香りとの付き合い方
周囲への「香害」要注意、上手に香りをまとうための3カ条
気温や湿度が上がるに連れ、周囲のさまざまなニオイに気づきやすくなるもの。気づいたあなた自身も、周囲から見たらニオイの1つだ。蒸れる季節を控えた今こそ心得ておきたい、人に好まれる「香り」のまとい方とは?
2008年05月09日 15時31分 更新
春は年間で最も過ごしやすい季節。その一方で湿度・気温とも上昇してきたため、室内や通勤電車内での蒸れたニオイなど、さまざまなニオイが気になりはじめたりもする。ただ気にはなっても目に見えないのがニオイ。だからこそ見た目以上に気を遣う必要がある。
ニオイの好みは人それぞれ。自分がいいと思えば、それはその人にとっていい香りになる。とはいえ、他人にとっては嫌なニオイと受け取られることもあり得る。無意識に嫌なニオイをまき散らすのではなく、好感を持たれる「香り」をさりげなくまとうには、なにをどう意識したらいいだろう。基礎となる心構えを押さえておこう。
第1条:感じ方は人それぞれ。聞香に息づく「奥ゆかしさ」を意識せよ
色とりどりの「印香(いんこう)」。印香とは、粉末にした香料を花などの形に押し固めたお香のこと。熱した灰の上に載せて薫じ、楽しむ。写真は「印香 姫の香」(2940円)。赤紫が「春の花」、緑が「夏の陣」、黄が「秋の夕べ」、青紫が「冬の朝」 ※写真提供:松栄堂
手本となるのはわが国のお香文化だ。といってピンと来る人はそういないかもしれない。ちまたにあふれる身近な香りは、ビジネスパーソンの七つ道具でも取り上げたコロンタイプのように、パルファンやオーデコロンなど西洋から来た香水がその代表格。片や日本の香りはせいぜいお線香程度だ。ドラッグストアなどの店頭で香水系の方が圧倒的に多く陳列されている現状からも、お香は香水に比べて影が薄い。
だが創業300余年のお香の老舗、松栄堂12代目の畑正高氏によると、日本のお香文化は1400年以上の長い歴史を持つ。その間に多種多様なお香やその楽しみ方が生まれ、発展してきたという。線香はお香の1つにすぎない。わが国のお香文化は西洋の香水文化とどう違うのか。
まず状態が違う。お香は、香水のようにアルコールに香料を溶かした液状のものではない。ほとんどが固形だ。使い方も違う。基本的には直接肌に付けることはせず、布などに移した香りや、熱を加え立ち上ってきた香りを楽しむ。
つまり西洋のように直接まとうのではなく、間接的にまとって楽しむのが日本のお香文化だ。だから強く香りがちな香水に比べて、お香は自然とやわらいだ香りになりやすい。
聞香専用の聞香炉を手にしているところ。中央に小さく置かれているのが香木の一片だ ※写真提供:松栄堂
茶席のお香版ともいうべき「香席」で聞香を楽しんでいるところ。手を香炉にあてがって香りを「聞く」。松栄堂の京都本店では、月に1回「聞香の会」を開催している。東京では青山香房で、希望すれば聞香が体験できる ※写真提供:松栄堂
畑氏によると、お香の原料は東南アジア産の香りの良い木(香木)や貝殻など。これらは、昔は命がけで海を渡って運んできたから貴重だった。そのためお香文化は、線香が庶民に行きわたる江戸時代以前は特権階級に限られていた。
お香の貴重さを象徴しているのが、室町時代に体系化された「聞香(もんこう)」という楽しみ方だ。聞香とは、茶わんによく似た聞香炉という器に入れた熱い灰の上で、香木のかけらを薫じ、香炉に手を添えて鼻に近づけながら、立ち上ってくるかすかな香りを静かに「聞く」というもの。
香炉に近づけた鼻と香木の間は数センチしかない。この至近距離ですらかすかにしか香らない繊細な香木を楽しめるとは、実に奥ゆかしくはないだろうか。次にいつ手に入るか分からない貴重な香木。最後の残り香まで余さず楽しみたい――。聞香からは当事の人たちのそんな思いまで「聞こえて」きそうだ。
聞香は、香道(こうどう)と呼ばれる世界ではお香の正式なたしなみ方である。「軽々しく扱うべきではない」(畑氏)香道とは、室町時代に開花し、京都では今でも脈々と息づいている芸道のこと。茶道や華道のお香版といえば理解しやすいだろう。香道では、香りは「におう」でも「かぐ」でもなく、「聞く」という表現をする。
香りの好みは人それぞれ。しかも強すぎると「くさい」と悪評を買い、周囲に不快感を与えてしまうリスクを伴う。香りとは、それほどデリケートなものなのだ。だからこそ目指したいのは、聞香における「奥ゆかしさ」である。
香りと奥ゆかしく付き合うには、具体的にどうしたらいいのだろう。
第2条:「香害」に注意! 嗅覚は鈍磨するものと認識せよ
4月下旬に開催された早朝イベント朝EXPOの1つ、24日のイベントで講師を務める畑氏。会場の丸の内カフェでは「源氏物語」や「枕草子」を通して、お香文化を深く掘り下げた
「例えば誰かの家を訪問したとき、玄関に入ったとたん独特のニオイがしますよね。でも自分の家は全然におわないと思いません? 実は人間の鼻というのは、次々に新しいニオイに慣れていくものなんです。嗅覚(きゅうかく)が鈍磨してしまうんですね」と、畑氏。
つまりどれだけ気を付けていても、同じ香りを身に付け続けるだけで、鼻が慣れて自分ではニオイを感じなくなる。これが公害ならぬ「香害」の始まりだ。
せっかく付けているいいニオイを感じ取れなくなった本人は、自分でも感じることができる量まで、付ける香りの量を増やしていく。その結果、周囲が「くさい」と感じてしまう事態に陥るのだ。しかし、この事態を「防ぐ方法はある」(畑氏)。
それは嗅覚が鈍磨するという認識を持ち、意識的に同じ香りを毎日付けないこと。「普段は数種類の香りをローテーションで使うのがいい」という。
第3条:最高の香りは、特別なときのみと心得えよ
嗅覚が鈍磨するという認識の上で、さらに上手な香りの楽しみ方がある。それは最も気に入っている香りは、「普段は付けないこと」。その代わり、ここぞという特別なときに付ければ、いつまでも最高の香りを楽しめるそうだ。
上手に香りをまとうための3カ条
第1条:感じ方は人それぞれ。聞香に息づく「奥ゆかしさ」を意識せよ
第2条:「香害」に注意! 嗅覚は鈍磨するものと認識せよ
第3条:最高の香りは、特別なときのみと心得えよ
