メタボ・ベルト
85センチと90センチのところに、しるしをつけて欲しい。
だいたい90センチが目安みたいなので、
90のしるしを超えたら、注意しようと思えるように。
大袈裟でなくていいので。
他人には見えないくらいのもの。
ベルトの裏に刻んでおいてもいいかもしれない。
ベルトを切って調節すると、
長さが違ってしまうので、切ったあとに、
ベルトの裏に自分で印を付けたらいいわけだ。
だいたい5個並んでいる真中の孔を使うように
長さを決めて、そのあとで85と90にしるしをつける。
それだけで
メタボ・ベルトが出来上がる。
まあ、そんなことをしなくても、分かるけど。
幻痛症
幻聴といえば、
誰にも聞こえない声が聞こえている状態。
それに対応して、
幻痛症は、ひとつは、実際には存在しない痛みが痛い状態(A)。
もう一つは、幻痛症は、痛みが存在すると妄想している状態(B)。
幻聴で言えば、声が聞こえると妄想している状態。
AとBは微妙に違う。
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幻聴といわれたものが、
本当の声かどうかは、
何人かで同じ場所で聞いて、
多数決で意見をまとめることが出来る。
頭の中に直接電波を送られるという場合は、
本人だけなので、
思い違いかどうか、決められない。
痛みも、なかなか客観的に判定は出来ない。
下行性疼痛抑制系
痛いけどがまんしようと思うとき、
下行性疼痛抑制系が関与している。
つまり、脳から信号がでて、痛みを抑える。
痛みの元があって、
痛覚神経を経由して、脳の感覚野に届いているものならば、
極端に言えば、感覚神経を麻酔する、または切ってしまえば、
痛みは止まる。
(切ったあとにファントム現象はあるかもしれないが。)
それでも痛みがとまらないとしたら、
下行性疼痛抑制系の賦活を考える。
下行性疼痛抑制系の神経伝達物質は、
セロトニンとノルアドレナリンと言われていて、
これを賦活すればよい。
セロトニンとノルアドレナリンが足りなくなっているのが
うつ状態と言われていて、
これで話がぴったり合う。
セロトニンとノルアドレナリンが足りなくなるとうつ状態になるし、
痛みが止まらない。
セロトニンとノルアドレナリンを増やしてやると、うつ状態が治って、
痛みが止まる。
そんなわけで、昔は三環系抗うつ剤などを、最近は、SSRIやSNRIを使う。
説明書には、うつ病の薬としか書いていないと思うが、
セロトニンとノルアドレナリンを増やしてやると痛みが緩和されることもあるのであって、
そのことを、うつ状態を治せば痛みが緩和されると
説明していいのかどうか、厳密には難しい。
薬を出された人は、わたしはうつ状態と診断された、
実際にいたいのに、気のせいだと診断された、
精神病と診断されたと思うかもしれない。
しかし、そうではない。
あっさりと、セロトニンとノルアドレナリンはうつ状態にも関係しているし、
慢性の痛みにも関係していると言えばいいのだろう。
それぞれの因果関係はまた別の話である。
FSS
FSSとはFunctional Somatic Syndromeのこと。
Functional 機能的、つまり器質的、身体的でない。
Somatic からだの、つまりこころのではない。身体的愁訴。
「苦痛に感じ日常生活を障害する身体的愁訴があるが、
明かな器質的原因として説明できない症状」。
代表的疾患に、
線維筋痛症、
過敏性腸症候群、
慢性疲労症候群、
舌痛症、
腰背部痛、
側頭下顎症候群、
緊張性頭痛、
などがある。
慢性疼痛とうつ状態が悪循環を呈する。
患者は身体的・器質的疾患と確信していて、
検査を繰り返すほど悪化する例もある。
精神科治療に強い抵抗を示すことがある。
患者と医者の信頼関係がないと疼痛はさらに悪化することがある。
明らかな器質的原因がある疼痛の場合でも、
器質性病変の程度からは説明できない程度の疼痛を訴える場合があり、
消炎鎮痛剤が無効である場合がある。
この場合も、器質的病変で説明できる疼痛以外の部分については、
うつ状態との関連が考えられる。
器質的病変がある場合、痛みから、また、将来の不安などから、
うつ状態になりやすい。
Painful depression
うつになると痛みが増す。
うつと痛みは互いを増幅させて、悪循環がいつまでも続く。
Painful depressionと呼ぶことがある。
抗うつ剤が有効。
アキレス腱の話とうつ病
うつ病は根本的に治るのですかと聞かれる。
たとえば、スポーツ選手で、アキレス腱を切ってしまう人がいる。
原因は、アキレス腱が弱いか、筋肉が強すぎるかだ。
とりあえずアキレス腱をつなぐけれど、
筋肉が強すぎる場合には、
どうしても切れる可能性が高くなる。
うつ病は上のイメージで行くと、
筋肉が強すぎる感じだ。
アキレス腱が切れない程度に力を入れてもらうこと。
しかし、力を入れるときは、思わず力を入れていることが多いものだ。
難しい。
自分ではどうしても力を入れすぎるという場合には、
配偶者や上司のアドバイスが有効な場合がある。
アキレス腱が切れていないのに、
痛くて歩けない人もいて、
これはまた別の病気だけれど、
いずれにしても歩けないということで、
大きく含めてうつ病と呼んでいる。