。
うつ状態の前の時期に、「がんばりすぎの時期」があるのではないかとの意見は、
昔からあり、現在も大切な考え方だとわたしは思います。
(わたしの説は有力説ではありませんが、「前駆期軽躁状態」を理論の必然として要請しています。
Liが有効なのは、この前駆期軽躁状態を抑制するからだとわたしの説では考えます。)
そうした伝統的な知恵が、この図では、控えめに表現されています。
ナイスです。


寛解と回復の図-2


Kupferさんが1991年に発表した論文の図が元で、それを少しずつ皆さんが改良して論文やサイトに載せています。 この図はきれいにまとまっていると思います。

寛解と回復の図


こういう感じの絵が
よく紹介されています。
期間にはかなり幅があるものです。

「症状の消失」のところは、「寛解」とも呼ばれます。
「症状のぶり返し」は「再燃」とも呼ばれます。
寛解、再燃がセットで、
回復、再発がセットです。

回復という言葉と、治癒、完治などの言葉との間には微妙な差があります。
虫歯や骨折は完治します。
うつは回復します。

疾病概念と障害概念の違いに通じています。

また、「寛解」の用語を用いる分野を考えてみます。
たとえば、白血病は「寛解」します。
白血病が「完全寛解」したという言い方もします。
とりあえず急性期を乗り切って、「寛解導入療法」が成功すれば、
症状は消失して「寛解」に至り、
顕微鏡で見て、白血病細胞が消失すれば、 「完全寛解」です。
しかしそれは、検査の段階では白血病細胞が見られないというだけで、
「完治」とは異なると考えられます。
症状もない、白血病細胞も見られない、それでも、「完治」ではないわけです。
そこから「強化療法」「維持療法」が始まり、しばらく続きます。

こうしてみると、やはり「感冒」と「うつ」は違うところもあると考えた方がいいようです。

ダイビング講習でパニック

ニュースから
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ダイビング中の男性、パニックで死亡 大島の遊泳場
10月7日8時41分配信 産経新聞

 6日午後8時ごろ、東京都大島町泉津秋の秋の浜遊泳場で、ダイビング講習を受けていた男性が、海中でパニックに陥った。男性はすぐにインストラクターの男性(40)に救助されたが、呼吸困難を訴えて病院に運ばれ、まもなく死亡した。警視庁大島署で詳しい死因を調べている。
 調べでは、死亡した男性は埼玉県三郷市の会社員(42)とみられる。6日早朝、大島に到着し、インストラクターらとともに海にもぐり始めた直後に、パニックに陥ったという。

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パニック障害をかかえながら、
ダイビングも、サーフィンも、どんどんやっている人たちがいます。
でも、お亡くなりになってしまうことがあるとすれば、
やはり大変ですね。
しかし、「ダイビング講習中に、パニック、呼吸困難、死亡」、と書いているこの記事の
ストーリーに関しては、慎重な検証が必要だと思われます。


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