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これもCM記事。
癒し系はアロマオイルなどが席巻していて、日本古来の香りは影が薄くなっている。いいものであるが、お寺や仏教を連想する人も多いことが難点である。抹香くさい。アロマの方が日本人にはおしゃれな感じがするだろう。西洋では当然、魔女狩りとか錬金術とか異教徒の歴史と結びついているような気がするが、知らなければ気になるはずはない。
朝にシャワーする習慣などが一時言われてすぐに廃れた。
バブルのワンレンボディコンの頃にきつい香水もはやって、ポワゾンなどが雑誌に出ていたと思う。
家庭を訪問すると各家庭に匂いがある。しかしそれも許容しようではないか。お互い様だし、すぐに慣れる。赤ん坊やお年寄りがいれば仕方がない。
個人的にはきつい香水が好きなので、問題はない。
プチうつにお絵かきアートセラピー
悩める「プチうつ」にお絵かきアートセラピー
気分がふさぎがちで治らない。でも病院に行く一歩が踏み出せない――そんな「プチうつ」時に気軽に参加できるのが、一般向けに開放されたアートセラピーのワークショップだ。最近では企業研修でも導入されるようになったアートセラピーに迫る。
2008年05月13日 07時45分 更新
「参加したのはなぜですか?」。とあるアートセラピーのワークショップ参加者たちに聞いてみた。
すると「自分がなにをしたいのか知りたくて」(女性会社員)「なにか発見できるかもしれない気がして」(休職中女性)「なんとなく面白そうだから」(女性会社員)。それぞれの答えが返ってきた。
自分探しにも活用されるアートセラピー
ワークショップは4月22日早朝に開催された。就業前にすでにクレヨンで手が汚れても平気。みな無我夢中で手を動かしていた
アートセラピー(アートワークセラピー)とは、絵画を描く過程を通して、心をケアする心理学療法だ。といっても、堅苦しいものではない。参加者はクレヨンや色鉛筆を使い、真っ白な紙などに絵を描いていくだけ。絵には「自分とその周り」「大切なもの」などテーマに沿って描く場合と、テーマを決めない場合がある。
このワークショップは、イベント盛りだくさんの朝EXPOの一環で行われた。講師を務めたのは、クエスト総合研究所の柴崎千桂子さん。
セラピスト暦15年の柴崎さんは、「本来アートセラピーは、精神医療のフィールドで誕生したもの。この場合、患者にもよりますが、セラピー開始から数カ月~半年ほどである程度は心が回復します。(患者ではない)一般に開放しているワークショップの場合は、数回セラピーを受ければ十分です」と話す。
3枚目の絵に着手する参加者の佐藤康子さん(左)と、クレヨンだらけの佐藤さんの手(右)
セラピーを進んで受けに来るのは、普通「少しエネルギーダウンした人たち」だという。筆者が眠気覚めやらぬ早朝の会場で目にしたのは、絵を描くにつれ徐々にエネルギーに満ちていく参加者たちである。
就業前にすでにクレヨンで手や顔が汚れてしまったのも意に介さず、みな楽しそうに無我夢中で手を動かしている。なかには指示された2枚だけでは足らず、3枚の絵を描いた人もいたほどだ。柴崎さんによると、「絵を勉強している人や上手な人は構図を考えがち。知識がかえって邪魔してしまう」という。
セラピー終了後に「参加してみて、どうでしたか?」と参加者たちに尋ねたところ、「楽しかった」と異口同音の答えが、はつらつとした笑顔と一緒に返ってきた。開催時間わずか1時間にもかかわらず、心のエネルギーが充足したという点では即効性があるように筆者には見えた。
うつやコミュニケーション対策に、企業でも注目されだしたアートセラピー
セラピストを養成するクエストアートセラピー養成スクール校長も務める柴崎さんと、柴崎さんの描いた絵
「言葉を介さず、直接心の窓を開くのに大変有効だ」(柴崎さん)というアートセラピーは、「ここ1~2年で企業に導入されはじめている」。導入目的はさまざまだ。
例えばグループでセラピーを受けたある企業では、人間関係がギクシャクしていたグループの全員で、1点の絵を描いてもらった。すると仕事に対する価値観やビジョンがバラバラな上、このことに誰も気づいていなかったことが判明。
「そんなこと考えてたの?」と互いに驚き合ったという。さらに柴崎さんは、仕上げた絵をグループ全員の視界に入るところに飾るよう指示。「絵を見るたび、描いたとき一体になった感覚をよみがえらせる」のが目的だ。
このセラピーに要した時間は2時間。だがグループ内のコミュニケーション活性化と個々人のビジョンの擦り合わせには十分効果があったという。
企業セラピーの目的はこれだけではない。「今、ビジネスパーソンの4人に1人は、隠れうつだと言われていて、うつ予備軍が企業内にはたくさんいる」。クエスト総合研究所は今後、こうした隠れうつをアートセラピーで早期発見し、ストレスケアに役立てていく予定だという。また企業からのニーズを受け、同研究所では5月から企業へのセラピスト派遣サービスを開始したばかりだ。
企業も病院もNGな人にうってつけ、アートセラピーのワークショップ
同研究所をはじめ、現在はさまざまなアートセラピー団体がワークショップを開催している。ただ受講者が男性の場合は、最初は抵抗感を示す場合が多いという。というのも「女性に比べ男性は、理論で納得したものしか受け入れない思考型の傾向が強い」からだ。このため「最初は非言語のアートセラピーを懐疑的な目で見る人も少なくない」。さらに他人に弱みを見せたくない傾向が重なるので「初めから積極的に足を運ぶ男性がいない」のだという。
男性はパートナーの女性や企業に促されて、最初はいやいや受講するケースが多い。「もっと男性にも気軽に受講してほしい」と、柴崎氏。そのための配慮や対策を練っていく予定だ。
もしあなたの勤めている企業や、企業と提携している産業医や医療団体がアートセラピーを取り入れている場合は利用してみるのも手。ただ会社を通じて受けるのは抵抗感がある、または診療内科やクリニックに行くまでの一歩がどうしても踏み出せない――そんな人は、アートセラピーのワークショップに気軽に行ってみては?
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「診療内科」と書いて、本人も校正も誰も気が付かないのだから、驚く。多分、誰もまじめに読んでいない。記事のかたちにしたコマーシャルのようなものか。
プチうつが自分探しという、昔ながらの構図。
自分探し系は昔からあって、自己啓発セミナーで儲けたあと、新宗教に行き、そのあとまた衣替えしているようだ。
研究所とかセラピー団体とか経営者ならどんな経営になっているか、見当が付くだろう。
国家公務員の長期休職が急増
ストレスが原因? 国家公務員の長期休職が急増
病気やけがで長期間仕事を休む国家公務員が増えている。特にうつ病や総合失調症など、精神・行動の障害を患っている人が多く、休職期間も長期化傾向にあるようだ。人事院調べ。
数年前からストレスが起因の精神的な病に悩まされる人が多くなってきている。中でも職場のストレスからうつ病などの症状を訴えるビジネスパーソンは増えており、厚生労働省が2007年に発表した精神障害等の労災補償状況によると、請求件数は819件で前年度に比べ24.8%増加している。
また国家公務員で長期休職した人(2006年4月1日から2007年3月31日の間で1カ月以上、病気などの理由で勤務していない人)は2.04%で、5年前と比べ0.68ポイント増えていることが、人事院の調べで分かった。病気別で見ると、うつ病や統合失調症など「精神及び行動の障害」が最も多く、全休職者の63.0%。精神的な病を患っている人が増えていることについて、人事院では「長時間勤務やストレスが影響しているのではないか」と分析している。
長期病休者数及び長期病休者率の推移
休職が長期化傾向
年代別で見ると60歳以上の全ての年代で、「精神及び行動の障害」が最も多い。次いで20歳代では「妊娠、分娩」「損傷、中毒」、30歳代では「妊娠、分娩」「新生物」(がん並びに肉腫)、40歳代では「新生物」「損傷、中毒」、50歳代では「新生物」「循環器系の疾患」が多い。
長期休職の期間は「1カ月以上3カ月未満」が最も多く49.0%、次いで「3カ月以上6カ月未満」(21.7%)、「6カ月以上1年未満」(15.9%)、「1年以上2年未満」(9.4%)。「1カ月以上3カ月未満」が最も多かったが、「前回調査と比べると13.6ポイント減少しており、休職期間の長期化が認められる」(人事院)
メンタルへルス・マネジメント検定試験
職場での「心の健康管理」貢献に期待――「メンタルへルス・マネジメント検定試験」
2006年に誕生して以来、メンタルヘルス対策の一環として取り組む企業が増えているという「メンタルへルス・マネジメント検定試験」。その概要と活用実態を見てみよう。
2008年05月15日 13時50分 更新
多くの企業がメンタルヘルス対策の基盤としているのが、厚生労働省が提唱する「4つのケア」。4つのケアとは、社員個々によるケア(セルフケア)、管理監督者による部下へのケア(ラインケア)、社内保健スタッフによるケア、社外によるケアだ。
社内外の専門家によるケアはいいとしても、社員個々による「セルフケア」や管理監督者による「ラインケア」については、何をどこまでしていいのか分からないといった疑問もあるようだ。こうした背景やニーズを受けて誕生したのが「メンタルへルス・マネジメント検定試験」。メンタルヘルス対策の一環として取り組む企業も増えているという。
メンタルヘルスの不調を予防する環境作りを目指して
大阪商工会議所による「メンタルへルス・マネジメント検定試験」が初めて実施されたのは、2006年の10月8日。検定試験の立ち上げについて、大阪商工会議所の担当者は、「心の健康は、今や社会問題。当会議所では、4、5年前から何か企業に貢献できる対策はないかと模索していました。商工会議所は、簿記やそろばんなどビジネスに直結した検定試験を行っているので、メンタルヘルスに関する検定試験の実施を考えたのです」と話す。
「メンタルへルス・マネジメント」という新しいタイプの検定試験を企画するに当たり、検定の担当者たちは企業の人事労務担当者などにヒアリングして、ニーズの把握と確認をしたという。その結果、多くの担当者が「今まで努力してきたつもりだが、どのくらいケアできているか不安。習得度を測るものがほしい」と訴えた。
検定試験の目的は、従業員の心の不調を未然に防ぎ、健康を増進すること。そして企業や団体の各階層が、それぞれ必要なメンタルヘルスケアの知識や技能を習得するためのサポートだ。担当者によると、この検定はカウンセリングや治療といった、メンタル面のエキスパート育成を目的としたものではなく、心の健康のために持っておいてほしい知識を身に付けてもらうためのもの。その知識を心の健康を維持する企業の風土作りや、社内のコミュニケーションの活性化に生かしてもらうことが大切なポイントだとという。
検定試験は受験対象者のニーズに合わせ、経営幹部や人事労務担当者などを対象としたI種(マスターコース)、管理職・管理監督者のためのII種(ラインケアコース)、一般社員や新入社員のためのIII種(セルフケアコース)の3つがある。コースによってその目的や到達目標が明確にされているため、企業における職務や役割に応じて受験することができる。
種別 I種(マスターコース) II種(ラインケアコース) III種(セルフケアコース)
対象 人事労務担当・管理者、経営幹部 管理職、管理監督者 一般社員および新入社員
目的 社内のメンタルヘルス対策の推進
(事業所内ケア対策) 部門内、上司としての部下のメンタルヘルス推進
(ラインケア対策) 組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進
(セルフケア対策)
到達目標 自社の人事戦略・方針を踏まえた上で、メンタルヘルス計画、産業保健スタッフやほかの専門機関との連携、社員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる 部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に即した対応を行うことができる 自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気付き、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。
※試験日程や内容については、大阪商工会議所検定試験センター(TEL06-6944-6141)へ
大阪商工会議所では、各コース別に公式テキストを用意し、受験対策セミナーなども開催している。その内容は、産業保健や人事労務管理といった観点から構成されているのが特徴。精神医学、臨床心理学、労働法学、産業心理学、組織心理学をはじめとした広いジャンルからバランスよくアプローチをすることにより、体系的に学べるように工夫されているという。試験の合否は別として、受講するだけでも十分な知識が得られそうだ。
知識の輪の広がりがメンタルヘルスケアの基盤に
この検定試験は、定期的に全国の都市で実施する「公開試験」と、企業ごとに行う「団体特別試験」の2形式を採用している。公開試験は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7会場で実施。今年は横浜と高松でも開催するなど、今後も全国へと拡大していきそうだ。また、団体特別試験を検討する企業も増えているという。こうした数字の伸びは、メンタルヘルスケアに関する必要性の高まりと比例しているといっていいだろう。
注:I種試験は第1回、第3回のみ実施 ※資料提供:大阪商工会議
実際、メンタルヘルスケアの知識を高め、心の健康管理の一環としてこの検定を活用する企業は増加している。公開試験を例に取れば、受験申込数も検定スタート時から今年3月までのわずか1年半足らずで、1.5倍近くになっている。
「受験者数を増やすことは本来の目的ではないものの、うれしい数字です。これからもこの検定をメンタルヘルスへの関心を高めたり、勉強するきっかけにしてほしいですね。そして心の不調に悩む人を少しでも減らすことにつながれば、と考えています」と担当者。
増加する検定試験受験者の中でも目を引くのが、部下たちの心の病気や不調を予防したり、早く気付きサポートするラインケア(II種)の役割を担う管理職者たち。これは社内のメンタルヘルス・マネジメント能力の向上を目指し、企業が受験を奨励するケースが多いことも大きな要因だろう。合格すれば受験料は会社が負担する、奨励金を出すといったケースも珍しくないようだ。
また、職場全体の活性化などを目指し、III種の受験を奨励する企業も着実に増えている。今までストレスを自分だけで抱え込んでいた人も、メンタルヘルスケアの知識を持つと、人に相談できるようになるという。早期にSOS発信をしてもらえば、周囲はすぐサポートすることができる。この好循環は、企業にとって大きなメリットとなるだろう。
合格率は昨年秋に実施した検定試験の場合、II種、III種ともに、60%以上をマーク。ただI種は、難易度が高く約15%にとどまっている。
合格者が中心になり心のケアを充実させる
ところで、「メンタルへルス・マネジメント検定試験」の合格者たちはどのような活躍をしているのだろうか? 担当者によると、合格者の中でも特に各部署の管理職者たちは、日常業務の中で、そのメンタルヘルスに関する知識や技術を生かしているという。相手が相談しやすい雰囲気作りに貢献できるなど、多くのプラス効果があるようだ。さらに「検定」によってメンタルヘルス・マネジメントのスキルが裏付けされるので、合格者は自信を持ってケアができるというわけだ。これも、検定の大きな意義といえるだろう。
※資料提供:大阪商工会議所
こうした人材は、前述のように日常業務で自他のストレスに対処するほか、社内のメンタルヘルス対策の基盤を作るリーダー的存在として活躍するケースもある。いずれの場合も、日常業務の中で人的資源の活性化や労働生産性の向上に貢献する、明るい材料になっているようだ。
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簿記検定、漢字検定、エクセル検定、MS検定、そしてメンタル・ヘルス検定という。「社内のメンタルヘルス対策の基盤を作るリーダー的存在、日常業務の中で人的資源の活性化や労働生産性の向上に貢献」とまるで株価優等生のキャノンだ。
高齢化するひきこもり 40代以上も
“高齢化”するひきこもり 40代以上も 都への相談で判明
2008.5.5 23:08
このニュースのトピックス:メンタルヘルス
東京都が開設したひきこもり電話相談の対象者のうち、17%が40代以上で占められていることが5日、都青少年・治安対策本部の集計でわかった。都は15~34歳の若年者層を対象にひきこもり対策を進めているが、40代以上は「全く想定していない」(同対策本部)と困惑気味。対象者のうち30~40代以上と10~20代の割合も同じで、若年層に多いといわれるひきこもりが、実際には“高齢化”していることが浮き彫りとなっている。
都は昨年7月、ひきこもり専用の電話相談窓口を設置。今年3月までに本人や家族から寄せられた相談件数は延べ1190件で、このうち性別や居住地を申告して相談窓口の利用登録を行った対象者773人のうち、40代以上が17%、30代が29%、20代が34%、10代が12%(不明8%)だった。内容は「職場不適応」などが目立つという。
都は4月から不登校経験者や高校中退者を中心に全国初となるひきこもりを予防するための戸別訪問を実施、独自の「ひきこもり相談マニュアル」を作成するが、40代以上については「若年者層と同一にとらえることは不可能。今のところ対策は考えていないし、考えようがない」(同対策本部)と戸惑っている。
都が2月に発表したひきこもりの実態調査によると、都内のひきこもりは約2万5000人。調査対象者は「15歳以上34歳以下」で、35歳以上の統計は存在しないが、30~34歳が全体の43%を占めており、電話相談と同様に、若年層が多いという見方を覆す傾向が出ている。
実態調査をまとめた明星大人文学部の高塚雄介教授は「若年者層のひきこもりは心理的葛藤(かつとう)が主な理由だが、40代以上は精神疾患の可能性があり、全く別物。年長者のひきこもりは昔からあり、かつては山にこもるなどしていたが、現代では家庭にこもるしかないのでは」と指摘している。
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職場不適応と一方では言い、精神疾患と一方では言っている。
8人に1人うつ病・うつ状態の可能性
うつ病・うつ状態の可能性があるのは、約8人に1人
うつ病の可能性がある人で、実際に病院で受診した人はどれだけいるのだろうか? これまでに医療機関で受診したことがある人は3割以下と、受診率の低さが明らかになった。ファイザー調べ。
2008年05月16日 17時28分 更新
就職や人事異動といった環境変化になんとなく対応できず、無気力になったり、精神的に落ち込んだりする人もいるだろう。WHO(世界保健機関)の調査によると、日本では約15人に1人が生涯に1度はうつ病を経験するという。
製薬会社のファイザーは「うつ質問票」を活用して、うつ病に関する実態調査を実施したところ、調査対象者4000人のうち、約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性であることが分かった。うつ病・うつ状態に該当した人(486人)で、医療機関を受診したことがある人は24%と、医師へ相談している人が少ないことがうかがえた。
インターネットによる調査で、12歳以上の4000人がうつ質問票に回答した。調査期間は2月7日から2月16日まで。
うつ質問票(クリックして拡大)(出典:ファイザー)
周囲の助言が受診の後押しに
うつ病・うつ状態に該当した人で、医療機関を受診したきっかけは「自分で決めた」が91%で圧倒的に多く、次いで「家族に相談して決めた」が10%、「友人・知人に相談して判断」が3%。「うつ病については周囲に相談しづらいという意識もあり、自分だけで判断してしまう人が多いようだ」(ファイザー)
家族や友人などに相談した人の83%は、医療機関を受診しているが、自分で判断した人は15%しか受診していない。鳥取大学医学部の中込和幸教授は「うつ病は、医師の指導下での早期発見・早期治療が重要な病気。変調を感じたら、まずは医療機関を受診して、治療を開始するのが最善の方法」としている。
医療機関の受診について、誰かに相談したか? (出典:ファイザー)
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ふむふむ。
あれもこれも鬱病
野村総一郎著『うつ病の真実』(日本評論社・1785円)
心の病、鬱(うつ)病への関心が社会全体で高まっている。勉強や仕事に何となく身が入らないユウウツな精神状態から、職場でのいじめ(パワーハラスメント)を苦に自殺に追い込まれる深刻な事態までケースは多岐にわたる。
「一般にはおろか、専門医ですら鬱病の概念があいまいなため、『あれもこれも鬱病』といった誤解や思い込みで、安易な診断がなされることも多い。患者の3割以上が慢性化して治りにくいのが現状です」と著者は警告する。
本書では、鬱病を体系的にとらえ直し、正確な診断、治療に役立てる指針を与えてくれる。例えば、鬱病が初めて学問的にとらえられたのは、紀元前5世紀ごろの古代ギリシャだといわれている。哲学者、アリストテレスが“鬱病の研究の開祖”とも呼ばれているほど、その歴史は古い。近年のストレス社会のひずみの産物ではないのだ。
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という紹介。
アリストテレスを持ち出して、
うつ病の概念がはっきりするものかどうか、よく分からない。
朝青龍の「解離性障害」と雅子さまの「適応障害」は何が違うの?
ついでにこんなタイトルの記事も書かれている。
みんな分かっているのだから言わないのだと思うけれど、
敢えてこんな高級なことを言っているのは、
何か意図があるのだろうか?
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朝青龍の「解離性障害」と雅子さまの「適応障害」は何が違うの?
2008年の大相撲初場所で、横綱・朝青龍が三場所ぶりに復帰した。ニュース報道などを見る限り、精神状態や体調に大きな問題はなさそうだ。2日目こそ負けたものの、この原稿を書いている2008年1月24日現在、10勝1敗という成績。さすがに2場所連続で欠場したため従来の切れ味には欠けるという指摘もあったが、それでも勝つためにはかなりの集中力、精神力が必要なことは素人の私でも想像できる。ということは、昨年の夏以降、モンゴルでの療養が必要なほど不安定になった精神状態も、もうかなり落ち着きを取り戻したということになるのだろうか。
昨年の8月に、朝青龍は「解離性障害」と診断された。聞きなれない病名だが、この心の病はそんなに早く回復するものなの?と素朴な疑問がわいた。それに、そもそも解離性障害とはどんな症状を伴う病気なのだろう。ストレスによるうつ病とは全然違うのだろうか。私の身近にもうつに悩んでいる人はいる。だが、みんなそんなに早くは(例えば半年とか)、以前の元気な状態には戻れていないように見える。
そういえば皇太子妃雅子さまの病状も、(あくまでマスコミの情報から想像する限り)今でも一進一退という感じだ。雅子さまは帯状疱疹(ほうしん)の発症をきっかけに、2003年12月から長期の療養に入られた。「適応障害」との病名が公表されたのは2004年7月なので、少なくともそれから3年は経っている。何らかのストレスが原因という点では共通するのかもしれないが、これらだけから推測しても、解離性障害は、適応障害やうつ病とは違っていそうだ。
そこで適応障害と解離性障害について、知り合いの精神科医に何気に尋ねたところ、「それは全然違うよ」と一蹴された。まず適応障害だが、あまりなじみのない病名のように思われたが、実はかなりポピュラーな病状であり、職場のストレスで社員がかかるのは、うつ病か適応障害が多いのだそうだ。
一読を勧められた一般向けの解説書では、適応障害は、「入学、就職、結婚、病気、事件などのはっきりとしたストレス因子によってうつ状態や不安状態、攻撃的な行動などが引き起こされるもの」とされている。つまり適応障害は、明らかなストレス要因があり、それに対する直接的な反応として精神的に具合が悪くなっているというもので、原因に基づくおおまかな診断名と考えたら分かりやすいそうだ。
一方、解離性障害だが、こちらは適応障害とは違って症状を基に病名が付けられている。簡単にいえば、「わたしはだれ、ここはどこ?」状態になってしまうのが解離性障害で、例えば『24人のビリー・ミリガン』で有名な多重人格もこの特殊なタイプなのだそうだ。
解説書によれば、解離性障害とは「こころのまとまりや連続性に支障をきたした状態」であり、患者さん自身が最もよく体験するのは「空白の時間」だとされている。空白の時間とは、その間の記憶が途切れていて、自分がいったい何をしていたのか思い出せないという状況だ(つまり、「わたしはだれ、ここはどこ?」状態というわけ)。
しかし、私たちだって、何かすごくショックなことがあれば、茫然自失となって、その間の記憶が途切れることもあるではないか…とも思ったが、解離性障害のそれは、ど忘れとか物忘れといった水準を超えたものであり、その間も患者さんは比較的まとまった行動をとっているため、「周囲の人は、患者さんが解離状態にあることを気づかないこともしばしばある」のだそうだ。実際、自分が知らない間に友達が増えていた、なんてケースもあるらしい。したがって、解離性障害は適応障害と比べて、割と珍しい病状なのだそうだ。
なお、解説書によると、解離性障害の原因としては、すべての人に当てはまるわけではないが、精神的に外傷的な出来事、特に子供のころに虐待を受けた体験が原因として重要であるといわれている。また、世界保健機関 (WHO)による国際疾病分類の「ICD-10」では、「解離性障害の全てのタイプは数週間ないしは数カ月後には寛解する傾向があり、発症が外傷的な生活上の出来事と関連しているならばとりわけそうである」とされている。ということは、解離性障害と診断された人が、早期に回復しても違和感はないということになるのだろう。
私は精神科領域の専門家ではないし、もし専門家であったとしても直接診療したわけでもないので、特定の人の診断や病状についてコメントすることはできない。ただ一般的にいえば、適応障害の場合は、はっきりとしたストレスが原因なので、そのストレス因子がなくならない限り、病状がすぐに好転することを期待するのは難しいようだ。また、今回、適応障害とうつ病との違いも気になったが、聞くところによると、うつ病はストレスなどが原因で発症することもあれば、明らかな原因がなくても起こることがあるのだそうだ。ここでは詳しくは述べないが、適応障害からうつ病になることはあっても、両者は異なるものということだ。
さて、最後に自戒も込めて、ある精神科医からいただいたコメントを一つ付け加えておく。「何ごとも“精神医学化”されて病名がついてマスコミで語られる、という最近の世相に注意すべし…」。
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結局、何が言いたいのか、わたしにはよく分からないのだが。
表面的には分かるとしても。
一般の人たちはこのような記事を手がかりに病気の事を考えていると思うので、
なおさら分からなくなるのではないかと思う。
余計なおせっかいだと思うが。
「うつ病」と「適応障害」はどこが違うの?
「うつ病」と「適応障害」はどこが違うの? というタイトルの記事を読んだのだが、
まったくもってよく分からない。
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IT系職場には、「うつ病」に悩む人が少なくないという話はよく聞くが、専門家によれば、実は「適応障害」も多いのだそうだ。むしろ、「適応障害と診断されるケースの方が多いのではないか」と話す医師もいるくらいだ。それほどポピュラーな病気のようだが、うつ病という言葉はよく知っていても、適応障害の病名については、皇太子妃の雅子さまに関する報道で初めて耳にした人もいるのではないだろうか。前回は、「解離性障害」と「適応障害」の違いについて取り上げたが、その後、「適応障害とうつ病の違いについて知りたい」という読者からのご意見もいただいたので、今回はこの両者の違いについて取り上げてみることにする。
まず適応障害だが、前回も述べたようにこの病気は、「入学、就職、結婚、病気、事件などのはっきりとしたストレス因子によって、うつ状態や不安状態、攻撃的な行動などが引き起こされるもの」とされている。つまり、明らかなストレス要因があり、それに対する直接的な反応として、精神的に具合が悪くなっている状態が適応障害というわけだ。このため、心の状態を回復させるには、原因となっているストレス因子を取り除くことが必要とされる。なお適応障害では、原因となるストレスが始まってから3カ月以内に症状が出現するが、ストレス因子がなくなると、6カ月以内に症状は軽快するという。
一方、うつ病は、「特にはっきりした体の病気もないのに、体も心も調子が悪く、日常生活に支障をきたす病気」とされる。またうつ病は、ストレスにさらされれば誰でもなる可能性があるため、「心の風邪」とも言われている。このようにストレスがきっかけとなって発症することが多い点では適応障害と似ているが、原因が明らかでなくても起こることがあるという点で異なる。さらにうつ病の場合、脳の中の感情を生む場所である大脳辺縁系などに障害が起きて、感情がうまく働かなくなっていることが分かっている。つまり、心の状態を回復させるには、発症のきっかけとなったストレスを取り除くだけではだめで、脳の中で障害が起きている部分を治すための治療、つまり「抗うつ薬」と「休養」が必要とされている。
しかし、ここで疑問に思ったのは、うつ病は誰でも感じることがある“ゆううつ”の程度がひどくなった病気というが、適応障害もストレスに対してうつ状態や不安状態が引き起こされるものなのだから、両者の区別は難しくないのかということだ。例えば職場に嫌な上司がいて、そのストレスで調子が悪くなった人の場合、「うつ病」なのか「適応障害」なのかはどう見分けるのだろう? もし異動になって嫌な上司から離れることができた場合、元気になった人は適応障害で、それでも不調が続く人はうつ病? ならば適応障害は、脳に機能的な変化がまだ起きていない、うつ病の前段階、あるいは軽い状態とも言えそうだが…。
専門家に聞いてみたところ、うつ病と適応障害の区別は、実はそれほど明確ではないのだそうだ。うつ病の診断には米国精神医学会によるDSM-IV(精神疾患の診断と分類の手引き)などの診断基準がよく用いられるが、外来では、うつ病と診断されないメンタルヘルスの不調に関しては、適応障害にあてはめられることも多いのだという。ただ、適応障害の場合、少なくとも本人にとって、かなり強いストレス要因があることが前提となっている。またうつ病は心の問題と捉えられがちだが、食欲がない、眠れない、体が動かない――など、実際は体全体の調子が悪くなる病気だ。これに比べると適応障害の方は、一見、割としっかりしているように見えるのだそうだ。
IT系職場にうつ病や適応障害が多い理由には、労働時間が長い、トラブル対応・納期・客先対応などへのストレスが常にかかるといった労働環境の問題のほかに、会話が少なくメールばかり打っている、パソコン画面を長時間見続けることによる目の疲労や肩こり、運動不足などの物理環境の問題もあるという。「“適応障害”か“うつ病” かといった病名にはそれほど神経質になる必要はない。いずれにしても、まず自分の具合が悪くなっていることに気づくこと。そして、家族や友人、同僚など誰でもよいから、周囲の人に自分の不調について相談することが大切だ」と専門家はアドバイスする。
うつ病の治療では“休養”が最も重要とされるが、休養が必要なのは、大脳辺縁系に不調をきたすような、過剰な心身の疲労が続く職場環境や対人関係などからできるだけフリーにするためと考えてもいいだろう。抗うつ薬も休養と組み合わせないと効果はあがらない。とにかく疲れを無視しないように、そして自分だけでストレスを抱え込まないように――ということだ。
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分からないでしょう?
テレビ局 それを認可する役所
新聞での編集権
それは巨大な権力である
みんなで見守る必要がある
たとえば
テレビ局の電波割り当ての見直しは、
現在あるものの自動更新制ではなく、
二年ごとくらいに一度切れるようになっていて、
再度認可するのだという話を聞いた。
うっかり放置すれば
認可されないわけで、
例えば、自動更新定期なら放置しておけばまた定期になるが、
一度ぽっきりの定期だと、手続きをしないと普通預金になってしまう感じに似ている。
その点では、許認可権を握っている役所は強くて、
気に入らなければ、はんこを押さないだけでいいのだ。
ちょっと担当が席をはずしていて……で延ばしてしまえる。
そのことで微妙に権力が発生し、
遠慮が発生する。
役所が決めたことに逆らえるはずがない。
でも、電波がいつから国のものになったのか、プロセスがはっきりしない。
地震 四川省成都を悼む
四川省成都を悼む
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先日、中央線が止まってしまい、いろいろなことがばれたようだった。
どうしてそんな時間にそんな場所にいるのよ?
今回の地震でもいろいろなことがばれただろうと思う。
地震が不幸な運命の始まりという人もいるだろうと思う。
その点でも、悼む。
新橋ランチ弁当500円
カキフライランチが700円、
お弁当で持って帰れば、200円引きという。
200円も安いのは不思議と思いつつ、買ってみる。
店は、ビルの地下一階、壁には海底のような図柄、青い。あまりにも青い。
しばらく待つ。油であげる音がしている。冷凍食品をあげているのだろう。
ボーズのスピーカーが鳴っている。
聞いていると中国語だ。地震があったものなあ、大変だなあ。
しぱらくして、500円を払って、持ち帰る。
コンビニ弁当とあまり変わらないけれど、
できたては確かだ。
ご飯も暖かい。
どうして200円引きなのだろう。
キャベツの量などが違うのだろうか。
皿を洗うよりも安いのだろうか。
店には誰もいなかった。
満員ならば弁当を安くして販売するのも分かるけれど。
たぶん、今後満員になる予定なのだろう。
SSRIによる射精遅延について
SSRIは何種類かあるが、
体質によっては、どれかの薬で、
またはすべての薬で、男性の射精の遅延が起こることがある。
男性の場合、性機能障害として、
もっと微妙ないろいろなこともあるが、
分かりやすいのは、
勃起しない、中折れする、射精しないなどである。
原因は、うつそのもの、うつの薬、うつとは関係なしに年齢的なもの、心理的なもの、などがある。
その中で、抗うつ剤が原因になるものは
比較的分かりやすく、
薬を飲み始めたら機能障害が起こり、
薬を減らすと少しよくなるという具合だ。
性機能障害も長引くと、
人生全般に積極性がなくなったり、
夫婦関係がこれまでとは違ったようなものになったりして、
いろいろと具合が悪い。
勃起不全と中折れは、EDの薬で対処できる。
また、うつから回復すれば、楽にできるようになる。
射精遅延については、
むしろそのくらいがちょうどいいという人もいるくらいなのだが、
妊娠を希望している場合には、対処が必要である。
多くは薬剤を減量してみるか、変更してみるかで解決する場合が多い。
ただ、射精遅延がいやだから、抗うつ剤をやめてしまうのは危険で、
そんな乱暴なことはしない方がいい。
排卵日周辺の何日かを調整すれば足りるだろう。
薬を飲み続けることによる変化
たとえば上の図で、
最初に薬を飲んだときは、
効果がAで出て、副作用がBで出たとする。
治療好適範囲はA→Bの間で、狭い。
くすりを飲み続けていると、
赤い曲線から
黒い曲線に変が起こったとする。
治療好適範囲はC→Dに拡大している。
こうなると薬の調整はしやすい。
慢性疲労症候群 新診断指針
1.慢性疲労症候群(CFS:chronic fatigue syndrome)の新診断指針について。
うつ病の扱いについて、これまでの診断基準では「心身症、神経症、反応性うつ病などは慢性疲労症候群発症に先行して発症した症例は除外するが、同時または後に発現した例は除外しない」とされていた。新診断指針ではこの規定が削除され、発症時期の判定は不要になった。具体的には、双極性障害と精神病性うつ病は除外するが、心身症、神経症、反応性うつ病などは発症の時期にかかわらず、慢性疲労症候群との並存を認める。
また、「特発性慢性疲労」(ICF:idiopathic chronic fatigue)という疾患概念が提案された。特発性慢性疲労とは、慢性疲労症候群とは診断できないが、慢性疲労の病態は認められるもので、今後、慢性疲労症候群に移行するかもしれない状態である。
2.治療
慢性疲労症候群の患者は働きたくても働けない。まず、治療が必要な病気であることを認識してもらい、必要なら休養もとる。
薬剤は漢方薬(補中益気湯など)、ビタミン剤(ビタミンC、ビタミンB)、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、三環系抗うつ薬を使う。精神療法としては、認知療法などを施行し、一方で、職場環境の調整を行う。
*****
2008-5-10追記
CFS 診断指針 [抄] (平成19年 日本疲労学会)
6か月以上持続する原因不明の全身倦怠感を訴える患者が,下記の前提I,II,IIIを満たした時,臨床的にCFSが疑われる。確定診断を得るためには,さらに感染・免疫系検査,神経・内分泌・代謝系検査を行うことが望ましいが,現在のところCFSに特異的検査異常はなく,臨床的CFSをもって「慢性疲労症候群」と診断する。
〔前提I〕
病歴,身体診察,臨床検査を精確に行い,慢性疲労をきたす疾患を除外する。ただし,抗アレルギー薬などの長期服用者とBMIが40を超える肥満者に対しては,当該病態が改善し,慢性疲労との因果関係が明確になるまで,CFSの診断を保留し,経過観察する。また,気分障害(双極性障害,精神病性うつ病を除く),不安障害,身体表現性障害,線維筋痛症は併存疾患として扱う。
〔前提II〕
〔前提I〕の検索によっても慢性疲労の原因が不明で,以下の4項目を満たす。
(1)この全身倦怠感は新しく発症したものであり,急激に始まった。
(2)十分休養をとっても回復しない。
(3)現在行っている仕事や生活習慣のせいではない。
(4)日常の生活活動が発症前に比べて50%以下になっている。あるいは疲労感のため,月に数日は社会生活や仕事ができず休んでいる。
〔前提III〕
以下の自覚症状と他覚的所見10項目のうち5項目以上を認める。
(1) 労作後疲労感(労作後休んでも24時間以上続く),
(2) 筋肉痛,
(3) 多発性関節痛(腫脹はない),
(4) 頭痛,
(5) 咽頭痛,
(6) 睡眠障害(不眠,過眠,睡眠相遅延),
(7) 思考力・集中力低下,
(8) 微熱,
(9) 頚部リンパ節腫脹(明らかに病的腫脹と考えられる場合),
(10)筋力低下
((8)(9)(10)の他覚的所見は,医師が少なくとも1か月以上の間隔をおいて2回認めること)。
※文献 2007年9月3日発行 週刊医学界新聞 第2746号より一部抜粋
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関係ありそうなのは次のような状態。
■ ウィルス説
■ マイコプラズマ説
■ 精神神経的機能性疾患
■ 免疫異常
■ 内分泌異常
■ 特殊タンパク質
■ 遺伝子
□ EB(エプスタイン バー)ウィルス(EBV)
□ BDV(ボルナ病)
□ HHV6・7・8(ヒトヘルペスウィルス)
□ コクシエラ菌
□ パルボウィルスB19
□ クラミジア
□ シガテラ毒
□ 胃内部のエンテロウィルス
・そのほか
□ NK(ナチュラルキラー細胞) 活性
□ 血中免疫複合体
□ 抗核抗体
□ アシルカルニチン・アセチルカルニチン(ACR)
□ TGF-β
□ IL(インターロイキン)
□ ストレスバロメーター
□ DHEA-S・DHAS
□ 脳血流量
□ 活性酸素
□ 神経幹細胞
● CFS/CFIDS米/ME(英) 関係が提唱されている症候群など(除外疾患を含む)
□ 慢性疲労症候群疑診………… (PFS)
□ 繊維筋痛症候群……………… (FMS)
□ [米国] 湾岸戦争症候群…… (GWS)
□ 自己免疫性疲労症候群……… (AIFS)
□ Q熱感染後疲労症候群 ……… (QFS)
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□ 起立性調節障害 ………………(POTS)
□ 低髄液圧症候群(脳髄液減少症)
□ シェーグレン症候群
□ 多発性硬化症 …………………(MS)
□ 化学物質過敏症 ………………(MCS)
□ 睡眠時無呼吸症候群 …………(SAS)
□ オーバートレーニング症候群
□ 睡眠障害
□ アレルギー(アトピー性皮膚炎・花粉症など)
□ 胃食道逆流症 …………………(GERD)
□ 耳管狭窄 (BUTS症候群)
□ そのほか
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[A領域]
◎ 薬物療法
・ビタミン療法
・免疫増強剤 抗ウィルス剤 抗菌剤 ・向精神薬など
・ホルモン補充療法 ・ACR補充療法
・ ステロイド療法 ・補酵素補充療法
◎ 漢方療法
◎ 自律神経回復療法
◎ 運動療法
◎ 認知行動療法…………(CBT)
◎ 有酸素運動療法
◎ 光治療
◎ カウンセリング
◎ そのほか
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[C領域] フードサイエンス
○ サプリメント療法(抗疲労食品・栄養補助食品)
特定保健用食品(分子栄養学)
日本系/海外系
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[A-D/D-A領域]
◎ 絶食療法・断食療法・食餌療法
◎ 温熱療法 (低温サウナ療法)・温泉療法
◎ 芳香療法 (アロマテラピー)・森林セラピー(森林浴)
◎ 歯科 アマルガム(水銀化合物) -不定愁訴〔含慢性疲労)原因説
◎ 歯科 顎関節症〔噛み合わせ不適合)-不定愁訴原因説
◎ 耳鼻咽喉科-耳管通気
◎ そのほか
最適な血圧コントロールが必要
最適血圧(120/80mmHg未満)が60歳~69歳の患者における最良の認知能力と関連していた一方、75歳~79歳の高血圧前症患者および80歳以上の中等度高血圧患者で最も良好な認知能力が認められた。
J Am Geriatr Soc 2008;56:501-509.
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結局、最適な血圧コントロールが必要というのだけれど、なにが結局なのかよく分からない。
米国女性でよくみられる産後の抑うつ状態(PDS)
授乳のことがあるので薬が使いにくい。
しかしひどい場合になると無理心中のようなこともある。
全ての州において、母親が若いこと、低学歴であること、出産のためにメディケイドの給付金を受給していることがPDSと相関していた。データが入手できた16州中13州において、非ヒスパニック系白人女性は他の民族性の女性よりPDSにかかる可能性が低かった。
アフリカ系米国人およびラテン系米国人のアルツハイマー病患者は白人の同疾患患者より生存期間が長い
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ということはDNAの話ということになる。知能が高いほど発症年齢は遅く進行は速いとの報告がある。そのことと微妙に関係しているかも知れない。
自己免疫障害に誘発されることの多い若年性認知症
17歳から45歳までの間に認知症の発症が見られ、精神的外傷またはベースライン時の脳障害、精神遅滞と関連のない患者をMayo Clinicのデータベースの中から検索した。彼らは1996年から2006年までの間に治療を受けていた235名の患者を特定した。認知症の発症年齢は34.7歳(平均)であった。
多発性硬化症を含む自己免疫や炎症が病因の21.2%を占めていた。先天性の代謝異常は10.6%で特定された。
認知症は若い患者に発症する危険性があり、実際に発症しているという認識を高めることが重要である
その中で原因として自己免疫疾患や炎症性疾患が多い割合を占めているらしい。
若い患者の症状は多くの精神病の特徴を伴う神経精神医学的な要素が強い。これらの患者は統合失調症などの精神障害と誤診されることがある。
認知症の若年発症の原因は高齢者の認知症と比べて遺伝性であることが多い。
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こうした視点も昔からある。
しかし明確な因果関係は分かっていない。
むしろ、ステロイド剤の副作用としての報告が多い。
若い頃から病院で過ごしたり、
薬剤を使ったり、
何かの手技のときに、
何かに感染したのではないかとの推定もあるだろう。
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狼瘡や代謝障害、ハンチントン舞踏病と若年性痴呆症との関係にも軽く言及しているが、
狼瘡とはLupusつまりSLEだろうが、自動翻訳ではこのように出るのだろうか。
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認知症だけではなくて、気分障害も、性格障害も、体験によれば、ある。
やはり因果関係は不明。
ホルモン療法は認知症のリスクに影響を及ぼさない
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高齢になって認知症になるので、性ホルモンの減少が関係しているのではないか、
だとすれば、何かの理由で性ホルモンを使用している高齢者は、
認知症になりにくいのか、
と調査したら、そんなことはないとの結論。
よいことも悪いこともしていないらしい。
レム睡眠行動障害(RBD)はパーキンソン病およびレヴィー小体認知症と関係か?
とするレポートがあり、
レム睡眠行動障害(RBD)をリスク因子と想定した場合の統計処理なのだが、
不安、無気力およびRBDの間には有意な関係が存在していたが、RBDと抑うつ状態の間には有意な関連性がなかった。
RBDはパーキンソン病およびレヴィー小体認知症と関連している可能性がある。
一部の患者はレボドパに反応する。
クロナゼパムは多くの患者において非常に効果的。
一般大衆薬のメラトニンは約半数の患者で効果がある。
それでもなお患者らは夢を見るが、
暴力的な悪夢を見る人数は減少している。
とのこと。
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近い関係なのか遠い関係なのか不明。
メカニズム不明。
Soft bipolarity
それはBipolarの可能性を示唆するし、
性格障害に見えるものの背景に潜伏するBipolarを示唆する。
Soft Bipolarityを確認したら、まず気分安定剤から入る。
最初にSSRIやSNRIではない。
Bipolar Spectrum
健常ーsubclinicalーsubaffictive dysthymiaーcyclothymiaーbipolar Ⅱ
など。
STD(性行為感染症 Sexually Transmitted Disease )
STD(性行為感染症 Sexually Transmitted Disease )。感染予防には、コンドームの利用が効果的である。
クラミジア
若い女性を中心に最も増えているSTD。他のSTDと違って、症状が出にくいため、気づかないまま過ごしてしまい、炎症が卵管にまで進んでしまうケースもある。クラミジアに感染したまま放っておくと不妊の原因にもなり、またHIVに感染する確率も高くなる。
性器ヘルペス
感染しても、症状が出ないことが多いが、初感染で症状が出ると、ひどい痛み熱、発疹など強い症状が出る。一度感染すると完治せず、抵抗力が落ちたりすると再発する。
淋病
おりものの増加や性器のかゆみが出ることもあるが、クラミジアと同様に、気づかないこともおおく、放っておくと、子宮頸管や卵管などに炎症が進んでしまい、不妊の原因にもなる。
その他STDを一覧してみると、
単純ヘルペスウイルス(性器ヘルペス)
ヒト乳頭腫ウイルス(尖圭コンジローマ、子宮頚癌につながる)
B型肝炎
C型肝炎(STDの定義に該当するか議論がある)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV、エイズ)
成人T細胞白血病(HTLV)
サイトメガロウイルス感染症
伝染性軟属腫(水イボ)
梅毒
性器クラミジア感染症(鼠径リンパ肉芽腫症)
淋病(淋菌感染症)
軟性下疳
カンジダ、口腔カンジダ症
トリコモナス原虫による感染症
アメーバ赤痢
毛じらみ症
疥癬、白癬